鼻が利かないとアリさんは社会生活が出来なくなる+初夏の庭の花

鼻が利かないとアリさんは社会生活が出来なくなる+初夏の庭の花
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嗅覚を失うと空気を読まない無鉄砲なアリさんになるdownsize
(嗅覚を失うと空気を読まない無鉄砲なアリさんになる)
「アリさんはゴマ油大好き!」が分かった我が庭の小実験
昔、庭で砂糖水とごま油と塩水と水道水を浸み込ませたろ紙をアリさんの道に置いてみたら、なんと「ごま油のろ紙」にだけ“アリさんの黒だかり”が出来て「アリさんは味より臭いなのか!」と驚いたことがありました。





白いカルミアREVdownsize
(白いカルミア;赤いカルミアの裾にひっそり咲いていました)
夏を彩る庭の花たち
今回はほかに知恵もないので、アリさんつながりで我が庭の初夏を飾ってくれる花たちのフォトを添えます。

ニワゼキショウREVdownsize
(ニワゼキショウ;庭の芝生に勝手に生えてきます)
アリさんはたくさんの臭いセンサーを持ってる
アリさんは350種類もの臭い検知器(嗅覚受容体)を主にそのアンテナ(触覚)に持っています、同じ昆虫でもショウジョウバエは46種類なのに。

アリさんの華麗な香りの世界
昆虫は私たちとは少し違った仕組みでフェロモン、味、臭いなどの化学物質を感知しますが、アリたちは特に嗅覚受容体の種類が豊富です。アリさんがカロリーの高いごま油の臭いに惹かれるのは当たり前ですね。
アリさんの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
負傷兵を担いで救出するたくましいサハラの看護兵アリ+初夏の花たち
灼熱サハラで砂漠アリは万歩計と視覚フローでナビる+哀愁のリスボン再び
森のお百姓さんハキリアリと昔作ったプラモたち


黄色いアルストロメリアその1REVdownsize
(黄色いアルストロメリア;赤と黄色が庭に咲きます)
アリさんの社会行動にも大切な嗅覚
じゃ、臭いを嗅げないとアリさんはどうなるんだろう?
臭いを感知できないミュータントのアリさんは勝手気ままに振る舞い、社会的な行動を行わない「空気を読まないアリ」になると分かったそうです。出典著者Waring Trible氏らの研究です。


嗅げないと空気も読めません、アリさんは
普通なら仲間が付けた臭いの跡をたどって仲間を追うのにミュータントは従わないし、アリさんが忌避する臭いを塗ったラインの前で普通のアリさんはUターンするのに、ミュータント・アリさんは平気で横断してしまう・・とまぁ、おおよそ「空気を全く読まないアリさん」になっていました。

ルリマツリREVdownsize
(ルリマツリ;淡い青の花が陽を浴びています)
臭い感知器に共通の遺伝子を壊すと・・
様々な嗅覚受容体に共通に必須の遺伝子を壊すとアリさんの触覚にある嗅覚神経の集まり(glomerulus)がちゃんと出来上がらず、鼻が利かなくなるようです。

女王なし、皆で勝手に殖える変なアリさん
ところで、出典著者のTrible氏らが調べたアリさんはちょっと変わっていて、女王がいないけどクローンで勝手に殖えるアリさん、しかも他のアリさんを襲うアリさん、clonal raider ants (Ooceraea biroi)です。

ネジバナREVdownsize
(ネジバナ;これも庭の芝生に生えてきます)
純血主義のアリさんの遺伝子操作は無理?
色々な動植物で遺伝子操作による改変が成功しているのにアリさんではまだ成功していなかったそうです。普通アリさんは女王アリさんだけが卵を産み、卵や幼虫は十分な世話がないと育たない上に、遺伝子操作でちょっと臭いが違うと拒絶されてしまうからだそうです。うむ、純血主義なんですね。

皆が勝手にクローンを生むヘンなアリさん
でも、このアリさんclonal raider antsは雌性無性生殖で、コロニーのアリさんみんながそれぞれ親と全く同じ遺伝子のクローン未受精卵を産むうえに、2mmくらいの小さな体なので仔が育って更に孫を産むまでの期間が約2週間と短いから研究モデルとして格好です。

ウツギREVdownsize
(ウツギ;可憐な白い花です)
魔法の杖か?巡航ミサイルか?CRISPR/Cas9
だから卵に遺伝子操作を行えば同じ遺伝子のミュータントのクローンが短期間でたくさん作り出せる訳で、今回使われた遺伝子操作は最新のゲノム編集(gene editing)の魔法の杖、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャス・ナイン)で従来の遺伝子組み換えと違って狙ったところだけにピンポイントで遺伝子を除去したり(ノックアウト)違う望みの遺伝子を入れたり(ノックイン)出来ます。まるで遺伝子工学の巡航ミサイルですね。

役立つ道具だからこそよく確かめないと
思わぬところに遺伝子が入ってしまうリスクがはるかに少なく応用範囲も広いので安全性が高く正確な新しいタイプのGMO(遺伝子改変動植物)が作れるから、飢餓や貧困を解決するためなどに大いに期待される最先端技術、CRISPR/Cas9。世界が飢えないための大事な技術(の1つ)です。もちろん倫理面や社会容認性の議論が改めて必要になります。


ピンクのカルミアdownsize
(ピンクのカルミア;傘のようにだんだん開いてゆきます)
単細胞だって必死に生きてる、CRISPR/Cas9で
ちなみにCRISPR/Cas9はもともとはバクテリアがウイルス(ファージ)に感染したときに次に備える一種の免疫シシテムなのだそうです。単細胞生物だって必死に生きてるんですね。

動物ならゾウさんが一番鼻が利く
ところで、哺乳類の嗅覚受容体(※)は、ヒトでは347個、イヌで811個、一番多いのがゾウで1948個だそうですが、小さな昆虫の嗅覚はよりシンプル、効率的な別の仕組みだそうです(だから少数でOK)。(※:機能する嗅覚受容体の遺伝子の数)。
ヒトの嗅覚は2つある、と言う過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
呼気で感じる風味の正体、第2の嗅覚で豊かで健康な生活

(出典にリンクは貼っていませんので参照されるときはコピペしてください)
出典:”orco mutagenesis causes loss of antennal lobe glomeruli and impaired social behavior in ants” Waring Trible et al. bioRxiv Feb. 28, 2017; doi: http://dx.doi.org/10.1101/112532.
http://biorxiv.org/content/early/2017/02/28/112532
出典:”World’s first genetically modified ants shed light on how complex insect societies evolved” Elizabeth Pennisi氏執筆 Science Mar 8 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/world-s-first-genetically-modified-ants-shed-light-how-complex-insect-societies-evolved?utm_campaign=news_weekly_2017-03-10&et_rid=208065204&et_cid=1209629
出典:ウキペディア記事(英) “Ooceraea biroi”
https://en.wikipedia.org/wiki/Ooceraea_biroi


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