特注の風切り羽根の羽音で敵を知らせるハト+晩秋サザンカ

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レンジャクバトの高音低音の羽音は警戒音
(レンジャクバト緊急離陸の高音・低音の羽音は警戒音)
はばたきコミュニケーションするトリさんたち
トリがさえずりなど音声でコミュニケーションすることは良く知られていますが、羽ばたきの特定の音でもコミュニケーションするようです。




赤みの濃いサザンカの一輪doensize
(赤みの濃いサザンカの一輪)
晩秋の彩り、サザンカ
何~のカンケイもないんですが、今年の晩秋によく咲いてくれたサザンカのフォトを添えます(+草の実)。わが庭のサザンカは年によって豊作/不作があり今年は豊作だったみたいです。

レンジャクバトの「歩いて餌さがし」は危険がいっぱい
オーストラリアには頭の飾り羽がきれいなレンジャクバト(crested pigeon、Ocyphaps lophotes)がいます。本来は疎林などの開けた草原を歩いて餌を探します。今では人家の庭などにも来るようです。地上で餌を摂ると天敵の猛禽類などに襲われやすくなります。
「コガラちゃん」のイラスト↓をクッリク頂ければトリさんたちの過去記事に飛びます
birdコガラ鳥、翼竜、空を征した者たち


1羽の羽音で群が一斉に飛び立つ
敵の姿に気付いた1羽が飛び立つとその羽音を聞いた群れの他のレンジャクバトも飛び立って難を逃れます。つまり羽音が警戒信号になりレンジャクバトの群れの音コミュニケーションとして役立っています。

群れて咲くピンクのサザンカdownsize
(群れて咲くピンクのサザンカ)
緊急離陸と通常離陸とでは羽音が違う
でも天敵がいない時でも移動のために飛び立つ者がいるわけでこのような場合、群れは知らん顔で餌を地上で餌を探し続けます。と言うことは「通常の離陸」と「緊急離陸」で羽音が違うようです。

特別な形の第八番目風切り羽根に注目
出典著者のTrevor G. Murray氏らは第八番目の風切り羽根に注目しました。レンジャクバトの10枚の風切り羽根の内、第八番目P8は細長く他とは違った形状です。

少しうつむき加減のピンクのサザンカdownsize
(少しうつむき加減のピンクのサザンカ)
激しく打ち下ろすかん高い羽音が警戒音に
レンジャクバトが捕食者から逃れようと飛び上がる時には激しく羽ばたく、翼を打ち下ろすときに独特の高い音が出る、この音と翼を振り上げる時の低い音の高低の 組み合合わせが危険を知らせる警戒信号になっているようです。

グリーンの数珠玉のような実downsize
(グリーンの数珠玉のような実、庭にひっそり実っていました)
録音した羽音でも群れは飛び立つ
まず出典著者のMurray氏らは捕食者から逃れるためレンジャクバトが飛び上がる羽音を録音しておき、その羽音をレンジャクバトの群れに聞かせると一斉に飛び立ちました。比較のために単に飛び上がるときの羽音で試しても群れは地上にいたままで反応しませんでした。

八番目風切り羽根を切ったら警戒音じゃなくなる
そこで第八番目の風切り羽根を切ったレンジャクバトが捕食者から逃れるため飛び立つ羽音を録音し、群れに羽音を聞かせてみると群れは反応しませんでした。

八番目こそ大事なんです
更に、比較のため第九番目や第七番目の風切り羽根を切ったレンジャクバトが捕食者から逃げる羽音を録音し群れに聞かせると今度は警戒信号と認識して飛び立ちました。
どうやら第八番目の風切り羽根は警戒音を出すために進化したらしいのです。


種ごとに違う羽音の警戒音
実際、レンジャクバトとごく近縁の種のトリの羽ばたきの音の要素を解析すると違っていたそうです(声紋解析のような手法)。

「羽音警戒音」はとても経済的な進化
その種独特の警戒音をさえずりで出すには喉などの体のつくりを変える必要がありますが、
羽音ならどうせ出る音、風切り羽根をちょ、ちょっと変えるだけで済むので、これはとても経済的な進化と考えられるそうです。


さすが!ダーウィン先生の慧眼
何と150年前にダーウィンは音のコミュニケーションには声と羽音など体が出す音があると予測していました。長らく忘れられていたのですが、今回の発見はダーウィンの卓見を立証するものでもあるようです。

出典:” Sounds of Modified Flight Feathers Reliably Signal Danger in a Pigeon” Trevor G. Murray et al. Current Biology Volume 27, Issue 22, p3520–3525.e4, 20 November 2017 DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2017.09.068
出典:”When danger is afoot these pigeons sound a warning call with their feathers” Andrew Wagner Science 10 November 2017 Vol 358 Issue 6364 doi:10.1126/science.aar4557
出典:“Crested pigeon”(レンジャクバト) ウキペディア(英語)


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都会の並木が早く育つのは人為的地球温暖化の仇花なの?+パリの並木

都会の並木が早く育つのは人為的地球温暖化の仇花なの?
+パリの並木

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温暖化で都会の樹木は良く育つ
(温暖化とヒートアイランド現象で都会の樹木が良く育つのは仇花か?)
都会の樹木は郊外よりも速く育つ
出典著者のHans Pretzsch氏らは全世界の亜寒帯から亜熱帯まで代表的な10大都市(※)で総計1400本の樹木につき過去150年分の年輪を測定しました。
(※:亜寒帯:札幌、プリンスジョージ、温帯:ベルリン、パリ、ミュンヘン、地中海性気候:ケープタウン、サンチャゴデチリ、亜熱帯:ヒューストン、ハノイ、ブリスベーン)





