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サンゴ礁の船の騒音とリゾートの夜の灯に脅かされるクマノミたちの卵

サンゴ礁の船の騒音とリゾートの夜の灯に脅かされるクマノミたちの卵
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☆カクレクマノミ@石垣島3downsize
(カクレクマノミ(石垣島)、「ニモ」ですね)
イソギンチャクで子育てするクマノミ
サンゴ礁のクマノミはママと若いオスたちでイソギンチャクの中に棲み卵を産み稚魚を育てます。イソギンチャクの毒の刺胞に守られ、ママが死ぬと一番大きなオスが性転換して次のママになります。




サンゴ礁の宝石、スズメダイ科が観光化でピンチに
クマノミを含むスズメダイ科(Pomacentridae)にはロクセンスズメダイやデバスズメダイなどサンゴ礁を飾る美しいサカナたちがたくさんいます。でも観光地化が彼らの繁殖を脅かしているようなのです。


☆01ロクセンスズメダイ
(ロクセンスズメダイ(石垣島))
サンゴ礁で出会ったクマノミ、スズメダイ
今回のサイエンス小ネタの主役、サンゴ礁で出会ったかわいいクマノミやスズメダイのフォトを添えます(使いまわしですが)。サンゴ礁過去記事へのリンクを記事の最後に貼っています。

観光地化するサンゴ礁に暮らすクマノミ
南の島のサンゴ礁の青い美しい海には多くのリゾートがあり多くの観光客が訪れます。クマノミたちも人工的な環境に囲まれてきています。人の生活ならカジノの隣に住むようなもんです。

☆11ハマクマノミ6
(ハマクマノミ(石垣島))
騒音と夜に灯に晒されるサンゴ礁
するとモーターボートなど船の騒音が、リゾート施設からは夜の灯の光がサンゴ礁にも届きます。クマノミたちも騒音と夜の光に晒されることになります。

☆ハマクマノミ切り出しdownsize
(ハマクマノミ、縄張りを守ろうと向かってきます(石垣島))
クマノミたちダイジョブなのか?
そこで「音や光に晒されてニモたち(クマノミ)ダイジョブなのか?」と調べた2つの研究があります。
モーターボートの音を聞かせてみた
出典著者のE.P.Fakan氏とM.I.McCormick氏はモーターボートのスクリュー音をスズメダイの仲間Amphiprion melanopusとクマノミの仲間Acanthochromis polyacanthusに聞かせて卵の中の胚の様子を調べました。


卵の中で早く育ち過ぎてしまう
騒音を聞かせた胚は体も眼も早く大きくなり発生が早く進むことが分かりました。一見良さそうな結果ですが、胚が孵化するときには卵黄が小さくなっていました。

★デバスズメダイREVdownsize
(デバスズメダイ(石垣島)、サンゴ礁の青い宝石です)
稚魚のお弁当箱が小さくなっちゃった
孵化時に稚魚がぶら下げている卵黄は自分で餌を摂れるまでの「稚魚のお弁当箱」で、これが小さくては生き残れないリスクがあるそうです。

リゾートの不夜城の光を浴びたクマノミは
別の出典著者Emily K. Fobert氏らは夜の灯の人工光を模してLED光を用いて、クマノミの1種、カクレクマノミ(Amphiprion ocellaris)に1)自然と同じく昼間だけLED光に晒した場合と2)昼夜問わずずっとLED光に晒した場合を比べました。

☆イソギンチャクの茂みのクマノミdownsize
(クマノミの群れ(石垣島))
夜も光があると卵がかえらない
すると1)の自然の明暗条件では卵はフツウに孵化しましたが、2)の昼も夜も光に晒したカクレクマノミの卵は1つも孵化しなかったそうで、研究者も驚愕の結果になりました。


光害は様々な生き物にも
人工光の光公害は、都会鳥の感染症を増やし、渡り鳥のナビを狂わし、植物の開花が早まり、ウミガメの産卵に影響を与えるとことが分かってきたそうですが、今回海の中でも光害が確認されたことになります。

☆モンツキスズメダイ切り出しdownsize
(モンツキスズメダイ(石垣島))
LED光の皮肉、海の「ブルーライト問題」
更に都合の悪いことに、今や省エネの切り札の1つとなり急速に普及したLEDですが、光の波長が短波長寄りなので(つまりは青や紫外線が多い)より海の中で深くまで届きやすく、従来の照明より光公害の影響は大きくなっているそうです。海の「ブルーライト問題」ですね。

観光により観光資源を失うリスク
自然界にはない人工の光や音はクマノミなどサンゴ礁のサカナの繁殖に与えるようです。これは生物多様性保全への悪影響だけでなく、サンゴ礁の海が観光で賑わうことが観光資源を失うリスクにも繋がるかも知れませんね。

余計なことですが、クマノミの身になりましょう
ところで、ダイビングではクマノミは写真が撮りやすいサカナの1つです。クマノミは縄張りを守ろうとダイバーに向かって来るからで「撮って欲しい」からじゃありません。近づきすぎたり、イソギンチャクの周りに長居するのは、今回紹介の音や光の影響と同じく、クマノミたちのストレスになります。

サンゴ礁の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち+石垣の海のかわいい魚たち
海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている+石垣サンゴ礁散歩
暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記


出典:”Boat noise affects the early life history of two damselfishes” E.P.Fakan and M.I.McCormick Marine Pollution Bulletin Volume 141, April 2019, Pages 493-500 https://doi.org/10.1016/j.marpolbul.2019.02.054
出典:”Artificial light at night causes reproductive failure in clownfish”
Emily K. Fobert et al. Biology Letters 3 July 2019 Volume 15 Issue 7 DOI:https://doi.org/10.1098/rsbl.2019.0272
出典:”Human noise may be scrambling the eggs of baby fish” Jake Buehler Science 29 March 2019 Vol 363, Issue 6434, doi:10.1126/science.aax5174
出典:”When exposed to artificial light at night, charismatic clownfish try to breed—but no eggs hatch” Jenny Howard National Geographic JULY 9, 2019


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過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

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