♪ジェット機も紙ヒコーキ♪、美しくも繊細過ぎた蛾スカイレイ
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(美しくも繊細過ぎた蛾スカイレイ)
あんまり大したことないけど惹かれる
傑作機がカッコいいのは当然、スピットとかね。で、大して活躍もせず有名でもないけど、何かカッコいい、妙に惹かれるゾ、って言うヒコーキってありますよね・・・ホワールウィンドとか、今回主役のスカイレイも。
ホワールウィンドやウェルキンなどの過去記事です↓
美しくあまりにも個性的なWhirlwind機と天才Petter
役に立たないイケメン、あぁ勘違いのハイテク美学『高高度戦闘機』
紙ヒコーキはデルタ翼
昔、広告の紙などで紙ヒコーキを作りませんでした?紙ヒコーキのスタンダードは「三角翼」でした。
一世を風靡したデルタ翼の皆さま
ミラージュ、F102、F106、スカイホーク、バルカン、ジャベリン、ドラケン、そして今回の主役スカイレイ、みな一世を風靡したデルタ翼のヒコーキです。でも今やデルタ翼機は「絶滅危惧種」になってます。
唯一無二のデルタ艦戦、スカイレイ
その上、F4Dスカイレイは後のも先にも世界でたった1つのデルタ翼艦上戦闘機なんです。しかも他のデルタ翼機に先駆けて開発されました。
(スカイレイを正面から見ると・・・)
曲線で構成された稀有なデルタ翼機
その中でも美しいデルタ翼の蛾、スカイレイは翼も胴体も柔らかな曲線で構成された秀逸なデザインです。さすが、ハイネマン。
美しいハイネマンの蛾、スカイレイ
蛾を思わせる曲線的なデルタ翼とブレンデッド・ボディ、美しいデザイン。ノースロップが構想しドイツ技術を取り入れハイネマンがデザインした。そのハイネマンの三角翼の美しい蛾がスカイレイです。
(さきがけと時代遅れが混在のスカイレイ)
速度と上昇率で4つの世界記録樹立
スカイレイの筋の良さに期待していた米海軍は、空軍への対抗心もあり、ダグラス社を後押し、スカイレイは見事、速度と上昇率で4つの世界記録を樹立しています。スカイレイの抜群の上昇力は大いに期待されました。
(ライバル後退翼機との初飛行年の比較)
第1世代と第2世代の狭間、遷音速機
マッハ0.98くらいのスカイレイは、亜音速の第1世代ジェット戦闘機と超音速の第2世代ジェット戦闘機の狭間、遷音速域の速度の戦闘機でした。2種の速度世界記録もマッハ1の一歩手前。
さて、今回の主役スカイレイを同期生たちと比べてみると・・・
(三角翼ジェット戦闘機の初飛行年の比較)
早すぎた?ハイネマンの先見性
スカイレイは三角翼ジェット戦闘機としてはライバルたちに先駆けて開発された、いわばパイオニアです。
(三角翼機の最高速度比較)
アタマ1つ抜けてたのか?
数年後デビューの第2世代ミラージュなどと比べるとキツイですが、スカイレイは第1世代ライバルたちとに比べ、当時はなかなかの高性能でした。
(ライバル後退翼機との最大速度比較)
5年もテスト、テストの日々じゃ最新鋭機も色褪せる
初飛行1951年なのに就役は5年後の1956年になっちゃった、生産機数も422機どまり。なのでとっとと後輩に追いつかれ、空母の甲板上にF4Dスカイレイ、F8Uクルセイダー、A4スカイホークが並んでいる写真もあります。
慎重すぎた米海軍、非力すぎた試作機エンジン
スカイレイの開発に際して米海軍は珍しくも「石橋を叩いて渡る」慎重さでした。ナチドイツからパクった三角翼の原理は実績が無かったし、ハイネマンのデザインも時代を飛び越していて不安・・・。その上、エンジンが悩みの種、J-58は期待のエンジンだけど開発途上、そこで試作機のエンジンはJ-40にしたけど、初めから非力は承知、でもこれじゃ急降下でしか音速を越えられないし、テストは遅々として進まなかったようです。スカイレイはジェット機の大革新時代の手前で時間を浪費したようです、歴史の後知恵で言えば・・・・。
メイデイ・スカイレイの汚名?