木漏れ日のメトロのジョルジュサンク駅出口downsize
(木漏れ日のメトロ1番線のジョルジュ・サンク駅の出入口)
並木は都会の舞台装置;パリを彩る並木
並木は都会を演出する大事な舞台装置かも?今回は都会の樹木のサイエンス小ネタにつき愛しのパリ(+暮らしたルヴァロワ界隈)の並木の寸景フォトを添えてみました。
このパリ過去記事リスト(↓エッフェル塔をクリックすれば飛びます)からご興味ある過去記事をご訪問ください
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緑の中を堰が連なるサンマルタン運河downsize
(緑の中を堰が連なるサンマルタン運河)
60年代に比べてもよく育つ
すると大都会の樹木の方が周辺の郊外の樹木より25%もよく育っていることが分かったそうです。また、都会、郊外を問わず1960年代以降はそれ以前より樹木は17%も速く育つようになっていたそうです。

朝の陽が透ける黄葉の凱旋門downsize
(朝の陽が透ける黄葉の凱旋門)
ヒートアイランドと地球温暖化のおかげなの?
これは地球温暖化とヒートアイランド現象により大都市の気温が上昇し(郊外よりも10℃高い)、そのおかげで光合成が盛んになり(温度が上がると光合成も増す)、また春夏の生育シーズンが伸びたためだそうです。

大都市では樹木が育つシーズンも長くなった
ヨーロッパの場合、ここ30年でヒートアイランド現象により8.8日、温暖化で10.5日伸び、結果、生育シーズンは180日にまで伸びたそうです。

クリスマスの光あふれる並木とエッフェル塔downsize
(クリスマスの光あふれる並木とエッフェル塔)
亜寒帯大都市はよく育つのに亜熱帯では差がない
大都市の樹木の育ち方の郊外との差は、亜寒帯の札幌などでより大きいのに対して、亜熱帯のブリスベーンでは差がほとんど無かったそうです。

鈍く光る川面越しジャット島対岸の木立ちdownsize
(鈍く光る川面越しジャット島対岸の木立ち)
生育頭打ちの大都市に郊外が追いつく亜熱帯
更に、亜寒帯、温帯や地中海性気候では大都市も郊外も1960年代に比べて樹木生育が速くなっているのに対して、亜熱帯の大都市では1960年代と差がなく、郊外は速くなり大都市に追いついているような結果でした。

午後の陽が射すサンジェルマン大通りの並木downsize
(午後の陽が射すサンジェルマン大通りの並木)
温暖化に伴う乾燥化で樹木生育が頭打ちに?
亜熱帯大都市も気温が上昇しているのに生育の速さが頭打ちなのは同時に進行している乾燥化で樹木が水不足に陥っているためだろう、と出典著者Pretzsch氏らは推測しています。

都市樹木の未来を暗示する亜熱帯都市
ブリスベーンなど亜熱帯大都市の状況は世界の他の大都市の近未来を暗示しているのではないか?植物にとってもその内に地球温暖化が生育のマイナス要因になってゆくだろう、と言うのが出典著者の警告です。

緑が乏しくなるかも?近未来の街
やがて世界の人口の半分近くが都市に住むと予測される近未来。地球温暖化がこのまま進めば私たちの住環境の緑が衰退してしまうかも知れませんね。

出典:”Climate change accelerates growth of urban trees in metropolises worldwide” Hans Pretzsch et al. Scientific Reports 7, Article number: 15403(2017) doi:10.1038/s41598-017-14831-w
出典:”City trees grow more quickly than their rural cousins Here’s why” Lakshmi Supriya Science Vol 358 Issue 6364 (Nov. 15, 2017) doi:10.1126/science.aar5051
出典:ウキペディア記事 「年輪」


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猛毒ガスを使って深海長時間潜水するアザラシ君+ブルーダイブ

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ボーア効果と一酸化炭素中毒REV
(ボーア効果と一酸化炭素中毒)
スーパーダイバーだぞ、ゾウアザラシ君!
ゾウアザラシ君は息継ぎせずに1時間半も潜れて、深度1700mの深海まで餌を求めて潜るスーパー・ダイバー・動物なんです。平均20分の潜水をたった2分ほどの息継ぎで数か月繰り返せるんだから。




マンタを背景に舞うのはアマミスズメダイかなdownsize
(マンタを背景に舞うのはアマミスズメダイかな?(石垣島))
潜水中に居眠りするか、君は
ゾウアザラシ君は海水より比重が重くてジタバタしなくても1000m以上も潜れます。潜っている間は
実は休息期間で、中には潜水中に居眠りして海底にぶつかっても気づかない奴いるそうです。まるで通勤電車のサラリーマンですね。添えるのはマリンブルーの世界、(最近は行けてないのですが)石垣とサイパンのダイビング・フォトです。


猛毒一酸化炭素のおかげで長時間潜水なの?
でもなんでゾウアザラシ君はそんな離れ業ができるのか?それは(ヒトにとっては)猛毒ガスであるCO、一酸化炭素のおかげらしいんです。なんせ一酸化炭素の体内濃度はヒトの10倍、アザラシ仲間と比べても2-3倍多いんです。

一酸化炭素を使った「省酸素」です
息継ぎできない=酸素の供給が無い、長時間潜水では①まず代謝を抑える、②心拍数を下げる、③その上で酸素をチビチビ使いたい。一酸化炭素は体の組織で血液(の赤血球のヘモグロビン)から酸素が放たれるのを邪魔する効果があり、結果、息継ぎ無しで長時間潜れるようなのです。
以下は関連の過去記事です↓(クリックで飛びます)
海のトップスイマーマグロでも陸のママチャリ並みです;バイオロギングその2
ご自宅拝見バイオロギングで垣間見る動物の私生活 南ブルターニュ キブロン
「空賊」グンカンドリ、バイオロギングが明かした空中生活
泡が呼吸器にからだの働きを延長する体外構造
ヒマラヤ越えインドガンのスーパー呼吸機能


組織に酸素を運ぶ赤血球ヘモグロビン
そもそも肺で取り込んだ酸素がどのように体のすみずみ(の細胞)にまで“宅配”され、老廃物のCO2、二酸化炭素が“廃品回収”(&肺で呼気へ放出)されるのか?そのミソは血液の赤い色、ヘモグロビンの性質にあります。

