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テナガエビ幼生は眼の色をフォトニック結晶で自在に変えて背景に隠れる+フランス、シーフードグルメ

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【お詫び】
Levalloisbeeです。春以来、諸事多忙で新しい記事を載せる余裕もなく、皆さまのブログへ訪問させていただくのも途絶えがちです。勝手ながら、夏に向かい落ち着きましたら皆さまへの訪問、新規の記事掲載など戻してゆきたいと存じます。見捨てずによろしくお願いします。

ブルターニュのキブロン(Quiberon)浜辺のテラスでムール貝downsize
(キブロン(Quiberon)、浜辺でムール貝を味わう;フランス南ブルターニュ)
おいしいフランス料理シーフード、テナガエビ
今回の主役はテナガエビ(オニテナガエビ)、フランス料理のシーフード食材、lanbpistine(ラングスティーヌ)です。パスタなどに和えるととてもおいしいです。エビ、カニの仲間の「甲殻類」のほとんどが含まれる十脚目(decapod)の生物です。フランス各地で出会ったシーフード料理のフォトを添えます。
フランスで出会ったシーフードの過去記事です↓
アルミニウムの鎧で推進1万mの超高圧を凌ぐヨコエビフランスのシーフードグルメ
昔トウガラシは辛くなかった、湿地のカビ対策でスパイスに+北フランスで出会ったシーフード
予測可能な資源が競争と協力を生みヒト社会を繁栄に導いた+フランスのシーフードグルメ
高山のお花畑は毒の饗宴それでもヒトはサラダで喰らうフランスのサラダグルメ





ノルマンディーのサンマロ(Saint Malo)ホタテの一皿REVdownsize
(北仏ノルマンディーのサンマロ(Saint Malo)、ホタテの一皿)
まさに「プレディタ―」、透明なクラゲ、エビ、カニ
クラゲ、一部のイカとともに、エビ、カニなど甲殻類の幼生(赤ちゃん)は透明で、「透明人間」みたいに天敵から見えないのです。石垣島ダイビングで出会ったスカシテンジクダイも透明サカナでした。
スカシテンジクダイに出会ったダイビングの過去記事です↓
6月の海は恋の季節、石垣島ダイビング記

透明ニンジャたちの泣き所、不透明な眼
でも体が透明でも眼だけ隠せません。なぜなら、物を見る視覚には“不透明な“眼の色素が欠かせないので、眼は「不透明で色つき」になるからです。

南仏マントン(Menton)絶品シーフードパスタさすが国境の街REVdownsize
(南仏マントン(Menton)、絶品シーフードパスタはさすが仏伊国境の街)
眼の色を海の色にして隠れる赤ちゃんエビ
ところが、出典著者Keshet Shavit氏らの研究で、テナガエビの1種、オニテナガエビ(Macrobrachium rosenbergii)の幼生は環境に応じて眼の色を環境の色に変えて天敵から隠れてしまうことが分かりました。

青い海では眼はブルー、濁った河口なら黄緑に
アカバ湾の透明な青い海に棲むオニテナガエビ幼生の眼はブルーでしたが、河口の泥で濁った汽水域に棲む幼生の眼は黄緑色でした。オニテナガエビ幼生は眼の色を棲む環境の海と同じ色にして天敵から隠れます(体の他の部分は透明なので)。

ブルターニュのアルカション(Arcachon)のビスケー湾生ガキは絶品downsize
(南ブルターニュ、アルカション(Arcachon)、ビスケー湾の生ガキは絶品)
じゃ、電子顕微鏡で調べてみよう
オニテナガエビ幼生の眼の色のナゾを解くため、出典著者Shavit氏らは電子顕微鏡などを用いて眼の構造を調べました。すると・・・

フランス中部ディジョン(Dijon)エスカルゴdownsize
(フランス中部ディジョン(Dijon)名物のエスカルゴ)
眼を覆うナノ粒子のフォトニック結晶で色を変える
オニテナガエビの幼生の眼はイソキサントプテリン(isoxanthopterin)のナノ結晶粒子が層になった反射板で覆われていています。更に、イソキサントプテリンのナノ粒子はフォトニック結晶、つまり、条件によって反射する光の色が変わる結晶構造~でした。

