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光って影を消すハダカイワシ発光のヒミツ+ヨコハマたそがれ、みなとみらい

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光って影を消すハダカイワシ
(光って影を消す深海魚ハダカイワシ)
ハダカイワシはイワシではありません!深海魚
漁で水揚げして手で掴むとウロコが剥げてしまうのが「ハダカイワシ」の名の由来だそうですが、イワシの仲間ではなく「ハダカイワシ科」の深海魚です。英語ではlanternfish、「提灯魚」ですね。でもなぜ提灯(lantern)??




夜目にも艶やか白妙の嬢王日本丸downsize
(夜目にもな艶やか、白たえの女王、帆船「日本丸」)
「忍術」、光って影を消すCOUNTER - ILLUMINATION
ハダカイワシは多くの魚類の餌になる食物網の下位に属する生き物です。食われないためには姿を隠すのが有効です。そのためハダカイワシは光って(生物発光)影を消す「忍術」を使っています。これをcounter illuminationと言います。

海ではみんな光ってる、実は・・
海の生物発光はホタルイカとか夜光虫が有名ですね。深海では多くの動物が光るようです。
海の発光生物の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海ではみんな光ってます、宵闇のパリのよう、ロボットが見た妖しい世界

ヨコハマ大桟橋の青い回廊downsize
(ヨコハマ大さん橋の青い回廊;ファンタジーの世界です)
♪ヨコハマ、たそがれ~♪
少し深い海の薄暮の世界のお話につき、藍色に包まれた「♪ヨコハマ、たそがれ~♪」の少し蠱惑的な風景のフォトを添えます。
ヨコハマの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ヨコハマたそがれ青い回廊といずもと飛鳥
小さな日時計ジオロケーターが明かす小鳥の渡り生活+みなとヨコハマ
ハイカラな不死鳥ハマの港の歴史に触れる博物館+ハマの寸景
石器時代人の歯石除去で食生活や暮らしを探る ハマの都鳥ユリカモメ
ハマの新開地朝の散歩で見つけたもの司馬さんを辿って
「行きつけ」の至福; そのバーはハマの運河沿いにあります


ステージをよぎって飛鳥が出港downsize
(ステージをよぎって飛鳥が出港、大さん橋のイベント会場より)
日本人研究者の成果です
今回サイエンス小ネタの出典(元ネタ)は中部大学 応用生物学部 環境生物科学科 大場裕一教授の研究グループの研究成果です。研究紹介「発光生物の総合的研究」↓(リンク貼ってませんのでURLをコピペして訪問ください)
https://www.chubu.ac.jp/about/faculty/profile/6ba82a466bcbd48de36ade1afd0e4de18735e50e.pdf


ダーウィンに来た!
12月15日の『ダーウィンが来た』第625回「生きものが放つ!光の大絶景スペシャル」に大場教授が出演しておられました。

ヨコハマロックみなとみらいdownsize
(ヨコハマ ロック!みなとみらいHard Rock Cafe)
毎日深海から海面に通勤、「日周鉛直移動」
さて、ハダカイワシは深海に棲みますが、昼は海面近くでプランクトンを食べ、夕方に深海の中深層に戻る通勤生活、「日周鉛直移動」を行います。

中深層Mesopelagic zoneは薄暮の世界
ハダカイワシが棲む水深100-2000mあたりは中深層(Mesopelagic zone)と呼ばれ漆黒の闇ではなく、わずかに光が届く薄暮の世界です。

川面に映る喧騒を気にもかけないユリカモメdownsize
(川面に映る喧騒を気にもかけないユリカモメ:横浜駅を流れる幸川にて)
お腹に並ぶ発光器官のナゾ
ハダカイワシはお腹の側だけに頭から尻尾まで発光器が並んでします。これは深海魚によく見られるパターンですが、なぜ?

忍術、光って影を消す「光頓の術」
・・て、何のこと?ハダカイワシは「忍術光頓の術」を使うようです。薄暮の中深層でも光はあり物の影は出来ます、ハダカイワシの影も。捕食者は下から餌のシルエットの魚影を頼りにアタックするので、薄暮のような海中くらいの明るさにお腹が光れば影は消え、ハダカイワシの姿も消えるわけです。

横から見えない下方照射が大事
でも、ただ下に向けて光るだけではかえってアブナイのです。光が横に漏れれば夜に提灯を照らしているようなもので、横からは目立ちます。

レーザービームの指向性で真下からしか見えない
ハダカイワシのお腹の発光はレーザービームのように真下だけに照射されます。真下向きだけの極めて指向性の高いもので、横からは発光が見えません。いったい、どういう仕掛けでしょうか?

