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フランスが愛したタカ、カーチス ホーク75

フランスが愛したタカ、カーチス ホーク75
~ ピッカピカの新鋭機P-35とP-36の運命の行ったり来たり ~

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P-36仏雑誌AFM REVdownsize
(1940年フランス空軍のP-36輸出型ホーク75A1
お仏蘭西のアメリカ機爆買いツアー
第二次大戦前夜、フランスは空軍やヒコーキの近代化が遅れていてナチスドイツの脅威を前にしてアタフタしていたようで、イギリスと一緒に米国航空機メーカーに爆買いツアーをしました。その「お買い物袋」にはカーチス P‐36の輸出型ホーク75(Curtiss Hawk 75)も入っていました。




ヴィシー政府軍のホーク75A downsize
(ヴィシー政府軍のホーク75A、赤黄のヴィシーストライプです)
フランスが愛したタカ、カーチス ホーク75A
いざ第二次大戦が始まると、ナチスドイツがヨーロッパを席捲するのをフランスも止められず敗退する中で辛うじて善戦したヒコーキの1つがカーチス ホーク75です。
ホークの発展型P-40の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
凡作だけど地味に頑張ったキティホーク、誰にでも取り柄はあるもの

ピッカピカのP-36
(ピッカピカのベアメタル、戦前塗装の米空軍P-36A)
開戦当初から奮戦した「外人選手」
結局、フランス降伏までに291機のホーク75(A1-A4)が仏空軍に届きました。ホークは仏空軍ではM.S.406に次ぐ勢力で、ホーク75A装備の戦闘機隊は開戦初日から降伏まで休みなく戦いました。マーチン167(メリーランド)、ダグラスDB-7 (ボストン)もそうですが、バトル・オブ・フランスで活躍したのは米国製機が多いですね。
メリーランドとボストンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
メリ-ランドからバルチモアへアメリカ東部の旅ではありません
3人の天才が生んだ美しき器用貧乏A-20ボストン


10対1のキルレシオ、意外に善戦ホーク
結果、29機のホーク75Aの損害(空戦のみ、他に多くが地上で破壊されましたが)で、ルフトバッフェを230機撃墜、80機撃破の戦果を挙げています(緒期のゼロ戦並みのキルレシオです!)。ま、多分に戦果過大報告の面もありそうですが、瓦解してゆく仏空軍にあって「外人選手」のホーク75AことP‐36は奮戦、善戦しました。

運動性と頑丈さがホークの美点
メッサーことBf109に比べて最高速度で時速50kmも劣るホーク75Aでしたが、低空での挌闘性能と急降下性能により優れていたことが、ホーク75Aが無敵だったメッサーを圧倒した成功要因だったようです。

P-35とP-36側面図比較
(同期試作で同じエンジンでもホークの方が優れている)
♪ピッカピカの~新鋭機!♪P-35
ヒコーキの技術革新期だった両大戦間の1930年代、全金属製、単葉化、引込脚、密閉風防は近代的な戦闘機の必須アイテムになり始めていました。エンジン1000馬力級へのアップ、応力外皮、重武装化なども短期に一気に進みました。そんな中、1935年にセヴァスキー社が開発したP-35は米国で初めて全金属製、単葉、引込脚、密閉風防がすべてそろった新鋭戦闘機でした。

暗中模索の戦闘機開発
その頃、各国の新戦闘機開発は手探り、暗中模索でたくさんの「駄っ作機」が生まれ、岡部ださくさん、こと岡部いさくさんの楽しいシリーズのネタになっていますね。(くわしいことは岡部ださくさん(本当はいさくさん)の「世界の駄っ作機」シリーズなどで確かめてくださいね)

P-36とP-35上面図比較
(平面形を比べてもホークの方が洗練されている)
始めにコケたホーク75
そしてわがホーク75も第一歩はコケたのです。
そもそもホーク75の原型、カーチス社のモデル75、後のP―36は1935年の米国陸軍航空隊の新戦闘機の競合試作ではエンジントラブルが祟り競合のセバスキー社のSEV-7、後ののP―35に敗れました。同じく全金属製、単葉、引込脚、密閉風防でピッカピカだんたんですけどね~。


エンジンさえ良ければ勝てる、浪人して晴れて採用P-36
そこでエンジンをP-35と同じP&WR-1830-9ツインワスプ(離昇出力850馬力)に換装しP-36を凌ぐ実力を発揮、翌1936年にめでたくP-36ホーク(Hawk) として正式採用されました。機体設計は優れていたんですね。結果、ライバルP-35は短期間、少数機が使われただけでした、名前も付けてもらえなかったし。


老舗カーチス社の輸出事業
着々と軍備を増強するナチスドイツに対して空軍の近代化が遅れたフランス政府は1938年2月、ホーク75Aを300機と言う平時には破格の大量発注に向けカーチス社と交渉に入りました。老舗カーチス社は商売も手慣れっていたんでしょうね、仏政府に高額を吹っかけたり、P-36を早く配備したい米国政府から横槍が入ったりとモメました。

「いっそ、うち(米国)に来て飛んでみれば」
ナチスドイツの急速な軍備拡張の前に、危惧したルーズベルト大統領の直接介入もあり、とうとう1938年3月米国でフランスのテストパイロットMichel Detroyatが試作機Y1P‐36を飛ばしてみることになりホークの高性能を確認しました。


駄作っ機MB‐150に期待する勘違いのスッタモンダ
それでもまだ、フランス自身も自国製新戦闘機MB‐150(実は立派な駄作っ機)に期待するという勘違いでカーチス社への発注を逡巡したり、のスッタモンダの挙句、1938年5月ようやくフランスに100機のP-36(輸出型Hawk 75A-1)が輸出されることになりました。