当初、スカイレイに搭載の“問題児”J40エンジンは空中でフレームアウト(要するにエンスト)が頻発。さすが優秀な機体設計、ちゃんと無事帰投するのですが、パイロットは一応キマリなので遭難信号「メイデイ」を毎回出しました。で、ついた仇名が「メイデイ・スカイレイ」。優れた機体に駄っエンジンの典型ですね。
エンジンに恵まれず常にパワー不足
そもそもスカイレイは常にエンジンのパワー不足に悩まされました=だから優れた設計の本来のパフォーマンスが出せなかったようでう。当初、試作機のエンジンJ40トラブル続発の問題児、加えてパワー不足。量産型ではより強力なJ57に換装しましたが、それでもパワー不足でした。
多すぎたギミック
アメリカ初の初の三角翼ジェット、それも変則的な三角翼。エルロン(補助翼)とエレベーター(昇降舵)の機能を合わせたエレボンはまぁ「お約束」としても、主翼後端付け根には大きなピッチトリマーを付けてピッチコントロール(縦操縦)を行うユニークなギミック(水平尾翼による縦操縦の代替)。凝ったギミックの多さもスカイレイの実用化を遅らせたみたいです。
さきがけと時代遅れが混在の移行期
スカイレイは三角翼、エレボン、ピッチトリマー、クラムシェル・キャノピーなど時代に先駆けていた一方で、全天候性の欠如、ミサイル運用能力不足、戦闘爆撃機任務など汎用性の欠如などのため時代に置いて行かれました。移行期のヒコーキの不幸かも知れません。
艦戦の運用変化がジェットの蛾の寿命を縮めた
冷戦でエスカレートした戦略変化がスカイレイの寿命を縮めたようです。開発着手時の艦載機は [ジェット制空艦戦+レシプロ戦闘爆撃機] でした。しかし、スカイレイが試験に明け暮れ5年を経た頃、[艦上ジェット戦闘爆撃機] が求められる時代になり、純血戦闘機のスカイレイやF11Fタイガーは要らない存在になってしまいました。
サレルノ上陸作戦が端緒かも?
この運用戦略の変化はベトナム戦争で艦戦の役割が制空から戦爆に変わったことが要因でしょうか?辿れば、第二次大戦時、イタリアのサレルノ上陸作戦で初めて英海軍により運用された“護衛空母を上陸地点制圧に使う”「アサルトキャリアー(Assault Carrier)」に源があるのかも?
スカイレイのアップデート版、F5Dスカイランサー
ハイネマンたちはF4Dスカイレイをエンジン強化、改設計した「本命」F5Dスカイランサーを開発、対抗馬ののちのF8Uクルセイダーに勝る性能を示しましたが、なぜか、不採用。
その血はスカホークに受け継がれた??
でもスカイレイの血は天才ハイネマンにより大ヒット作A4スカイホークに受け継がれているような気がします。スタイルだけ見れば“スカイレイに水平尾翼をくっつけたらスカイホークになる”?・・・んじゃないのかな~?
F4D-1/F-6Aスカイレイの諸元
全長: 13.8 m、全幅: 10.2 m、全高: 3.96 m、主翼面積: 52 平方m、最大離陸重量: 12,300 kg
エンジン:プラット・アンド・ホイットニー J57-P-8,-8A 又は -8B ターボジェットエンジン
最大速度: 時速1,200 km、航続距離: 1,900 km、実用上昇限度: 17,000 m、上昇率: 毎分5,600 m
搭載機器:APQ-50A レーダー、FCS Aero 13F
武装: 20mm機関砲 4門、サイドワインダーミサイル 2発、900 kg 爆弾 2発、ロケット弾など
出典:「世界の傑作機No12 ダグラスF4Dスカイレイ」水野民雄、Junichi Ishikawa、山内秀樹、松崎豊一、R. E. Wiliams、山口明雄 (1988年9月、㈱文林堂)
出典:ウィキペディア「戦闘機一覧」
