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脳のないクラゲのなかまヒドラも眠ります、睡眠の進化を遡る+フランスたそがれオンフルール

脳のないクラゲのなかまヒドラも眠ります、睡眠の進化を遡る
+フランスたそがれオンフルール

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肉食の花ヒドラの作り
(ヒドラは肉食系です;再掲)
「脳がなくても眠る」を発見、日本の若手研究者の快挙
日本の若手研究者、なんと当時大学4年生の金谷啓之さんが「脳がないヒドラも眠る」ことを明らかにしました!・・・と言うサイエンス小ネタです。




総督の館と帆船downsize
(総督の館と帆船;北フランス、ノルマンディーの港町オンフルールの旧港)
この研究の九州大学のプレスリリースです↓
「金谷 啓之さんらの研究グループが脳を持たない動物ヒドラの睡眠制御機構を解明しました。」2020年10月13日
「生物学科 3 年生の金谷啓之さんらの研究グループが「時計」を持たない生物ヒドラの日内変動を発見しました。」2019年3月19日


旧港の水面は灯を映して静かにゆれていますdownsize
(旧港の水面は灯を映して静かにゆれています)
クラゲの仲間のヒドラだって眠ります
眠り(眠ると言う行動)は私たち哺乳類だけでなく、ハエなどの節足動物や線虫にまで見られます。今回、出典著者の九州大学(現東京大学)の金谷啓之氏(Hiroyuki J. Kanaya)らはクラゲの仲間で脳もないヒドラも眠ることを見出しました。

ヒドラも眠り薬で眠るし、眠ったらエサに気づかない
ヒドラは眠り薬(メラトニンなど)で眠りましたし、眠ったらエサのシグナルGSH(グルタチオン)にも反応しなくなったそうです。

日暮れの雨旧港のレストランdoensize
(日暮れの雨、旧港のレストラン)
この発見は睡眠の進化についても新たな洞察を与えるものです
眠りや睡眠の過去記事です↓
眠りは脳の閉店後のお仕事、眠りと夢の科学の続き+黄昏、宵闇のパリ
ネズミも眠りは大切、眠らないと脳の指令が滞り心筋梗塞になりますよ+みなとみらいの夜
睡眠不足で脳にゴミが溜まりますよ


灯を背景に帆をたたんで舫うヨットdownsize
(灯を背景に帆をたたんで舫うヨット;オンフルール旧港)
藍色に染まる北フランスの港、オンフルール
眠りのお話→夜→つながりで、藍色に染まる北仏ノルマンディーの港町オンフルール(Honfleur)の夜のフォトを添えます(多分に使い回しです)。
オンフルールの過去記事です↓
得も言われぬ狐の嫁入り;オンフルール再訪その1
深まりゆく藍色の街に灯が暖かい;オンフルール再訪≪中編≫
かくれんぼの路地と隠れ家ホテル;オンフルール再訪≪後編≫
冬のノルマンディーはフランス名画の香り


オンフルールのシーフードレストランdownsize
(オンフルールのシーフードレストラン、カニがお出迎え)
脳も、「ブランド時計」もなくても、ヒドラ、眠りま~す
え、睡眠には脳は要らないの?睡眠や夢って脳の働きじゃないの?ヒドラは脳(中枢神経系)がありませんし、ヒトの体内時計を司る「時計遺伝子」もありませんが、でも原始的な神経ネットワーク(散在神経系)なら持っていますし、ヒトとは違うより原始的?な体内時計の遺伝子は持っているそうです。

まず眠る、そののち考える・・ってことか?
「脳のないヒドラも眠る」ことから、睡眠に関わる生理機能やその調節機能は脳など中枢神経系の進化に先立って獲得されたのだろう、と出典著者の金谷氏らは考察しています。

