フランス塩の花と菜の花とパリ凱旋門:ありきたりだけど奥深い

フランス塩の花と菜の花とパリ凱旋門:ありきたりだけど奥深い
塩も菜の花も凱旋門も見慣れているけど奥深い
晴れた空に立つ凱旋門downsize
(晴れた日、青空に立つ凱旋門)
慣れすぎていてつい見過ごしてしまう、でもあるとき、ハタと気づく美しさと言うものがあります。いつも出会っていてあまにも当たり前だけど、ちょっと気づけば多彩な顔があり奥が深い。そんな塩と菜の花と凱旋門のお話。今回話題は食材と料理で写真が少なく凱旋門のさまざまな表情の写真を併せてご紹介、最後に春を味わう一皿のオリジナル・レシピをつけます。


季節、時刻、天候で出会うたび違った表情の凱旋門
シルエットの凱旋門downsize
(シャンゼリゼから望むシルエットの凱旋門)
凱旋門と言えばかのナポレオンが古代ローマの風習にならい戦勝記念として1836年に建立したパリのエトワール凱旋門(L’arc de triomphe de l’Étoile)ですね。凱旋門はエッフェル塔と並んでパリのシンボル、でもパリッ子は登りません。だって毎日いつでもどこからでも見えるんだもん。前に「迷ったらエッフェル塔を探せ」と書きましたが、凱旋門も同じ。エッフェル塔のように高くはありませんが、凱旋門からは放射状にいくつもの大通りが伸びていていつも見通せて方角が分るからです。


新凱旋門とは一直線上に並びます
朝の陽を浴びる凱旋門downsize
(朝の陽を浴びる凱旋門)
凱旋門からシャンゼリゼをずーっと延長した先に新凱旋門(la Grande Arche)があります。新凱旋門のあるデファンス(Defense)は小高く、良く晴れた日は凱旋門を遠望できます。そんないつも見る凱旋門ですが、季節、時間、天気、陽の射し方でその表情は多彩に変わります。
パリをぶらぶら歩きしながらちょっと足を止めて凱旋門を探してみて下さい、その度に違う表情に出逢えるはずです。


ラベンダー色の海塩 ”Fluer de Sel “の魅力とは
塩の花downsize
(Fluer de Sel)

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フランスの海塩(Le Paludier製 ”Fluer de Sel “)に出会って以来愛用しています。一番塩、つまり海水が最初の結晶化した薄い層だけを採ったもので「塩の花」というその名前はその色、薄紫(ラベンダーに近い)からきています。これは錯体を作るCa塩、Mg塩などの色ですね。この塩は、天ぷら>ステーキ>シーフードのフライ>野菜などの順で力を発揮する気がします。多分素材中の2価金属塩(Ca塩、Mg塩)やK塩の不足程度とか、料理素材の蛋白質への作用の仕方とかに依っているのでしょう。”Fluer de Sel “は我が家の料理、特に天ぷらには欠かせません。カラっと揚げた海老やイカなどをこの塩でいただくと素材の上品な甘みと風味が口いっぱいにひろがります。

春を運ぶ黄色のじゅうたん、菜の花
新凱旋門downsize
(デファンスの新凱旋門)
与謝野蕪村の句「菜の花や月は東に日は西に」。春分、お彼岸の満月の宵、陽落ち間際の一刻、夕闇みのなか、浮き立つような満開の菜の花畑の黄色が目に浮かぶようで大好きな俳句です。菜の花、またの名をナタネ、アブラ菜。もともとは菜っ葉の花、種、種の油という「一般名詞」らしく、そのくらいありきたりの草花。でも春の野一面に敷かれた黄色のじゅうたんは美しい。今ではナタネ油はあまり搾らなくなりましたが、春を待っていたかのように菜の花が野菜売り場に並びます。


ちょうちょうは菜の花の葉を味見して飛ぶ
街路樹越しの凱旋門REVdownsize
(街路樹越しの凱旋門)
童謡「ちょうちょう」にも菜の花が詠いこまれていますが、「ちょうちょ、ちょうちょ、菜の葉に止まれ」、え、菜の花じゃなくて菜の葉?そう、モンシロチョウにとって菜の花は蜜や花粉が目的ではなく産卵場所だそうです。雌は1枚1枚葉を「味わって」は産み付ける卵から孵る幼虫にとって良い葉かどうか吟味しているそうです。また、リスク分散のためにたくさんの葉に1つずつ卵を産み付ける。だからモンシロチョウは花から花ではなく葉から葉へ飛び渡るそうです。この童謡はわらべ歌が起源だそうですが、昔の人がいかに自然を良く観察していたかが分かりますよね。


