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山火事にもめげず煙に乗って新天地へ旅する小さな生き物たち+初夏の庭の花

山火事にもめげず煙に乗って新天地へ旅する小さな生き物たち
+初夏の庭の花

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山火事大好き、煙に乗って旅に出る
山火事は悪いことばかりではありません、特に「山火事が大好きで」「煙に乗って新天地へ旅する」土の中の微生物(土壌微生物)にとっては。




しゃくなげdownsize
(しゃくなげ:今年の初夏も拙宅の庭に咲いてくれました)
恵みを受けて咲く庭の花
土壌微生物に恵みを受けている拙宅の庭の花のフォトを添えます(なんせ肥料やってませんからね)。


クレマチスdownsize
(クレマチス)
山火事は自然の遷移のサイクルを回す
山火事は多くの動植物を一掃しますが、その後、パイオニア植物がやってきてやがて森が再生されてゆく、遷移のサイクルを進める自然の営みです。森の若返りでもあります。

しゃくやくdownsize
(しゃくやく)
山火事でも生き残る土の中の微生物
山火事で地上部がすっかり灰になったとき、土の中はどうなっているのでしょう?実は土壌微生物(バクテリアやカビ)は死にません、生き残ります。

山火事で増える生きものとは?
出典著者のThea Whitman氏らがカナダ北方林の山火事後ほぼ1年を経た50地点を含む62 地点の土壌サンプルを採集して土壌微生物を調べたところ、山火事で死ぬどころか、逆に増えているバクテリアやカビが見つかりました。マシリア(Massilia)属とアルスロバクター(Arthrobacter)属の数種の細菌と、ペニシリウム(Penicillium)属とフシクラジウム(Fusicladium)属の数種の真菌です。

カルミアdownsize
(カルミア)
山火事が大好きな微生物が優勢に
出典著者Whitman氏らによると、山火事で土壌微生物は確かに生き残りますが、その構成は大きく変化するようです。つまり、高温に強い、速やかに殖える、燃えた有機物を餌にする、など、火事に適した、火事が好きな微生物が優勢になるようです。
また、山火事が激しいほど、土壌微生物の顔触れも激しく入れ替わったそうです。


植物上陸以来、土壌微生物とは持ちつ持たれつ
空気の窒素を植物が使えるアンモニアに変えて、植物からは栄養をもらうマメ科植物の根粒菌や菌根菌などの例のように、植物と土壌中の微生物は昔から緊密な協力関係を築いてきました。
植物と菌たちの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
「持ちつ持たれつ」マメ科と根粒菌の地中コミュニケーション+フランス各地の街角の花たち
1つのキノコが地球の歴史を変えた+北仏ノルマンディー再び


ルリマツリdownsize
(ルリマツリ)
植物と土壌微生物の共生関係が崩れる
多くの植物と土壌微生物は栄養共生の関係を築いており、お互いにパートナーが決まっている例もたくさんあります。そこに山火事が起こり、一旦植生が一掃されると、加えて、土壌微生物の構成が変わると、この植物と微生物のパートナー関係が崩れてしまう懸念もあります。

火事跡に何が生えるかは微生物次第
どんな微生物が山火事後に優勢になるかは、火事跡にどんな(パイオニア)植物が生えるかなどを左右します。

スズランREVdownsize
(すずらん)
煙に乗って新天地に運ばれる土壌微生物
山火事が土壌微生物に与えるもう一つの重要な影響は煙です。様々な土壌微生物(バクテリア、カビ、ウイルス)は煙の粒子(エアロゾル)に便乗して「バイオエアロゾル」となり、火事の上昇気流や風に乗って遠くにまで運ばれます。

一言主大神(ひとことぬしのおおかみ)みたい
出典著書のLeda N. Kobziar氏らによると、山火事の煙も生物多様性に影響しているようです、良いことも 、悪いことも含めて・・・

ぼたんdownsize
(ぼたん)
遠い土地にも山火事の影響が及ぶ
するとその場所で山火事が起きなくても、煙に乗ってやってきた微生物がその場所の土壌微生物の構成を変え、ひいては生態系を変える可能性があります。

「良いニュース」もあれば・・
例えば、根粒菌や菌根菌が飛んできたなら、それは「良いニュース」、植生や作物はより豊かになるかも知れません。

「悪いニュース」もある
でももし、飛んできたのが病原体なら「悪いニュース」、植物や作物の病気が遠くに「飛び火」するかも知れません。

山火事と土壌微生物の関係は重要になる
これまであまり注目されず研究も少なかった山火事と土壌微生物の関係は今後重要になってくると予測されます。

温暖化でますます山火事が頻発するので
温暖化で気候、気象のコントラストが強くなり、各地で山火事がより頻発すると心配されています。どのようにして植生や環境を再生させるかの方策を考えるとき、「火事が好きで」「煙をヒッチハイクする」土壌微生物への理解、研究は重要になると考えられます。

出典:「森林火災後には真菌と細菌が爆発的に繁茂」Jennifer Leman Natureダイジェスト VOL.16 NO. 3 MARCH 2019
出典:”Soil Bacterial and Fungal Response to Wildfires in the Canadian Boreal Forest Across a Burn Severity Gradient” Thea Whitman et al. bioRxiv Jan. 7, 2019; doi: http://dx.doi.org/10.1101/512798
出典:”Pyroaerobiology: the aerosolization and transport of viable microbial life by wildland fire” Leda N. Kobziar et al. ECOSPHERE Vol. 9 No.11 November 2018 Article 02507


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

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