わずかな油汚染でも海鳥は命をつなげなくなる+パリ郊外のお仏蘭西なヒコーキ

わずかな油汚染でも海鳥は命をつなげなくなる
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イソシギの渡りと繁殖に遅れは許されない
(イソシギの渡りと繁殖に遅れは許されない)
グローバルなエネルギー流通が招く重油流出事故
大型タンカーの座礁事故などで大量の重油が海に流出して海鳥たちが油まみれになった映像はショッキングですし記憶にも新しいところです。ここ最近30年ほどの世界の石油流出事故をNITE(製品評価技術基盤機構)がまとめていますが、今でも毎年のように起こっています(出典参照)。




「ちょっとだけよ♪」もダメ!海鳥さんにとっては・・
「じゃ、ちょっとだけなら油が海に流れてしまってもオッケーなの?」→いえ、違います!わずかな油でも海鳥の繁殖に深刻な影響がありそうなのです。

シックな塗装の複葉機機種は分かりませんREVdownsize
(シックな塗装の複葉機、でも機種が分かりません)
パリ郊外エアショーのレアもの機
飛ぶつながりで、パリ郊外Ferte Alais の草っぱら航空ショーFete Aerienne、のちょっとレアものヒコーキのノンビリなフォトを添えます。

わずかな油の付着も致命的なんです、海鳥には
広大な大海原をゆく海鳥にとっては少しばかりの油が翼の端に付いただけでも「飛行特性」は下がり飛行の効率は落ちます。ましてその飛行が遠く波涛を超えて繁殖地へ向かう旅なら致命的です。海に落ちなくても「致命的」なんです。

イソシギは北米を縦断して繁殖地アラスカに渡る
メキシコ湾からアラスカの繁殖地に渡る海鳥、体長20cmほどのか細いイソシギ(Calidris mauri、western sandpiper) メキシコ湾から繁殖地であるアラスカ州の更に北部ノーススロープ(North Slope)まで渡ります。

フランス衣装のセスナO-1バードドッグREVdownsize
(フランス衣装だとセスナO-1バードドッグも小粋に)
バレリーナのようなか細いイソシギに油が付くと・・
そのイソシギの羽や胴体に少し(30%以下)油が付着しただけで飛行効率は45%も低下しました。実際、油が付着した鳥は途中度々羽を休めたそうです、必要以上に飛行が疲れるからです。

海鳥の繁殖は時間厳守です
その結果、営巣地への到着が45日ほど遅れました。これは極北の短い夏のたった2週間でつがい、産卵し、雛を育てなければならないイソシギにとって「致命的」です。

モラーヌソルニエ MS406は当時の仏空軍塗装REVdownsize
(モラーヌソルニエMS406は当時の仏空軍塗装です)
到着が遅れると繁殖のチャンスを逃す
動物は適切な時(繁殖シーズン)に適切な場所(繁殖地)でパートナーと出会わないと子孫を残せません。そのような種はやがて絶滅します。
羽のわずかな油汚染でも飛行効率を下げ飛行時間が長引き、営巣地到着が遅れます。するとパートナーを見つけられない、あるいは、見つけたとしても営巣が遅くなり雛が十分には育ちません。


ドイツ空軍のOV10 ブロンコdownsize
(ドイツ空軍のOV-10ブロンコ)
「バーニング・オーシャン」は“今そこにある危機”
ほんの少し前、2010年にもメキシコ湾で海底油田の油井が大爆発しなんと約78万キロリットルもの原油が海に流出しました。ここまで規模が大きいと「バーニング・オーシャン」と言う映画にまでなりました(Levalloisbeeは観てないんですけど)。

数年に一度、今でも流出事故は起こっている
(独)製品評価技術基盤機構(NITE)が最近の世界の石油流出事故をまとめてウェブに掲載しています。世界の石油流出事故/NITE

ニュースにもならない重油流出でも海鳥には脅威
一方、小規模の重油流出は話題になりにくくニュースにもならないでしょう。でも海の渡り鳥にとっては種の存亡に拘わる脅威であるようなのです。

些細な環境撹乱でも大きな影響があるかも?
ヒトからは些細に“見える”環境撹乱であっても他の生き物にとっては深刻な事態を招くこともあると言うことでしょう。また例えば、もしも油流出でイソシギの個体数が減ってしまったら干潟の生態系は大きな影響を受けることでしょう。ヒトの営みの環境への影響の評価は難しいですね。


出典:“Light oiling of feathers increases flight energy expenditure in a migratory shorebird” Ivan Maggini氏ら Journal of Experimental Biology Vol 220 P.2372-2379 (2017) (doi: 10.1242/jeb.158220)
出典:”Even tiny amounts of oil could doom seabirds” Giorgia Guglielmi氏執筆 Science Vol 357, Issue 6346 (7 July 2017)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: こんにちは

lakmeさま、コメントありがとうございます。私も出典を読むまでわずかな油汚染でも深刻とは思い至りませんでした。プロペラ機の頃にはアルプス越えで翼に氷が着く着氷で不時着や墜落があったようですから同じですね。ヒトには何でもないことが動植物にとっては大変なこともあるんですね。
紙袋の量り売りはいいですね。子どもの頃お使い先では三角の古新聞に野菜や魚を入れて量り売りしていたことを思い出します。


