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バクテリアから遺伝子をもらって植物は陸地を制覇した+北フランス干満差の港

バクテリアから遺伝子をもらって植物は陸地を制覇した
+北フランス干満差の港
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接合藻は細菌から遺伝子をもらって草木になった
(接合藻は細菌から遺伝子をもらって草木になった)
6億年前、植物は海から陸へ、今や地球を覆っている

約6億年前、海から陸へ植物が上陸したことは地球の生き物の歴史で画期的な出来事で、動物も後を追って上陸しました。植物はいまや陸地を覆って酸素と栄養源の一次生産者として生態系を支えています。




植物は細菌から「陸上生活用」遺伝子をもらって上陸した?
植物は、多分先に上陸していた細菌(バクテリア)から「陸上生活キット」の遺伝子をもらって上陸を果たしたようなのです。
植物進化の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
気孔に気候の話を聞こう: 葉っぱものがたりその3
「根も葉もない植物」は数千万年待って葉を作った; 葉っぱものがたりその2
1つのキノコが地球の歴史を変えた+北仏ノルマンディー再び


かわいい漁船が係留されている入り江REVdownsize
(北フランス干満差の港街オンフルールのかわいい漁船)
北フランス干満差の港、オンフルール、サンマロ、ロスコフ
水から上陸つながりで、水に浸かったり、干上がったり、潮の干満差が激しい北フランスの港街、オンフルール、サンマロ、ロスコフの写真を添えます。
北仏港街の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
かくれんぼの路地と隠れ家ホテル;オンフルール再訪[後編]
深まりゆく藍色の街に灯が暖かい;オンフルール再訪[中編]
得も言われぬ狐の嫁入り;オンフルール再訪[前編]
海賊砦サンマロ、パイレーツ・オブ・ブルターニュの”兵どもが夢の跡”
漁船も干上がる干満差、北ブルターニュの小さな港ロスコフ
冬のノルマンディーはフランス名画の香り


乾燥、UV・・水を離れた地上生活はストレスだらけ
海中の環境に比べて陸上は空気にさらされ乾燥しそのままでは脱水して干からびてしまいます。また、水というフィルターがなく直接強い日差しにさらされ、特に紫外線は有害です。
植物が今の私たちが身近に見る草木のようになるはに乾燥を凌ぐ、あり余る太陽光から身を守る必要があります。水から上がった生き物ばかりにとって陸上はストレスだらけだったはずです。


接合藻と陸上植物は姉妹でした
最近の系統学的研究からアオミドロなどの接合藻類は陸上植物に最も近縁で共通祖先から互いに分かれた姉妹グループと考えられています。

ヌルヌルの藻が植物上陸のヒーローなの?
今回の主役、接合藻は植物上陸の立役者ですが、実は身近な藻なのです。池や川などでよく見かけるアオミドロやミカヅキモは接合藻の仲間です。その名の通り、「接合」を行います。接合は、例えば、アオミドロは列車のように細胞が縦に並んでいて、2本の藻の「列車」が並んで「乗客」の核を「乗換えさせる」、交換する有性生殖です。接合藻はミカヅキモのような単細胞も含まれるフシギな分類群です。

Roscoff漁港遠景downsize
(北ブルターニュの港街ロスコフの遠景、今は引潮)
湿った表層に生える2種の接合藻類
接合藻類の中には水辺の湿った表層に生えるものもあり、今回話題の2種Spirogloea muscicola gen. nov. and Mesotaenium endlicherianumは最も初期の陸上植物、コケ植物と同じく半水性、半陸生(半ば空気中で暮らす生き方)です。

ゲノム(全遺伝子)解析して“親戚“(近縁種)を比べる
出典著者のMichael Melkonian 氏らはこれら2種の接合藻類の遺伝子配列解析を行いました。また、これら2種の接合藻のゲノムと9種の陸上植物、他の藻類のゲノムと比較しました。

2つの藻、陸の植物、土壌細菌だけが共有する遺伝子
するとこれら2種の接合藻類と陸上植物とでは共に持つが、他の藻類には見られない22の遺伝子ファミリーの902の遺伝子が見出されました。

引潮でボートが干上がっていますREVdownsize
(引潮でボートが干上がっている、かっての海賊砦サンマロ)
藻と陸の植物の共通祖先が菌から遺伝子をもらった
これら接合藻と陸上植物だけに共通の遺伝子の内、なんと2つの遺伝子は土壌細菌が持つ遺伝子でした。そして、これら2つの遺伝子は植物が乾燥や他のストレスに対応する機能に関わるものでした。

先に上陸の土壌細菌から上陸用キットを贈られる
土壌細菌からもらった「上陸用キット」、乾燥への抵抗性を高める遺伝子は、接合藻類と陸上植物の共通祖先を起源として上陸した植物に広がっていったのでしょう。

他人(他種)と遺伝子を交換する遺伝子水平伝播
このように種を越えて遺伝子が他種に伝わることを遺伝子水平伝播(Horizontal gene transfer(HGT))と呼びます。これらの遺伝子は接合藻類と陸上植物が枝分かれした5億8千万年前に同じような環境に棲む土壌細菌から接合藻類と陸上植物の共通祖先に取り込まれたと考えられます。

耐性菌も増やす遺伝子水平伝播
遺伝子水平伝播は細菌の間ではよく起こることで、例えば、ある病原菌の耐性株から薬剤耐性の遺伝子が水平伝播すると他種の病原菌も耐性菌になってしまうことが起こります。

「上陸スーツ」はバージョンアップ細胞壁
細胞壁は植物細胞の特徴で動物細胞にはありません。しかし、植物が水から上陸すると細胞壁も乾燥に耐えるため、重力がかかる体を支えるためグレードアップする必要がありました。

朝のオンフルール旧港downsize
(朝のオンフルール旧港、ヨットの影が美しい)
もう1つの接合藻類、車軸藻を調べた
出典著者Jocelyn K. C. Rose氏らは別の接合藻類、車軸藻類のPenium margaritaceumのゲノムを解析しました。Penium margaritaceumは広い範囲で遺伝子の重複繰り返しが多く、このことが新しい機能(の遺伝子)の獲得を促したと考えられます。

先鋒「海兵隊」の藻、半水生(半陸生)と言うライフスタイル
これら車軸藻の遺伝子は植物細胞を覆う細胞外高分子の生合成や細胞壁を構成する分子の再構成(リモデリング)に関わるもので、新たな細胞壁構造をもたらしました
車軸藻は陸上植物に似た細胞構造と半水生の乾燥した期間も凌げるライフスタイルを持ち植物上陸の先鋒だったようです。


出典:“Genomes of Subaerial Zygnematophyceae Provide Insights into Land Plant Evolution” Shifeng Cheng et al. Cell Volume 179, ISSUE 5, P1057-1067.e14, November 14, 2019
出典:”The Genome of the Charophyte Alga Penium margaritaceum Bears Footprints of the Evolutionary Origins of Land Plants” Chen Jiao, Jocelyn K. C. Rose et al. bioRxiv Nov, 8 2019 doi: https://doi.org/10.1101/835561
出典:“Alien genes from bacteria helped plants conquer the land” Elizabeth Pennisi Science 15 November 2019 Vol 366, Issue 6467 doi:10.1126/science.aba2199


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