ナノ粒子層の反射板が特定の「色を付ける」
このイソキサントプテリンのナノ粒子が並んだ層が反射板になって特定の光を反射し、幼生の眼は特定の色に見えます。いわゆる「構造色」ですね。
構造色の過去記事です↓
輝くメタリックブルーの秘密、色素の要らない生き物たちの構造色

北仏ルーアン(Rouen)ノルマンディーのオマールは絶品REVdownsize
(北仏ルーアン(Rouen)、ノルマンディーのオマールは絶品)
ナノ粒子の粒径に近い波長の光に「色づく」
オニテナガエビ幼生の眼のイソキサントプテリンのナノ粒子の粒径が小さくて青の光の波長に近い、250-325nmなら青い眼になり、400nm以上の大きい粒径ならその眼は黄緑色でした。

夜は青い眼、昼は黄緑の眼で海に隠れる
オニテナガエビの幼生は動物プランクトンで、深い海で過ごす昼間は海の色の青い眼、夜、浅瀬の濁った海に昇るときはその海水の色に近い黄緑色の眼に変わります。イソキサントプテリンのナノ粒子のサイズを変えて環境の色に合わせて隠れるのです。

南仏マントン(Menton)絶品のムール貝のパスタ downsize
(南仏マントン(Menton)、ムール貝のパスタ、おいしいです)
ナノ粒子を並び替えて眼の七変化
幼生の眼は異なった環境では異なった色を反射できるようです。
実験室でオニテナガエビ幼生を4時間太陽光に晒すと眼は銀色がかった黄色になりました。イソキサントプテリンのナノ粒子の配列がぐちゃぐちゃに崩れたことによると思われます。

暗闇でナノ粒子が再配列
そして、幼生を一晩暗闇に置くと眼は緑色になりました。このときナノ粒子は層上に配列されるます、各層では揃っていないままですが。
このように環境に適応して眼の色を変えることで幼生は海の異なる場所でそこの海の色に隠れることが出来ます。

眼を隠してもピンホールカメラで見てます
でも、1つ疑問が湧きますね。眼がイソキサントプテリンの層で覆われた幼生は周りが見えるのでしょうか?ナノ粒子のツブツブのすき間から(特定の角度で)光が通り、多分ですが、まるで「ピンホールカメラ」のように、見えるのだそうです。むしろ、より良く見えるのだとか・・。

テナガエビの赤ちゃんは大人に似てない
オニテナガエビの幼生はおとなのオニテナガエビとは外見が似ていません。フォトニック結晶で覆われた眼と透明な体は、しばしばエサにされる弱い幼生時代を無事乗り切るためのカムフラージュ、つまり保護色です。

塗料なんかに応用できるかも?
この研究結果、「ナノ粒子のサイズを変えて反射する(=見える)色(光の波長)を変えるオニテナガエビ幼生の“ワザ”は何かに、例えば、太陽光パネル、塗料などに応用できるんじゃない?」と出典著者らは述べています。
生きものの世界はまだまだたくさんのヒミツを隠しているようですね。

出典:”A tunable reflector enabling crustaceans to see but not be seen” Keshet Shavit et al. SCIENCE 16 Feb 2023 Vol 379, Issue 6633 pp. 695-700 DOI: 10.1126/science.add4099
出典:”Glassy eyes may help young crustaceans hide from predators in plain sight” Erin Garcia de Jesú Science News FEBRUARY 16, 2023
出典:”Prawn larvae conceal their eyes with reflectors to hide from predators” Alice Klein NewScientist 16 February 2023
出典:ウィキペディア記事「オニテナガエビ」「フォトニック結晶」


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コメント

Re: No title

hippoponさま、コメントありがとうございます。ムール貝が、そのスープがおいしかったです。

No title

抜群に美味しそう、、ですね♪
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