サンゴの先中層の魚たち石垣ダイブdownsize
(サンゴの先の中層に群れる魚たち(石垣島))
廃棄物二酸化炭素が実は大事な働きをする
赤血球にヘモグロビンに酸素いっぱいの肺(の吸気)から酸素が結合して、酸素を使って乏しくなった組織に血液で運ばれそこで酸素が放れる(解離する)ことで酸素呼吸が行われるのですが、呼吸の廃棄物二酸化炭素CO2も大事な働きをします。

炭酸があると赤血球は酸素を放しやすくなる
ヘモグロビン(の酸素結合部位ヘム)の酸素との結合のし易さ=酸素の放しにくさを表すのが酸素ヘモグロビン解離曲線(Oxygen–hemoglobin dissociation curve)ですが、抹消組織のように二酸化炭素(=炭酸)が多い=pHが下がると曲線が右にシフト(右方変移)してより酸素を放しやすくなります。二酸化炭素は酸素運搬の効率を高めているわけです(ボーア効果(Bohr effect)です)

中層を行くマダラトビエイSaipanダイブREVdownsize
(中層を行くマダラトビエイ(サイパン))
とってもコワイ一酸化炭素
一酸化炭素COがなぜ猛毒なのか?COは酸素O2より250倍もヘモグロビンに結合しやすく、肺での酸素との結合を邪魔します。
また、ヘモグロビンには(α2β2構造なので)酸素がくっつく場所(結合部位)が4つあり、その1つにCOが結合すると、組織で他の3つの部位から酸素が放れにくくなります(二酸化炭素とは逆の酸素ヘモグロビン解離曲線の左方変移)。
結果、組織に酸素が十分運搬されなくなり、特に脳では数分で致命的になります。


猛毒を上手に使うゾウアザラシ君
ところが、深海長時間潜水を行うゾウアザラシ君は赤血球ヘモグロビンの約1割(11%)が一酸化炭素が結合したヘモグロビン(COHb)で、このため酸素ヘモグロビン解離曲線が左方変移し酸素が放れにくくなっています。


サンゴ礁のベラとシコクスズメダイREVdownsize
(サンゴ礁のベラとシコクスズメダイらしき魚(石垣島))
「席取りゲーム」を仕切る一酸化炭素
例えば、CO、一酸化炭素が1つヘモグロビンにくっつくと4つの席の内、残り3つの席にくっついているO2、酸素が離れにくくなる=ヘモグロビンはゆっくり時間をかけて体の組織にO2、酸素を“チビチビ”と供給することになります。COによる省エネならね「省酸素」がゾウアザラシ君のスーパー潜水を可能にしているようです。(ヘモグロビンには4つの酸素結合部位があり4つとも酸素で埋まっていると結合は強いのですが、1つでも離れると「雪崩現象」のように他の3つの酸素も一斉に離れます(アロステリック効果)。ところが一酸化炭素は残り3つの酸素を足止めするので酸素はチビチビと消費されます)

ひたすら省エネ、省酸素の深海ダイビング
これだけではありません。ゾウアザラシ君、潜水中は心拍数も下げて=代謝も下げて=酸素消費量を減らして、長時間の深海潜水に適応しているようです。普通の潜水後の16%増しの酸素が残っていたそうです。

ゾウアザラシ君の一酸化炭素はどこから?
ちょっと待って、なぜゾウアザラシ君は体内にたくさんの一酸化炭素、COを持っているのか?→実はヘム蛋白質(ヘモグロビン、ミオグロビンなど)が代謝される時に一酸化炭素、COが副産物として出来るそうです。

救急医療にも役立つかも!
もう一つ大事なこと、ヒトの医療にも役立つかも?のことがあります。「虚血再潅流障害」ってご存知ですか?例えば、血管が詰まって酸素が届かなくて組織が障害される心筋梗塞、脳梗塞、その治療として血管を再疎通させるのですが、それまで酸素不足だった組織(の細胞)に突然急に酸素が送られるとROS(Reactive Oxygen Species)、所謂「活性酸素」が発生して、神経細胞や組織細胞の“自殺”(apoptosis、アポトーシス)を惹き起こします。ひどい場合は全身の臓器が傷害されます

深海ダイブからの海面浮上は大問題のはずなんですが・・
長時間深海潜水で酸素不足に耐えに耐えたゾウアザラシ君が海面浮上し呼吸すれば体の組織にはこの「虚血再潅流障害」が起こるはずなのです。でも大丈夫、だってCO、一酸化炭素が新鮮な空気からのO2、酸素もゆっくりと体の組織に行きわたるよう働くからです。


ゾウアザラシ君に学ぼう
だから、今回の研究成果は単に「ゾウアザラシ君ってスゴイ!」だけじゃなく、ひょっとしてヒトの医療にも役立つんじゃない?と言うことのようです。なお低酸素に耐える動物たちは同じように酸素ヘモグロビン解離曲線が左方変移しているそうです。ちなみに一酸化炭素、COを使って「省酸素」する動物の研究報告は出典著者Michael Tift氏らが初めてだそうです。

出典:” Adaptive role of carbon monoxide (CO) in deep-diving marine mammals” Michael Tift et al. 22nd Biennal Conference on the Biology of Marine Mammals (2017/10/22-27)
出典:”Killer gas CO aids elephant seals’ deep dives” Elizabeth Pennis Science 27 October 2017 Vol 358, Issue 6362
出典: 「サボり上手な動物たち/海のなかから新発見」(岩波科学ライブラリー201) 2013年、佐藤克文氏、森阪匡通氏共著(岩波書店)
出典:ウキペディア記事「一酸化炭素中毒」「ボーア効果」「ゾウアザラシ属」
出典:「CO中毒」波呂卓氏講演 松山赤十字病院救急部カンファレンス(2014/9/12)
出典: 「ペンギンが教えてくれた物理のはなし」 2014年 渡辺佑基氏著(河出ブックス)


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ワンちゃんはかまってくれる人にはかわいい仔犬顔+パリの地元ルヴァロワ界隈

ワンちゃんはかまってくれる人にはかわいい仔犬顔+パリの地元ルヴァロワ界隈
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関心とそっぽとワンちゃん表情
(関心とそっぽに対するワンちゃんの表情)
ワンちゃんは仔犬顔でアピール
今回、「ワンちゃんはかまってくれる人にはかわいい仔犬顔を見せる」と言う研究結果のご紹介です。何となく「ネ、やっぱり」って思いません?




