ブルーはサンゴの恋の色+試験管で眼が出来た

ブルーはサンゴの恋の色+試験管で眼が出来た




クマノミ@石垣島樹下美人1REVdownsize
(石垣島樹下美人のクマノミのペア)
パリでもフランスでもないネタで恐縮ですが、前々回の「青い光&眼」つながりで・・・。フォトは「サンゴ」つながりで沖縄とサイパンで出会った大好きなクマノミたちのショットです。

●ブルーはサンゴの恋の色

オレンジフィナネモネフィッシュ@サイパン7downsize
(サイパン島グロットの出口で出会ったオレンジフィナネモネフィッシュ)
神秘的なサンゴのいっせいの産卵
サンゴは夜の海でいっせいに産卵します。放出された何百万という卵子と精子が上昇しながら受精し、朝の海面がピンクに染まる。神秘的で感動的ですよね(生で見たことはないのですが、ナイトダイブは1回しかやってないし)。

産卵のタイミングは厳密、満月+数日後の黄昏時
カクレクマノミ@石垣島2downsize
(石垣島インディアンの塔にいたカクレクマノミのペア)
1年にただ一度の大事な産卵のタイミングは厳密です。満月のあとの数日の、それも日没直後の黄昏時にいっせいに「せーの!」で放出します。
サンゴ、すなわちサンゴ中は刺胞動物で脳なんかないのになぜこんなにタイミングが合うの?どうやってタイミングを知るんだろう?クラゲと同じで神経はあるから神経のイントラネットで「青いよ」→「じゃ、発射」なのかな?


サンゴには月明かりで変わる黄昏空の色が分る
カクレクマノミ@石垣島3downsize
(石垣島インディアンの塔で見たカクレクマノミの後ろ姿)
じゃ光を測ってみよう、ということで、カルフォルニア大学のAlison Sweeney氏らは黄昏時の浅い海に光ケーブルを垂らして光に変化を測ったそうです。
サンゴは黄昏時の刻々変化する空の色が海の中に届くのを感知します。そして満月から数えて数日後、黄昏時の空の色が一段青くなる、そのときにいっせいに産卵するのだそうです。月明かりが変える黄昏の空の色なんて人間には分らないのに、すごく微妙な変化が分るんだ!


青い光がサンゴの恋の色、黄昏ブルーの神秘
ハナビラクマノミ@石垣島2downsize
(石垣島グルクンの根のハナビラクマノミ)
青い光はサンゴの恋の色なのです。サンゴには光受容器がありますが、「色の好み」もあるらしい。
やっぱり黄昏の青い色は神秘的なんですね。

出典: 日経サイエンス 2011年7月号 NEWS SCAN p.18 「恋するサンゴ」

●眼が出来た!
ハナクマノミ@石垣島2REVdownsize
(ハナクマノミに大接近、石垣島樹下美人にて)
試験管で眼の組織が出来た
またまた、日本人研究者の快挙です。理化学研究所 発生・再生総合科学研究センターの副ユニットリーダー永楽元次氏らが自己組織化をうまく使って試験管の中で複雑な眼の組織構造を作り出すことに初めて成功したそうです。


自己組織化(ヒントを与えて勝手にやらせる)がポイント
クマノミの若い個体@石垣島5downsize
(石垣島インディアンの塔で会ったクマノミの若い個体)
何でもなれる幹細胞(マウスES細胞)を誘導する、つまり初めに何らかの環境(足場とか)、状況(お隣さんの細胞とか)、情報(処置・刺激)などを与えておく、するとあとは自律的に、すなわち細胞同士が勝手にコミュニケーションして、複雑な構造を作り上げる自己組織化、それで眼の構造の一部、眼杯(eye cup)を作り出したのだそうです。ちゃんと網膜の各種の細胞(光受容細胞や神経細胞)も出来ているそうです。


眼杯とは
ハナクマノミ@石垣島1downsize
(ハナクマノミ警戒中、石垣島インディアンの塔)
私たち人間やイヌ、魚など脊椎動物の眼は、胎児のときに神経が表皮まで出向いて作る言わば外に開いた「脳の窓」で、表皮のすぐ下で神経の袋がカップ状に陥没したのが眼杯、その内貼りが光を感じる大切な網膜、その眼杯の前に表皮からレンズなどが出来て、ハイ、眼の完成。


将来は眼の再生医療も
ハナクマノミ@石垣島6REVdownsize
(石垣島御神埼北のハナクマノミ)
これはまだ臓器の基になる組織構造(原基)の1つが出来た段階で、眼全体が出来たわけではないですが、将来研究が進めば眼の再生医療で失明が治療できる日がくるかもしれませんね。
U-tubeあります
眼杯が出来てゆくようすはnature誌のウェブにも以下のU-tube画像として公開されています。

http://nature.asia/nd06-nv-video1
http://nature.asia/nd06-nv-video2
http://nature.asia/nd06-nv-video3
http://nature.asia/nd06-nv-video4
http://nature.asia/nd06-nv-video5
http://nature.asia/nd06-nv-video6
http://nature.asia/nd06-nv-video7
http://nature.asia/nd06-nv-video8
出典: natureダイジェスト2011年6月号p.32「Do-It-Yourselfで眼を作ろう」”DIY eye” (原典: Nature 2011年4月7日 Vol.472 P.42-43, Robin R. Ali & Jane C. Sowden)
関連: 理化学研究所のウェブにもこの研究成果の記事が公開されています。
http://www.cdb.riken.go.jp/jp/04_news/articles/11/110407_selfmadeeye.html


【注意!】
ここに挙げたクマノミの種類はシロウトのテキトーな判断につき信用しないでくださいね。一応以下を参考にしております。

参考文献: 海洋写真家中村庸夫氏の著書「クマノミ全種に会いに行く」(平凡社)

次回は南イタリア紀行に戻ります(・・・のつもりです)。

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テーマ : 自然科学 - ジャンル : 学問・文化・芸術