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デザートマローダーは蛇の目を纏って地味に地中海を征く

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南アフリカ空軍第21中隊マローダー III
(南アフリカ空軍第21中隊マローダー III)

一番蛇の目っぽくない?レンドリース機
・・て、なんでしょう?P-38ライトニング?でも使った(就役した)中では?・・B-26ことマローダーじゃないんでしょうか?レンドリース法は米国が連合国に武器弾薬などを貸してあげる米国の法律でした。
レンドリース関係のヒコーキ過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
美しい名機を生んだノースアメリカンのベンチャー戦略;レンドリースの翼たちその2




たくさんもらっても使ったのは2飛行隊
千機単位のレンドリース、ダコタやハーバードほどではなくても、カタリナやボストン並みのの百機単位の供与を受けているのに、実戦で使ったにはたったの2飛行隊(スコードロン)でした、B-26マローダーは。(英国空軍(RAF)では第14、第39中隊のみですが、南アフリカ空軍(RSAAF)は第12、第24、第21、第30、第25中隊でマローダーのウィング(航空団)を編成しています。)

RAFマローダーは砂漠を西へ西へ
(RAFマローダーは砂漠を西へ西へ)
砂漠の旅がらす、さすらいの第14中隊
マローダーを唯一ちゃんと使ったRAFの飛行隊は第14中隊(Squadron)。1942年8月の北アフリカ戦線、14中隊は1940年以来のブレニムをやっと手放し“高速機“マローダーIに機種転換(実はその前1か月ほどバルチモアだったのですが)しました。そして第14中隊は砂漠を西へ、西へ転戦してゆきます。

エジプトからリビアへ
まずはエジプトのスエズ運河にある人口湖、グレートビター湖畔Fayid基地を皮切りに、次いでリビア地中海沿岸のガンブート(Gambut)基地へ。

天下分け目を経て西へ、西へ
天下分け目のエル・アラメイン戦後の1943年3月にはまた西へ、アルジェリアの海岸沿いのバラの街ブリダ(Blida)へ、更に西の地中海沿岸、チュニジアのBoneまで。14中隊のマローダーIは北アフリカの地中海沿岸を西へ西へと独伊軍を追ってゆきました。

B-26G.jpg
(B-26G、パワフルな感じです)
ま、ブレニムよりは新しいっぽいので・・・
RAFと英連邦軍がマローダーを使った戦線は北アフリカ、イタリア、バルカンなどのside show こと二次戦線。でも慢性的にヒコーキ不足だった北アフリカ戦線では、「ブレニムより新しいぽいから ま、いいか」、と実戦配備されたようです、マローダーは。
ブレニム一家の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
「イギリスが一番」は遠い日の夢 ブレニム一家の「風立ちぬ」

通商破壊“戦闘機”?に偵察、雷撃。え?戦術爆撃じゃないの?
あとひょっとしたら機雷敷設とか・・・。そうなんです、RAFのマローダー(第14中隊)の北アフリカ戦線の“お仕事”は。中でもユニークなのは、爆撃機の分際でイタリア本土から北アフリカに物資を空輸する輸送機を攻撃するという「通商破壊戦闘機」任務です。好きですね~007の国は、こういうのが。
戦闘重爆撃機を目指した重爆ハムデンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
空飛ぶフライパンと金魚の空似 「戦闘重爆撃機」ハムデンって知ってますか?

魚雷は外付け、マローダー
雷撃機マローダーの魚雷は外付けでした、ボーフォートなどと違って。いかにも現地改造やっつけ的な・・・。それでもちゃんと艦船撃沈の戦果を挙げています。ボー(ボーファイター)ほどじゃないけど・
ボーファイターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます。
Beauよ君はホントに戦闘機か 前編 なんせ間に合わせなもんで
Beauよ君はホントに戦闘機か 後編 いえ空のインディ・ジョーンズ


南アフリカ空軍マローダーはバルカンへイタリアへ
最新鋭機をもらえず、いつも第二線機、二流機、中古機ばかりで我慢した南アフリカ空軍、自由フランス空軍は大事にB-26マローダーを爆撃機として使いました。ま、舞台がside showのバルカンとか、イタリアでしたけど。

自由フランス空軍のマローダー
(自由フランス空軍のマローダー、機首にロレーヌクロス)
4か国(5政権)の旗の下、戦場を飛んだ3種のマーチン機
少し広い目で見ると、メリーランド、バルチモア、マローダーのマーチン社製機3兄弟は第二次大戦の欧州、北アフリカ戦線で米英仏伊、4か国のマークを付けて飛んでいました。フランスなぞヴィシー政権と自由フランス軍の両方で。マーチン社大繁盛ですね。