ワンちゃんとのコミュニケーションは3万年の積み重ね
これまで「白眼が目立つヒトワンちゃんは視線のコミュニケーションが出来る」、また、「仔犬は赤ちゃんと同じくヒトの声のトーンに反応する」、だから「イヌは3万年前からヒトのパートナーだった」ことなどをご紹介しました。今回の研究はワンちゃんが人にどう働きかけるかと言う観点です。
ワンちゃんとヒトとのコミュニケーションの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
赤ちゃん言葉の声に仔犬は耳を傾け成犬は知らんぷりなぜ+ブルターニュの美しき島ベルイル
白目でヒトとワンちゃんは目くばせする 行き付けBarとカフェ
apprivoiserは特別な絆最初のヒトの友はワンちゃん(+パリ1区8区歩き)
君の瞳の中にボクが居る ワンちゃんは特別な友達+南仏コートダジュール番外編


Malesherbes通りカフェdownsize
(マルゼルブ(Malesherbes)通りのカフェ)
我が街(だった)パリ郊外、ルヴァロワ
パリ時代暮らした地元の街ルヴァロワ(Levallos Perret)界隈のフォトを添えます、何のつながりもないのですが・・。
ルヴァロワ界隈の過去記事です↓(クリックで飛びます)
道具を使って蜜を取り一族にワザを伝えるマルハナバチ+パリ郊外ハチの街ルヴァロワ
パリ郊外ルヴァロワの市章ミツバチには秘密がいっぱい
地元の街のすてきな顔Hotel de Ville 後編


デファンス(Defence)近くのセーヌ(Seine)川downsize
(デファンス(Defence)近くのセーヌ川)
眉上げで目を大きくほっぺをぷっくりで「仔犬顔」に
ワンちゃんも、人と同じく、眉を上げると目が大きく見えて「かわいい仔犬顔」になるそうで、更にほっぺがふくらんで(ヒトなら口角が上がる表情?)より「仔犬顔」になるそうです。

注意を向けてくれる人には仔犬顔を見せる
出典著者Juliane Kaminski氏らの研究では、イヌはかまってくれそうな(注意を向けてくれる)人にはこのようなかわいい「仔犬顔」の表情でコミュニケーションを取ろうとしました。でもヒトと違うのはこのとき舌も出すことですけど。

Levallois 市章を包むチューリップREVdownsize
(ルヴァロワ・ペレ(Levallois Perret)市章を包むチューリップ花壇)
餌の有無は関係ない(餌に惹かれてるんじゃない)
イヌは人が向き合って注目してくれる(関心を払う)場合には、高い頻度(※)で、かわいい「仔犬顔」になりました。これは人の手に餌があっても無くても同じでした(餌で喜んでいるわけじゃない)。
※:眉上げ頻度(eyebrow raiser)をビデオ解析で計測した


そっぽを向いたら餌が見えてもダメ
一方、人が背中を見せてそっぽを向いていれば、たとえ餌を見せても「仔犬顔」の表情になることが少なかった(頻度(※)が低い)そうです。(そっぽでも仔犬顔ゼロじゃないのは「冷たくされてもかまってほしい」からでしょうか?)

食べ物への反射的な反応じゃない
以前はイヌが親しい人に見せる表情は餌などを見た時に反射的に起こる表情と思われていたそうですが、Kaminski氏らによればこの研究結果から、むしろ「イヌはヒトとコミュニケートする“意図”で表情を(かわいく)変えている」ように見える、しかし、メカニズムの詳細はこれからだそうです。

ルヴァロワ市庁舎早春のひなたぼっこREVdownsize
(ルヴァロワ市庁舎の庭で早春のひなたぼっこ)
人が目を閉じてたらワンちゃんは餌を盗んだ
別の実験では、餌を与えていない(空腹)のイヌは、人が関心を払っているときよりも無関心なときにより多く餌を盗み喰いしたそうです。また、人が目を開いているときよりも、目を閉じている方がより多く餌を盗んだそうです。
ワンちゃんは人が(自分に)関心を払っているか、どうかにとても敏感なようです。


プランシェット公園から見上げるアパルトマンREVdownsize
(プランシェット公園(Parc de la Planchette)から見上げるアパルトマン)
ワンちゃんはアイコンタクトした人の視線を追う
また別の実験では、予めアイコンタクトがあった場合はイヌは人が視線を変えたとき視線を追いましたが、なかった場合は追いませんでした。

家畜化以来3万年、イヌは「空気を読む」能力を進化させた?
Kaminski氏らはイヌは家畜化以来のヒトと過ごした3万年の間に「空気を読む」=社会的な背景を認知する能力を進化させたのかも知れない、と推論しています。
だから、ワンちゃんは人の視線だけじゃなく仕草にも敏感ですよね。


出典:”Human attention affects facial expressions in domestic dogs” Juliane Kaminski et al. Scientific Reports vol.7, Article number:12914 (2017), doi:10.1038/s41598-017-12781-x
出展:” Are dogs manipulating you with their puppy eyes?” Science 20 October 2017 Vol 358, Issue 6361
出典:”Dogs have pet facial expressions to use on humans, study finds” Nicola Davis氏執筆 the guardian誌(ウェブ)Science/ Animal behaviour


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二番じゃダメなんですか?ハリファックスが辿った地味な道

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ハリファックスの前期型と後期型を比べてみると
(ハリファックスの前期型と後期型を比べてみると・・)
★今回イラスト中のハリファックスのカラー側面図は出典から借用しています

