仲良しに分けてあげるのは3歳から

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生き物とちきゅうのお話minisize
仲良しに分けてあげるのは3歳から
今回は「こどもごころ」のサイエンス・トピックスなのでやさしい花の写真を添えます。
おしゃべりしているようなシクラメンたちdownsize
(おしゃべりしているようなシクラメンたち)




ヒトの”美点”は「共同的なで気前がいい」こと
桃源郷の野の花REVdownsize
(桃源郷で見つけた野の花)
チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータン、ヒトに一番近い種で知能が高く”文化”や”自我”もあると言われる大型類人猿。そんな彼らに比べてもヒトが誇れる”美点”(あくまで人の尺度ですが)は「共同的なこと」と「気前がいいこと」なんだそうです。


子供にとっておもちゃは宝物・・・
陽だまりの花とつぼみREVdownsize
(陽だまりに咲く小さな花とつぼみ)
じゃ、おもちゃをほかの子にも分けてあげられるでしょうか?3歳から5歳くらいの幼児は「たなぼた」でもらったおもちゃは独り占め、でも成長につれ欲しがるほかの子にも分けてあげるようになります。


「仲良しだから分けてあげる」は3歳から・・・
幻想的な集合花downsize
(重なり合う薄い花びらが幻想的)
では「共同作業」で手に入れたおもちゃは?Katharina Hamann氏らは、幼児をペアにして、おもちゃを(1)それぞれが取れる、(2)一緒にがんばると取れる、という状況に置くと、一緒にがんばったときの方が手にした子が相棒の子にも分ける割合が3倍多かったそうです(25%と75%)(Nature vol. 476 (No.289) 2011年8月18日号)。3歳児はこれが出来ましたが、2歳児はダメだったそうで、「労働と対価」「協力と公平性」の心得は3歳くらいから芽生えるようです、大人になって忘れる不届き者もいますが。チンパンジーは手に入れ方とは無関係に力関係で分配するようですからヒトになって進化した社会的能力のようです。


出典: natureダイジェスト 2011年11月号 P.11 「人類は、三つ子のときから共同的」”When it’s fair to share” Sadaf Shadan氏 (原典:Nature vol. 476 (No.289) 2011年8月18日号)

見知らぬ人でも2割は分けてあげます
真っ赤な情熱REVdownsize
(真っ赤は情熱の色)
実験のボランティアを募り「1000円あげます。となりのボランティアに好きなだけ分けてあげてください。残りがあなたの参加報酬で、となりの人にはあなたが分けた金額を『参加報酬』と言って渡します(ボランティアだから0円でも相手は納得)」と言うと、顔も見ない他人に平均で20%(200円)、最高で40%を分けたそうです。あなたならどうします?僕はきっと2,3割あげるな。


カネじゃないよ、ほめられたいんだよ
ラッパスイセンの正面REVdownsize
(正面を向くと印象が違います、ラッパスイセン)
この結果は、自分を見ている他人がいない状況でも「社会の中での自分の評価を良く保ちたい」気持ちが働くのではないか、と解説されていますが、ヒトも捨てたものではないですね。


出典: 「つながる脳」 “Social Brains” 藤井直敬氏著2009年(NTT出版)
藤井氏はこの著書で2匹以上のサルを使うユニークな手法で社会的なコミュニケーションにおける脳の働きに迫り、BMI(ブレインマシーンインターフェース)にまで言及して、最後の章「リスペクトがつなげる世界」ではヒトは「カネだけじゃない、仲間にほめられたい、役に立ちたい」が意思決定の大きな要素だと述べています。藤井氏の研究室ホームページには「適応知性とはヒトとヒトを上手に繋げる脳力です」とあります。
藤井氏研究室ホームページURL
http://ai.brain.riken.jp/

清楚なパンジーREVdownsize
(白に濃紫が清楚なパンジー)

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コメント

Re: No title

エヌエフさま、こちらこそリンクありがとうございます。
これをはげみにヒコーキの話題もまた書きます。
これからもよろしく。

> おはようございます。
> このたびはリンク頂きありがとうございます。
> 人間的に未熟な私には、こういった人生訓的な話は沁みますねぇ。これからも色々教えてください。
> それと、ヒコーキや欧州の情報もヨロシク!

