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コロナ禍でも大気中メタンが急増、熱帯沼地の微生物のオナラで+港ヨコハマ

コロナ禍でも大気中メタンが急増、熱帯沼地の微生物のオナラで
+港ヨコハマ

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白たえの女王日本丸REVdownsize
(白たえの女王、元練習帆船「日本丸」;横浜みなとみらいランドマークタワーそばのドックに居ます)
ドブ川のブクブク、メタンガス
大阪の下町にいた小学生の頃、近所の真っ黒で臭~いドブ川ではいつも泡がブクブク。大人に聞くと「あれはメタンガスや」、で「ふ~ん、メタンは臭いんや」と思っていました。本当はメタンは無色透明で無臭です。




山下公園からベイブリッジを望むdownsize
(山下公園からベイブリッジを望む)
♪港ヨコ~ハマ♪
何の脈略もないのですが、「伊勢佐木町ブルース」(年代が知れますね)のフレーズ♪港ヨコ~ハマ♪の気分につき、横浜港の寸景のフォトを添えます(使い回しです)。
港ヨコハマの過去記事です↓
ハマの新開地、朝の散歩で見つけたもの;司馬さんを辿って・・
ヨコハマたそがれ♪青い回廊と「いずも」と「飛鳥」
ハイカラな不死鳥ハマの港の歴史に触れる博物館+ハマの寸景
港ヨコハマで絵画展、秋のハマを歩く


凛々しい水先案内人downsize
(凛々しい水先案内人;横浜港大桟橋そば)
熱帯の湿地のブクブクで温暖化加速
地球温暖化で熱帯の湿地から出るメタンのブクブクが増え、その強力な温室効果で更に温暖化が加速してるらしい(正のフィードバック)。そして、その犯人は微生物らしい、と言うサイエンス小ネタです(出典1)。ムダに長~い記事なのでサブタイトル(小見出し)で拾い読みでも結構です。

強力な温室効果ガス、メタン
大気中に排出されたメタンはやがて二酸化炭素になってしまい短命(約12年)ですが、二酸化炭素の25~30倍と言う強力な温室効果ガスです。

幸川のフェンスに水かきで止まって毛づくろい器用ですdownsize
(幸川のフェンスに水かきで止まって毛づくろい器用です;相鉄横浜駅そば、幸川は満潮時に海水が入ります)
温暖化の1/3はメタンのせい
え、CO2二酸化炭素ばかりじゃないの?そう、加速する地球温暖化にメタンは大いに加担しているようなのです。U.S. Environmental Protection Agency (US EPA、アメリカ合衆国環境保護庁)によれば、産業革命以前から今日までの地球温暖化で気温+1.2度上昇の要因の1/3はメタンと考えられるそうです。(出典2)

象の鼻と赤レンガを結ぶ鉄橋downsize
(象の鼻と赤レンガを結ぶ鉄橋:今は歩道ですが、昔は輸出品を倉庫に運ぶ鉄道橋でした)
大気中のメタンは最近2年で急増
2006年以降大気中のメタン濃度は7%も増えています。更にここ2年(2020年、2021年)でこれまでで最も急峻な大気中メタン濃度の上昇が見られました。

メタンを急増させた犯人は?油田じゃない
多くの気候学者は2006年以降の大気中メタン急増の由来の大半は石油掘削などの化石燃料生産ではないと考えています。なぜなら大気中メタンの炭素は軽いC12の割合が増えているからです。

まだ眠っている遊園地と朝から働く曳き船REVdownsize
(まだ眠っている遊園地と朝から働く曳き船;この健気さが好き♡)
生物は軽めの炭素が好みです
炭素にも(他の元素と同じく)C12、C13、C14と中性子の数が違う=重さが違う、同位体があります。純粋な化学反応なら炭素の同位体による差はありませんが、生物が炭素を利用したり炭素化合物を生産したりする=生化学反応=酵素が働く反応の場合は軽い炭素C12が好まれます(=優先的に使われる)。結果、メタンなどの生産物は、ほんの少しですが、軽くなります。だからメタンの「重さ」を測れば生物由来メタンの割合が分かります(チョー微量な差ですが)。

