エンジェルフィッシュのスターウォーズと不出来な2.5原色-色のフシギその2

エンジェルフィッシュのスターウォーズと不出来な2.5原色
-色のフシギその2

しゃくなげが満開downsize




《サイエンスのトッピックス》
化石人類の勇気あるお嫁入り
我々の遠い昔のご親類である化石人類アウストラロピテクス(Australopithecus)の頃も結婚は「お嫁入り」だったようです。
歯の同位体成分比は生まれ育った土地(の食料)を反映するそうですが(法歯学)、180-220万年前のアウストラロピテクス化石の歯を分析すると雄はその土地出身、雌は遠くの出身だったそうです。
見知らぬよそ者の雄はライバルだが、雌なら受け容れられたのではないか、と推測されるそうですが、旧石器時代より更に昔に見知らぬ遠くまで嫁ぐのは勇気がいったでしょうね。

出典:「アウストラロピテクスは遠くからお嫁入り」“Female australopiths seeks brave new world” 、natureダイジェスト2011年8月号、Ewen Callaway(原典:Nature オンライン2011/6/28

色鉛筆は眺めるだけで楽しい
ショッキングピンクのシクラメンPC291207
色鉛筆や絵の具が箱に並んでいるのをただ眺めるだけで楽しいものです。ヒコーキのプラモデルも内部塗装済みが何機か溜まっているのに一向に進まないのは塗装を決めきれないから。
色(色覚)のお話の続きですが、写真がないのでハチやトリが好きな我が家の庭の花の写真を代わりに載せています。

前回はここをクリック↓
色のフシギ、色とは脳が創り出すもの+「空気が読める」ゾウ

エンジェルフィッシュのスターウォーズ
可憐な白いベルdownsize
銀色が最高の保護色になる環境もあります。それは陽の光溢れる熱帯の浅い水面です。そこに棲むエンジェルフィッシュはギンギラの銀色。雌をめぐって戦う雄は扁平な銀色の体を曲げ、これを反射鏡にして相手に光線を照射、まるでライトセーバー(Lightsaber)で戦うスターウォーズ(Star Wars)のジェダイ(Jedi)のよう・・・、と「眼の誕生」に紹介されていました。

色と形は別物
咲き乱れる紫の花downsize
ヒトの眼の網膜では特定の角度(方向)の視野(受容野)内の光を、明るさを感じる桿体細胞と3原色(青緑赤)の色覚を感じる錐体細胞がとらえて脳の後ろ(後頭葉)のV1領野(線条皮質、striate cortex)に送りそこから色覚に特化したV4領野に伝わり「色(正確には背景の色を差し引いた色)」を感じます。また、形を「感じる」こと(コントラストのあるエッジの傾きに反応する)(V1、V2、V3領野)や動きの感知(V5領野)と併せて「見ている物が何か」を認識するということのようです。つまり色と形は別の感覚、しかもこれを統合して「1枚の絵」にするような中枢はないのだそうです。
白い清楚な花doensize

トリやハチは4原色
今が盛りのサクラ草downsize
昆虫やトリに見えている紫外線はヒトには見えないから花の本当の絵柄は判らない、ヒトにとって紫外線は透明だから(=見えないから)です。そんなヒトの視覚、色覚は青緑赤の3原色、つまり敏感な光の波長が異なる3種類の光受容細胞があるからです。でもこれ他の生物では違うんです。紫外線を加えた4原色で見る昆虫やトリには見える「紫外線色」でお化粧している花の模様はヒトには分らない、2原色の他の哺乳類、イヌやウシがヒトの3原色の世界を想像できないだろうな、と言うのと同じです。

ヒトは不出来な2.5原色
紫の花その1downsize
3原色から2原色になってしまった哺乳類の中でヒトを含む霊長類はとりあえず残った緑-赤の光受容器の遺伝子をコピペして3原色に戻したけど似たものになったので、いわば「2.5原色」だそうです。
このようにヒトの赤~黄~緑にかけての色覚はダイナミックレンジが重なっているのでちょっとあいまいで色の感じ方に結構個人差があるのだそうです。だから緑と赤の標識は見間違いのもとだとか・・・。
一方、4原色のハチと同じ節足動物、甲殻類のシャコの光受容体なんかはなんと16色!だから体色もサイケデリックなのか!

黄色いキク科の花downsize


【出典】
「色のフシギ」シリーズの出典は第1回(前回)の文末にまとめていますので、そちらを見て下さい↓
色のフシギ、色とは脳が創り出すもの+「空気が読める」ゾウ

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テーマ : 自然科学 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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