「色の黒いのは公害に強い」ウミヘビの重金属脱皮戦略+石垣ダイブの生き物たち

「色の黒いのは公害に強い」ウミヘビの重金属脱皮戦略
+石垣ダイブの生き物たち
 ~ 毒も脱ぎ捨てられるウミヘビ君ってスゴイな! ~

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都会のウミヘビは黒くなる
(都会のウミヘビは黒くなる)
石垣で出会ったアブナイ警戒色
石垣島ダイビングで一度ウミヘビ君に出会いました。鮮やかなストライプはいかにも「オレはアブナイんだぞ」の警戒色縞模様でした。




石垣ウミヘビのペアともう1匹REVdownsize
(石垣ダイブで出会ったウミヘビのペア?ともう1匹)
都会の海の黒いウミヘビ
でも南太平洋の都会に近い海のウミヘビ君の5匹中4匹(8割)は“真っ黒なウミヘビ君”だそうです。この辺りの海は開発で鉛や亜鉛など重金属公害で汚染されています。そして色の黒いのは公害対策であるようなのです。

スウェーデンカラーがおしゃれなニシキヤッコREVdownsize
(スウェーデンカラーがおしゃれなニシキヤッコ)
色の黒いのは公害を脱ぎ捨てる
「色の白いのは七難隠す」なんて言いますが、「色の黒いのは公害を脱ぎ捨てる」ようなのです。体に取り込んでしまった重金属を脱皮で脱ぎ捨てるんです。

ハマクマノミに見つめられてしまったREVdownsize
(ハマクマノミに見つめられてしまった)
石垣の海にも居ます
石垣の海で出会ったウミヘビと魚たちのフォトを添えています。
石垣島ダイブ過去記事はこれです(クリックで飛びます↓)
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記


アオウミガメdownsize
(アオウミガメ、昼寝中を起こしてしまった)
黒い色素メラニンは重金属を貯め込む
動物の皮膚の黒や褐色などの暗い色は主にメラニンと言う色素による色で私たちが日焼けで皮膚が焼けるのと同じです。メラニンはアミノ酸のチロシン(Tyr)が化学変化し更に重合したポリマーですが、実は重金属をくっつける性質があります(親和性が高い)。

重金属の貯まった皮を脱皮する
南の都会の海の黒いウミヘビ君はその皮のメラニンに環境から取り込んでしまった重金属を貯め込みます。そして脱皮することで重金属を皮ごと捨ててしまえるので公害に強いらしいのです。

クマノミのペアREVdownsize
(クマノミのペア)
ニューカレドニアの黒いウミヘビ
出典著者のClaire Goiran氏らの研究では、ニューカレドニアのウミヘビTurtle-headed Sea Snake (Emydocephalus annulatus)は重金属汚染が高く、都会の海の「黒いウミヘビ」の方が他の場所の縞模様のフツウのウミヘビより脱皮した皮により多くの重金属が含まれていました。

頻繁に脱皮して重金属を捨てる
また、同じ場所に棲む「黒いウミヘビ」の方が縞々ウミヘビよりも頻繁に脱皮するそうです。皮膚のメラニンに有害な重金属を閉じ込め、脱皮により重金属を「脱ぎ捨てる」という、都会の汚染された環境への適応であるようです。

IMG_0447ハナミノカサゴdownsize
(ハナミノカサゴ、コウモリみたいにさかさまで休んでます)
白縞よりも黒縞に重金属が多く溜まる
更にフツウの縞々模様のウミヘビでも黒い縞の部分の方が白い縞よりも重金属が多かったそうです。なお黒い皮膚にはCo、Mn、Ni、Pb、Znの重金属5元素が有意に多かったそうです。


やっぱりナ、射爆場は重金属で汚染
都会ではない南の海にも「黒いウミヘビ」が要る特別な場所があり、それは①米軍爆撃訓練の射爆場(重金属入りの爆弾や弾丸が飛び交う)と②海釣りサイト(重金属入りの釣り備品を海に落とす)だそうです。

好奇心旺盛ロクセンスズメダイ幼魚REVdownsize
(好奇心旺盛ロクセンスズメダイ幼魚)
黒いのはおシャレやUV対策じゃありません
ちなみに都会ウミヘビの皮膚が黒い原因/理由として、①敵から姿をくらます保護色、②雌にアピールする婚姻色、③強い日差しのUV対策・・なども考えられそうですが、いずれも否定されるそうです。

都会鳥も公害を脱ぎ捨てる
更に別の研究では「都会鳥」のヨーロッパのドバトちゃん(Columba livia)も色が黒くなっているそうで、同じく暗い羽色のメラニンが公害の重金属をトラップするようです。なるほどトリさんは換羽しますから、ヘビの脱皮と同様、毒の重金属を「脱ぎ捨てる」ことが出来ると言うわけです。


そんなに速くちゃ進化が間に合わないよ
ヒトが汚してしまった環境の下でも野生の動物たちは必死に生き延びているようです。でも生き物の環境適応能力にも限界はあります、「そんなに速くちゃ進化が間に合わない」からです。黒いウミヘビ君すらいなくなる海にならないよう、私たちの営みによって自然に今何が起こっているのかを正視するときなのかも知れませんね。

出典のURLにはリンク貼っていませんのでコピペでご訪問ください

出典:”Industrial Melanism in the Seasnake Emydocephalus annulatus” Claire Goiran et al. Current Biology Volume 27, Issue 16, p2510–2513.e2, 21 August 2017
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2017.06.073
http://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(17)30810-2
出典:”Dark skin lets sea snakes slough off pollution” Patrick Monahan Science Vol 357, Issue 6351 11 August 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/08/dark-skin-lets-sea-snakes-slough-pollution?utm_campaign=news_weekly_2017-08-11&et_rid=208065204&et_cid=1487863
出典:”Why Dark Pigeons Rule the Streets” Sid Perkins Science Vol 357, Issue 6351 11 August 2017
http://www.sciencemag.org/news/2014/03/why-dark-pigeons-rule-streets


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