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地球温暖化に伴う干ばつに適応する亜寒帯針葉樹林+フランスの氷河湖アヌシー湖

地球温暖化に伴う干ばつに適応する亜寒帯針葉樹林
+フランスの氷河湖アヌシー湖

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雪原のカナダトウヒ
(雪原のカナダトウヒ)
極地の森の干ばつ危機、救うのは誰?
極地周辺の森では温暖化に伴う干ばつが特に脅威となっているようです。地球温暖化の影響は極地から顕著になってゆくと言われます。そんな中、乾燥地で育った針葉樹の干ばつ耐性が極北の森を支えてくれるかも知れない、と言うサイエンス小ネタです。
極地で生まれた落葉樹の過去記事です↓
絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー




黄葉の道の散歩ファミリーdownsize
(黄葉の道をお散歩のファミリー;アヌシーのティウー運河沿い)
フランスアルプス麓のアヌシー湖は氷河時代の名残り
・・・なので、アヌシー湖のフォトを添えています。新しく載せるものと再掲です。
アヌシーの過去記事です↓
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第1章湖畔の街アヌシーとチーズフォンデュ
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイ・アガシ
フランスアルプスの宝石アヌシー番外編


温もりを感じるパステル色のサヴォワ(Savoie)料理レストランdownsize P1010358
(温もりのあるパステル色、地元料理サヴォワ料理のレストラン)
温暖化が招く極地の干ばつ
地球温暖化は北極周辺の極地で局所的な干ばつを惹き起こしています。すると土壌中の水分が減少し針葉樹林の生育が妨げられています。地球温暖化に伴う干ばつの増加は土壌水分の枯渇を招き、北極周辺の極地の針葉樹林の生育を妨げる主な要因になりつつあります。

干ばつは樹木の抵抗力を損なう
加えて、干ばつや熱波は樹木の活力を低下させ、病原体、害虫、有害物質に対してより脆弱になる恐れもあります。

紅葉を映して静かなアヌシー湖(Lac dAnnecy)downsize P1010249
(紅葉を映して静かなアヌシー湖)
年輪は樹木の履歴書
樹木の年輪は過去に遡る履歴書であり、記録です。年輪データを過去の気温変化、干ばつ記録とも併せて過去を解き明かすことはより良い将来予測につながると、出典著者Claire Depardieu氏らは述べています。

干ばつのダメージからの回復を年輪から読み解く
干ばつでは植物の成長が鈍り、それは縮んだ年輪に反映されます。干ばつが終息した後は幅の広いしっかりした年輪になります。ところが、干ばつ後の植物の成長速度の回復には樹種によって差が生じます。

アヌシーの土産物屋さんdownsize
(アヌシーの土産物屋さん)
2億5千万年生き抜いてきた針葉樹
針葉樹は2億5千万年も生き延びてきたので現在よりも温暖な時代も凌いで生き残ってきました。稀でも厳しい気候変動は、成熟までに長い成長期間が必要な寒帯針葉樹林の自然淘汰の大きな要因となるそうです。干ばつに対しても針葉樹は遺伝子レベルで適応してきたようです。

運河沿いの賑わいdownsize
(ティウー運河沿いの賑わい)
温暖化や干ばつを凌ぐ樹種を探す
現状では、地球温暖化に伴う極地の干ばつの頻発は避けえないことです。それじゃ寒帯の針葉樹林を維持するために温暖化や干ばつに強い樹種を探そう、ってことになります。

秋の陽が水面にきらめくボート乗り場downsize P1010420
(秋の陽が水面にきらめくボート乗り場)
同じ環境条件で遺伝的な違いを見るコモンガーデン実験
出典著者のClaire Depardieu氏らは、コモンガーデン実験場の樹齢29年の43区域の1481本のカナダトウヒ(シロトウヒ) (white spruce、Picea glauca)の年輪を測定し、過去の干ばつ時の樹木の成長を調べました。

環境適応力の遺伝的な違いを比べる野外実験
コモンガーデン実験(Common garden experiment)とは異なる種を本来の生息地から共通の同じ環境に移植し、環境条件を同じにして環境適応力などの遺伝的な違いを比べるものです。

カラフルな建物が並ぶ街並みdownsize
(カラフルな建物が並ぶ街並み)
トウヒはクリスマスツリー
ここで調べたカナダトウヒはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹でほぼカナダ全域に生息します。トウヒの仲間はいわゆるクリスマスツリーです。

乾燥地のトウヒは干ばつに強い
出典著者Claire Depardieu氏らの研究の結果、干ばつからの樹木の成長の回復力に遺伝的な相違が認められました。同じ種でもより乾燥した地域由来のトウヒは湿潤な環境由来のトウヒに比べて成長が良く、深刻な干ばつへ対して遺伝的に適応していたことが伺わるそうです。

同じ種の中でも干ばつ耐性に遺伝的な差
干ばつなどの気候変動に対する耐性に関わる樹木種の性質、機能の種間差は指摘されてきましたが、同種内の比較研究は少なかったそうです。また、この研究結果は森林生態系の管理や保全に広く適用できるだろうとのことです。

地球温暖化で森林の生産性も課題
極地の針葉樹に限らず、生物種は気候など環境の変化に適応して進化してきましたが、地球温暖化など昨今の気候変動のスピードは、これに適応する進化のスピードを上回る勢いです。更に今後進むと予測される気候変動のもとで森林の生産性をいかに保つか、は喫緊の課題です。

出典:”Adaptive genetic variation to drought in a widely distributed conifer suggests a potential for increasing forest resilience in a drying climate” Claire Depardieu et al. New Phytologist Volume227, Issue2 July 2020, P 427-439 https://doi.org/10.1111/nph.16551
出典:ウィキペディア記事「トウヒ属」、”Picea glauca”


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