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温暖化が招く早い春の訪れが鳥や昆虫を脅かしている+パリ5月バラ通り

温暖化が招く早い春の訪れが鳥や昆虫を脅かしている
+パリ5月バラ通り

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幾重ものバラのアーチが続くdownsize
(幾重ものバラのアーチが続く:パリのペレール大通りは中央分離帯がバラの公園です)
パリ17区バラの散歩道、ペレール大通り
早い春のお話につきパリのペレール大通り(le boulevard Pereire Sud)、バラのフォトを添えています。
ペレール大通りのバラの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
パリ「ばらの散歩道」ペレール大通り




アパルトマンとバラのアーチdownsize
(アパルトマンとバラのアーチ)
地球温暖化が進んで春の訪れが早くなる
地球温暖化が進んでいる現在、冬が開け、春が訪れる時期が早くなってきています。
「早い春」は、開花する、種子を実らせる、産卵する、巣作りをする、子育てする、渡りをする・・などの動植物の行動や生態のタイミングも早めているようです。

気候変動に生き物がどう適応してきたか、の過去記事過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー
温暖化で北上のビーバーが凍土を融かして温暖化を加速+カナダ首都オタワ
氷の底で繁茂する藻が極地の海を豊かに、でも温暖化で危機かも?+仏ブルターニュの港ロスコフ
列車に乗って高速進化、300年で3つの新種を生んだ黄色い花+庭の花
高速進化する大都会の生き物たち+ヨコハマの港と運河


ピンクのバラのアーチdownsize
(ピンクのバラのアーチ)
生き物たちのレスポンスはまちまちになる
しかし、「早い春」にどのくらい応答するのか?は生物種間で差が生じます。結果、捕食、受粉媒介、共生、寄生・・など、生物間相互作用にズレを生じることになります。

子育ての季節に餌がない
例えば、鳥が子育てする時期に本来餌になる昆虫の幼虫がいない、だって「早い春」で既に羽化してしまっているから、・・・のようなことが起こるようです。

出発はロータリーの公園のバラdownsize
(おさんぽの出発点ペレール交差点のロータリー小公園のバラ)
過去半世紀、269種の活動変化を調べる
出典著者James R. Bell氏らは1965年から2012年の間、英国の269種のアブラムシ、トリ、チョウ、ガの季節に伴う活動のタイミングの変化を、経度、緯度、高度など地理的要素、年ごと、季節ごとなど時間的要素、森林、雑木林、草地など生息域などを考慮して解析しました。

森だけでは守れない
湿気があり日陰もある森は「早い春」を緩和するのではないか?との希望的観測もありましたが、出典著者James R. Bell氏らの調査結果からは答えは「No」のようで、開けた土地と温暖化の影響に大差はないそうです。

バラのアーチを散歩する人downsize
(バラのアーチを散歩する人)
じゃ、北へ行こう
地球温暖化への生き物の対応は「早い春」だけではありません。棲息地を移すことも起こります。これまで棲んでいた所に近い気候環境を求め(北半球では)北に動植物は移動して新たな棲息地をも求めて移動しているようです。

北に行けない者たち、足並みが揃う訳じゃない
どのくらいのペースで棲息地が移るのか、にも生物種間で差があります。例えば、ヒトの農地を自然環境として依存して棲んでいる生物種は北に行けません。だって、温暖化で「早い春」が来ても作物や耕作地はすぐには大きく変化したり移動したりしないからです。

涼しい気候を好む農地の小鳥たちが消えた
出典The Guardian誌記事によれば、英国の集約的農地に棲む冷涼な気候を好む小鳥たち、マキバタヒバリ(meadow pipit)、コガラ(willow tit)、キタヤナギムシクイ(willow warbler)は英国南部から姿を消したそうです。行く場所がないのです。従来の考え方「鳥は地球温暖化に合わせて活動範囲(棲み処、渡り)を移して行く」とは相反する結果だそうです。

アパルトマンを背景にピンクのバラdownsize
(アパルトマンを背景にピンクのバラ)
引っ越し先が天国とは限らない
・・・ようです。棲息地の移動でも捕食、受粉などの生物間相互作用のズレが生じます。(北半球で)北に移動しても元の棲息場所と同じ条件の棲み処(ニッチ、生態的地位)が見つかるとは限らないので、往々にしてその種の個体数減少を招きます。

スケール効果もあります
出典The Guardian誌記事で英レディング大学Tom Oliver氏によれば、生息環境(あるいはテリトリー)が小さな、例えば、チョウならまったく違う土地に移ってもどこかに似た(ミクロの)生息環境を見つけられますが、より広い生息環境が必要な鳥は新しい土地で適した生息環境を見つけるのが難しいのです。

