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コウモリが葉に隠れた餌を見つける超音波の秘術+プロペラ夜戦たち

コウモリが葉に隠れた餌を見つける超音波の秘術
+プロペラ夜戦たち
~ まるでコウモリ版SLAR(サイドルッキングレーダー) ~

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コウモリのSLAR
(コウモリのSLAR)
葉っぱを鏡にして餌を見つけるコウモリSLAR
コウモリ(一部の)は葉っぱや水面を鏡代わりにして止まっている餌でも見つけて捕えるそうで、その秘術(テク)はヒコーキが地上目標を捉えるSLAR(側方監視レーダー)みたいです。
コウモリの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ハエもコウモリも空戦機動で天井に着地する+パリ郊外エアショーの複葉機たち
蛾はひらひら翅をデコイ(囮)にしてコウモリをかわす+DH.タイガーモスとモスキート
コウモリってスゴイんだかドジなんだかでもベストセラー動物 +パリの夜





黒衣のデファイアントNFII downsize
(黒衣のデファイアントNFII夜戦;ロンドンRAF博物館)
暗闇の狩人、レーダー夜戦
暗闇の狩りつながりでレーダーの目で敵機を追ったプロペラ夜戦、ボーファイター、デファイアント、Bf110 ,Ju88などのフォトを少し添えています(なぜモスキート夜戦じゃないの?って、だって博物館で会ってないもん)。
ボーファイターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
Beauよ君はホントに戦闘機か 後編 いえ空のインディ・ジョーンズ
Beauよ君はホントに戦闘機か 前編 なんせ間に合わせなもんで


レーダーを無力化するグラウンドクラッター
ちょっと前までの航空機攻撃に低空侵入と言う戦術がありました、モスキートやバッカニアが有名ですね。なぜ低空侵入なのか?レーダー、特に、その運用初期では、地上や海面などからのレーダー波反射の背景雑音、所謂、グラウンドクラッターが目標を隠すため侵入機を発見出来なかったからだそうです。

夜のカマキリかレーダー装備のBf110downsize
(夜のカマキリか、レーダー装備のBf110G型?;RAF博物館)
超音波レーダーで餌を捕えるコウモリ
コウモリが暗闇を飛び回って空中の餌を捕えられるのは、レーダーのように超音波を照射し障害物や餌からの反射を感知することで「見ている」からです。

止まっている餌は背景のノイズに隠れる
でももし、餌の虫が樹や草の葉などに止まっていたら?樹木や草花からの超音波反射の背景ノイズに隠れてしまうのではないか(グラウンドクラッターのように)?と考えられていました。

ノイズに隠れた餌を見つけるコウモリの秘術
しかし、コミミナガヘラコウモリ(Micronycteris microtis)など、いく種かのコウモリは止まっている餌でもうまく見つけて捕えます。でもどうやって?長らくナゾだったそうです。

F7Fタイガーキャット
(F7Fタイガーキャット、朝鮮戦争では夜戦で活躍;ケンブリッジ郊外のIWM博物館)
モデル実験をやってみたら
そこで出典著者のInga Geipel氏らは、コウモリは斜めから超音波照射してるんじゃないか?と予測しモデル実験で斜め照射の最適角度(60度)を割り出しました。

マイクと3Dカメラでコウモリを追うと・・
次に出典著者のGeipel氏らは、実際にコミミナガヘラコウモリが暗闇の中で葉の上の餌を超音波で見つける飛行を3Dカメラで追い、超音波照射を高性能マイクで記録しました。

デファイアントとフィギュアーたちdownsize
(デファイアントとRAF博物館名物1/1フィギュアーたち、動力砲座がチャームポイント)
斜め最適角度で葉の上の餌を浮かび上がらせる
するとコウモリは、モデル実験で得られた最適な照射角度と同じ角度(60度)の斜めから超音波を照射して葉に止まった餌を見つけました。

グラウンドクラッターを避ける
この最適角度の超音波照射なら、1)平らな葉っぱから反射は来ない(暗く見える)、2)葉っぱの上の凸凹である餌の虫からのみ反射が返る(暗闇に白く浮かび上がる)ので“グラウンドクラッター”を避けて餌を浮かび上がらせ捉えるわけです。

葉を反射板にして餌を見つける秘術
更にコウモリは葉っぱを反射板にして、つまり鏡のように使って餌の姿をよりはっきり「見る」ことが出来るようです。

水面ならきれいな鏡になる
水面に止まっている餌なら水面はよりきれいな鏡になりますから、餌は更に鮮やかに浮かび上がるはずです。

夜戦型Ju88R型downsize
(夜戦型Ju88R型;RAF博物館、不鮮明な写真ですみません)
ガラス窓が見えないコウモリが激突!
バードストライクならぬバットストライクが問題になっています。高層ビルのガラス窓に夜間コウモリが激突してしまうのです。

人工物では超音波ハイテクが裏目に・・・
え、超音波なら夜でも見えるはずじゃないの?いえ、垂直で真っ平な構造は自然界にはありません。コウモリの超音波照射では(真っ正面でもない限り)ガラス窓から反射が帰ってこない=「何もない」のでコウモリはそのまま突っ込んでしまうからです。進化が産んだコウモリのハイテクも人工的な環境では裏目に出てしまうようです。

コウモリ版のSLAR(サイドルッキングレーダー)
サイドルッキングレーダー、SLAR (side looking airborne radar、側方監視レーダー)は地表に向かって斜め長軸方向に指向性の高いレーダー波(電磁波)を照射、スキャンして地形の凹凸や車両(これも凹凸)などを捉えますが、コウモリが斜めからの超音波で餌をあぶりだすテクはまさにコウモリ版SLARですね。
生き物は最新鋭軍用機のハイテクもとっくの昔から使っていたわけで生き物ってスゴイですね。


出典:”Bats Actively Use Leaves as Specular Reflectors to Detect Acoustically Camouflaged Prey” Inga Geipel et al. Current Biology Volume 29, Issue 16, 19 August 2019, Pages 2731-2736 DOI:https://doi.org/10.1016/j.cub.2019
出典:日経サイエンス2020年2月号NEWS SCAN P.25「コウモリの巧みな音響探知戦略」
出典:weblio記事「SLAR」 https://www.weblio.jp/content/SLAR


