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進化実験でカリブのトカゲは教える「進化は時々繰り返す」と+南仏エクサンプロヴァンス

進化実験でカリブのトカゲは教える「進化は時々繰り返す」と
+南仏エクサンプロヴァンス

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カリブのアノールの反復収斂進化
(カリブのアノールの反復収斂進化)
進化は実験出来るんです!
「そんなバカな、進化は何万年もかかる、無理」、昭和な頃、私、Levallosbeeの学生時代のジョーシキではそうでした。ところが、出典著者Jonathan B. Losos氏は若き日の先駆的研究で、カリブのトカゲを違う環境の小島に放つと短期間でそれぞれの環境に適応した体形と暮らし方に進化することを実験で証明しました。そう、進化は実験出来る!んです。
カリブのトカゲのお話前編です↓
恐怖がもたらす玉突き絶滅をカリブのトカゲで実験してみた スプリングエフェメラル




エクサンプロヴェンス街角の古い噴水downsize
(エクサンプロヴェンス街角の古い噴水)
陽光あふれる南仏エクサンプロヴァンス
青い海と空のムリつながりで南仏エクサンプロヴァンスのフォトを添えます(使い回しですが)。
エクサンプロヴァンスの過去記事です↓
陽光あふれる噴水の街、憧れのエクサンプロヴァンス(1)
心地よい光と風、セザンヌの刻印に誘われてエクサンプロヴァンス街歩き(2)
朝の庭が素晴らしい4つ星ホテル-南仏エクサンプロヴァンス(3)
ジカ熱に善戦するキューバ;蚊が媒介する感染症との戦い(1)+南仏エクサンプロヴァンス


生き物は時に「高速進化」する
今では数年、数10年単位で環境に適応し新種が生まれる「高速進化」の例が多く報告されています。カリブのトカゲも植生や、天敵に対応して脚の長さや棲み処を変え数年で素早く適応(進化)しました。
再び、高速進化の過去記事です↓
列車に乗って高速進化、300年で3つの新種を生んだ黄色い花+庭の花
高速進化する大都会の生き物たち+ヨコハマの港と運河
構造湖で高速進化したシクリッドたちの遺伝子のヒミツ
プロメテウスの贈り物-火がヒトの高速進化を生んだ?+フランスで出会った一皿たち


アノールが棲む大アンティル諸島
(アノールが棲む大アンティル諸島)
レゲエの故郷カリブのトカゲたち
出典著者のLosos氏はトカゲ大好き少年だったそうで(出典に少年時代の写真が載ってます)、Losos氏の主な研究対象もカリブのトカゲ、ブラウンアノールです。

ブラウンアノールの「ワンセット」
棲む環境とブラウンアノールは脚の長さは関係があり、①地上で暮らすものは脚が長く逃げ足が速く色は地味、②樹上の太い枝で暮らすものは中程度の脚の長さで色は派手、⓷細い枝先に暮らすものは脚が短くので器用に枝を歩き枝と一体化する地味な色柄(保護色)、④樹上性で中程度の脚の長さ、獰猛で他のトカゲも食べる大きなヤツなど、各島に「ワンセット」います。

カリブの島々に姿、暮らしが違う「ワンセット」のトカゲ
大アンティル諸島のキューバ島、ジャマイカ島、イスパニョーラ島(ハイチとドミニカ)、プエルトリコ島など、どの島にもちゃんと「ワンセット」のブラウンアノールがいます。

ワンセットに分かれてから島々に渡ったのではない!
これまでの通説なら「ブラウンアノールの祖先がまずどこかで環境に適応し種分化し「ワンセット」になった後、各島に流れ着き、それぞれの島の適した環境に棲みついた」ですが、違うのです!

ミラボー通りの涼しい木陰に憩うREVdownsize
(ミラボー通りの涼しい木陰に憩う)
一見同じトカゲのワンセットは独立した進化
カリブのどの島にも見られるアノールトカゲの一見同じ「ワンセット」はその祖先は全部違うのです、遺伝子DNAでも確かめられています。これはどういうことなのか?

ハリケーンがリセットするカリブの小島
カリブと言えば太陽と青い海、でもハリケーン多発地域でもあります。カリブ海の無数の小島をハリケーンが襲うと島の動植物を吹き飛ばし、洗い流して一掃してしまいます。そしてまた、海鳥から植物の種が落とされ、トカゲが流れ着き、新たな生態系が誕生します。

オークル色の光に包まれた盃型の噴水downsize
(オークル色の光に包まれた盃型の噴水)
進化は実験出来る!無トカゲ島なら
て、ことは進化は実験できるゾ!と実験進化学なるものも生まれています。無人島ならぬ、ハリケーンがリセットした無トカゲの小島にアノールトカゲを導入し数年~10年観察するのです。

