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シロアリは水玉模様を作って砂漠化を防いでいる+パリ晩秋サンマルタン運河

シロアリは水玉模様を作って砂漠化を防いでいる
+パリ晩秋サンマルタン運河

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乾燥地帯の生態系を支えるシロアリ塚
(乾燥地帯の生態系を支えるシロアリ塚)
枯れ木を食べるシロアリは家の柱もかじります
シロアリはゴキブリの仲間、生きた植物ではなく、枯れ木、枯葉や枯れ枝などを食べる掃除屋さん、scavengerです。だから木造家屋の柱もかじります。




運河歩き第2の閘門から閘門群を遠望downsize
(晩秋のパリ、サンマルタン運河、第2の閘門橋から閘門群を遠望)
晩秋のパリ、サンマルタン運河
枯葉つながりで晩秋のパリ、サンマルタン運河のフォトを添えます(ちょっと古いフォトですが)
サンマルタン運河の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
日本で発見!新しい石+パリ、サンマルタン運河の四季
4つの性の小鳥は自分と違う者に惹かれる+パリのサンマルタン運河
ご主人の笑顔でワンちゃんも幸せに、共に「絆ホルモン」オキシトシンも増えます+パリ、サンマルタン運河


シロアリ塚は互いに等距離のヘキサゴン水玉模様
(シロアリ塚は互いに等距離のヘキサゴン水玉模様)
アフリカのサバンナでキノコを育てるシロアリ
シロアリの中には枯葉、枯れ枝を巣に運び、これを肥料にして地下でキノコを栽培して餌にする種もいます、まるでハキリアリのように。
今回の主役、アフリカの乾燥地帯に棲むOdontotermes属(タイワンシロアリの仲間)のシロアリはキノコを育てる巣の大部分を地下に作ります。1つの巣(アリ塚)に数百万匹ものシロアリが棲んでいて、小山のようなマウンドを作ります。人工衛星からでも見えるそうです。

ハキリアリの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
森のお百姓さんハキリアリと昔作ったプラモたち

運河歩き3第2の閘門橋の上からdownsize
(サンマルタン運河、第2の閘門橋から振り返って)
シロアリは大規模スケールで土地の景観を変える
そんなキノコを育てる小さなシロアリが広大な乾燥地帯の砂漠化を大規模なスケールで防ぐ大事な役割を果たしているようなのです。

トカゲが居るなら虫も居て草も水もある
シロアリ塚の役割を調べるためアリ塚周辺のトカゲの生息数を調べた出典著者のRobert M. Pringle氏によれば「なぜトカゲの生息数を調べるのかって?トカゲがいれば餌の虫がいる、虫がいれば餌の植物が生えている、植物が生えているなら水がある、から」だそうです。実際、ヤモリとクモの生息数の分布はアリ塚をピークに山型になっていました。

運河歩き3第2の閘門とアパルトマンdownsize
(第2の閘門とアパルトマン)
シロアリは肥沃な土を作ってゾウを呼ぶ
シロアリはアリ塚付近の土壌を水分が豊富で、窒素、リンが多い肥沃な土壌に変えます。するとアリ塚周辺に植物が育ち、それを食べる昆虫が棲み、それを食べるトカゲなど爬虫類も棲むそうで、ゾウの群れまで惹きつけます。
シロアリ塚の植物はより栄養に富み多くの植物食動物を育みます。シロアリは草木、昆虫からゾウまで多種多様な生き物を支え、サバンナの生態系を間接的に支えています。


土を耕しキノコを栽培するシロアリ
シロアリは土を掘って砕いて唾液を混ぜて巨大な巣を作り、その中でキノコを栽培し、排せつ物も巣の近くに出すためアリ塚周辺は肥沃になります。シロアリは「土を耕して」います。

第3の閘門から第2の閘門を振返るdownsize
(第3の閘門から第2の閘門を振返る)
人工衛星が捉えたシロアリ塚の水玉模様
人工衛星からリモートセンシングで観測すると、シロアリのアリ塚(マウンド)は、まるで水玉模様のように一定の間隔で分布しています。その間を植物がまるでヒョウ柄ように生えていることも分かりました。