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パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
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氷河の盛衰を無言で語るザトウムシ+フランスアルプスの街ヴァルトランス

氷河の盛衰を無言で語るザトウムシ
+フランスアルプスの街ヴァルトランス

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LGM最前線を示すザトウムシREV
(LGM最前線を示すザトウムシ)
洞窟に棲む虫の分布で氷河の消長が分かる
洞窟に棲む生き物の生息地をたどると前進と後退を繰り返してきた氷河の消長が分かるのだそうです。出典著者のStefano Mammola氏らはアルプスの洞窟に棲むザトウムシの分布が氷河の最前線(氷河先端部)を示していることを明らかにしました。




ザトウムシは後退する氷河を追って前進した
(ザトウムシは後退する氷河を追って前進した)
冷涼な環境が好きな穴居性の虫
洞窟は冷涼で温湿度など環境条件が季節や年次を経てもあまり変わりません。そして洞窟に棲む穴居性の生き物はこのような変動の少ない環境条件を好む生き物です。
氷河や気候と生き物の関わりの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
雲を作って地球を冷やす小っちゃな藻Eハックスレイ南ブルターニュベルイル
絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー
豊かな日本の自然を育む日本海は気候変動のカナリアです(+サイパン、ハワイの海辺)
気孔に気候の話を聞こう:葉っぱものがたりその3
1つのキノコが地球の歴史を変えた+北仏ノルマンディー再び
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ


出典掲載のザトウムシ
(出典掲載のザトウムシ; 小さな胴体に長~い脚が8本)
アルプス氷河の足跡を教えるザトウムシ
アルプスの洞窟に棲むザトウムシと言う虫(節足動物)の分布がアルプス氷河の最前線(氷河先端部)の前進と後退を反映しているらしいのだそうです。

アルプス氷河の最大版図は長靴に迫る
現在(完新世)は氷河時代の間氷期ですが、一つ前の最後の氷期も終わりごろの約2万2千年前に地球上の氷河は最も発達しました。LGM (Last Glacial Maximum、最終氷期最盛期)と呼ばれます。LGMにはヨーロッパ大陸も広く氷河に覆われアルプスの氷河もイタリア半島に迫るほどの最大になっていました。

360度パノラマのようなアルプスの峰々downsize
(360度パノラマのようなアルプスの峰々:フランス・アルプスのスキー場ヴァルトランス)
アルプス氷河を滑った、昔々に
氷河つながりで昔々フランス・アルプス氷河を滑ったときのフォトを添えています。腰と背骨を傷めている今では到底ムリですけど。
フランス・アルプスの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
標高差1000mを滑るアルプスの空は青が深いヴァルトランス

空の青を背景にゴンドラの白が眩しいdownsize
(空の青を背景にゴンドラの白が眩しい)
クモもどきのあしながオジサン、ザトウムシ
長く細い脚にちょこんと乗ってるうずら豆みたいな胴体、とクモそっくりだけどクモじゃない別の一派、鋏角亜門、クモガタ綱のザトウムシ目(Opiliones)にザトウムシという節足動物(昆虫やエビ、カニの仲間)がいます。日本語ではその動きから“座頭市”なら座頭虫、英語ではその姿から、英国でHarvestman(刈り入れ人)、米国でDaddy Longlegs(あしながオジサン)と呼ばれます。雑食性だそうです。

冷涼な洞窟が好きな変わったザトウムシ
今回の主役、アゴザトウムシ科(Ischyropsalidae)のIschyropsalis属のザトウムシ(の一部)は1㎝足らずで冷涼な環境を好みます。だから一部のザトウムシはピレネー山脈、アルプス山脈、バルカン山地の氷河の先端の洞窟に棲みます。年間を通して涼しく気温変化が少ないからです。一方、温暖な気候は苦手で、結果、ザトウムシは氷河の最前線に沿って分布します。

ヴァルトランスの素朴な木造りの家並みdownsize
(ヴァルトランスの素朴な木造りの家並み)
ザトウムシの生息地が氷河の版図
つまりこのIschyropsalis属のザトウムシが棲む洞窟を結ぶラインが氷河の広がりの先端、フロントラインに一致するのだそうです。

でもなぜ“過去の氷河最前線”まで分かるのでしょう?
“現在のザトウムシ”の分布が“現在の氷河”の最前線を示すのは納得ですが、その分布が“過去の氷河”の最前線を教えてくれる理由は?ザトウムシは温暖な環境が苦手なはずでは?

雲が沸く稜線を滑るREVdownsize
(雲が沸く稜線を滑る)
空調条件にウルサイ虫もゆっくり慣れれば・・・
専門家のMammola氏は、1)限局された環境(冷涼な洞窟)にしか棲めない生物種でも環境変化(気温上昇)がゆっくりなら適応して生き残ること、と・・・

なんせ出不精なので
更には、2)ザトウムシは「出不精」で何代も同じ洞窟に棲む(洞窟環境に隔離されてしまう)、と言う生態に依るのだろうと説明しています。

山のホテルと白銀の峰downsize
(山のホテル越しにアルプスの白銀の峰)
生き物の老舗です、ザトウムシは
ザトウムシ類(ザトウムシ目)の最古の化石は4億1千万年前のデボン紀のものだそうです。だから、氷河の歴史は「ごく最近の思い出」なのかも?ザトウムシにとっては・・。

生き物に聞く気候変動
それぞれの動植物が棲むに適した気候条件はそれぞれ違います。現生種であれ化石種であれ、その分布域は現在の、あるいは過去の気候を反映します。どんな生き物がどこに棲むか、棲んでいたか、を調べれば気候変動が分かります。生き物は環境の鏡なんですね。

出典:”Tracking the Ice: Subterranean Harvestmen Distribution Matches Ancient Glacier Margins” Stefano Mammola et al. Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research, vol. 57, January 17, 2019
出典:”Cave Arachnids’ Modern Range Matches Ancient Glacier Outline” Joshua Rapp Learn Scientific American vol 322, No 1, 20 (January 2020) doi:10.1038/scientificamerican0120-20a
出典:「ザトウムシが明かす古代の氷河」 日経サイエンス2020年3月号21頁
出典:ウィキペディア記事 「ザトウムシ」、“Ischyropsalis