二番でも地道に頑張ったハリファックス
昔、蓮舫さんの名言(迷言?)にスパコン研究に対して「二番じゃダメなんですか?」なんてありましたけど、二番でも地道に頑張ったヒコーキもあります、ハンドレページ ハリファックス(Handley Page Halifax)と言います。




戦略重爆と言う陰湿な稼業
第二次大戦連合国軍勝利の決定打の1つに、軍隊ではなく市民を痛めつけて士気を削ぐ、戦略爆撃と言う陰湿な戦略があります。それでも当時は必要悪とされたのかも知れませんが・・。ランカスター、B-17、B-24、B-29などと共にその一翼を担ったのがハリファックスです。

Halifax B III フランス空軍downsize
(Halifax B III フランス空軍機)
欠かせない主力だけど雑用もしてネ
欠かせない主力の1人と言われながら常に二番手、どの実績で見ても二番、映画になるような華々しい活躍や戦果もほとんどなく、でも常に地道に主力の一翼を務め、花形が手を染めないような雑用もこなしたヒコーキがハリファックスです。

印象操作でダメヒコーキにされた?ハリファックス
RAFボマー・コマンドのボス、ハリス大将は「ハリファックスは4機合わせてやっとランカスター1機分の働きだ」とか言ったそうですが、“ハリファックスがランカスターに対してすべてが劣る二番目”と言うのは実は当時のRAF上層部の“印象操作”による「ゆわれなき濡れ衣」だと今では解っています。

改良を重ねて別人になっちゃたハリファックス
無名の駄作っ機ならいざ知らず、空軍の主力機種にも拘わらず、ハリファックスったら、①垂直尾翼は三角から四角になるわ、②主翼端も四角から丸になり、③エンジンは液冷から空冷に、④機首もアナクロな銃座からスマートな透明機首にと・・・こんなにも外見が変わってしまいました。
そんなヒコーキはハリファックスくらいでしょう。しかもRAF名物の左右非対称コックピットだし。


前期型と後期型ですっかり形が変わったHalifax
(前期型と後期型ですっかり形が変わったHalifax)
こんなに改良進歩したヒコーキも珍しい
最大速度だけで見ても・・・ハリファックスはI型256mph、III型277mph、VI型312mph(時速502km)と性能向上が著しい。一方でライバルたちは、ランカスターはほぼI型282mphで通したし、B-17は後期G型でも287mph、B-24のD型252mphが後期のJ型244mphでかえって鈍足になっちゃったし・・・。(mph:マイルで測る時速、1マイル=1.609km)

生まれた時から二番なんです、ハリファックス
そもそもハリファックスの生い立ちは、Avro 679アヴロ・マンチェスター(後にランカスターに発展)の補欠、失敗した場合の保険(Back-up)としてハンドレページが試作発注を受けたHP56から始まります。初めから「二番」だったんです。

Halifax A V 北アフリカdownsize
(Halifax A V 輸送機型は北アフリカでも働く)
ライバルを出し抜いてデビューしたけれど

HP56は当初、駄作っ機を“量産”したヴァルチャー・エンジン双発HP56でしたが、目先が利いていたのかHP社はとっとと信頼のマーリン4発HP57に設計変更、マンチェスターの苦労を尻目に1941年にはボマーコマンド期待の星としてデビュー、早速戦艦シャルンホルストなどを攻撃したり。

ハリファックスも夜のお仕事に転職
しかしハリファックスの初期型(II型)は銃座の抵抗が大きくて重くスピードが出ない。ウェリントンなど他のRAF爆撃機同様、昼間の出撃では損害も多く早々に夜間爆撃に切り替えられました。

Halifax Met V シリーズ 1A コースタールコマンド塗装downsize
(Halifax Met V シリーズ 1A 気象観測機は真っ白なコースタールコマンド塗装)
退避機動したらスピンに入って墜落しちゃう
夜に移ってからも夜間戦闘機からの退避機動コークスクリュー※を取ろうにも面積不足の垂直尾翼がダメでスピンに入って墜落しちゃう。だから損害もうなぎ上り。
(※コークスクリュー(corkscrew)退避機動:ワインの栓抜きのようにらせん状に急降下する退避機動で、視界の悪い夜間戦闘では特に有効、でも高い運動性が必要、その点ランカスターは4発ながら抜群の運動性でした)


パワフルなら低空任務はいかが?
ハリファックスのハーキュリーズ・エンジンはパワフルだけど高空向きじゃなくて作戦高度が下がってしまい高射砲に喰われやすい→でも低空ならパワーはある→じゃ低空任務はどう?

Halifax A V Series 1A D dayグライダー曳航downsize
(Halifax A V Series 1A、Dディにはライダーも曳航)
貨物や人など運んでみる?
ハリファックスの設計思想はちょっと古く分割された狭い爆弾倉で大型爆弾が積めない→でも胴体は広くゆとりがある→じゃ爆弾以外の荷物はどう?

戦闘機に遭わない仕事はないの?
ランカスターほど軽快じゃないし、尾翼は安定性不足でコークスクリューの退避運動で敵戦闘機をさッとかわすのが難しい→じゃ、戦闘機にあまり遭わない仕事ないかな?

Halifax B III SEACのELINT機downsize
(Halifax B III 極東派遣SEACラウンデルのELINT機)
じゃもう、雑用なんでも承りま~す
・・・てことで、ハリファックスは“スター”のランカスターがやらないような、マリタイム機(哨戒機)、気象観測器、グライダー曳航機、貨物輸送機など幅広く“雑役”をコツコツ地味にこなしました。

最先端の電子作戦機にもなりました
それでもハリファックスIII型になるとパワフルなエンジン、大搭載量、広いスペースと比較的高速を活かして第100グループでELINT機など当時最先端の電子作戦機なんかもやってます。

大戦末期のハリファックスVI型の性能はスゴイ!
ハリファックスは常にライバルの傑作機ランカスターの後塵を拝していたのですが、大戦末期の別機かと見間違えそうな大改造後のIII型、更にパワーアップしたVI型はランカスターを凌ぐ性能になったんですけど、印象は薄いようです。