メタンの出所を探せ、炭素同位体を測る
・・・と言うことで、出典著者Xin Lan氏らは、大気中メタンガスの炭素同位体比=メタンが軽いか/重いか、を調べました。C12が多く軽ければメタンの発生源として生物由来が多いことになります。メタンの炭素のC12とC13(放射能のない安定同位元素)の割合を調べると・・・(出典3)

レインボーブリッジと曳き船downsize
(レインボーブリッジと消防艇;パシフィコ横浜から遠望)
熱帯湿地の微生物が吐き出すメタン
出典著者Xin Lan氏らは増えた大気中メタンが少し軽くなっている=C12の割合が多い)=生物由来が多いことをつきとめました。だから、熱帯湿地の微生物が吐き出すメタンが増えたことで大気中メタンが増加したらしいのです。(出典3)

微生物がメタンのオナラするメタン発酵
動植物の遺骸や排泄物は有機物として湖沼に溜まります。これをメタン生成菌(古細菌の仲間)が“食べて”(発酵して)メタンを放出します。メタン発酵と呼ばれ、汚水、廃棄物から燃料メタンガスを作るバイオマス利用として注目されています。

シーカヤック教室やってますREVdownsize
(シーカヤック教室やってます;みなとみらいの運河沿い)
「歩く湿地」、ウシのゲップも大問題
でも、ウシやヒツジ(反芻動物)のゲップもメタンで反芻胃の微生物発酵によるもの=軽いメタンなので、湿地(沼地、埋め立て地など)の微生物が出すメタンと区別できません。大気化学者Euan Nisbet 氏は2006年以降の大気中の軽いメタンの増加は、熱帯地方の湿地もウシもともに発生源と考えられるそうです。Nisbet 氏は「ウシは歩く湿地」だと言っています。

コロナ禍で化石燃料消費が鈍っても減らないメタン
しかしながら、コロナ禍のここ2年(2020年、2021年)でも、化石燃料生産は鈍化しているのに、メタン濃度が急増しています。なぜ?

楽しいタイルdownsize
(楽しいタイル:ハマの港界隈の歩道)
ここ2年のメタン急増のhot spotは東アフリカか?
ここ2年の大気中メタンの急増には別の説明が要ります(ウシは急には増えない)。湿地メタン発生源の有力候補として、アフリカの南スーダンの白ナイル川流域には世界最大級の本州の半分ほどの湿地Suddがあります(東西約300km、南北約400km、雨季の総面積約13万平方km、本州は22万8千平方km)

間近の海上保安庁巡視船Iは結構大きいdownsize
(間近に見る海上保安庁巡視船は結構大きい;山下公園にて)
日本の人工衛星「いぶき」大活躍
しかし、長年の紛争地である南スーダンに観測チームを派遣するのは不可能です、そこで出典著者Paul I. Palmer氏らは日本の人工衛星「いぶき」の地球全球のCO2やメタンなどの温室効果ガスの計測(リモートセンシング)データを活用しました。地球を升目に区切って大気中メタンの赤外吸収(=メタン濃度)を測ります。2009年打ち上げの「いぶき」の成果は従来の地上観測では困難であったCO2とメタンの均一な全球観測が実現できたことです。2018年後継機「いぶき2号」を打ち上げました。(出典5)

大湿地Suddから大量のメタン放出
出典著者Palmer氏によれば2019年以来、南スーダンの大湿地Suddから毎年1300万トンのメタンが放出されていて、これは全世界の年間放出量の2%にあたるそうです。他の研究者の研究でも東アフリカでメタン放出の急増が確認されています。