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デザートマローダーは蛇の目を纏って地味に地中海を征く

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南アフリカ空軍第21中隊マローダー III
(南アフリカ空軍第21中隊マローダー III)

一番蛇の目っぽくない?レンドリース機
・・て、なんでしょう?P-38ライトニング?でも使った(就役した)中では?・・B-26ことマローダーじゃないんでしょうか?レンドリース法は米国が連合国に武器弾薬などを貸してあげる米国の法律でした。
レンドリース関係のヒコーキ過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
美しい名機を生んだノースアメリカンのベンチャー戦略;レンドリースの翼たちその2




たくさんもらっても使ったのは2飛行隊
千機単位のレンドリース、ダコタやハーバードほどではなくても、カタリナやボストン並みのの百機単位の供与を受けているのに、実戦で使ったにはたったの2飛行隊(スコードロン)でした、B-26マローダーは。(英国空軍(RAF)では第14、第39中隊のみですが、南アフリカ空軍(RSAAF)は第12、第24、第21、第30、第25中隊でマローダーのウィング(航空団)を編成しています。)

RAFマローダーは砂漠を西へ西へ
(RAFマローダーは砂漠を西へ西へ)
砂漠の旅がらす、さすらいの第14中隊
マローダーを唯一ちゃんと使ったRAFの飛行隊は第14中隊(Squadron)。1942年8月の北アフリカ戦線、14中隊は1940年以来のブレニムをやっと手放し“高速機“マローダーIに機種転換(実はその前1か月ほどバルチモアだったのですが)しました。そして第14中隊は砂漠を西へ、西へ転戦してゆきます。

エジプトからリビアへ
まずはエジプトのスエズ運河にある人口湖、グレートビター湖畔Fayid基地を皮切りに、次いでリビア地中海沿岸のガンブート(Gambut)基地へ。

天下分け目を経て西へ、西へ
天下分け目のエル・アラメイン戦後の1943年3月にはまた西へ、アルジェリアの海岸沿いのバラの街ブリダ(Blida)へ、更に西の地中海沿岸、チュニジアのBoneまで。14中隊のマローダーIは北アフリカの地中海沿岸を西へ西へと独伊軍を追ってゆきました。

B-26G.jpg
(B-26G、パワフルな感じです)
ま、ブレニムよりは新しいっぽいので・・・
RAFと英連邦軍がマローダーを使った戦線は北アフリカ、イタリア、バルカンなどのside show こと二次戦線。でも慢性的にヒコーキ不足だった北アフリカ戦線では、「ブレニムより新しいぽいから ま、いいか」、と実戦配備されたようです、マローダーは。
ブレニム一家の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
「イギリスが一番」は遠い日の夢 ブレニム一家の「風立ちぬ」

通商破壊“戦闘機”?に偵察、雷撃。え?戦術爆撃じゃないの?
あとひょっとしたら機雷敷設とか・・・。そうなんです、RAFのマローダー(第14中隊)の北アフリカ戦線の“お仕事”は。中でもユニークなのは、爆撃機の分際でイタリア本土から北アフリカに物資を空輸する輸送機を攻撃するという「通商破壊戦闘機」任務です。好きですね~007の国は、こういうのが。
戦闘重爆撃機を目指した重爆ハムデンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
空飛ぶフライパンと金魚の空似 「戦闘重爆撃機」ハムデンって知ってますか?

魚雷は外付け、マローダー
雷撃機マローダーの魚雷は外付けでした、ボーフォートなどと違って。いかにも現地改造やっつけ的な・・・。それでもちゃんと艦船撃沈の戦果を挙げています。ボー(ボーファイター)ほどじゃないけど・
ボーファイターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます。
Beauよ君はホントに戦闘機か 前編 なんせ間に合わせなもんで
Beauよ君はホントに戦闘機か 後編 いえ空のインディ・ジョーンズ


南アフリカ空軍マローダーはバルカンへイタリアへ
最新鋭機をもらえず、いつも第二線機、二流機、中古機ばかりで我慢した南アフリカ空軍、自由フランス空軍は大事にB-26マローダーを爆撃機として使いました。ま、舞台がside showのバルカンとか、イタリアでしたけど。

自由フランス空軍のマローダー
(自由フランス空軍のマローダー、機首にロレーヌクロス)
4か国(5政権)の旗の下、戦場を飛んだ3種のマーチン機
少し広い目で見ると、メリーランド、バルチモア、マローダーのマーチン社製機3兄弟は第二次大戦の欧州、北アフリカ戦線で米英仏伊、4か国のマークを付けて飛んでいました。フランスなぞヴィシー政権と自由フランス軍の両方で。マーチン社大繁盛ですね。

マーチン167、ことメリーランドの後継機
英国ではメリーランドですが、御仏蘭西ではLe Martin 167(ル・マルタン?)のマーチン167の後継機は1)完全に英国向けのバルチモアと、2)本命の自国米軍向けのマローダー。そのせいか、RAF(英空軍)はマローダーには冷たかったようです。

メリーランドの後継者マローダーとバルチモア
本家米軍ではともかくも、「蛇の目」の世界ではマローダーとバルチモアでは重用のされ方が雲泥の差だったようです。ま、RAFの評価も分からないではない、非武装高速機モスキートとお手頃感のバルチモアがあるのに、なんで気難しいマローダー使うか?って。

「高速爆撃機」ってホントか?
でもそもそも、ホントにマローダーって「高速爆撃機」だったんでしょうか?下表を見てください。
マーチン機性能比較
(マーチン機とライバルの性能比較)

2000馬力エンジンなのに・・
実は、マローダーの心臓は当時最先端ハイテク、P&Wダブルワスプ2000馬力エンジンです。ヘルキャット、コルセアなどと同じ。だからライバルの1700馬力サイクロンのB-25とはパフォーマンス(性能)で引き離すはずが、実はあんまり差がないかも?同僚バルチモアにはなんと速度で負けてるし。
ライバルB-25の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
地味で便利なB25ミッチェル;レンドリースの翼たち その1

ウェリントンに交替させられたマローダーって・・
さて一旦ムスタング Iに機種替えした件の第14中隊はノルマンディー上陸の1944年6月再びマローダーII/ IIIを受領します。ところが同じ年の11月にはウェリントン GRXIVに機種替え。こともあろうにウェリントンですよ!