マーチン167、ことメリーランドの後継機
英国ではメリーランドですが、御仏蘭西ではLe Martin 167(ル・マルタン?)のマーチン167の後継機は1)完全に英国向けのバルチモアと、2)本命の自国米軍向けのマローダー。そのせいか、RAF(英空軍)はマローダーには冷たかったようです。

メリーランドの後継者マローダーとバルチモア
本家米軍ではともかくも、「蛇の目」の世界ではマローダーとバルチモアでは重用のされ方が雲泥の差だったようです。ま、RAFの評価も分からないではない、非武装高速機モスキートとお手頃感のバルチモアがあるのに、なんで気難しいマローダー使うか?って。

「高速爆撃機」ってホントか?
でもそもそも、ホントにマローダーって「高速爆撃機」だったんでしょうか?下表を見てください。
マーチン機性能比較
(マーチン機とライバルの性能比較)

2000馬力エンジンなのに・・
実は、マローダーの心臓は当時最先端ハイテク、P&Wダブルワスプ2000馬力エンジンです。ヘルキャット、コルセアなどと同じ。だからライバルの1700馬力サイクロンのB-25とはパフォーマンス(性能)で引き離すはずが、実はあんまり差がないかも?同僚バルチモアにはなんと速度で負けてるし。
ライバルB-25の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
地味で便利なB25ミッチェル;レンドリースの翼たち その1

ウェリントンに交替させられたマローダーって・・
さて一旦ムスタング Iに機種替えした件の第14中隊はノルマンディー上陸の1944年6月再びマローダーII/ IIIを受領します。ところが同じ年の11月にはウェリントン GRXIVに機種替え。こともあろうにウェリントンですよ!

100km近く遅いヒコーキに取替え
RAFで2番目のマローダー装備の飛行隊第39中隊も地中海から英本土にマリタイム任務で呼び戻されたとき、同じくウェリントンに機種替えされてしまいまた。時速で100km近く遅いヒコーキ、ウェリントンに時代が戻って隊員たちはうれしかったんだろうか?
ウェリントンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
余り物には珍発明を間抜けな漁師のウィンピー大活躍Wellington GR Mk VIII

ムダに長い記事ですが、ご興味のあるキトクな方は「続きを読む」をクリックください。

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コンセプト明快!葉巻型の胴体に短い主翼
B-26マローダーは流線形の胴体の断面もほぼ真円形、ライバルの四角いB-25 ミッチェルとは対照的なデザインでそれなりに高速爆撃機の理想を目指したのかな?でも機体表面の摩擦抵抗なども大きかったのかも?(雷電の例みたいに)

ついた仇名は「未亡人生産機」
就役当初のB-26 A型にはウィドゥメーカー、「未亡人生産機」と言う有り難くない仇名がつきました。短い主翼と大馬力のせいで着陸速度が速くて事故が多発したからだそうです。パイロットの不慣れも原因みたいですが。

米議会で責められ主翼など改良
こんなアブナイのはダメ、何とかしろ!と上院特別委員会でしぼられ、マーチン社は急ぎB-26の主翼を延長し上反角を増したりした改良型B-26B型を開発しました。このB型が最多生産型になりました。

B-25とB-26の使い分け
アメリカ陸軍航空軍 (U.S.Army Air Forces; USAAF)は運用環境が厳しい太平洋戦線ではちょっと遅くても使いやすいB-25 を、高速重武装でなければ生き残れない欧州戦線ではB-26を中爆の主力として使い分けました(軽爆は両戦線とも遅延するA-26就役までがまんしてA-20でしたが)。
A-20ボストンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
3人の天才が生んだ美しき器用貧乏A-20ボストン

欧州方面米軍では最良の生還率
・・だったそうです、B-26 は。驚異の木製機、非武装高速爆撃機モスキートは別にして、また、A-26が登場するまでは、欧州方面連合軍の昼間爆撃機(B-17,B-24,B-25,A-20など)の中ではB-26は一番高速で比較的重武装でしたから。

戦後は?やっぱり使いづらい

・・・が米国の意向。でも英国も南アフリカも要らないヒコーキだったのでマローダーはスクラップの運命に。フランスは戦後もちょっと使いましたが、何だかかわいそう、B-26マローダー。

航空機業界の起業家を育てたグレン・マーティンさん
グレン・ルーサー・マーティン(Glenn Luther Martin)さんは1912年、ヒコーキ・ベンチャーのマーチン社(Glenn L. Martin Company)を創立しました。その部下の若手航空機デザイナーには後の航空機大手創立者、①ダグラス社創設ドナルド・ウィルス・ダグラス(Donald Wills Douglas)氏、②ベル社創設のローレンス・デイル・ベル(Lawrence Dale Bell)氏、③マクダネル社創設のジェイムス・スミス・マクダネル(James Smith McDonnell)氏などスゴイ顔ぶれがいました。マーチンさんは起業家、アントレプレナーを育てる才能もあったんですね。