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コウモリってスゴイんだか?ドジなんだか?でもベストセラー動物+パリの夜

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ハロウィンのサブキャラ、コウモリのお話
この記事がアップされる頃にはハロウィンは終わってるかな?(予約投稿です)ハロウィンと言えばかぼちゃとコウモリ。何だかけなげで、ちょっとドジだけど、やっぱりちょっとコワイ、大繁栄の傑作動物コウモリのサイエンス小ネタです。





鼓動を減らして休むTent Making Bat
(鼓動を減らして休むtent making bat)
【鼓動を減らして飢えをしのぐ】
かわいくもすごい能力のコウモリ

ドラキュラの相棒でもあるコウモリってちょっとコワクて怪しい印象ですが、この写真を見てください、かわいいでしょ!中南米に棲むtent-making bat と言います(出典文献からお借りしています)。実は飢えを凌ぐために心臓の鼓動をうんと少なくして休んでいるんです。

夕暮れ芸術橋(Pont des Arts)のシルエットdownsize
(夕暮れのセーヌ川、芸術橋(Pont des Arts)のシルエット)
妖しの刻、夕闇のパリ
夕闇から夜に移る妖しい時間つながりで夕闇のパリのフォトを添えます(古い在庫ですが)
パリの過去記事はこのリストから↓(クリックで飛びます)
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1日食べなきゃ死んじゃうコウモリ
ハチドリと同じく小さな体でエネルギーを使って飛び回るコウモリは1日でも十分な餌にありつけなければ、そのままでは飢え死にしてしまいます。

夕暮れセーヌ20031226downsize
(夕暮れセーヌ、グラン・パレ)
コウモリは心臓の鼓動を減らす省エネで凌ぐ
出典著者Teague O'Mara氏らの研究によると、tent-making batなど小さなコウモリたちは心臓の鼓動を10分の1くらいまで減らし代謝を下げて消費エネルギーを節約することで次の日まで耐えて凌ぐらしいです。スゴイ能力ですね。「冬眠」?いえ、亜熱帯では気温が高すぎて冬眠は無理です。

高い心拍数で飛ぶから喰わなきゃ燃料切れ
ヒトが目いっぱい運動しても心拍数は毎分240ですが、飛翔中のこのコウモリtent-making batの心拍数は約800-1000!ホバリング中のハチドリ(blue throated humming bird)の心拍数毎分1200越えに近い。

その日の果汁が命をつなぐ、でなきゃ飢えちゃう
このかわいいコウモリ君、tent-making batはイチジクの果汁を食べるベジタリアンです。1日に摂る果汁のカロリーが体脂肪のカロリーの半分にあたるのだそうで、そりゃ1日食べなきゃ死ぬわな。しかし果物食のコウモリにとって餌のイチジクの果汁を探すが大変、見つからず空腹の日もあります。

10%の省エネが生死を分ける
tent-making batは休むときには、飛翔中の心拍数の約4分の1の毎分200-300まで下げることで1日の消費エネルギーを10%節約できます。この10%省エネがその日の生死を分けるのだそうです。

シャンゼリゼ街角夕暮れdownsize
(シャンゼリゼ通り街角の夕暮れ)
【ツルツル壁が見えず衝突事故】
全天候ステルス戦闘機みたいなハンティング

薄暮が宵闇に移ろいゆく妖しの刻、音もなく黒い影が空を舞いエコーロケーション(音響定位;潜水艦のワザと同じ)で障害物を巧みにかわし、餌(たいていは飛ぶ虫)を音響レーダーで捕捉します。まるでボマーストリームにそっと紛れ込みドイツ夜戦を静かに葬るモッシー(Mosquito NF30)のように・・。

垂直のツルツル壁は「想定外」です
そんなステルス夜戦みたいなコウモリ君も人工物は想定外なんです。特にツルツルで垂直な壁はコウモリには「見えない」んです。だから近年、ビルのガラス壁への衝突事故が多発し「渡り鳥の灯台衝突」のように、種の保全の観点から問題になりつつあります。

ピカピカのガラス戸は見えないよ
よく磨かれたビルの大きな1枚ガラス戸にぶつかった経験はありませんか?生まれつきドジな私、Levalloisbeeはある時、お掃除の方にピカピカに磨いていただいた研究所玄関ドアに「開いている」と勘違いで激突、負けたボクサーみたいにまぶたを切り腫れ上がりました。
コウモリも同じ理由でツルツルのガラス壁には激突するんです!


シルエットの凱旋門downsize
(シルエットの凱旋門)
金属は「見えない」けどフェルトなら「見える」よ
出典著者のStefan Greif氏らは凹凸のないツルツル金属の壁はコウモリは避けずぶつかるが、フワフワのフェルト壁はちゃんと避けて飛ぶことを見つけました。視覚の影響を除くためコウモリには見えない赤外線下で実験しても結果は同じでした。

鏡なんだもん、無いと思っちゃう
なぜか?コウモリは薄暮の空で音響エコー(潜水艦や護衛艦がビンカーを打って反響を探るように)で障害物(樹木とか)や餌を“見て”います。自然環境はデコボコでザラザラですから反響で十分な情報が得られます。でもツルツルの垂直壁は、音響的には磨き上げた鏡やガラス戸のように「そこには存在しない」ように捉えられるからぶつかるのです。

コウモリにとって平面はステルス
「意図せずステルス機」の傑作は木製非武装高速機”Wooden Wonder” D.H.モスキートですが、「意図したステルス機」の草分けロッキードF-117は多角形平面だけで外形が構成されています。つまりはレーダー電波の乱反射が無いってことで「見えにくい」。コウモリの超音波エコーロケーションも高層ビルのまっ平な壁はステルス機F-117のように「見えない」んでしょうね