100km近く遅いヒコーキに取替え
RAFで2番目のマローダー装備の飛行隊第39中隊も地中海から英本土にマリタイム任務で呼び戻されたとき、同じくウェリントンに機種替えされてしまいまた。時速で100km近く遅いヒコーキ、ウェリントンに時代が戻って隊員たちはうれしかったんだろうか?
ウェリントンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
余り物には珍発明を間抜けな漁師のウィンピー大活躍Wellington GR Mk VIII

ムダに長い記事ですが、ご興味のあるキトクな方は「続きを読む」をクリックください。

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翅をひらめかせてヒミツの恋文を送る夜の蛾+ベルギー、ブリュッセル

翅をひらめかせてヒミツの恋文を送る夜の蛾
+ベルギー、ブリュッセル

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羽ばたくと見える斑点は恋のシグナルdownsize
(羽ばたくと見える斑点は恋のシグナル)
昼寝中に喰われないために
ガ(蛾)、中でも夜行性のガは明るい昼間は樹皮などにとまって休みます。その時、トリなどの天敵に見つからないよう翅は保護色の地味な色模様になっています。




雨上がり夜のブリュッセルdownsize
(雨上がり、灯がきらめく夜のブリュッセル)
でも雌にはアピールしたい
今回の主役、夜行性のガのEudocima materna (Noctuidae).は天敵には見えないけど、雌だけに見えるヒミツの信号を操ります。

動物たちの『ヒミツの恋のから騒ぎ』の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)

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見る角度で浮かび上がる恋の斑点模様
ガのEudocima materna (Noctuidae).の前翅は正面から(上から)見ると模様もない地味な灰色ですが、20-30度以上の斜めの方向から見ると、あらフシギ、くっきりと3つの黒い斑点が現れます。でもこれ雄だけです。どうやら恋に役立つらしい。

路地奥でブリュッセルの夜は深く更けてゆくdownsize
(路地奥でブリュッセルの夜は深く更けてゆく)
ベルギー、ブリュッセルの夜の賑わい
今回のサイエンス小ネタは、夜の薄明かりの中で恋文を送るお話し、蛾ですけど、につき美食の街、ベルギー、ブリュッセルの夜(と翌朝)のフォトを添えています。
ベルギー、ブリュッセル街歩きの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
飴色のビアカフェでブリュッセルの夜が深くなってゆく:ベルギー編第2回
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ブリュッセルで出会ったタンタンが来る!作者”Hergeは蛇の目好き?
地雷と結核と戦うヒーローラットが絶滅危惧動物も救う+ブラッセル街歩き


一夜明けたグランプラスdownsize
(一夜明けたグランプラス)
仕掛けは鱗粉のナノ構造にあり
今回出典著者のJennifer L. Kelley氏らはこのヒミツの仕掛けのナゾをあきらkじゃにしました。Eudocima materna の前翅の鱗粉の二層になっていて表層のナノ構造は正面からの光は「すりガラス」のように乱反射しグレーに見えます。ところがななめからの光は「ガラス」のように通すので透明になります。すると下の鱗粉の層の黒い斑点模様が見えてくる仕掛けです。

相手はどこから見てるかがポイント
昼間、トリなど天敵は樹などにとまっているガEudocima materna の翅を主に正面から見ます。このとき前翅は目立たない斑点なしです。一方、夜に雄のEudocima materna が飛び回っている時は雌は主に斜め方向から翅を見ます。すると翅には黒い3つの斑点が鮮やかに浮かび上がるわけです。

朝の静かなブッシュ通りのレストランdownsize
(朝の静かなブッシュ通りのレストラン)
羽ばたくと見え隠れする斑点でアピール
ガの雄は盛んに翅を羽ばたかすことで雌にアピールします。Eudocima materna の雄が翅を羽ばたかせると角度が目くるめく変わり黒い斑点が見えたり見えなかったりして目立つことで雌にアピールしているようです。

「君だけに愛を」雄のヒミツの恋信号
そして雌にはこの浮き上がる斑点模様の仕掛けはありません。雌の翅は黒く目立ちません。雄の隠された斑点模様(変形模様)は、天敵には気付かれず雌にだけそっとアピールするヒミツの恋信号なのです。

ランチ準備に忙しいお兄さんたちREVdownsize
(ランチ準備に忙しいブッシュ通りのお兄さんたち)
夜行性では新発見
このようなEudocima materna の視覚に訴える恋の信号、変形模様は夜行性のガでは新発見だそうです。

夜の闇の中では意味ない?いえ、よく見えます
ちょっと待って。Eudocima materna は夜行性、夜の闇の中では模様が出ても意味ないのでは?いえ、夜と言っても月の光など薄明かりはあります。黒い斑点模様は薄明かりでも有効なのだそうです。赤や黄色の派手な色は要らないわけですね。

夜行性だって見た目でアピールします
昼行性のチョウやガでは雄が派手な色模様で雌にアピールする例はたくさんありよく知られています。一方、夜行性のチョウやガでは匂い(嗅覚)=化学信号が主な恋のコミュニケーション手段と考えられてきましたが、出典著者Kelley氏らによれば、今回のEudocima materna の例のように色模様(視覚)の信号ももっとあるかも知れないそうです。

出典:”A Dynamic Optical Signal in a Nocturnal Moth” Jennifer L. Kelley et al. Current Biology, VOLUME 29, ISSUE 17, P2919-2925.E2, SEPTEMBER 09, 2019 DOI:https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.07.005
出典:「秘密信号を伝える翅/夜行性の蛾が使う視覚シグナル」 日経サイエンス2020年3月号17頁
出典:” Nocturnal Moth Species Has a Flashy Secret/ The dot-underwing moth may visibly signal to mates under cover of darkness” Harini Barath Scientific American, Volume 322, Issue 1, January 1, 2020


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鳥は恐竜時代から歌っていたらしい+仏アルザスの宝石コルマール、ストラスブール

鳥は恐竜時代から歌っていたらしい
+仏アルザスの宝石コルマール、ストラスブール
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小鳥は恐竜のそばで歌ってた
(小鳥は恐竜のそばで歌ってた)
恐竜も聞いたかも?小鳥のさえずり
今、私たちが森や公園で聞く美しい小鳥の歌、さえずりは恐竜闊歩する白亜紀の南極の森でも聞かれたようなのです。