バラ見散歩の出発点ペレールの交差点downsize
(バラ見散歩の出発点ペレールの交差点)
年数回繁殖するチョウ、ついてゆけない小鳥たち
それにチョウは環境条件が良ければ1年の内に南海も繁殖し、ベニシジミ(small copper butterfly 、Lycaena phlaeas)など年に5世代も生まれます。一方、トリの繁殖時期は通常1年1回しかありません。


温暖化で新顔ノトンボたちがやって来た
もともと暖地に棲むトンボ、イトトンボは温暖化にうまく対応しているようで、19995年以降英国に11種が新たにやってきて棲みついたそうです。一方で寒冷地スコットランドに在来のイトトンボは危機の瀕しているそうです。

青空を背景に深紅の鮮やかバラREVdownsize
(青空を背景に深紅の鮮やかバラ)
何が出来るでしょうか? 庭でもいいんです
私たちに出来る行動とは?例えば、生垣、古い庭を残すなど、昆虫や鳥が棲めるような小さくとも自然の環境を残す、あるいは作ることである、と出典著者のJames R. Bell氏らや前述のOliver氏は述べています。

日本でも同じことが起こっている
もちろん日本でも同様な研究があり、出典著者樋口広芳氏らによれば温暖化は、植物の開花時期や動物の繁殖時期などを早め、生物を北方、高所へと移動させていますが、そのペースは種によって異なり、捕食、送受粉、種子散布などの生物間相互作用にずれや狂いが生じているそうです。

ロングラン・ミュージカルのように役者が入れ替わる
温暖化のように環境が変化すると生態系は移動して行きますが、ついて行ける種とついていけない種があります。その地の元の在来種との関係もあり、生態系の構成メンバーは必ず一部が入れ替わるようです、まるでロングラン・ミュージカルのシナリオや配役は同じでも演じる役者は変わってゆくように。

孵りに寄ったテルヌ通りのワイングッズ屋さんdownsize
(孵りに寄ったテルヌ通り(l'avenue des Ternes)のワイングッズ屋さん)
新しい生態系では外来種も大事なメンバーかも?
「早い春」と「北への移動」が起これば生態系は厳密には元に戻ることはないのです。このようにして新しく構築された生態系で生物間相互作用(餌を摂る、餌になる、受粉を媒介するなど)を果たし、然るべき生態的地位=生態系のなかでの役割を担う外来種も当然出てきます。
「外来種」だからと頭から毛嫌いせずに生態系メンバーとして受け容れることも必要なのかも知れません。


出典:”Spatial and habitat variation in aphid, butterfly, moth and bird phenologies over the last half century” James R. Bell et al. Global Change Biology 2019;1–13. DOI: 10.1111/gcb.14592
出典:”Earlier springtime disrupts insect and bird lives—and it’s worse than expected” Erik Stokstad Science Vol 364, Issue 6438
出典:”Bird species vanish from UK due to climate change and habitat loss” Damian Carrington The Guardian Wed 11 Jan 2017
出典:「温暖化が生物季節、分布、個体数に与える影響」 樋口広芳 ほか 地球環境 Vol.14 No.2 189-198(2009)

Bv Pereire 地図REV
(バラの散歩道、ペレール大通りの地図)

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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: No title

duck4様、いつもありがとうございます。ハクチョウさんたちの渡りが「平年並み」で何よりです。duck4さんのところではまだ「早い春」の影響が出ていないとのこと、このまま安定しているといいですね。でも、おっしゃるように夏を過ごす永久凍土のツンドラの気候や土壌が変わってしまわないか、心配ですね。

> Levalloisbeeさんへ
>
> こんばんは!
>
> ハクチョウさんたちの春の渡りですが、duck4の定点ポイントでは若干、早く、飛来組のハクチョウさんたちは旅立って行きました!
>
> でも、北海道でも、暖冬だったそうですが、ほぼ平年並みに渡りのハクチョウさんたちがやってきたと地元の方がおしゃっていました!
>
> 温暖化で、食べ物が取れなくなったりすれば、危機なんでしょうが、今のところは牧草地や田んぼなどの利用して渡って来るハクチョウさんたちとっては、まだ影響は出ていないようにも感じます!
>
> もしツンドラ地帯の繁殖地が砂漠化したら、話は別で温暖化によって悪い影響が出るのでしょうね!v-519v-521

No title

Levalloisbeeさんへ

こんばんは!

ハクチョウさんたちの春の渡りですが、duck4の定点ポイントでは若干、早く、飛来組のハクチョウさんたちは旅立って行きました!

でも、北海道でも、暖冬だったそうですが、ほぼ平年並みに渡りのハクチョウさんたちがやってきたと地元の方がおしゃっていました!

温暖化で、食べ物が取れなくなったりすれば、危機なんでしょうが、今のところは牧草地や田んぼなどの利用して渡って来るハクチョウさんたちとっては、まだ影響は出ていないようにも感じます!

もしツンドラ地帯の繁殖地が砂漠化したら、話は別で温暖化によって悪い影響が出るのでしょうね!v-519v-521
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