サンジェルマンのカフェdownsize
(サンジェルマンのカフェ夜景)
【SARS感染源、こわい一面もあるコウモリ】
SARS(サーズ)の感染源はコウモリ

パンデミック(感染症世界流行)の呼吸器感染症SARSやMERSの病原体であるコロナウイルスのヒトへの感染源の1つはコウモリです。

コウモリの10%にコロナウイルスが
Simon J. Anthony氏ら(※)は世界各地から色々な野生動物(コウモリ1万2千匹、ネズミなどげっ歯類とトガリネズミ3400匹、サル3500頭)のサンプルを集めてコロナウイルスを調べました。
するとコウモリの10%にコロナウイルスが見つかりました、他の動物では0.2%程度だったのに。
(※:「新興感染症世界流行の驚異(EPT)計画)


感染源としてウォッチが必要
コロナウイルスの多様性が最も高い(=新しいウイルスが生まれやすい)のはアマゾンのコウモリで、異種間のコロナウイルスの伝搬しやすいのはアフリカのコウモリだったそうです。コウモリはコロナウイルスの自然宿主、ヒトへの感染源として監視しなければならないのだそうです。

オープランタンXmas downsize
(オープランタンのXmas飾り)
【哺乳類種の4つに1つはコウモリ】
鳥は昼、コウモリは夜の空に棲み分け

白亜紀末の大絶滅で翼竜が恐竜とともに絶滅し「空」という空きニッチが出来ましたが、空には鳥類が生き残っており、空に進出した哺乳類、コウモリは夜の空へと棲み分けたようです。

生物多様性を維持するなら壁の音響作用も考えなきゃ
コウモリは世界のすべての大陸に分布し、哺乳類の中でも大成功した動物で、980種と種の数も多く哺乳類の種の4分の1を占めます。だから、コウモリは生態系への貢献も、インパクトも大きい動物群です。
コウモリたちが大都会のガラスビル群のために命や種の存続が危うくなることは避けなければいけないんじゃないかな?・・と思うLevalloisbeeです。


出典:”Cyclic bouts of extreme bradycardia counteract the high metabolism of frugivorous bats” M Teague O'Mara et al. eLife 2017;6:e26686 DOI: 10.7554/eLife.26686 (2017)
出典:“To avoid starving, this bat varies its heart rate from 1000 to 200 beats per minute” Elizabeth Pennisi Science Vol 358, Issue 6361 (2017)
出典:”Acoustic mirrors as sensory traps for bats” Stefan Greif et al. Science Vol357 Issue 6355 pp1045 (2017)
出典:”Why do bats crash into smooth surfaces? They never 'see' them, this video reveals” Giorgia Guglielmi Science Vol 358, Issue 6361 (2017)
出典:「コロナウイルスの自然宿主はやっぱりコウモリ!」”Bats exposed as main coronavirus carrier” Natureダイジェスト9月号NEWS IN FOCUS P.11


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植物は聞こえている、水音で水脈を探る植物の音コミュニケーション+多摩の秋

植物は聞こえている、水音で水脈を探る植物の音コミュニケーション+多摩の秋
~ 実は植物は聞こえているらしいですよ ~

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水音がする逆Y字植木鉢でエンドウを育てると
(水音がする逆Y字植木鉢でエンドウを育てると・・)
実は植物も聞こえてるんですよ
植物は実は聞こえているらしく、水脈を音で探り当て、羽音で受粉してくれる虫の訪問を知るようです。




緑から赤へのグラデーションが美しいdownsize
(緑から赤へのグラデーションが美しい;多摩丘陵M大の秋)
植物は光に加えて音も感じる
植物が光合成だけでなく、光を感じて発芽や開花を行うことはよく知られていますね。生き物が感じる環境からの刺激の主なものには、光のほかに音(音波、振動)がありますが、植物が音を感じるのかどうかはよく分かっていなかったみたいです。ちなみに以前から「音楽を聞かせると成長が良い」などの話もありますが、科学的な根拠は乏しいそうです。

キラキラと風に揺れるススキREVdownsize
(キラキラと秋風に揺れるススキの穂)
水は生命線、どうやって探り当てるのか?
植物にとって水はまさに生命線!だから地中の水のあるところ=水脈 に向かって根を伸ばします。もしも、水脈が近ければ湿度勾配を感知して根は水に辿りつきます。

「水音」を聴いて水脈を探る
しかし、砂漠のように水脈が深い(根から遠い)場合はどうするのでしょうか?どうやら「水音を聴いて」水脈を探り当てるようなのです。
植物のコミュニケーションや協力の過去記事はこれです(クリックで飛びます↓)
植物は“危険の香り”を盗み嗅いで守りを固める
みんなで育てばコワクない、植物の共存共栄+先島諸島の珊瑚礁散歩


逆光にカエデの赤が透けるdownsize
(陽光にカエデの赤が透けてかがやく)
「逆Y字」型植木鉢と言うエレガントな装置
出典著者の西オーストラリア大学(University of Western Australia)のMonica Gagliano氏らは二股に分かれた逆Y字型の植木鉢にエンドウマメを植えて育てました。逆Y字の一方に水を流すと根はそちらに伸びました、水分(湿度)勾配を辿ったんですね。

“音はすれども水気はない”方に根が伸びた
そこで土に埋めたチューブの中に水を流すと「水音」はするが水が浸み込まないので湿度は感じられません。それでも水が流れるチューブの方に根を伸ばしたそうです。Gagliano氏は「植物は水音を聴いているのではないか?(水流の振動を感知している)」と推論しています。

逆光に映える黄葉のイチョウdownsize
(逆光に映える黄葉のイチョウ)
葉をかじる音を聞くと化学兵器を用意
また米トレド大学(University of Toledo)のHeidi M. Appel氏らの研究では、イモムシが葉をかじる音を録音し植物のシロイヌナズナに聞かせたところ(虫はいないのに)毒物を合成するなど防御態勢をとったそうです。

ミツバチの羽音だけで「花粉発射準備完了」に
別の研究では花粉を運んでくれるミツバチの羽音を録音し、これを植物に聞かせたところ、実際にはミツバチはいないのに、葯が開き「いつでも花粉発射OK体制」になったそうです。