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あんまり大したことないけど惹かれる
傑作機がカッコいいのは当然、スピットとかね。で、大して活躍もせず有名でもないけど、何かカッコいい、妙に惹かれるゾ、って言うヒコーキってありますよね・・・ホワールウィンドとか、今回主役のスカイレイも。
ホワールウィンドやウェルキンなどの過去記事です↓
美しくあまりにも個性的なWhirlwind機と天才Petter
役に立たないイケメン、あぁ勘違いのハイテク美学『高高度戦闘機』
紙ヒコーキはデルタ翼
昔、広告の紙などで紙ヒコーキを作りませんでした?紙ヒコーキのスタンダードは「三角翼」でした。
一世を風靡したデルタ翼の皆さま
ミラージュ、F102、F106、スカイホーク、バルカン、ジャベリン、ドラケン、そして今回の主役スカイレイ、みな一世を風靡したデルタ翼のヒコーキです。でも今やデルタ翼機は「絶滅危惧種」になってます。
唯一無二のデルタ艦戦、スカイレイ
その上、F4Dスカイレイは後のも先にも世界でたった1つのデルタ翼艦上戦闘機なんです。しかも他のデルタ翼機に先駆けて開発されました。

(スカイレイを正面から見ると・・・)
曲線で構成された稀有なデルタ翼機
その中でも美しいデルタ翼の蛾、スカイレイは翼も胴体も柔らかな曲線で構成された秀逸なデザインです。さすが、ハイネマン。
美しいハイネマンの蛾、スカイレイ
蛾を思わせる曲線的なデルタ翼とブレンデッド・ボディ、美しいデザイン。ノースロップが構想しドイツ技術を取り入れハイネマンがデザインした。そのハイネマンの三角翼の美しい蛾がスカイレイです。

(さきがけと時代遅れが混在のスカイレイ)
速度と上昇率で4つの世界記録樹立
スカイレイの筋の良さに期待していた米海軍は、空軍への対抗心もあり、ダグラス社を後押し、スカイレイは見事、速度と上昇率で4つの世界記録を樹立しています。スカイレイの抜群の上昇力は大いに期待されました。

(ライバル後退翼機との初飛行年の比較)
第1世代と第2世代の狭間、遷音速機
マッハ0.98くらいのスカイレイは、亜音速の第1世代ジェット戦闘機と超音速の第2世代ジェット戦闘機の狭間、遷音速域の速度の戦闘機でした。2種の速度世界記録もマッハ1の一歩手前。
さて、今回の主役スカイレイを同期生たちと比べてみると・・・

(三角翼ジェット戦闘機の初飛行年の比較)
早すぎた?ハイネマンの先見性
スカイレイは三角翼ジェット戦闘機としてはライバルたちに先駆けて開発された、いわばパイオニアです。

(三角翼機の最高速度比較)
アタマ1つ抜けてたのか?
数年後デビューの第2世代ミラージュなどと比べるとキツイですが、スカイレイは第1世代ライバルたちとに比べ、当時はなかなかの高性能でした。

(ライバル後退翼機との最大速度比較)
5年もテスト、テストの日々じゃ最新鋭機も色褪せる
初飛行1951年なのに就役は5年後の1956年になっちゃった、生産機数も422機どまり。なのでとっとと後輩に追いつかれ、空母の甲板上にF4Dスカイレイ、F8Uクルセイダー、A4スカイホークが並んでいる写真もあります。
慎重すぎた米海軍、非力すぎた試作機エンジン
スカイレイの開発に際して米海軍は珍しくも「石橋を叩いて渡る」慎重さでした。ナチドイツからパクった三角翼の原理は実績が無かったし、ハイネマンのデザインも時代を飛び越していて不安・・・。その上、エンジンが悩みの種、J-58は期待のエンジンだけど開発途上、そこで試作機のエンジンはJ-40にしたけど、初めから非力は承知、でもこれじゃ急降下でしか音速を越えられないし、テストは遅々として進まなかったようです。スカイレイはジェット機の大革新時代の手前で時間を浪費したようです、歴史の後知恵で言えば・・・・。
メイデイ・スカイレイの汚名?