春の香りを味わう食材、菜の花
シャンゼリゼの喧騒と凱旋門REVdownsize
(シャンゼリゼ、夏の午後、喧騒の中の凱旋門)
江戸時代に灯りとしての油がエゴマからナタネ、つまり菜の花に変わって以来、日本中に黄色のカーペットが敷かれるようになったそうですが、その後、電気が通り、外国産の食用油に押されて日本の菜の花畑は衰退していったようです。今では野原で幅をきかせているのは実は別の外来種だとか。
でも春を告げる食材の菜の花は消えて欲しくないですね。いつもの北関東産は今は品薄で今回ご紹介のパスタに使う菜の花も今年は西の産です。一日も早く東北、北関東の農業が復興されることを祈っています。
以上の出典: 「植物ごよみ」湯浅浩史氏著(2004年朝日新聞社発刊)
「蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか」稲垣栄洋氏著(2006年草思社発刊)


料理はモノマネです
肌寒い早朝の凱旋門downsize
(肌寒い晩秋、早朝の凱旋門)
同じシーフードや野菜でも和食、中華、フレンチ、イタリアンでそれぞれ出番や組合せ、扱いや「仕事」が違うけど、共通するところも実に多い。いつもそれぞれの基本を書いた料理本を何冊か読み、仕上げと手順のイメージを作って新メニューに挑みます。今回ご紹介のレシピはそんなごちゃまぜのモノマネのうちで海塩 ”Fluer de Sel “と菜の花を使った季節の一品です。だから「一応オリジナル・レシピ」です。


春の色香を味わう一品、菜の花とアサリのパスタ
菜の花とあさりのパスタdownsize
(菜の花とアサリのパスタ)
爽やかな苦味と春の香りの菜の花とアサリのコクがよく合うオリーブオイル系のパスタです。
材料の組合せと新鮮さ、火を入れすぎないこと、が大切なポイント。鷹の爪は必須ですが少量に控えて辛味が他の味をマスクすることを避けましょう、辛みは味覚ではなく痛覚なので繊細な味には邪魔です。
菜の花は炒めると縮むので、入れたときにフライパンが菜の花であふれるくらいの量でもちょうどよい。
なお、菜の花の季節が過ぎてしまっても春は貝類がおいしい旬なので代わって市場に顔を出す小松菜を使っても楽しめます。それでは以下がレシピです。


レシピです
《材料》
菜の花(季節もの)1束: 硬い軸の部分は切り取り水洗いのみ(2つ切りくらい、細かく切らない)、水気を切っておく。火の通る時間が異なるので軸と葉は別々にしておくこと。
→菜の花がないときは小松菜で置き換える(軸と葉を別に扱う点も同じ)
アサリ10個前後: 砂抜きをしておく
鷹の爪1本: そのまま用いる(途中で取り出すので切らない)
にんにく1片: 少し粗目のみじん切り(細かすぎると早く焦げてしまう)
パスタ 1.6mm 2人分
白ワイン 100mlくらい
塩:”Fluer de Sel “ 少々(もちろん他の塩でも良い。にがり成分を含む天然塩の海塩が良い)
オリーブ油: 適量、やや多目のスプーン大で2~3杯くらい。Extra virgin olive oilが良い
《作り方》
1. フライパンにたっぷり目にオリーブ油を敷いてにんにくを弱火で炒める(オリーブ油は最後にパスタにも絡めるので多目に入れる)
2. にんにくが炒まってきたら鷹の爪を入れる。にんにくが色づいたら火を止め、鷹の爪だけを取り出す。(これ以降は水気が入るので入れたままでは鷹の爪を煮出すことになるため)
3. フライパンにアサリを入れ、ふたをして殻が開くまで強火で加熱する(開かない貝は必ず取り出し捨てる)。
4. 海塩を半量ほど振り入れ、白ワインを入れて再びふたをして加熱しアルコール分を飛ばす(この段階で適量の汁気が残っていること、加熱し過ぎないように)。フライパンをさっとあおったら火を止め再びふたをしておく(決して炒め過ぎないこと、またこの段階で塩味も確認し、必要なら整えておく)
5. パスタを茹で始める。茹で時間は[標準の茹で時間 - 30秒]の短めに。
6. パスタが茹であがる数10秒前にアサリのフライパンを再度強火で加熱する。(お好みで炒めた鷹の爪を戻す(なくても良い))
7. パスタを取り出し、加熱中のアサリの入ったフライパンに直接入れ、次いで水気を切った菜の花のまず軸を急いであおり。葉も一気に入れ、海塩の残りを振り入れる。(ここで塩加減の最終調整、汁気が少ないなら少量茹で汁を加える)軽く混ぜ合わせたらすぐ火を止めて皿に盛る(最後の加熱は数10秒以内、煮立たなくても良いので加熱し過ぎない。余熱で火が通る)
注)菜の花を小松菜に替えてもレシピやマニュアルはほとんど踏襲できるが小松菜の方が心持ち火が通るまで時間がかかるので工程-7.の加熱時間で調節する


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報