小さな日時計ジオロケーターが明かす小鳥の渡り生活+みなとヨコハマ

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【お知らせ】
「友達・先生の声が聞こえない難聴児の教育に新しい選択肢を!」
聴覚障害児、難聴児が仲間と夢に向かって努力できる場所、聞こえないからこその強みを活かした仕組みを作ろうと言う活動のクラウドファンディングです。目標まであと一歩、残り8日(6/21現在)だそうです。ご関心あれば上記にリンクを貼っていますのでご活用ください。(Levalloisbee)

ジオロケーターでカートランドムシクイの渡りを追う
(ジオロケーターでカートランドムシクイの渡りを追うと・・)
五大湖とカリブ海を行き来し渡る小鳥ムシクイ
スズメに似たカートランドアメリカムシクイ(Kirtland's warbler、Dendroica kirtlandii)はスズメ目アメリカムシクイ科の小さな渡り鳥です。五大湖周辺で春夏を過ごして繁殖し、秋に温かいカリブの島に渡り越冬します。小さな日時計ジオロケーターで渡りの実態を探ると言うサイエンス小ネタです。




横浜のジャックの塔開港記念会館downsize
(横浜の「ジャックの塔」開港記念会館)
波濤を越えてきた文明開化の窓口、ヨコハマ
「勇気ある小さな渡航者」カートランドアメリカムシクイに敬意を表して、ペリー、開国、維新、文明開化(その後、結果、不幸を招いた富国強兵もありますが)・・と、神戸と並んで近代ニッポンの発信所であった我が街、みなとヨコハマの歴史の生き証人「赤レンガ倉庫」界隈の寸景を添えます。
ハマ歩きの過去記事の一部です↓(クリックで飛びます)
ハイカラな不死鳥ハマの港の歴史に触れる博物館+ハマの寸景
ヨコハマたそがれ青い回廊といずもと飛鳥
プレート“おしくらまんじゅう”で出来た「かながわの地」+横浜散歩番外編
ハマの新開地朝の散歩で見つけたもの司馬さんを辿って


保護するには渡りを詳しく知らねば・・
さて、本題。保護活動を充実させるにはこの渡り鳥、カートランドアメリカムシクイがいつどこを経由しどこで留まるか、など渡りのようすを詳しく理解する必要があります。

ジオロケーターの原理
(ジオロケーターの原理; 日々の緯度経度が記録できる)
生き物に計器を託すバイオロギングの出番
今なら渡り鳥のルートを詳細に追うのに格好の研究手段があります、バイオロギングです。バイオロギングとは生き物に計器を直接取り付けて生き物の行動を追う研究手法です。

小っちゃなムシクイには超小型計器を・・
カートランドアメリカムシクイにジオロケーター(geolocator)と言う計器を背負わせて1年の渡りのサイクル後にデータを回収(27羽分)したところ、彼らは目的地に直行するのではなく中継地があること、また、春と秋ではルートも違うことが分かりました。出典著者Nathan W. Cooper氏らの研究です。
(例(リンク):Biotrack Ltd. 社(英)製 M-Series Geolocators)

ジオロケーターの過去記事です↓(クリックで飛びます)
空飛ぶ者たちを追う愉快なローテク; バイオロギングその3

白たえの女王日本丸REVdownsize
(白たえの女王日本丸(再掲))
0.5g超軽量ジオロケーターなら小っちゃなムシクイもかつげる
カートランドアメリカムシクイは成鳥でも体長14–15cm、体重12–16gしかありませんので大きく複雑な計器は装着できません(飛べなくなる)。そこで0.5g以下の超軽量化に成功したジオロケーターの登場です。

赤レンガ倉庫の緑化よこはまフェアdownsize
(赤レンガ倉庫では「緑化よこはまフェア」が開催)
渡り鳥用の日時計、ジオロケーター
ジオロケーターは日の出・日の入りを記録するだけのシンプルな「日時計」で主に渡り鳥用に開発されました。ジオロケーターは時計と明るさ(照度)の変化から日の出と日の入り時刻を読み取りこれを毎日記録するだけのシンプルな装置です。


ヨコハマ大桟橋の青い回廊downsize
(ヨコハマ大桟橋の青い回廊(再掲)
現在地の緯度と経度を測定・記録する
“1年のある日”の日の出か、日の入り時刻が判れば緯度(北緯か南緯)が分ります(同じ季節なら緯度が高くなるほど昼夜の時間差が大きくなるから)。
その真ん中の時刻が太陽の南中で、この南中時刻の出発地との「時差」から経度が分ります。こうして地球上の現在地(の緯度・経度)が決まります。


間近の海上保安庁巡視船Iは結構大きいdownsize
(間近で見る海上保安庁巡視船は結構大きい)
日々の記録からわたりルートがわかる
ジオロケーターは鳥たちの現在地の緯度・経度を日々記録するのでこれを地図上にプロットすれば渡りのコースと旅程(いつどこに居た)が分かります、それも小鳥の個体ごとに。こうして渡りルートが完成します。

象の鼻と赤レンガを結ぶ鉄橋downsize
(象の鼻と赤レンガを結ぶ鉄橋、花に囲まれて)
優れたローテク、軽量化で小鳥も使えるように
ジオロケーターは十分に軽量化すれば小鳥にも装着出来てデータもシンプルなので年単位の記録も可能なローテクだけど優れたバイオロギング装置です。原理は大航海時代の船乗りたちの「天測航法(astronavigation)」と同じです。

山火事後に生える低木でムシクイは巣作り
カートランドアメリカムシクイは草の実、樹液、昆虫などが餌です。山火事の後に出来るバンクスマツの低木林が巣作りの場であり、餌場でもあります。(バンクスマツ;Jack pine、Pinus banksiana、北米に分布する松の1種)

山火事を管理したらムシクイが絶滅危惧種に・・
ところが森林の管理が行き届いて山火事が減るとそれに伴い、餌場と巣作りの場である低木林を失ったカートランドアメリカムシクイは数を減らし絶滅危惧種に挙げられるようになりました。その後バンクスマツの植林など保護活動のおかげでようやくカートランドアメリカムシクイは数を回復しつつあるようですが・・。

イメージキャラにも・・
ちなみにカートランドアメリカムシクイは米国の保護団体や愛鳥団体のイメキャラも務めているそうですよ。

(リンク貼っていません。コピペで訪問ください)
出典:”Watch tiny geolocator map rare bird’s round-trip migration” Elizabeth Pennisi Science Vol 355, Issue 6332, Mar. 3, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/watch-tiny-gps-map-rare-bird-s-complete-life-cycle?utm_campaign=news_weekly_2017-03-03&et_rid=208065204&et_cid=1196831
出典:“Light-level geolocation reveals wintering distribution, migration routes, and primary stopover locations of an endangered long-distance migratory songbird” Nathan W. Cooper et al.Journal of Avian Biology vol. 48 p. 20 (2017)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jav.01096/epdf
出典:ウキペディア記事「カートランドアメリカムシクイ」 “Kirtland's warbler”
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%82%A4
https://en.wikipedia.org/wiki/Kirtland%27s_warbler


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