当初、スカイレイに搭載の“問題児”J40エンジンは空中でフレームアウト(要するにエンスト)が頻発。さすが優秀な機体設計、ちゃんと無事帰投するのですが、パイロットは一応キマリなので遭難信号「メイデイ」を毎回出しました。で、ついた仇名が「メイデイ・スカイレイ」。優れた機体に駄っエンジンの典型ですね。
エンジンに恵まれず常にパワー不足
そもそもスカイレイは常にエンジンのパワー不足に悩まされました=だから優れた設計の本来のパフォーマンスが出せなかったようでう。当初、試作機のエンジンJ40トラブル続発の問題児、加えてパワー不足。量産型ではより強力なJ57に換装しましたが、それでもパワー不足でした。
多すぎたギミック
アメリカ初の初の三角翼ジェット、それも変則的な三角翼。エルロン(補助翼)とエレベーター(昇降舵)の機能を合わせたエレボンはまぁ「お約束」としても、主翼後端付け根には大きなピッチトリマーを付けてピッチコントロール(縦操縦)を行うユニークなギミック(水平尾翼による縦操縦の代替)。凝ったギミックの多さもスカイレイの実用化を遅らせたみたいです。
さきがけと時代遅れが混在の移行期
スカイレイは三角翼、エレボン、ピッチトリマー、クラムシェル・キャノピーなど時代に先駆けていた一方で、全天候性の欠如、ミサイル運用能力不足、戦闘爆撃機任務など汎用性の欠如などのため時代に置いて行かれました。移行期のヒコーキの不幸かも知れません。
艦戦の運用変化がジェットの蛾の寿命を縮めた
冷戦でエスカレートした戦略変化がスカイレイの寿命を縮めたようです。開発着手時の艦載機は [ジェット制空艦戦+レシプロ戦闘爆撃機] でした。しかし、スカイレイが試験に明け暮れ5年を経た頃、[艦上ジェット戦闘爆撃機] が求められる時代になり、純血戦闘機のスカイレイやF11Fタイガーは要らない存在になってしまいました。
サレルノ上陸作戦が端緒かも?
この運用戦略の変化はベトナム戦争で艦戦の役割が制空から戦爆に変わったことが要因でしょうか?辿れば、第二次大戦時、イタリアのサレルノ上陸作戦で初めて英海軍により運用された“護衛空母を上陸地点制圧に使う”「アサルトキャリアー(Assault Carrier)」に源があるのかも?
スカイレイのアップデート版、F5Dスカイランサー
ハイネマンたちはF4Dスカイレイをエンジン強化、改設計した「本命」F5Dスカイランサーを開発、対抗馬ののちのF8Uクルセイダーに勝る性能を示しましたが、なぜか、不採用。
その血はスカホークに受け継がれた??
でもスカイレイの血は天才ハイネマンにより大ヒット作A4スカイホークに受け継がれているような気がします。スタイルだけ見れば“スカイレイに水平尾翼をくっつけたらスカイホークになる”?・・・んじゃないのかな~?
F4D-1/F-6Aスカイレイの諸元
全長: 13.8 m、全幅: 10.2 m、全高: 3.96 m、主翼面積: 52 平方m、最大離陸重量: 12,300 kg
エンジン:プラット・アンド・ホイットニー J57-P-8,-8A 又は -8B ターボジェットエンジン
最大速度: 時速1,200 km、航続距離: 1,900 km、実用上昇限度: 17,000 m、上昇率: 毎分5,600 m
搭載機器:APQ-50A レーダー、FCS Aero 13F
武装: 20mm機関砲 4門、サイドワインダーミサイル 2発、900 kg 爆弾 2発、ロケット弾など
出典:「世界の傑作機No12 ダグラスF4Dスカイレイ」水野民雄、Junichi Ishikawa、山内秀樹、松崎豊一、R. E. Wiliams、山口明雄 (1988年9月、㈱文林堂)
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コメント
Re: No title
サムライ☆ジャック様、コメントありがとうございます。おっしゃる通り、この頃のジェット戦闘機はみなユニークなデザインで個性ありますね。開発する人たちも楽しかったでしょうね、きっと。
No title
スカイレイやカットラスなど 米海軍機もとても特徴的な機体が多くて この頃のほうが見ていて楽しいですね
Re: No title
しおちゃん様、コメントありがとうございます。過分のお褒め恐縮ですが、スカイレイお好きとはうれしいです。「美人」のスカイレイの「悪口」は書きにくくたくさんのライバルと比べてしまいました。
No title
こんにちは。
スカイレイは私の好きな機体です。
面白い考察をありがとうございます。とても勉強になりました。スカイランサーが量産されなかったのはとっても残念ですね。
スカイレイは私の好きな機体です。
面白い考察をありがとうございます。とても勉強になりました。スカイランサーが量産されなかったのはとっても残念ですね。
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