川面に映える緑が深い旧市街ストラスブールdownsize
(川面に映える緑が深い旧市街:フランスのアルザス地方の街ストラスブール)

最古のトリの楽器発見
出典著者のJulia A. Clarke氏らは白亜紀後期(6千6~9百万年前)の南極の地層から絶滅した水鳥Vegavis iaaiの「さえずりの楽器」、鳴管(syrinx)の化石を発見しました。南極の森で彼らは歌っていたようです。Vegavis iaaiの鳴管は現在のトリ(新顎類)のそれに近い構造だそうです。

水面に映える花の館ストラスブールdownsize
(水面に映える花の館:ストラスブール)
化石に残りにくいヒミツの器官
これまで鳴管化石の250万年前頃までなので“大幅記録更新“です(最古は始新世(5600~3390万年前)ながら明確な記述はないそうです)。なぜ見つからなかったのか?実は、鳴管は化石に残りにくい軟骨製の歌の器官だからです。

化石を3Dイメージ化して機能を探る
出典著者のClarke氏らは12種の化石トリの鳴管をX線撮影して3D化し、白亜紀後期のトリが既に現在のトリとほぼ同じ構造の(=機能の)鳴管を持っていたことを明らかにしました。

色を競うおとぎの国の家並みコルマールdownsize
(色を競うおとぎの国の家並み:フランスのアルザス地方の街コルマール)
フランス、アルザスの宝石コルマール、ストラスブール
可憐にさえずる小鳥の色鮮やかな衣装(羽色)から→無理ムリの連想で→フランスはアルザス地方のカラフルなかわいい街、ストラスブールとコルマールのフォトを添えています。
アルザスの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
アルザスの小さな宝石箱コルマー訪問番外編
「おとぎの国」コルマー紀行
水に囲まれたプティットフランスはディズニーアニメの世界
ストラスブールはアルザスの香り木組みの家並みが陽にまぶしい


え、南極の森?
・・と思いません?ところで。そう、当時、白亜紀は氷河期ではなく(現在は氷河期です)極に氷はありませんでした。だから恐竜の化石も見つかります。その南極の森の水辺で今回の化石の水鳥Vegavis iaaiは暮らしていたようです。
氷のない闇の極の冬が落葉樹を作った過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー

トリは特殊装備のかたまり(翼、羽毛、気嚢)
・・・ですね。翼で飛び、羽毛で色鮮やかに飾り、気嚢はターボスーパーチャージャーのような高効率の呼吸装置、くちばし、偏光と地磁気を感じてナビるなど・・・。

青い家に赤い花が鮮やかコルマールdownsize
(青い家に赤い花が鮮やか:コルマール)
鳥の歌はユニークな器官、鳴管が奏でる
もう一つが今回の記事ネタ、鳴管(syrinx)と言うとてもユニークな発声器です。特にスズメの仲間、鳴禽類は筋肉が良く発達した鳴管を持ち美しく歌います(さえずり、song)。

「あなただけに」の囁き、地声
もう一つのトリの声は、カノジョ、カレだけに囁くの地声(call)です。やっぱり、トリは多芸です。

運河沿いにレストランが競うストラスブールREVdownsize
(運河沿いにレストランが競う:ストラスブール)
胸の奥(気管の分岐点)で歌います
他の動物の声帯の場所とは違って、トリの鳴管は喉よりもっと下、「胸の奥」の気管が左右の気管支に分かれて肺に向かう分岐点にあります。

長い共鳴管と強力な筋肉の輪
胸の奥にあり、くちばしまでの長い気管が優れた共鳴器となり、更に、発声器、鳴管はリング状の筋肉が良く発達していて、これがバラエティに富み複雑で華麗な鳥の歌声のヒミツであるようです。

管楽器のリードに相当する声帯ひだ
じゃ、そもそも、なぜ音が出るのか?トリの鳴管が鳴る仕組みはヒトなどの声帯と同じで、呼気の空気が通ると声帯ひだ(vocal fold)が、まるで管楽器のリードのように、振動することで音が出ます。

ピンクの家が広場に色合いをコルマールdownsize
(ピンクの家が広場に色合いを与えています:コルマール)
「ひとりコーラス」;左右違う音を出すトリの鳴管
しかし、私たちの声帯が気管の真ん中に1対の「ひだ」ですが、トリの鳴管は気管が分かれる左右の壁が震える2対の「ひだ」(側鼓形膜、中鼓形膜)なので、左右で違う音を同時に出せます。「ひとりコーラス」多彩な歌がさえずります。

音色も変えます
また、鳴管から出た音を気管でフクザツに変調して多彩なさえずりや地声を出すのだそうです。

話す機能と誤嚥リスクを実現したヒトののど
実は私たち、ヒトも発声器である声帯を含む喉頭が下がり、口から喉への入り口、咽頭が長くなって、トリと同じく、音響効果が強化されて、口蓋や舌の働きも併せ、話したり、歌ったり出来ます。しかし、その代償として気管と食道が交差するため、誤嚥リスクを背負いこみました。

堰を囲む家並みと橋と水音ストラスブールREVdownsize
(堰を囲む家並みと橋と水音:ストラスブール)
新規大発明!トリの鳴管
そんなトリの鳴管ですが、実は進化では珍しい「新規発明」なのだそうです、似た原型(素材)がないので・・。

誰にも似てないトリの発声器
トリ以外の脊椎動物、ヒトも含めて、発声器はすべて喉頭、つまり「のど」のてっぺんにある声帯です。一方、トリの鳴管は場所が違うだけでなく他のどの動物の発声器とも造りも由来も違うのです。

親戚の恐竜にさえないらしい?鳴管
トリは(その祖先も含め)、恐竜やワニなども含む、主竜類に属します。しかし、彼ら「主竜類の親戚」からも鳴管(の化石)は見つかっていません。鳴管は新規でユニークな「進化の発明」だったようです。
鳴管じゃないけど恐竜がトリに贈ったものの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
恐竜が発明しペンギンに贈ったもの、それは羽毛+ブルターニュの小さな港コンカルノー

