fc2ブログ

花の「腸内フローラ」、花の蜜には虫たちが運んだ微生物が棲んでいる

花の「腸内フローラ」、花の蜜には虫たちが運んだ微生物が棲んでいる
↓良かったらクリックをお願いします

にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ
にほんブログ村
アセビピンクREVdownsize
(アセビ(馬酔木)のピンクの花;拙宅の庭で毎春咲いてくれます)
え!花蜜に微生物が棲んでるの?
そもそも、花の蜜の中にさまざまな微生物が棲んでいるなんて、知ってました?なんと、花の蜜には、私たちの腸内フローラのようなその植物に特定の微生物たち「微生物叢」(生態系における微生物の集合)が棲んでいるんです。
お腹の微生物たちの過去記事です↓
お腹の中のアリエッティーが棲む熱帯雨林を大切に




ボケdownsize
(ボケ(木瓜);庭の花、赤が鮮やかな株です)
待ち遠しい春の華やぎ
大寒に向かう中、春の訪れが待ち遠しいですね。花たちは春の使者、一足早く拙宅庭の春の花たちのフォトを添えます、花のサイエンス小ネタにつき。

福寿草REVdownsize
(フクジュソウ(福寿草);真っ先に咲く春の魁です)
虫や鳥たちが運ぶ花蜜の微生物
花蜜にどんな微生物が棲むかは、花から花へと花粉を運ぶ虫や鳥たち、花粉媒介者が決めていると言うサイエンス小ネタです。

花蜜と受粉という花と虫、鳥たちとの取引
花は糖がいっぱいの花蜜と引き換えに訪れる虫や鳥に受粉を媒介してもらいます。
花蜜と虫の過去記事です↓
道具を使って蜜を取り一族にワザを伝えるマルハナバチ+パリ郊外ハチの街ルヴァロワ
庭のお花が都会の昆虫を蜜のご褒美で守る+ハチミツの街、パリ郊外ルヴァロワ


水仙REVdownsize
(スイセン(水仙);二ホンズイセンかと思います)
花蜜が養う微生物が花と花粉媒介者を変える
花蜜は酵母やバクテリアなど多様でダイナミックな微生物叢を育む大事な働きをしています。一旦根付くと、花蜜の微生物たちは花の環境を変え、花と、昆虫、鳥などの花粉媒介者との関係も変えてゆきます。

クリスマスローズREVdownsize
(クリスマスローズ;クリスマスシーズンより春に咲きます)
生物多様性ホットスポットの花蜜微生物を調べた
出典著者Clara de Vega氏らは、花蜜の微生物構成に及ぼす植物と花粉媒介者とのやり取り、植物種が生息する地理的な条件が果たす役割につき調べました。
世界の中の生物多様性のホットスポット(生物多様性が高いが、その生態系が崩壊の危機に瀕している地域)の1つ、南アフリカにおける3つの地域(Cape Floristic Region, Succulent karoo, Maputaland-Pondoland-Albany)で、甲虫、他の昆虫や鳥などが花粉媒介者を担う48種の植物の282個の花につき、花蜜を採取し、花蜜に棲む酵母とバクテリアがどんな種なのかを同定しました。

梅REVdownsize
(白梅;毎春、紅梅とともに咲いてくれます)
花には決まった虫が訪れ、特定の微生物を置いてゆく
植物の種類とその花を訪れる花粉媒介者の昆虫や鳥たちには特定の組合せがあります。花を訪れる花粉媒介者が花蜜を摂るとき、特定の微生物を花蜜に置いてゆきます。

花粉媒介者が同じなら花蜜の微生物も同じ
花蜜の微生物の種類は地理(場所)ではなく、運ぶ花粉媒介者のグループに依るようです。同じ花粉媒介者のグループが訪れる植物の種類は、植物の地理的な生息域とは無関係に、特徴的な同じ組み合わせの花蜜微生物を擁しているらしいのです。

沈丁花REVdownsize
(ジンチョウゲ(沈丁花);1つ、また1つ咲いてゆきます)
誘ったり、拒んだり、蠱惑的な花蜜成分
花蜜の主成分はショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類で、加えて、花粉媒介者を誘う、あるいは、植物捕食者を避ける化学成分、ファイトケミカルを含みます。花蜜の炭水化物、アミノ酸や揮発物質は花粉媒介者を誘引し、一方、アルカロイドやポリフェノールなどのファイトケミカルは食害を防ぎます。

花蜜を加工して受粉媒介を操る微生物たち
花蜜の微生物たちは、花蜜の糖度を下げたり、花蜜の炭水化物やアミノ酸の組成を変えたり、花粉媒介者を招く香りを出したりして、昆虫や鳥の受粉媒介の行動を変え、ひいては、受粉の成功率にまで影響を与えるそうです。
このように花蜜の微生物は、植物と花粉媒介者の関係に影響を及ぼすそうです。更には、花を温める働きもあります(代謝による熱ですね)。

アセビ白REVdownsize
(アセビ(馬酔木)の白い花;ピンクと揃って咲きます)
甲虫は酵母運びが専門らしい
甲虫は主に酵母を、他の昆虫は主にバクテリアを花蜜に運び入れるようです。甲虫が訪れる花蜜は酵母の種類が多様で、他の昆虫が訪れる花蜜ではバクテリアの種類が多様でした。

分からないことはまだある
花蜜のバクテリアの種については特定の地理的分布はなく、花粉媒介者のグループに依っていました。一方、花蜜の酵母の種は系統発生的な類似性(似たご先祖かどうか)が地理(場所)と相関していました。これには更なる研究が必要と出典著者らは述べています。

出典:”The role of plant–pollinator interactions in structuring nectar microbial communities” Clara de Vega et al. Journal of Ecology Volume109, Issue9 Pages 3379-3395 September 2021 https://doi.org/10.1111/1365-2745.13726
出典: “Microbial Ecology Diversity in the nectar microbiome” Andrew M. Sugden SCIENCE•8 Oct 2021•Vol 374, Issue 6564•pp. 166-167•DOI: 10.1126/science.acx9262


↓良かったらクリックをお願いします


過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV
スポンサーサイト



テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する