夕焼けのクレーンREVdownsize
(夕焼けクレーン;パシフィコ・ヨコハマから遠望)
反射鏡の付いたお腹の発光器で真下を照らす
ハダカイワシの発光器はお腹側だけに並んでいます。小さな発光器には凹面鏡の反射板があり発光細胞からの光を下方に収束する仕掛けになっています。まるでパラボラ型反射鏡です。

部位によってカーブが違うパラボラ型反射鏡
更に巧妙な仕掛けがあります。サカナは前後に流線型なのでお腹の真ん中では真っ直ぐ照らせば真下ですが、頭と尻尾では斜めに照らさないと真下向きにはなりません。そのためにパラボラ型反射鏡のカーブは、ナスを縦切りしたような、非対称になっていて、かつ、部位ごとに形がちがいます。このような仕掛けですべての発光器の光が真下方向に揃います。


部位ごとに形が違う発光器
ハダカイワシの発光器は頭としっぽは長方形、お腹の真ん中は正方形と、体の部位ごとに形が違うことは知られていましたが、その意味はナゾだったそうです。今回の研究結果で光の向きを揃えるためと分かったとのことです。

蜂の巣ように並ぶグアニン無水結
ではハダカイワシの反射鏡は何で出来ているのでしょう。正体は旨味成分であり、遺伝子DNAの部品(塩基)でもあるグアニンの無水結晶で、この六角形の板のような結晶が一層(単層)「蜂の巣」のように敷き詰められて凹面鏡を構成しています。

宇宙望遠鏡のような最適の鏡配置
宇宙で蜂の巣のように(ハニカム構造)六角形の鏡を並べて凹面鏡のようにする宇宙望遠鏡と発光器のグアニン結晶の反射板を比べると配置がそっくりで、最適の鏡配置(グアニン結晶配置)だそうです。

ハダカイワシは「♪蛍の光―♪」
ハダカイワシの生物発光は蛍と同じで、酵素ルシフェラーゼの働きで基質ルシフェリンが光るのですが、そのままではハダカイワシのルシフェリンのピーク波長は454nmと紫外線に近い青紫です。

海の色に合わせて発光波長を変えてい
しかし、ハダカイワシが棲む水深200-615mの中深層(Mesopelagic zone)の海中は波長472-486nmの青緑色の世界です。そしてハダカイワシのお腹の発光器は同じ青緑色に光るのです。反射板のグアニン層の働きのようです。

グアニン反射板で環境と同じ色にして光っている
ハダカイワシの発光基質ルシフェリンであるcoelenterazineに試験管内で酵素ルシフェラーゼを反応させると紫に近いピーク波長454nmで発光しました。一方、ハダカイワシの発光器のグアニン反射板に白色光を当てると反射光は450-550nmでした。これらをもとに計算される発光の波長は460-470nmで、実際にハダカイワシが出す光の波長に、また、環境の色合いに、近いものでした。ハダカイワシはグアニン反射板で深海の環境と同じ色合いに変調して(長波長側にシフトさせて)発光しています。


健気にハイテクで海の食物網を支えるハダカイワシ
小さな弱っちい深海魚ハダカイワシですが、体のカーブに合わせた形のパラボラアンテナ型のグアニン結晶反射板と中深層の環境の色に変調するハイテクなどで光る「忍術」で姿を消しながら、深海と海面を日々通勤して健気に生き、海の生態系を支えています。

出典:” Reflector of the body photophore in lanternfish is mechanistically
tuned to project the biochemical emission in photocytes for
counterillumination” Jose Paitioa, Daichi Yanoa, Etsuhiro Muneyamab, Shiro Takeia, Hironori Asada, B Masakazu Iwasakac, Yuichi Obaa Biochemical and Biophysical Research Communication Nov. 7 2019
出典:ウィキペディア記事 “Counter-illumination”、「ハダカイワシ」、「ルシフェリン」
出典:日経サイエンス2020年1月号特集「深海生物」 P.54「光るサメの謎」 出村政彬氏執筆


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