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肌で感じて体色を変え枝に化けるガの幼虫+庭の花

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四色の擬似枝のある飼育箱で飼うと
(四色の擬似枝のある飼育箱で飼うと・・・)
色、カタチを似せて小枝に化けるガの幼虫
ガのオオシモフリエダシャク(peppered moth、Biston betularia)の幼虫(毛虫)は小枝に色、カタチを似せて捕食者、かわいい小鳥ですが、から隠れます、保護色と擬態ですね。
フォトは庭の花を添えています。





目隠ししても体色を枝に合わせる
(目隠ししても体色を枝に合わせる)
環境の色に合った体色に淘汰されるオオシモフリエダシャク
オオシモフリエダシャクの成虫は工業暗化(スモッグで黒くなった幹に合わせて体色が黒くなった)の例としても有名です。オオシモフリエダシャクの成虫の体色や模様は保護色で様々なパターンがありますが、個体ごとに遺伝的に決まっています。
保護色や擬態の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
毒チョウがいないと擬態する無毒のチョウも毒を作りだす+春の庭の花
ヤドクガエルのド派手衣装は熱帯雨林ではカムフラージュの迷彩色+豪華絢爛ヴェルサイユ
「毒入り」は嘘ぴょ~ん、遺伝子のドミノ倒しで作る蝶の擬態+フランスの看板


オオシモフリエダシャク幼虫の擬態と保護色downsize
(オオシモフリエダシャク幼虫の擬態と保護色:オオシモフリエダシャクの幼虫は植物の種類(左:カバノキ、右:ヤナギ)の小枝に合わせた色、形で小枝に擬態する、そうです。ウィキペディアに載っていた
写真です)

幼虫は小枝の色に合わせて体色を変える
一方、オオシモフリエダシャクの幼虫は身を寄せる小枝の色合いに応じて体色を変えます。幼虫は生まれてから周囲に合わせて体色を変えるので別の仕組みです。

クリスマスローズdownsize
(クリスマスローズ;毎年、庭で咲いてくれます)
タコ、イカの体色変化は色素胞のカタチの変化
周囲の環境に合わせて体の色、模様を変える動物としてタコ、イカなどの頭足類やカメレオンなどトカゲ類が有名ですね。これらの体色変化は、神経を介する色素細胞の色素胞の拡散/収縮や傾きを変える、言わば形の変化などによるもので、一瞬で起こります。色素そのものは増えたり減ったりしません。

擬似枝選択箱
(擬似枝を選択させる実験)
皮膚で景色を感じて体色を変える
タコ、イカなどの瞬時の体色変化は眼ではなく皮膚が周囲の光を受容=景色の色模様を感じて起こるようです。

ゆっくり起こる体色変化は色素が変化したもの
ところがオオシモフリエダシャクの幼虫の体色変化は日単位でゆっくり起こります。しかも皮膚の色素そのもの(種類の)変化です。

ボケの花のおしくらまんじゅうdownsize
(ボケの花のおしくらまんじゅう)
4色の棒で休ませて幼虫を飼うと・・
出典著者のAmy Eacock氏らはオオシモフリエダシャクの幼虫300匹を用いて実験を行いました。幼虫がまだ幼いときに小枝に似せた棒を置いた箱で飼いました。それぞれの箱の棒の色は4種類で緑、茶色、黒、白のいずれかとしました。


幼虫は休んでいる棒の色に体色を変えた
幼虫たちは棒につかまって休みます。すると幼虫たちは、それぞれがつかまっている棒の色に似せた体色になりました、緑の棒なら緑色、茶色の棒なら茶色に。環境に合わせて保護色を選んでいるようにみえます。これは瞬時ではなくゆっくりとした体色変化です。

幼虫は自分の体色と同じ色の棒で休んだ
このようにして育てた幼虫たちを緑、茶色、黒、白の棒を用意した飼育箱に入れてみると、80%の幼虫が、それぞれが馴染んだ→結果、その色の体色になった、棒を選んで休みました。それぞれの体色に合った、隠れるに適切な場所を見分けています。

しゃくなげdownsize
(しゃくなげ、ピンクのグラデーションが美しい)
目隠ししても枝の色に合わせて体色が変化
更に驚くことにこの「ゆっくりした体色変化」は黒いアクリル塗料を塗って目隠しをした幼虫でもちゃんと起こります。目隠しをしても休んでいる棒の色の体色になりました。また、4色の棒から自分の体色にあった棒を選びました。

ウツギdownsize
(ウツギ)
皮膚で枝の色を見ていた幼虫
オオシモフリエダシャクの幼虫の「ゆっくりした体色変化」は眼の視覚には頼っていません。オオシモフリエダシャクの幼虫は皮膚でとまっている小枝の「色を見ている」ようなのです。
出典著者のEacock氏らは皮膚にも光受容体タンパク質の遺伝子が発現している(働いている)ことを明らかにしました。但しこれは光を感じる=光受容、で像を結んで対象物を「見る」視覚ではありません。


食べものの色は気にしない
ちなみに幼虫たちの体色はエサである葉の色とは無関係でした。捕食者から隠れて過ごすためでしょう。

黄色い水仙downsize
(黄色い水仙;毎回一輪しか咲きません)
19世紀の先駆的研究;幼虫が胴で色を見ている
このような眼以外の組織の働きで周囲の色に体色を合せて変える例は19世紀1890年前後のE. B Poulton氏の先駆的研究があります。チョウの幼虫を仕切りで挟んで頭部と胴部の環境を分けると、幼虫は胴体の周囲の色に体色を合わせることを見つけたのです。出典著者のEacock氏らはこの先駆的研究を紹介しています。

100年以上を経て体色を変える仕組みが分かった
今回のEacock氏らの研究成果は19世紀にPoulton氏が発見した眼以外の組織で周囲の色に体色を合わせる働きの仕掛け、メカニズムを明らかにしたものです。

節足動物で初めての例
今回の出典著者Eacock氏らの研究は、眼以外の組織、皮膚で色を感じ、色素を変化させて体色を変える(保護色になる)ことを昆虫など節足動物で初めて示した研究だそうです。

出典:”Adaptive colour change and background choice behaviour in peppered moth caterpillars is mediated by extraocular photoreception” Amy Eacock, Hannah M. Rowland, Arjen E. van’t Hof, Carl J. Yung, Nicola Edmonds & Ilik J. Saccheri Communications Biology volume 2, Article number: 286 (2019)
出典:”These caterpillars can camouflage themselves even when blindfolded” Lakshmi Supriya Science 16 August 2019 Vol 365 Issue 6454 doi:10.1126/science.aaz0450
出典:ウィキペディア記事「Peppered moth」「工業暗化」


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