アリ塚水玉模様のまわりにはヒョウ柄模様に草木が生える
出典著者Corina E. Tarnita氏らは、山火事の後でしょうか、焼けた木の切り株の間にアリ塚の水玉模様とアリ塚を間に生えている植生がヒョウ柄模様であることを見つけました。

閘門の欄干で休むカモメさんたちdownsize
(閘門の欄干で休むカモメさんたち)
シロアリ塚分布のモデルを作る
そこで出典著者Tarnita氏はまずシロアリ塚の分布パターンのモデルを作りました。
シロアリが餌(正確には栽培するキノコの餌)を探す範囲=縄張りは巣から同心円を描いて広がりますが、やがて他の巣の縄張りとぶつかります。


縄張り争いがアリ塚の水玉模様を作る
巣の構成員数がほぼ同じなら(争っても優劣がつかず)アリ塚は等間隔でかつ最大限土地を利用するパターン=ヘキサゴン、つまりハチの巣の各頂点に巣があるパターンに落ち着きます、つまり数理モデルは水玉模様になります。これは人工衛星写真とそっくりでした。
ちなみにこのような水玉模様はオオカミやイソシギの縄張りにもみられるそうです。


植物が助け合ったり水を争ったりするモデル
次にTarnita氏は植生の数理モデルを作りました。
植物はまとまって生えれば少ない雨の水分を互いに効率よく利用できるが、離れた植物同士はサバンナの少ない水を奪い合う、そしてシロアリ塚がもっとも水が豊富で植物がよく生える、とします。


シロアリ塚と植生のモデルを合体させると人工衛星画像にソックリ!
そしてシロアリ塚のモデルと合わせた数理モデルの植生分布はヒョウ柄になりました。このパターンもまた人工衛星写真とソックリでした。

閘門橋に信号がある交差点downsize
(閘門橋に信号がある交差点)
シロアリ塚のおかげで乏しい水でも草木が育つ
人工衛星のリモートセンシングの観察結果は数理生態学の数理モデルともよく合うそうです。どうやらモデルは正しそうです。
さらにモデルからは、シロアリ塚の周辺ではより少ない雨(水分)でも植物が育つことが示唆され、シロアリが環境の植生維持に大事な役割を果たしていると推測されます。


妖精が躍った跡?フェアリーサークルはシロアリが作る
シロアリ塚の外縁に輪を描いて環状に植物が生えるパターンもあり(オーストラリア)、これもこの数理モデルで説明できるそうです。ちなみにこの輪を著者らはフェアリーサークルと呼んでいますが、林床にキノコが環状に生える菌輪のことで、昔、西洋では妖精が輪になって踊った跡だとか、いくつか伝説があるようです。

「水玉模様は砂漠化の危険信号・・」ではなかった!
以前は植生が水玉模様になるのは砂漠化一歩手前の危険信号とされていたそうですが、少なくともアリ塚の水玉模様はそうではないようです。

小さなシロアリが干ばつに強い環境にする
シロアリ1匹1匹はとても小さい昆虫ですが、人工衛星で観察できるほどの大規模スケールで景観を変え乾燥地帯を干ばつに強い環境にしています。ひいては地球温暖化による砂漠化を緩和する働きもしているのでしょう。

出典著者のLisa Margonelli氏はサイエンスライターで、本研究の出典著者のCorina E. Tarnita氏とRobert M. Pringle氏にインタビューして記事にまとめています。


出典:”Spatial Pattern Enhances Ecosystem Functioning in an African Savanna” Robert M. Pringle et al. PLoS Biology May 2010 Volume 8 Issue 5 e1000377
出典:”Termite mounds can increase the robustness of dryland ecosystems to climatic change”
Juan A. Bonachela et al. Science 6 Feb 2015 VOL 347 ISSUE 6222
出典:“How Termites Shape the Natural World; Interactions between termites and vegetation explain mysterious patterns throughout the world” Lisa Margonelli Scientific American August 1, 2018 (原典:"Termites and Fairy Circles" Scientific American Vol.319, No.2, P.74-79 (August 2018) doi:10.1038/scientificamerican0818-74)
出典:日経サイエンス  2019年2月号「シロアリとフェアリーサークル」Lisa Margonelli、


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

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