燃え立つような赤いカーテンdownsize
(燃え立つ赤のカーテンを掛けた木々)
植物の「音コミュニケーション」
同じくGagliano氏らは別の研究によれば、葉や根の細胞の中の細胞小器官(cell organelle)が振動すると周りの細胞が“共鳴”して増幅しその振動が周りの他の植物に伝わる=他の植物に聞こえる、「植物の音コミュニケーション」を推測しています。
ちなみにこの振動を駆動するのは動物の筋肉の駆動装置と同じミオシン蛋白質らしいです。


植物が聞く仕組みとは?
このような最近の研究結果からどうやら植物は何らかのメカニズムで環境の音を聞き取っているらしいのです。Michael Schoner,氏(University and Hanseatic City of Greifswald)らは私たちの耳の音を聞く仕組みのように微細な繊毛のようなもので植物も音を感じるのかも知れないと考えているそうです。

出典はリンクを貼っていませんのでご興味のある方はURLをコピペしてください↓

出典:「植物は聞こえている」日経サイエンス2017年9月号P.20
出典:” Tuned in: plant roots use sound to locate water” Monica Gagliano et al. Oecologia Vol. 184, Issue 1, pp 151–160 (May 2017)
https://link.springer.com/article/10.1007/s00442-017-3862-z
出典:” Green symphonies: a call for studies on acoustic communication in plants” Monica Gagliano Behavioral Ecology, Vol. 24, Issue 4, pp 789–796 (1 July 2013)
https://academic.oup.com/beheco/article/24/4/789/218916/Green-symphonies-a-call-for-studies-on-acoustic


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シジュウカラは単語ではなく文章でサエズリを理解する+練習機T-6テキサン/ハーバード再び

シジュウカラは単語ではなく文章でサエズリを理解する
+練習機T-6テキサン/ハーバード再び

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シジュウカラには語順の文法がある
(シジュウカラには語順の文法がある)

シジュウカラ
(今回の主役、シジュウカラ(Japanese tit)、出典からお借りしています)
日本の若手研究者の成果です
日本の若手研究者の研究成果についてのサイエンス小ネタです。




トレーナーイエローのカナダ空軍テキサンdownsize
(トレーナーイエローのカナダ空軍ハーバード;パリ郊外la Ferte-Alaisのエアショーにて)
練習機もコミュニケーションが大切
何の脈略もないのですが「小っちゃくて、かわいい飛ぶもの」つながりで練習機T-6テキサン/ハーバードのフォトを添えています
ハーバーード/T-6テキサンの過去記事はこれです(クリックで飛びます↓)
1年生が乗ります練習機は安心安定のデザインでなきゃT-6テキサン

上品なシルバードープはお仏蘭西海軍テキサンdownsize
(上品なシルバードープはお仏蘭西海軍テキサン)
文章が分かる!かわいいシジュウカラ
日本の山野でお馴染みの小鳥、シジュウカラ(Japanese tit)はかわいいですよね。それだけじゃなくとっても賢いんです。サエズリの文章構成(構造)を理解しているようなのです。

サエズリはトリさんの音声コミュニケーション
トリさんたちは「さえずり」で、メスを呼んだり、縄張りを主張したり、敵への警戒を伝えたりと、音声コミュニケーションします。そして同じトリさんでもその目的によってさえずりは違います。

飛行服もレトロなショータイムのテキサン出撃(Ferte Alais エアショー)downsize
(飛行服もレトロなショータイムのテキサン、出撃!です)
語順さえ正しければ「新語」でも分かるよ
私たちヒトは単語の新しい組合せでも、その単語が「新語」でも、その語順により「文章」として意味が分かりますし、単語の並び順が違うと意味不明になります。シジュウカラもサエズリ(=単語)の語順が意味を持つ、即ち聞いた者はその意味に応じた反応をするようです。

「気を付けろ」+「ねぇ、みんな」=「それ、かかれ!」
敵が来た時などAlert「気をつけろ」の警戒のさえずりと、仲間への呼びかけApproach「ねぇねぇ、みんな」を、Alert →Approach の語順でさえずると、「敵だ、みんな、かかれ!」と言う意味になるようで、シジュウカラだけでなく、同じ群れの他のカラたちも一斉にmobbing、「集団での威嚇行動」をします。

サエズリを聞かせて文法を調べる
出典著者の鈴木俊貴氏らはシジュウカラの様々なサエズリを録音し、その種類だけでなく、組合せの順番=文章構成=「サエズリの文法」も変えてシジュウカラに聞かせてみたところ・・・

シルバーがまぶしい本家米空軍のテキサンREVdownsize
(シルバーがまぶしい本家米空軍のテキサン)
コガラ語でもシジュウカラにはちゃんと通じる
じゃ、新しい単語にしたどうなる?シジュウカラのAlertと同じカラの仲間コガラのApproachをシジュウカラ語のAlert →コガラ語のApproach 「ちょっと、ちょっと、アンタら」(関西弁で読んでネ)の語順にしてもちゃんとシジュウカラは反応しました。

語順が違うと“意味不明”、「小鳥語」にも文法はある
ところが、語順を逆にしてApproach→Alertにすると全く反応せず、どうやらシジュウカラにとっては「意味不明」になってしまったようです。ヒト以外の動物も、ちっちゃな小鳥でもヒトと同じく「言葉(サエズリ)の文法」を使うようです。

著者のウェブサイトです
ちなみに出典著者の鈴木俊貴氏はかなりユニークな研究者のようです。氏のウェブサイトもあり以下がURLです。リンク貼っていませんのでコピペでご訪問ください。
https://sites.google.com/site/toshinsuzuki/profile


出典:”Wild Birds Use an Ordering Rule to Decode Novel Call Sequences” Toshitaka N. Suzuki et al. Current Biology Volume 27, Issue 15, p2331–2336 7 August 2017
出典:”These highly social birds can make sentences just like humans” Giorgia Guglielmi Science Vol 357 Issue 6349 28 July 2017(ティット(シジュウカラ)たちのさえずりの動画もあります)


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