ランドマークタワーと背比べの日本丸downsize
(ランドマークタワーと背比べの日本丸)
インド洋がアフリカの角に雨をもたらしメタンを増やす
インド洋の気候リズムIndian Ocean dipoleが大湿地Suddの南スーダンの東、ソマリアを含むアフリカ東端の半島「アフリカの角」周辺の海を周期的に温め、降雨量を増やし、湿地からのメタン放出を増やします。

インド洋の海水温シーソー
Indian Ocean dipole (ダイポールモード現象)とは、インド洋熱帯域で初夏から晩秋にかけ海水温が東部で低く、西部で高くなる大気海洋現象で、アジアやインドの夏のモンスーンに影響を与え、太平洋のエルニーニョと並んで、世界の気候に大きな影響を及ぼします。(出典6)

温暖化、気候変動を加速する「正のフィードバック」
地球温暖化を加速するものに「正のフィードバック」があります。例えば、温暖化で北極の氷が融け太陽光を強く反射する(アルベド約80%)白い氷原が減り、代わって太陽光を良く吸収する(アルベド20-30%)青黒い海面が増えると、温暖化がより進み更に氷が融ける・・・ような。

熱帯湿地のメタン排出は温暖化「正のフィードバック」
温暖化で熱帯湿地の微生物のメタン生産が増えると、強力なメタンの温室効果で更に温暖化が進み、また、メタンが増え、更に温暖化・・・と言う不気味な“行け行けドンドン”の「正のフィードバック」になります。

メタン時限爆弾、永久凍土と深海メタンハイドレート
メタンについては、今回の熱帯湿地だけでなくシベリアなどの永久凍土融解によるメタン排出による温暖化加速も懸念されています。加えて深海のメタンハイドレートも不気味な「時限爆弾」かも知れません。

史上最大の大絶滅を後押しメタンハイドレート
地球の生き物の歴史における5大絶滅(大量絶滅)の内、最大の絶滅、ペルム紀末(約2億5100万年前)の大絶滅ではシベリアトラップと言う火山大噴火で放出された大量のCO2による温暖化が主因とされますが、温暖化で深海底のメタンハイドレート(水分子がメタンを包んだ固形物(包接水和物))が気化し(ブクブクし)温暖化が更に加速され、温暖化と海の無酸素化で90-95%の生物種が絶滅しました。

人智では止められない熱帯湿地のメタンのブクブク
熱帯湿地の微生物によるメタン排出増加の地球温暖化加速のインパクトがどのようなものか?どれくらいか?は未だ不明だそうですが、人智ではコントロール不能の温暖化の「正のフィードバック」ではないか、と懸念されるそうです。

恩恵も多い大湿地
本州の半分の広大な大湿地Suddは洪水を防ぎ、漁業など人々の生活を支え、また、その半分近く5万7千平方kmはラムサール条約に登録されていて保護の対象です。だから埋め立てるなんて多分論外、でもメタンのブクブクは増える、どうすりゃいいんでしょ。

出典1:”In ominous sign for global warming, feedback loop may be accelerating methane emissions; Tropical wetlands, getting wetter with climate change, emerge as hot spots for heat-trapping gas” Paul Voosen Science 13 JUL 2022, Vol 377, Issue 6603
出典2:”U.S. to Sharply Cut Methane Pollution that Threatens the Climate and Public Health” U.S. Environmental Protection Agency プレスリリース November 2, 2021
出典3:”Methane emissions responsible for record-breaking atmospheric
methane growth rates in 2020 and 2021” Paul I. Palmer et al. Atmospheric Chemistry and Physics 17 Jun 2022 https://doi.org/10.5194/acp-2022-425
出典4:” Estimating Emissions of Methane Consistent with Atmospheric Measurements of Methane and δ13C of Methane” Xin Lan et al. Atmospheric Chemistry and Physics 05 Jul 2022 https://doi.org/10.5194/acp-2022-317
出典5:• 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT、Greenhouse gases Observing SATellite)、JAXA、https://www.jaxa.jp/projects/sat/gosat/
出典6:ウィキペディア記事「スッド(Sudd)」、「ダイポールモード現象(Indian Ocean dipole)」


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