負傷兵を担いで救出するたくましいサハラの看護兵アリ+初夏の花たち

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救難信号を嗅いで負傷兵を連れ帰る
(救難信号を嗅いで負傷兵を連れ帰る)
50mの隊列でシロアリの巣を襲うサハラのアリ
サハラ砂漠の南に棲むアリMegaponera analisの餌はシロアリ(Macrotermitinae、オオシロアリ?)です。偵察アリがシロアリの巣を見つけると50mにもなる隊列を組んでシロアリの巣を襲います。




クレマチス2017downsize
(クレマチス、アリ-花つながりで、、2017年初夏の庭に)
敵もさる者、激戦でアリも負傷兵だらけに・・
ところがシロアリも身分制の社会性昆虫で巣では体の大きな防衛専門の兵隊シロアリが迎撃します。襲撃が成功してもアリM. analis側にも多大な死傷者が出ます。このような襲撃も、その損害も小さなM. analisの個体「マイナー」が中心です。

負傷ではなく救難信号で間違って助ける
(負傷しているかどうか、ではなく救難信号で判断、間違って助ける)
看護兵は負傷兵を巣までかついで救う
戦闘後、巣に戻るときアリM. analisの体の大きい個体「メジャー」が“看護兵”のように「マイナー」“負傷兵”をかついで巣まで連れ帰ります。今回出典著者のErik Thomas Frank氏らは“看護兵”が“負傷兵“を救出する仕組みとワケ(進化上のメリット)を明らかにしました。

シャクヤク2017downsize
(シャクヤク、2017年初夏の庭にて)
夏の香りを運ぶ大輪の花たち
春の陽が夏の日照りに入れ替わり始める5月には拙宅の「ネコのひたい」庭でもボタン、シャクヤク、シャクナゲなど大輪系の花を咲かせ、時々アリさんも訪問しているようです。・・てことで我が庭の初夏の花たちのフォトを添えています。
ちなみに、アリさんの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
灼熱サハラで砂漠アリは万歩計と視覚フローでナビる+哀愁のリスボン再び
森のお百姓さんハキリアリと昔作ったプラモたち


これを実験室の巣で試してみると・・
さて、本題。出典著者Thomas Frank氏らはこのユニークな行動を見せるアリM. analisの実験室のコロニー(巣)の各個体に1匹ずつ見分けられるよう印を付けて、また、色々と条件を変えてその行動と結果を調べました。

カルミア2017downsize
(カルミアはまだ開きはじめ、2017年初夏の庭にて)
臭うものだけを救助する看護兵、戦場の掟なのか?
「メジャー」看護兵は誰でも連れ帰る訳ではなく、死んだもの、頭部を失ったものは捨て置きます。「助けて!」の“信号”を発しているものだけを連れ帰ることが分かりました。その“信号”は大顎の分泌腺から放たれる「救難要請」のフェロモン、DMDS(dimethyl disulfide)とDMTS(dimethyl trisulfide)であることが分かったそうです。

救助信号を塗れば無傷でもお持ち帰り
大顎の分泌腺の抽出物=フェロモン(DMDS、DMTSが含まれている)を塗りつけると“無傷”の「マイナー」でも「メジャー」看護兵はかついで連れ帰りました。

シャクナゲその2 2017downsize
(シャクナゲ、2017年初夏の庭にて)
臭わない負傷兵は置き去りにされる
しかし、大顎の分泌腺を取り除かれた(フェロモンが出せない)「マイナー」は脚を失うなど“負傷”しているのに「メジャー」看護兵からは無視されてしまいました。

救助されない負傷兵は巣には戻れず死を待つだけ
「マイナー」の負傷兵は巣に戻る帰りの行軍のペースにそのままではついてゆけません。たいてい一部の脚を失っているか、シロアリ兵が噛みついたままだからです。結果、途中でクモに襲われたり、疲弊したりでほとんどが巣に戻れず命を落とします。

ボタン2017downsize
(ボタンは白い手毬のよう、2017年初夏の庭にて)
コワイ!巣で回復すれば「自分、次も出撃しま~す」って・・
でも「メジャー」の看護兵にかついでもらって巣に戻れればほとんどが回復し次の“出撃”にも参加します。けなげに見えるけど、でも何かコワイな、「国」と言う実態が見えないもののために何千万もの命が失われた戦争を彷彿とさせるようで・・・。

同情じゃない、これは進化のビジネスだ
出典著者は看護兵アリの行動は、例えば、ゾウやイルカのように同情によるものではないだろう、巣のコロニーサイズを次の襲撃に見合う数に保つのに役立つ進化の結果ではないかと述べています。実際、看護兵の救出行動のおかげでコロニーのサイズは30%弱増えるそうです。

君子ラン2017downsize
(君子ラン、2017年初夏の庭にて)
損害率を許容範囲に抑えて作戦を維持
先の大戦で連合軍の戦略爆撃隊は出撃回数当たり損害率(未帰還率)が10%を超えないことが作戦継続の要とされていたようですし。

救出行動で持続可能となるアリの襲撃隊
アリM. analisの看護兵による救出行動も兵数を維持して襲撃を持続可能に(sustainableに)するため進化した行動であるようです。

生き物のコミュニケーションは奥が深いかも
今回の研究で、アリがフェロモンを救難信号として使っていることが分かったのですが、調べれば他の生き物にもあるのかも知れませんね。

出典:”Saving the injured Rescue behavior in the termite hunting ant” Erik Thomas Frank et al. Science Advances Vol.3 No4 2017
http://advances.sciencemag.org/content/3/4/e1602187
出典:” Watch these ants rescue injured comrades from termite battles” Lindzi Wessel Science 21 April 2017 Vol 356, Issue 6335

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コメント

Re: No title

duck4様、いつもありがとうございます。ワンちゃんはもちろん、群れや家族をつくる動物、ゾウさん、イルカさん、ウマさんなど、確かにduck4さんのおっしゃる通り「情」を持つように見えますね。それに比べ昆虫などの行動は、このサハラアリのようにどうしても軍隊組織を連想してしまいます。小さいながら健気な進化の知恵なんでしょうけど。

> Levalloisbeeさんへ
>
> こんばんは!
>
> サハラのアリさんは、臭いがするものを看護する習性があるのですね!種を保つためには必要なことなんでしょうね!生き物は、よく進化されていると思います!ところで、ゾウさんは、仲間への情というものがあり、助けたりするようですね!ハクチョウさんを見ていて思うのですが、生き物には心があると思わされる場面が多々あるように感じることがあります!v-519v-521

No title

Levalloisbeeさんへ

こんばんは!

サハラのアリさんは、臭いがするものを看護する習性があるのですね!種を保つためには必要なことなんでしょうね!生き物は、よく進化されていると思います!ところで、ゾウさんは、仲間への情というものがあり、助けたりするようですね!ハクチョウさんを見ていて思うのですが、生き物には心があると思わされる場面が多々あるように感じることがあります!v-519v-521

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