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ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち+石垣の海のかわいい魚たち

ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち+石垣の海のかわいい魚たち
~ダーウィン先生、「サンゴ礁の矛盾」を解いてみました~

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サンゴ礁から湧いてくるデバスズメダイREVdownsize
(サンゴ礁から湧いてくるデバスズメダイ)
澄んだ海にサカナが群れるって変!なの?
サイパンや石垣のサンゴ礁の海に潜るとたくさんの色鮮やかなサカナたちに出会います。そしてそのサンゴ礁の海は澄んでいて遠くまで見通せます、時に視程が20mを超えるほど。これって、「オカしい」ことなんです。




石垣島サンゴ礁ダイブ
サンゴ礁のお話しにつき、石垣島でのサンゴ礁ダイビングのフォトを添えています。
石垣ダイブの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記


魚影ゆたかなサンゴ礁REVdownsize
(魚影ゆたかなサンゴ礁)
「ダーウィンが困った」
これがダーウィン(Charles Darwin)が最初に見出した矛盾(paradox)です。サンゴ礁の海が澄んでいるということは、水の中の浮遊物、つまりはプランクトンが少ないことを意味します。それならサカナなどの動物は少ないはずです。しかし、実際はサンゴ礁には多種多様なサカナや動物がたくさんいます。これは矛盾することであり、いまだに解けていないナゾなのです。

何百年に亘る「ダーウィンの矛盾」を解く
この「ダーウィンの矛盾」の新しい答えとしてサンゴ礁に根付く小さなサカナの役割についての研究があります(出典1)。
サンゴ礁の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている+石垣サンゴ礁散歩
暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち


サンゴに群れる稚魚たちREVdownsize
(サンゴに群れる稚魚たち)
サンゴ礁のミリ単位の小っちゃなサカナは3000種
サンゴ礁には3000種以上の多種多様なを体長1cmにも満たない、体重も0.1gくらいの、とっても小さくてカラフルなサカナたちがたくさん棲んでいます。ハゼ、ギンボ、テンジクダイなどの仲間で、海の中の最小の脊椎動物たちです。正式には”cryptobenthic reef fishes”と呼ぶそうです(出典1)、直訳すると「隠れた、底生の、礁のサカナ」って意味?

どんどん殖えてどんどん食べられる
生息数を数えてみると1平方メートルあたり100匹に達するほどです。
幼生期間が長く、どんどん殖えて、どんどん食べられます。常に大量の幼魚がサンゴ礁のより大きなサカナたちのエサとして供給されています。


ボラ系の稚魚かREVdownsize
(ボラ系の稚魚か)
サンゴ礁のファーストフォード?
数は多いけどほとんどがより大きなサカナや他の動物に食べられてしまうので寿命はとても短く、サンゴ礁で捕食されるサカナのバイオマス(生き物の量)の60%を占めます。


寿命は短くともたくましく殖える
その代わり1年間に7世代と短い時間でどんどん繁殖して代を重ねます。この小っちゃなサカナたちは一生外洋に出ることもなくサンゴ礁で暮らします。

小っちゃなサカナたちがサンゴ礁の食物網、生態系を支えます
小さなサカナたちはサンゴ礁の食物網(食べる/食べられるの生き物の繋がり)の底辺を支えています。まるで南氷洋のオキアミのような存在です。この小さなサカナたちのエサは小さな生物遺骸などです。

6月珊瑚礁はベビーがいっぱいREVdownsize
(6月珊瑚礁はベビーがいっぱい)
その3つの答えとは
この研究(出典1、出典5)を紹介している科学記事(出典2)では、併せて他の2つの答えの研究(出典3、出典4)も紹介しています。

ん、まぁ、それぞれに一理ありかな?
そこでこの3つの答えの研究を見てみました。
1) ↑上記の、サンゴ礁の小さなサカナたち”cryptobenthic reef fishes”の働き(出典1)
2) Island Mass Effect(IME):大洋の孤島が海の中でそびえている効果(出典3)
3) 海綿の働き(出典4)
です。