> 渡り鳥にとっては、油で汚れた海は、婚活期間を逃す原因になるのですね。勉強になりました。
> (主に海の)プラスチック問題は、こちらでは大きく取り上げられています。海の生物の胃袋からペットボトルの蓋が出てくるとか。。。ゴミ分別後進国ベルギーもスーパーのビニール袋が近々廃止になります。欲しい量の野菜等をビニール袋に入れて秤に乗せると値段のついたステッカーが出てくるので、それをはってレジに持っていきますが、このビニール袋が再生紙で出来た紙袋になるようです。フランスはすでに実施されていて、友人は全然問題ないと言っています。とにかく、ゴミの問題、何とかしたいです。

こんにちは

渡り鳥にとっては、油で汚れた海は、婚活期間を逃す原因になるのですね。勉強になりました。
(主に海の)プラスチック問題は、こちらでは大きく取り上げられています。海の生物の胃袋からペットボトルの蓋が出てくるとか。。。ゴミ分別後進国ベルギーもスーパーのビニール袋が近々廃止になります。欲しい量の野菜等をビニール袋に入れて秤に乗せると値段のついたステッカーが出てくるので、それをはってレジに持っていきますが、このビニール袋が再生紙で出来た紙袋になるようです。フランスはすでに実施されていて、友人は全然問題ないと言っています。とにかく、ゴミの問題、何とかしたいです。

Re: No title

こんばんは、duck4さん、コメントありがとうございます。この原典を読むまでわずかな油汚染でもここまで渡り鳥にとって深刻だとは思いませんでした。
確かにおっしゃる通り「子育ては時間厳守」、ハクチョウさんたちも厳しいスケジュールで渡ったり、繁殖したりしているのでしょうね。
それでもduck4さんのブログでいつも紹介いただく「滞在組」のハクチョウさんたちはたとえもう渡れなくなっても一所懸命生きていますね。野生の健気さを感じてしまいます。

> Levalloisbeeさんへ
>
> こんばんは!
>
> ほんの少しの羽の変化で飛ぶスピードや負荷かがかかるので、飛べなくなったりするのでしょうね!
>
> 油がついたらそれこそ致命傷ですよね!
> 特に空を飛び回って餌を探す鳥さんたちにとってはですよね!
>
> 子育ては時間厳守。わかるような気がします!
> こちらに来るハクチョウさんたちもツンドラ地帯が氷で覆われる前までに飛び立って渡ってこなければなりませんよね!まさに時間との闘い!いつも来る灰色のハクチョウさんを見るたびそんなことを思っています!v-519v-521

No title

Levalloisbeeさんへ

こんばんは!

ほんの少しの羽の変化で飛ぶスピードや負荷かがかかるので、飛べなくなったりするのでしょうね!

油がついたらそれこそ致命傷ですよね!
特に空を飛び回って餌を探す鳥さんたちにとってはですよね!

子育ては時間厳守。わかるような気がします!
こちらに来るハクチョウさんたちもツンドラ地帯が氷で覆われる前までに飛び立って渡ってこなければなりませんよね!まさに時間との闘い!いつも来る灰色のハクチョウさんを見るたびそんなことを思っています!v-519v-521

Re: No title

しおちゃん様、コメントと貴重な情報をありがとうございます。
なるほど、フォッケウルフ Fw 44シュティーグリッツですね(ウキペディアで見てみました)、さすがはヒコーキにお詳しいしおちゃんさん、感服いたします。
Ferte-Alaisの飛行場は昔のもので管制塔以外は一面草っぱら、そこにテキトウにトラロープを張っただけのエアショーです。子連れやカップルで皆ノンビリ、ぞろぞろ見物ですが、最後に編隊ショーなどあって盛り上がります。格納庫の前に屋台?も出ます。
各地で頻繁に、また、広い場所でエアショーをやるのであまり混まないのかも知れません。
間近で見られるのは、ヒコーキがイタズラされるなどとは心配していないからでしょう、フランス人はヒコーキ大好きですし。

> Levalloisbeeさん、おはようございます。
> うらやましいですね。
> 草原の中に古い飛行機が点々と置かれていてピクニック気分で眺めていられるなんて。日本は基地のエプロンに人だかりですから。
> みなさんゆったりビールとサンドイッチという感じなんですかー。
> 複葉機はFw44シュティーグリッツに見えます。違うかもしれませんが。

No title

Levalloisbeeさん、おはようございます。
うらやましいですね。
草原の中に古い飛行機が点々と置かれていてピクニック気分で眺めていられるなんて。日本は基地のエプロンに人だかりですから。
みなさんゆったりビールとサンドイッチという感じなんですかー。
複葉機はFw44シュティーグリッツに見えます。違うかもしれませんが。
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