援英機でとても助かった英国
ところで第二次大戦中に米国が英国にレンドリース法に基づき貸してあげた飛行機は数万機にのぼります。ムスタング(P-51)、ハドソン、ミッチェル(B-25)、カタリナ(PBY)、ボストン(A-20)、バルチモア、ハーバード(AT6)、マートレット(F4F)、コルセア(F4U)、アベンジャー(TBF)、ダコタ(C47)など多種多様、膨大な数でした。もっとも、バミューダ、カリブー(P-39)、ベンチェラなど使えない駄っ作機も多々ありましたが・・。

アメリカが連合国を支えたレンドリース
レンドリースは第二次大戦中に米国議会で制定された当時の連合国(英・英連(豪など)、ソ、仏(自由フランス軍)、伊(自由イタリア空軍)、中(蒋介石軍)などなど)に膨大な数量の飛行機、戦車・車両、艦船、武器弾薬、燃料などを貸してあげる、というものです。

愛されたボストン、使えるミッチェル、英国好みじゃなかったマローダー
A-20ボストン、B-25ミッチェルなどはRAFに愛され重宝されたのに、同じレンドリース機でもマローダーは結局「英国好み」じゃなかったってことなんでしょうね。英ダックスフォードIWM博物館のアメリカ館にも展示がないくらいですし・・・。

B-26マローダーの諸元です
乗員:7名、全長:17.65m、全幅:21.64m、全高:6.55m、翼面積:61.13平方m、全備重量:17,340kg
エンジン:P&W R-2800-43 空冷18気筒 2000馬力×双発
最大速度:時速454km、実用上限高度:6,040m、航続距離:4,590km
武装:爆弾1,500kg、12.7mm機銃×12丁


出典:”R・A・F Squadrons” 1988年、C. G. Jefford氏著 (Airlife Publishing Ltd.)
出典:ウィキペディア記事「B-26」他


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: No title

2020/02/25
吟遊紳士さま、ご訪問、コメントありがとうございます。そうですか、私も中学のガキの頃からヒコーキ大好き♡にんげんでした。吟遊紳士さんの水彩画?ステキですね。楽しみに拝見しております。これからもボチボチとヒコーキや科学の話題を探して書いてゆきますので、よろしくお願いいたします。

> はじめまして!
> 飛行機大好きな私。
> 特に第二次大戦中のレシプロ機が好きです。
> その様な訳で、こちらのサイトの飛行機のお話が大好物です(^^♪
> これからも楽しみに訪問いたします。

No title

はじめまして!
飛行機大好きな私。
特に第二次大戦中のレシプロ機が好きです。
その様な訳で、こちらのサイトの飛行機のお話が大好物です(^^♪
これからも楽しみに訪問いたします。

Re: No title

いぬふりゃ☆さま、コメント、そしておほめありがとうございます。おっしゃる通り日本じゃ影薄いですよね、B-26は。戦争が終わったらすぐにお払い箱だし、ちょっとかわいそうと思ってしまいます。いぬふりゃ☆さんも好きですか、私も流線形に短い主翼で高速を目指す潔いデザインがカッコイイと思うのですが、人気ないみたいですね。

> こんばんは。
>
> あああ…こりゃまた通好み(変態好み?)の機体チョイスですね(笑)
> ここで言う「変態」は誉め言葉ですよ。( ̄ー ̄)ニヤリ
>
> B-25は日本でもそこそこ知名度ある感じですが26はさっぱりこんな気がします。
> 太平洋戦線にあんまり出て来なかったからでしょうか??
> このずんぐりむっくりさん、僕は結構好みなのですが。
> ハセ〇ワ模型のキットも生産中止になってますし…人気無いのかな~。
> ウィドウメーカー呼ばわりされた機体はいくつもありましたけど、
> この子もその中に含まれてたのはあまり知られてないかも知れませんね。

No title

こんばんは。

あああ…こりゃまた通好み(変態好み?)の機体チョイスですね(笑)
ここで言う「変態」は誉め言葉ですよ。( ̄ー ̄)ニヤリ

B-25は日本でもそこそこ知名度ある感じですが26はさっぱりこんな気がします。
太平洋戦線にあんまり出て来なかったからでしょうか??
このずんぐりむっくりさん、僕は結構好みなのですが。
ハセ〇ワ模型のキットも生産中止になってますし…人気無いのかな~。
ウィドウメーカー呼ばわりされた機体はいくつもありましたけど、
この子もその中に含まれてたのはあまり知られてないかも知れませんね。

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