進化は使いまわしの「ゆきあたりばったり」戦略
進化はフツウありあわせ素材の使いまわしで何とかツジツマを合わす「ゆきあたりばったり」戦略の積み重ねです。陸に上がったら浮袋を肺にするとか、鰭を手足にするとか・・。

赤壁に木組みが印象的コルマールdownsize
(赤壁に木組みが印象的:コルマール)
さえずり(歌)によるコミュニケーション
スズメ目の鳴禽類の鳴き声は鳴管のおかげで美しく多彩ですが、大別して①遠くの異性やライバルにまで聞こえる華麗な歌(song)「さえずり」と、②小さくパートナーだけに囁く地声(call)があるそうです。

恋と縄張りのためのカラオケボックス
小鳥たち(スズメ目の鳴禽類)は恋のために、縄張りを守るために歌い(さえずり)、様々な場とシチュエーションに応じてたくさんの歌のレパートリーがあるそうです、カラオケボックスみたいに。

作曲し、コピペし、流行を追う
そんな小鳥たち(の雄)は新曲を作曲したり、モテるやつの曲をコピペしたり、流行を追ったりしてライバルと競い合っているそうです。なんか、“人間臭い”ですね。

歌はパパに習うよ
小鳥たちの歌(さえずり)は生まれながらではなく、習うものであるようです。特に雄の恋の歌はパパから習うようです。
ママに励まされてパパの歌を習う幼鳥の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ママの大好きなパパの歌をキンカチョウの幼鳥はママに励まされ覚える+冬のパリ

ちなみにトリは話すことは出来ません
え、インコなどは「オハヨウ」なんて“しゃべる”じゃないか、いえ、これはモノマネです。発話、しゃべる能力は声帯や鳴管など発声器ではなく脳の、ヒトならブローカ野と言う言語中枢の機能です。いかに多彩な小鳥のさえずりも、文法のある言葉ではありません。

出典トリの本
(出典の2冊のトリの本)
鳥の歌や鳥のあるあるの楽しい本
今回のサイエンス小ネタの元ネタは出典の科学論文のほかに2冊に楽しい鳥の本です。今回はごく一部しか引用しませんでしたが、いつかちゃんとご紹介したいと思います。本屋さんや図書館でこれらの本を見かけられたら手に取ってもてください。いずれもとても楽しい本ですよ。

出典:” Fossil evidence of the avian vocal organ from the Mesozoic” Julia A. Clarke Nature volume 538, pages502–505 (2016)
出典:” The bird voice box is one of a kind in the animal kingdom” Elizabeth Pennisi Science 5 October 2018 Vol 362, Issue 6410 doi:10.1126/science.aav6415
出典:「歌う鳥のキモチ」 2017年 石塚徹氏著 (山と渓谷社)
出典:「トリノトリビア」 2018年 川上和人氏執筆・監修、マツダユカ氏マンガ・執筆 他 (㈱西東社)
出典:ウィキペディア記事「鳴管/syrinx」、「Vegavis」


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温暖化で小鳥が縮んじゃったの?でも羽だけは伸びた、なぜ?+砂漠仕様のRAF機

温暖化で小鳥が縮んじゃったの?でも羽だけは伸びた、なぜ?
+砂漠仕様のRAF機

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砂漠塗装Spitfire VB trop Duxford IWM downsize
(砂漠塗装のSpitfire VB trop: 英Duxford IWM博物館のSpitfire誕生70周年イベントにて)
渡り鳥のルート上にあるばかりに・・・
シカゴのChicago’s McCormick Placeは北米最大のコンベンションセンターながら高層ビルでもないのに、毎年バードストライクが甚だしい。理由は、たまたま、ミシガン湖を越えてくる渡り鳥のルートのど真ん中にあること、夜も国際会議などで灯がともっていて渡り鳥が惹き寄せられるからだそうです。




星条旗をつけた北アフリカのスピットファイアーVB熱帯型
(星条旗をつけた北アフリカのスピットファイアーVB熱帯型)
温暖化で小鳥が小さくなった!
シカゴにあるフィールド自然史博物館(Field Museum of Natural History)の鳥類学者である出典著者のDavid Willard氏は長年の研究からミシガン湖を越えてくる渡り鳥のサイズが温暖化で小さくなっていることを発見しました。

レストア中のHurricane IIB trop IWM downsize
(レストア中のHurricane IIB trop:IWM博物館工房にて)
Trop仕様のRAF機
暑さ対応の小鳥→熱帯を飛ぶ工夫→砂漠のRAF機・・と言うムリ無理のつながりで、RAF博物館とIWM博物館の英空軍(RAF)の砂漠塗装プロペラ機のフォトを添えます。
関連の過去ヒコーキ記事です↓(クリックで飛びます)
凡作だけど地味に頑張ったキティホーク、誰にでも取り柄はあるもの
メリ-ランドからバルチモアへアメリカ東部の旅ではありません
アメリカン・スピットファイアーってご存知ですか?


キティホークIV(P-40N)だが「GA?」はRAF第112中隊Drake隊長機downsize
(キティホークIV(P-40N)「GA?」RAF第112中隊Drake隊長機:ロンドンRAF博物館
40年間7万羽以上を調べた地道な研究
1978年からなんと40年間!シカゴのこのビルに衝突した70,716羽!もの鳥の分類し、体のサイズを測定し続けた結果です。


これは偶然の発見なのだそうです
この長年に亘る地道な調査研究の結果、おやまぁ、ぶつかった小鳥たちが小さくなっていることをWillard氏は発見したのです。

さすがシャークマウス事始めよく似合うdownsize
(さすがシャークマウス事始め、RAFキティーホークによく似合う)
年毎の変化は目に見えないほどだけど
出典著者Willard氏は当初こんな結果が出るとは思っていなかったそうです。そりゃそうだ、毎年の小鳥たちのサイズ変化は小さ過ぎて見た目では気づかないからです。

キティホークのシャークマウス横顔(RAF博物館)downsize
(キティホークのシャークマウス横顔)
では、なぜ小さくなったのか?
考えられることは、小型化する方が温暖化が進む中、陽光を浴びて上昇した体温を逃がしやすいからじゃないのか?と考えられるそうです。