その後のP-35、駄作をへて名機P-47へ
P-35とP-36、試作同期生の栄光と挫折は「塞翁が馬」のようです。
その後、名前もつけてもらえなかったP-35は、社名がリパブリック社に変わったり、駄っ作機P‐43ランサーを経たり、紆余と曲折の末、名機P47サンダーボルトにたどり着き、ジェット機時代になってもリパブリック社はF-84、F-105 などの名機を生んでいます。


その後のP-36、凡作P-40を経て駄作の嵐に
1年浪人して米空軍に「入社」(正式採用)したP‐36はライバルP‐35を凌ぐ当時としては高性能で米空軍の主力戦闘機となりました。しかしその後のカーチス社の後継機は凡作のP-40を経て、戦後にカーチス社が倒産するまで「駄っ作機の山」道となりました。

その後のホーク75、束の間の穏やかな日々
やがてフランス軍の一部と英国の派遣軍はダンケルクから追い落
とされるように英国に撤退し、フランスに残ったフホークは親ナチのヴィシー政権のフランス空軍に所属し、モロッコなど海外植民地にも配備され、しばし平穏な時を過ごしました。


米国製機同士の空戦の結末は?
ところが、1942年11月北アフリカのモロッコとアルジェリアに連合軍が上陸(トーチ作戦)、ヴィシー軍米国製機のホーク75Aやマーチン167(メリーランド)は上陸軍の米英機と戦う破目になり、あっさり一掃されてしまいました。

時代を先取りしていたホークのデザイン
ウン十年前に、確かレベルのP‐36の1/72プラモを作ったとき、後のFW190、五式戦、シーフューリーを先取りした、優れた液冷空冷互換のエンジン装備が可能な機体設計であることに驚きました、マグレかも?

カーチス P-36Aホークの諸元: 1936年時点では悪くない性能です。
乗員:1名、全長:8.68m、全幅:11.35m、全高:2.84m、主翼面積:21.92平方m
空虚重量:2,072kg、 最大離陸重量:2,563kg、翼面荷重:117 kg/平方m
エンジン:P&W R1830-13 ツイン・ワスプ、離昇出力:1,050馬力
最大速度:時速504km(3,050m)、航続距離:1,706km、実用上昇限度:10,363m、上昇率:毎分1,036m
武装:12,7mm機銃× 1、7,62mm機銃× 1


セバスキー P-35Aの諸元: 同期試作のP-36ホークと比べるとやっぱり見劣りしますね。
乗員:1名、全長:8.2 m、全幅:11.0 m、全高:3.0 m、主翼面積:20.4 m2
空虚重量:2,070 kg、最大離陸重量:3,490 kg、翼面荷重135.8 kg/平方m
エンジン:P&W R1830-45 ツイン・ワスプ、離昇出力:1,050馬力
最大速度:時速499 km、航続距離:1,530 km、実用上昇限度:9,570 m、上昇率:毎分584m
武装:12.7mm機関銃×2、7.62mm 機関銃×2、爆弾350lb


出典:Camouflage & Markings “Curtiss Hawk 75 in Armée de l'Air Service”
Martin Waligorski氏執筆
出典:ウイキペディア記事「P-36」、”Curtiss P-36 Hawk”、「P-35」、” Seversky P-35”


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コメント

Re: No title

>しおチャン様、いつもありがとうございます。おっしゃる通り、欧米のヒコーキにしては日本機と似た線を感じますね。ノースロップの血だったんですね。アオシマのキットは知りませんでしたが、私が作ったP- 36は多分レベル??の72シリーズだったと思います。当時、上から眺めるとP- 36 はカッコイイなと思いました。

こんにちは。
>
> 私もこのP36は好きな飛行機です。
> むかしアオシマのキットで作って以来半世紀以上のファン。ノースロップ系の設計コンセプトですので隼やゼロ銭とも共通の遺伝子を感じます。

No title

こんにちは。

私もこのP36は好きな飛行機です。
むかしアオシマのキットで作って以来半世紀以上のファン。ノースロップ系の設計コンセプトですので隼やゼロ銭とも共通の遺伝子を感じます。

Re: No title

いぬふりゃ☆様、いつもありがとうございます。P-36 のフライトシミュレーターですか、すごいですね。おっしゃる通り、確かにカーチス製品ってちょっとダサくて頑丈って言う印象で、ジミですよね。P-36 ホークにはなぜか一式戦、四式戦など中島のヒコーキにソラ似を感じてしまいます。ホークのほかにもトマホークとキティホークはプラモに組んで3Dで手に取ると結構良い姿で、昔作りました、72分の1ですが。なるほど地味に愛せるヒコーキだと思います。

> こんにちは。
>
> じっくり見てみるとこの飛行機も地味にかっこいいですね…。
> 多分本邦ではほとんど無名だと思うんですが、昔フライトシミュレーター用にこれ作って飛ばしてました。
> 大戦時の名機と呼ばれる飛行機はスマートな機体が多いですけど、
> ホークは結構迫力あるガタイでプラモで作っても存在感が出そうです。
> でも、どうしてカーチスの飛行機ってパッとしない子が多いのでしょうね。
> そこがまた愛すべき所ではありますけども…。

No title

こんにちは。

じっくり見てみるとこの飛行機も地味にかっこいいですね…。
多分本邦ではほとんど無名だと思うんですが、昔フライトシミュレーター用にこれ作って飛ばしてました。
大戦時の名機と呼ばれる飛行機はスマートな機体が多いですけど、
ホークは結構迫力あるガタイでプラモで作っても存在感が出そうです。
でも、どうしてカーチスの飛行機ってパッとしない子が多いのでしょうね。
そこがまた愛すべき所ではありますけども…。

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