魔法の国の古城みたいなツタが絡む建物downsize
(魔法の国の古城みたいなツタが絡むレストラン、すっかり暮れました)
ところでヒドラって何?
昔、腔腸動物、今は刺胞動物(クラゲみたいに刺す動物)と呼ばれる動物の仲間で海(や淡水)に棲む小っちゃな動物です。かわいい花のような外見ながら、ミクロのミサイルを駆使する肉食で、刻んでも再生し、何度でも若返る、脳もないのに身内は見分けて攻撃しない、などフシギな生きものです。詳しくは過去記事とその出典を読んでくださいネ。
ヒドラの過去記事です↓
かわいい肉食系ヒドラは海の老舗ブルターニュの美しい島ベルイル

窓辺の花もライトアップdownsize
(窓辺の花もライトアップ、窓からのぞくピンクのウシもかわいい)
睡眠ってなに?その定義とは?
ヒト以外の動物、特に哺乳類以外の動物では何をもって「睡眠」と言えるのでしょうか?
出典著者の大島靖美氏によれば、動物種によって少し違うようですが・・・
● 動かない、休息の姿勢を取る
● 鈍くなる、刺激への反抗性が低下する(突っついても起きない)
● 寝たらまた起きる、元の覚醒の状態に戻ることが出来る(戻らなきゃ死んでる!)
● 1日周期で勝手に寝る、概日リズム(circadian rhythm)に従い自発的に眠る(時間がくると眠くなる)
● 寝だめをする、「睡眠」状態を妨げると不足を取り戻すように「睡眠」が増える
● 睡眠に関わる遺伝子が働いている、ヒトの体内時計を刻むのと同種の遺伝子などが関与している
● 睡眠時の脳波が出る(脳のある動物では)

船具の装飾が往年の貿易港の名残downsize
(船具の装飾が往年の貿易港の名残;オンフルール旧港はレストランも多いです)
じゃ、ヒドラにとって「眠る」とは?
一方、ヒドラでは出典著者の金谷氏らの研究によれば・・・
◆ 動かないか?YES
◆ 鈍くなるか?YES、ヒドラがエサのシグナルの化学物質(GSH) を与えても反応しない
◆ 概日性の代わりにもっと短い4時間周期で「眠る」
◆ 「睡眠薬」 (※)でやっぱり眠る(※:睡眠を促す物質のメラトニン(melatonin)、GABA(ギャバ、γ-アミノ酪酸 (gamma-aminobutyric acid))など)。但し、DOPAでは逆の効果だったそうです。
◆ あと、遺伝子の発現(働き)、睡眠に関与するcGMP 依存性プロテインキナーゼ (PRKG1)がヒドラでも働いている・・・などから・・・→
ヒドラも「眠る」と言えるそうです。ヒドラが「眠っている」か、はビデオ動画を撮って解析したそうです。

睡眠の進化は一本道じゃない?
でも意外、フツウ「目覚まし時計」として働くドーパミンでヒドラは眠ってしまいました。進化の道は、睡眠でも、一本道じゃなかったんでしょうか?

オンフルール旧港夜景downsize
(オンフルール旧港夜景、水面の灯がきれい)
古くて新しいテーマ、睡眠とは何か?
・・・ってよりフシギな気がしますね。進化の途上で、脳などの中枢神経系を獲得する前から生きものたちは眠りを身に着けたってことは・・・。出典著者の金谷氏はじめ日本の研究者が眠りのフシギを解き明かしてゆかれることに期待したいですね。

出典:”A sleep-like state in Hydra unravels conserved sleep mechanisms during the evolutionary development of the central nervous system” Hiroyuki J. Kanaya et al. Science Advances 07 Oct 2020 Vol. 6, no. 41, DOI: 10.1126/sciadv.abb9415
出典: 岩波科学ライブラリー シリーズ生きもの 「ヒドラ」 2011年 山下桂司氏著 (岩波書店)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: タイトルなし

ミトラ様、コメントそしておほめありがとうございます。なんでみんな眠るんでしょうね、フシギですね。

大変興味深い内容でした。
これを機に今後フォローさせて頂きます。
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