No title

おはようございます。
このたびはリンク頂きありがとうございます。
人間的に未熟な私には、こういった人生訓的な話は沁みますねぇ。これからも色々教えてください。
それと、ヒコーキや欧州の情報もヨロシク!

Re: No title

アンペルフラウさま、いつも訪問、そしてコメントありがとうございます。
生物屋なので脳、そして「こころ」の働きにはとても興味があり、科学誌の記事をフォローし、専門書も何冊か読んでいますが、ご指摘の点、ちゃんとした答えはまだないように思います。
サル(旧世界ザル)は見事なマキャベリアンだそうですが、「無償の・・」「惜しみない・・」ことが出来る、「ほめてほしい」「認めてほしい」健気さがあることがヒトの”美点“と思いたいですね。
これを励みにまた書きます。

> こんにちは!
> いつもながら写真、とっても綺麗ですね!
>
> でも今回はそれ以上に、お話、興味深かったです。
> このshareの観念って、子供が育った国によって差はあるのでしょうか?
>
> ボランティアの実験も、国によって多少の金額の差が出そうだな~なんて勝手に思ってしまいました。
>
> でも、どこの国でも、何歳になっても、自分が役に立っているのを実感したり、褒められたりするのは、自己の存在意義の元ともなりますし、生きる上でも重要ファクターですよね。
>
> うちの子もなんでも褒めると、得意げになって、ずっとその作業をしています(笑)

Re: ありがとうございました

必殺遊び人さま、いつも訪問、そして、ていねいな返信ありがとうございます。// 
生物屋のサガで人間を特別視しないところがあるのですが、一方で他人のために行動するヒトは捨てたもんじゃないと思えるときも。そして同じことを動物にも感じられるとき、もっとうれしいですね。
フライトシミレーションにチャレンジしたい、でもその前に作りかけのヒコーキプラモをやらなくちゃ、と思う毎日です。これを励みにまた書きます。

> 私のblogにコメントしてくださってありがとうございました。読み逃げばかりでしていましたので恐縮です。花の写真はきれいに撮影できていますね~。時々ネタがない時に花を添えたりしていたことがありましたが、あまりきれいに撮れていなかったので blogが残念なことになっていました。(^^)
>
> 「ヒトは「カネだけじゃない、仲間にほめられたい、役に立ちたい」が意思決定の大きな要素」という記事で思い出したのですが、家のチキチキがその傾向が強くて、健気な行動を取るのが好きでした。最近はプライドのほうが強くなってきて食べ物で機嫌を取ろうとしてもあさっての方向を向けて怒るしぐさをするのですが、でもよだれ垂らしながらチラチラこちらを見ているしぐさが笑ってしまいます。

No title

こんにちは!
いつもながら写真、とっても綺麗ですね!

でも今回はそれ以上に、お話、興味深かったです。
このshareの観念って、子供が育った国によって差はあるのでしょうか?

ボランティアの実験も、国によって多少の金額の差が出そうだな~なんて勝手に思ってしまいました。

でも、どこの国でも、何歳になっても、自分が役に立っているのを実感したり、褒められたりするのは、自己の存在意義の元ともなりますし、生きる上でも重要ファクターですよね。

うちの子もなんでも褒めると、得意げになって、ずっとその作業をしています(笑)

ありがとうございました

私のblogにコメントしてくださってありがとうございました。読み逃げばかりでしていましたので恐縮です。花の写真はきれいに撮影できていますね~。時々ネタがない時に花を添えたりしていたことがありましたが、あまりきれいに撮れていなかったので blogが残念なことになっていました。(^^)

「ヒトは「カネだけじゃない、仲間にほめられたい、役に立ちたい」が意思決定の大きな要素」という記事で思い出したのですが、家のチキチキがその傾向が強くて、健気な行動を取るのが好きでした。最近はプライドのほうが強くなってきて食べ物で機嫌を取ろうとしてもあさっての方向を向けて怒るしぐさをするのですが、でもよだれ垂らしながらチラチラこちらを見ているしぐさが笑ってしまいます。
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