蛍光色の幼魚とサンゴ
(蛍光色の幼魚とサンゴ)
海の巨大火山、海洋島の働き
ところで、海の生態系を支え豊かにしている大元は深海から栄養分を運んでくる湧昇流です。水深が深い大洋の真ん中では通常は湧き上がってこないのですが、大洋の中の孤島、海洋島は海の中にそびえる数千m級の火山(あるいは、元火山)なので、その山腹に沿って深海から栄養分に富んだ湧昇流が海面まで登ってきます。

深海から栄養分を運ぶ湧昇流
その湧昇流がもたらす栄養分とさんさんと降り注ぐ太陽光で植物プランクトンが繁茂します。これが1次生産者となり孤島のサンゴ礁のエネルギー源、栄養源となってサンゴ礁の生態系を支えています。これがIsland Mass Effect(IME)です。

海綿はリサイクル屋さん
もう1つの主役、海綿は濾過食(ひげクジラのように海水を飲み込みエサを濾し取る)の腔腸動物です。サンゴ礁のあらゆる生物遺骸や排泄物漉し取ってサンゴ礁の栄養分のリサイクルに貢献しています。

みんな正解なのかも?
結局、生態系を支えるのは、①サンゴ虫と共生する褐虫藻類や植物プランクトンなどの一次生産者、②これを捕食しより上位の捕食者のエサになることで食物網を支える小さなサカナたち、③これらの生物遺骸や排泄物をリサイクルする海綿、小さなサカナなどのリター食者、などが相まってサンゴ礁の豊かな生態系を作っているのでしょう。

ダーウィン先生、研究は続きます
だから、ここでご紹介した「ダーウィンの矛盾を解き明かす」3つの答えはいずれも正解であり、同時に真の答えの一部だと思います。そして明日の研究でまた新しい答えが見つかるかもしれませんね。やっぱり、サンゴ礁など、自然はまだまだナゾに満ちているってことでしょうか。

出典1:“Demographic dynamics of the smallest marine vertebrates fuel coral-reef ecosystem functioning” Simon J. Brandl et al. Science 23 May 2019:eaav3384 DOI: 10.1126/science.aav3384
出典2:” Coral reefs depend on lots of fish the size of jellybeans; Most fish that populate a reef are tiny snacks smaller than two inches. They live fast and get eaten young—and keep the ecosystem humming” KENNEDY WARNE National Geographic MAY 23, 2019
出典3:“Near-island biological hotspots in barren ocean basins” Jamison M. Gove et al. Nature Communications volume7, Article number: 10581 (2016)
出典4:“Sponges help coral reefs thrive in ocean deserts” James Morgan BBC Science & Environment 7 October 2013
出典5:“These tiny, mysterious fish may be key to solving coral reef ‘paradox” Elizabeth Pennisi Science 24 May 2019 Vol 364, Issue 6442 doi:10.1126/science.aay1453


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コメント

Re: 「ダーウィン サンゴ」というキーワードだったので

Beat Wolf様、いつもありがとうございます。なるほど記事タイトルだと「ダーウィンが来た」ネタに見えますよね、よく考えるようにします。サンゴの海ではこのようなたくさんの小さなサカナたちに出会います。カラフルで愛くるしいのに「エサ」として生まれてくると言うのは、確かにちょっとかわいそうと思ってしまいますね。

> 同じ番組ネタかと思ったら、そうではありませんでした。(笑)
>
> 確かにプランクトンの多い海って緑色で透明度が低いですよね。
> 水温が低いと海がCO2を吸収し易く、植物プランクトンが多いので
> 生きものも集まり易いみたいですが、やっぱり熱帯の海は透明度が高いですね。
> でも「1平方メートルあたり100匹」って凄い密度です!
> 食べられてしまうのはかわいそうですが、それも自然を保つ掟なのでしょうね。

「ダーウィン サンゴ」というキーワードだったので

同じ番組ネタかと思ったら、そうではありませんでした。(笑)

確かにプランクトンの多い海って緑色で透明度が低いですよね。
水温が低いと海がCO2を吸収し易く、植物プランクトンが多いので
生きものも集まり易いみたいですが、やっぱり熱帯の海は透明度が高いですね。
でも「1平方メートルあたり100匹」って凄い密度です!
食べられてしまうのはかわいそうですが、それも自然を保つ掟なのでしょうね。
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