現地での逆レンドリースなのかスピットファイアーIX型
(現地での逆レンドリースなのかスピットファイアーIX型)
寒いと体を大きくして熱を貯める
ホッキョクグマのように極地など寒冷なところに棲む動物は大型化します。体が大きいと、体積(=体重)に対する体表面積の割合が小さくなり体から熱が逃げにくいからだと考えられています。

暑い気候では小さい方が涼しい

逆に暑い気候では体の熱を逃がす適応が必要になり、体を小さくする(体積に対する体表面積の比率を大きくする)か、ゾウの耳のような放熱装置が必要になります。

北アフリカのマーチン兄弟
(北アフリカのマーチン兄弟、自由フランス軍メリーランドとRAFバルティモア)
更なる「なぞ」も見えてきた
体長、脚の長さが短くなったのに、羽だけは逆に長くなる。飛ぶのに有利、でもなぜ?出典著者らは「それは新たななぞ?」だと・・。

ただの「シロウトの勘繰り」なのですが・・・
以下はシロウトである私、Levalloisbeeの勘繰りですけど・・・。

高空戦闘機の翼は長い
レシプロ高空戦闘機(駄作ウェルキンとか)の主翼はアスペクト比が大きくて長い、高空を行くスパイ機U-2も。
高空戦闘機と高アスペクト比のヒコーキの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
役に立たないイケメン勘違いハイテク美学高高度戦闘機
海鳥、翼竜、マリタイム機に共通するものとは?


空気の薄い高空では揚力も減る
高空で少し空気が薄くなる(気圧が下がる)だけでも翼の上下の圧力差から生まれる揚力も弱くなり、その分アスペクト比を増す必要がある・・・これは灼熱砂漠でも同じで空気が薄くなるからヒコーキは搭載量を減らさなきゃならないのと同じ因果関係です。

温暖化で鳥のアスペクト比が大きくなる?
つまり、温暖化で暑くなる=空気が薄くなる(気圧が下がる)、→同じ翼面積では揚力が下がるので、小鳥は翼面積を増やす必要がある→小鳥の翼開長が増し、アスペクト比が大きくなった・・・のではないでしょうか?ホンマか?

出典:” Rising temperatures are making birds smaller” Eva Frederick Science 29 November 2019
Vol 366, Issue 6469
出典:” Birds are shrinking. These scientists say it’s a consequence of global warming” Ben Guarino氏執筆 The Washington Post誌 Dec. 4, 2019


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「豚バラ肉の卵とじ」は残り物の手抜きなのにおいしい

「豚バラ肉の卵とじ」は残り物の手抜きなのにおいしい
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豚バラ卵とじの完成REVdownsize
(残り物材料で手抜きの「豚バラ肉の卵とじ」)
突然「豚バラ肉の卵とじ」
・・を作り、手抜きなのに案外と言うか、とてもおいしかったのでご紹介しています、ブログ記事も手抜きかも。




ポイント(と言っても大してないんですが・・・)
豚の脂身、甘い出汁、卵の組み合わせがよく合います。
長ネギがわき役としていい仕事してます。


残り物と思いつきレシピ書きREVdownsize
(残り物の材料と思いつきレシピの走り書き)
材料(1~2人前)
豚バラ肉薄切り 150g 数㎝幅に切る(大き目の方がおいしいと思います)
玉ねぎ(中) 1/2個 1㎝幅くらいのざく切りにする
長ネギ(根深ネギ) 1/2本 2㎝幅くらいの斜め切りにする(もう少し多くても良かったかも?)
卵 2個 黄身がつぶれる程度にサッと混ぜておく(混ぜ過ぎない)


まず出汁に玉ねぎを入れ煮るdownsize
(まず出汁に玉ねぎを入れ煮る)
出汁
白だし(10倍濃度) 20ml
めんつゆ(2倍濃度) 20ml
日本酒 20ml
醤油 15ml
砂糖 大さじ 1 + 小さじ 1/2
→ 以上に水(水道水)を加え300mlにして電子レンジでチン!し、混ぜて溶かしておきます。


豚バラとネギも加え煮るdownsize
(豚バラとネギも加え煮る)
作り方(・・と言っても大仰なモンじゃなくて)
鍋に出汁を入れ強火で煮立て、次に玉ねぎを入れて3分ほど強火で煮ます(少し透明になる)。
豚バラ肉と長ネギを加えサッと強火のまま煮立てます(豚肉の赤味が消える程度)。
直ちに卵を入れてサッと混ぜ火を止めます。これで完成。


卵を流し入れてサッと煮るdownsize
(卵を流し入れてサッと煮る)
なんでこんな手抜き作ったの?

まだおせち残ってるでしょ!

・・と思うのですが、でもね、そろそろ何か違うもの、肉系とかが食べたいな。ということで、過去レシピをあたってみたり、少し思案した結果・・・

じゃ、暮れの残り物×手抜きで何か・・・
豚丼みたいなのを簡単に作れないかしら?・・と思い、冷蔵庫とフリーザーを物色しました。


残り物手抜き豚バラ肉卵とじdownsize
(豚バラ卵とじの完成です)
そうだ、「豚バラ卵とじ丼」を作ろう!
甘辛ベースで豚バラ肉+卵はうまいはず、豚肉の脂身と卵は相性がいいんじゃないか?と思い作ってみることにしました。


材料は4つだけ
豚バラ肉、玉ねぎと長ネギの残りと卵だけです。


「あまき」の出汁を流用、ちょっと日本酒も

出汁は「あまき」(甘目に煮たきつねうどんの薄あげ)の甘い煮い汁を流用しました。少し甘すぎるのと卵で味が薄まるので少量の醤油を足して味を調整しました。また、臭み抜きに日本酒も加えています。


調理時間は10分くらい、食べるのも、片付けるのも・・・
手抜きにつき、切って、混ぜて、煮て、卵を落として10分くらいでした。おいしかったので10分くらいで食べてしまいました。ちなみに、洗い物も少なく、とっとと済みました。
丼でもいいんですが、今回は、例えば、肉じゃがや、どぜう鍋のようにつゆだくおかずとして食べてみました。
出典?特にありません、思いつきなもので・・・。


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ハエもコウモリも空戦機動で天井に着地する+パリ郊外エアショーの複葉機たち