アノールは脚の長さを変えて適応進化していた
当初は別の研究者が生存に必要な環境を調べる「無トカゲ」な小島にアノールを導入したフィールド試験でした。若き出典著者Losos氏はこの試験の別の結果、草むらから高木の林まで様々な植生環境の小島に定着したアノールたちの脚の長さを調べました。するとなんと、10年ほどで環境(植生)に対応してアノール君たちの脚の長さが変わった、つまり環境に適応して「進化」したんです、脚の長い地上性の種から脚の短い樹の枝先に棲む種とかに・・。

捕食者がいたらどうなるか?
そこで出典著者のLosos氏はアノールを導入する小島にアノールを食べるゼンマイトカゲも導入してみました。当初は速く走る脚に長い個体が生き残るが、そのうち樹の枝先でも暮らせる脚の短い個体がより良く生き延びる(ゼンマイは樹に登れないので)、と予測し、その通りの結果になりました。

広場を守るように葉影を広げる樹REVdownsize
(広場を守るように葉影を広げる樹)
体形よりまず行動だ!
ところが、その後の研究でアノールたちは体形(脚の長さ)の変化に先立って行動を変えていました。ゼンマイを“見かけたら“すぐに枝先に避難するように行動が変わったのです。また、棲み処も樹の上に移りました。

警戒心が強く俊敏なものが生き残る
出典著者のOriol Lapiedra氏、Losos 氏らは、アノールにゼンマイを見せ、ゼンマイを除いた後、避難場所の樹や岩陰に到着するまでの時間(=危険な地上にいる時間)を測り、捕食者ゼンマイのいる島といない島で比べました。ゼンマイのいる島では素早く避難場所にアノールの方がより良く生き残りました。

捕食者がいると棲み処を樹上に変えた
4か月後、ゼンマイがいる島では本来地上性のアノールは樹の幹や枝先にいる割合が高くなっていました。つまりアノールは短期間で暮らし方(生態)まで変えていました。

収斂進化
トリとコウモリの翼、サカナとイルカのひれ、など祖先が違うのに似た形、機能に進化することを「収斂進化」と言います。

木陰が気持ちいい赤いテントのカフェREVdownsize
(木陰が気持ちいい赤いテントのカフェ)
環境が同じなら進化は繰り返す「反復収斂進化」
カリブの島々はどこも似た植生(森林や草むら)の環境なので、パイオニアになったアノール君は似た組み合わせのいくつかの環境;地上の草地、樹の幹、枝葉の先など、に適した姿に進化して棲み分けます。だから「違う由来のトカゲの同じワンセット」になります。これが「反復収斂進化」です。

時間軸に替えて空間軸でも反復収斂進化が起こる
古生代から続く魚類、恐竜時代の中生代の魚竜、現代のイルカやクジラは「時を超えて」尾びれを振って推力を得る同じ仕組みで泳ぎます。これは「時間軸」の反復収斂進化です。
一方、似たいくつかの環境に生き物が並行して似た適応進化をすれば「空間的」な反復収斂進化が起こります。これがカリブのトカゲで起こっていることです。

進化の特異点、似たものがいないヒト、カモノハシ
今や「ヒトにしか無いもの」「ヒトにしか出来ないこと」のリストは消え去る寸前ですが、ヒトの特徴や能力がワンセットある生き物は過去も現在も他にいません。ヒトは「平凡の特別の組み合わせによる非凡」であるようです。
カモノハシは哺乳類なのに卵を産む変わった動物ですが、1つ1つのパーツや機能は他の動物に例があり、同じくカモノハシは平凡を組み合わせた非凡、新発明じゃなくイノベーションです。
出典著者Losos氏はヒトやカモノハシは一度きりしか現れない「進化の特異点」だと述べています。

進化は行きあたりばったりで時々繰り返す
進化には、1)「反復収斂進化」、つまりご先祖が違っても、時代や場所が違っても、似た環境に適応すれば似た姿かたちや機能になる、“必然的な”進化(カリブのトカゲの例)もあれば、2)行き当たりばったりで“運と偶然が支配する”進化(ヒトの誕生など)の両方がある、と出典著者のLosos氏は述べています。

進化は偶然と必然が織りなす絶妙な綾
結局、「偶然と必然が織りなす絶妙な綾」が生き物の進化の歴史であるようです。

出典:「生命の歴史は繰り返すのか?:進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む」 “Improbable Destinies: Fate, Chance, and the Future of Evolution” 2017年 Jonathan B. Losos氏著、的場知之氏訳 (2019年、化学同人)
出典:”Predator-driven natural selection on risk-taking behavior in anole lizards” Oriol Lapiedra et al. Science 01 Jun 2018 Vol. 360, Issue 6392, pp. 1017-1020 DOI: 10.1126/science.aap9289


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