ハエもコウモリも空戦機動のロールで天井に着地する
+パリ郊外エアショーの複葉機たち

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あけましておめでとうございます。
旧年中は拙いブログをご訪問いただき、また、たくさんの温かい拍手やコメントをいただきありがとうございます。拙ブログもとうとう10年目です。「看板に偽りあり」、フランスはすっかりご無沙汰、サイエンス小ネタ中心ですが、ボチボチ書いてゆきますので本年もよろしくお願いいたします。
コウモリの天井着地downsize
(コウモリの天井着地)
ハエ、コウモリ、ヤモリの忍術、天井張り付き
私たちは、忍者は別にして、天井にとまる事は出来ませんが、昆虫は平気で壁でも天井でもとまります。哺乳類ではコウモリが逆さまにぶら下がります。ヤモリも天井に張り付きます。
コウモリの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
コウモリってスゴイんだかドジなんだかでもベストセラー動物+パリの夜




Spi IX インメルマンターン
(スピットファイアー Mk. IX のインメルマン・ターン)
ヒトもマネしたいぶら下がりのハイテク
昆虫の場合はその脚に生えた多数の微細な毛が、コウモリはぶら下がりに特化した足指が、逆さまにとまることを可能にしています。だから(大部分の)コウモリは歩けません。ヤモリは足の裏が吸盤のように働き、バイオミメティックスで靴に応用されています。

フォッカーDrI の離陸downsize
(フォッカーDrI の離陸)
パリ郊外Ferete Alaisエアショーの複葉機
宙返りやロールなど空戦技術つながりで昔、パリ郊外Ferete Alaisエアショーで会った複葉機(レプリカ)のフォトを添えます。

Ferete Alaisエアショーの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
金色の蛾が作るトモダチの輪: Ferete Alaisエアショー その2
パリ郊外草っぱらのエアショーはの~んびり: Ferete Alaisエアショー その1


空戦機動インメルマンターンで天井に着地

ハエ、コウモリは空中を飛びながらサッと一瞬で逆さまに天井にとまります。実はこれって相当に高度な飛行術なのです。

SE5の離陸REVdownsize
(SE5の離陸)
エース「ブルー・マックス」の宙返り術
第一次大戦の独空軍エース、マックス・インメルマン(Max Immelmann)が生み出した有名なインメルマンターン(Immelmann turn))は180度ループ、180度ロール、つまり宙返りしながらクルリと回転して頂点で反対方向、上向きで終わる空戦機動(マニューバー)です。インメルマンは初めて青い十字の勲章「プール・ル・メリット勲章」を受章、「ブルー・マックス」の愛称で呼ばれました。

飛行を終えたSE5 downsize
(飛行を終えたSE5)
ハエもコウモリもバレルロールを打つ
ヒコーキの空中戦で宙返りしながらロールを打って頂点でちゃんと上向き、前向きの飛行態勢になるように、ハエもコウモリも天井着地の直前でバレルロール(barrel roll、樽転がしのようにクルリと反転)を打つようです。でも飛行中に逆さまになるのは揚力を失う機動(マニューバー)で極めてリスクが高いのです。

高速度ビデオでハエの着地術に迫る
出典著者Bo Cheng氏の研究グループはハエbluebottle flies (Calliphora vomitoria)が天井にとまるときの動作を高速度カメラのビデオ映像に撮って解明しました。。するとハエは天井の手前で後方宙返り(back flip),あるいはバレルロールを打ってとまることが分かりました。

黄色いDHタイガーモスdownsize
(黄色いDHタイガーモス)
ハエはぶつかる直前にロールを打って逆さまに
ハエは天井に向かって前方に速く上方にはゆっくり飛びながら、天井にぶつかる前の一瞬のタイミングでロールを打って逆さまになり、同時に前脚を伸ばして天井を掴み、とまると言う高度な飛行起動であることが分かりました。

50ミリ秒の判断
天井身直前で身をひるがえす判断をハエは50ミリ秒と言う短い時間に行っている計算になるそうです。

フォッカーDrIを押してゆくボランティアdownsize
(フォッカーDrIを押してゆくボランティア)
翼をたたみロールしてとまるコウモリ
コウモリの機動は更にハイテク。片翼をたたみながら(とまるとき邪魔にならない)、逆にもう一方の翼を伸ばし(結果、重心が移動し回転モーメントが生じ)、体をバレルロールさせて(逆さまになり)、(高度を失う直前に)素早く足を伸ばして天井(洞窟の岩とか)を掴んで逆さまにぶら下がります。

フルーツ食コウモリ着地をビデオ解析
このハイテク飛行術は出典著者Robin Meadows氏が2種のフルーツ食コウモリ、Seba's short-tailed bats (Carollia perspicillata) と Lesser dog-faced fruit bats (Cynopterus brachyotis)の着地の高速度ビデオ解析で明らかにしました。

ビュッカーユングマンかな白い複葉機downsize
(ビュッカーユングマンかな?白い複葉機)
当たり前を疑え
出典著者のCheng氏は「ハエが天井にとまる」のは誰でも知っていることなのでメカニズムはとっくに研究されているだろう、と思って過去の研究論文をあたりました。ところが、なんと、何も解明されていないことが分かりました。そこで今回、高速ビデオでハエが天井にとまる動作の解析を行ったそうです。

見慣れた日常に隠れたハイテク
ハエが天井にとまるのは日常見慣れています。コウモリが天井にぶら下がるのも皆知っていますね。こんな一見当たり前に見える動物たちの動作にヒコーキのような、いえ、それ以上のハイテク機動が隠されていたなんて、やっぱり生き物のフシギはまだまだありそうですね。

出典:” New video reveals how flies land upside-down” Stephenie Livingston Science 1 November 2019 Vol 366, Issue 6465 doi:10.1126/science.aaz9648
出典:”Flies land upside down on a ceiling using rapid visually mediated rotational maneuvers” Pan Liu, Sanjay P. Sane, Jean-Michel Mongeau, Jianguo Zhao and Bo Cheng Science Advances 23 Oct 2019 Vol. 5, no. 10, eaax1877 DOI: 10.1126/sciadv.aax1877
出典:「ボクが逆さまに生きる理由」2017年 中島宏章氏著(ナツメ社)
出典:”How Bats Land Upside Down” Robin Meadows PLoS Biology vol.13 (No11) :e1002298 · November 2015
出典:ウィキペディア記事「インメルマン・ターン」他


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