ほのぼの練習機オックスフォード、出自は栄えある王室専用機エンボイ

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晴天をゆくオックスフォード練習機downsize
(晴天をゆくオックスフォード練習機)
かわいくて地味なヒット作オックスフォード
当時も弱小ヒコーキ・メーカーだったエアスピード社(Airspeed)、そのヒコーキも地味だし、会社そのものもM&Aでとっくにない。だから地味ながらシブイかの社のヒット作のオックスフォード(Airspeed AS.10 Oxford)も遠い日本などでは忘れられた存在かも?




英国博物館のゆるキャラか?
ロンドン郊外ColindaleのRAF博物館、ケンブリッジ郊外DuxfordのIWM博物館などでいまでもオックスフォードに会えますが、小さなエンジンをつけた丸っこくてかわいい“ゆるキャラ系”なヒコーキです。

IWM博物館天井に吊るされたOxford REVdownsiz
(IWM博物館天井に吊るされたオックスフォード、“顔”が撮れないんです)
はかない新興エアスピード社
創立1931年と当時新興のエアスピード社(Airspeed)の主な製品はエンボイ/オックスフォードとホルサ・グライダーくらいで1940年デ・ハビランド社傘下に1951年には同社に吸収合併されました(途中フリートシャドワーやケンブリッジなど岡部さんの本にも載った駄作っ機もちょっと作って・・)。

日本の空も飛んだ前身エンボイ旅客機
オックスフォードの元ネタは2つの大戦間の一時の平和な時代、1934年初飛行の旅客機エンボイ(Airspeed AS.6 Envoy)です。当時としてはヒットで52機が生産され、各国で使われました。
実はエンボイは「ひなづる」の名で三菱がライセンス生産するなど日本とも浅からぬ因縁があるのです。


RAF博物館のOxford正面downsize
(RAF博物館のオックスフォード;下面はちょっとアヤシイ黒塗装)
新興市場狙いが練習機の名機に
エンボイは当時としては革新的な単葉、引き込み足の、まだ木製ながら、コンパクトで近代的なエアライナーでした。拡大しつつある新興エアライナー市場(戦争さえなければですが)向けに手ごろで高性能を狙ったのか?そのデザインが結果的にオックスフォードを練習機の名機にしたように思います。

戦後も長く活躍、24ケ国で愛されたオックスフォード
エンボイから発展したオックスフォードは8,500機以上も生産され、1937年デビュー以来24の国・地域(※)で使われ、英国では戦後も現役の練習機として働き、RAFを退役したのは20年近く経った1954年でした。(※:英、米、加、仏、印、蘭、南ア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エジプト、ギリシャ、イラン、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、トルコなど)

古城上空のキングスフライトのエンボイ
(古城上空をゆくキングスフライトのエンボイ)
初の”King's Flight”英国王室専用機の栄光
エアフォースワンと言えば米国大統領専用機、では英国王室は?戦前の大英帝国国王エドワード8世は個人所有機に乗っていました。そりゃあんまりと1936年初めて国家予算で専用機を購入、これがオックスフォードの前身、エンボイだったのです。この飛行チームは”King's Flight”と呼ばれました。(リンク↓)
The King’s Flight (Royal Air Force Museum) 公式ホームページ

今ではThe Royal Squadronに受け継がれ・・
でもエドワード8世国王は離婚歴のある米国人シンプソン婦人との世紀のロマンスでわずか1年足らずで退位してしまったんですけどね。
一方、King's Flightはその後エリザベス女王のQueen’s Flightに、更にRAF第32飛行隊The Royal Squadronに引き継がれてゆきます。現在の使用機は、小型四発ジェットBAE146 とアグスタ(Agusta) 109Eヘリです。エアフォースワンみたいに構えてないところが好き♡!
32(The Royal) Squadron公式ホームページ(リンクなし):http://www.raf.mod.uk/organisation/32squadron.cfm


似た者同士のオックスフォードとアンソン
(似た者同士のオックスフォードとアンソン)
戦わなかったオックスフォード
オックスフォードは練習機だけでなく、第二次大戦中は連絡樹、病院機(air ambulance)としても重宝されたようですが、戦闘には参加しなかったようです。なんにしても実戦でヒドイ目に遭わなくて良かったですね。

同時期、同性能なのに戦いに出たアンソン
フシギなのですが、オックスフォードは当初から高等練習機として発注されたのに、かたや、同じく旅客機Avro 652が前身でほぼ同時期で同性能域のアンソン(Avro Anson)は初めからマリタイム機として発注されています(しかもエンジンまで同じチータなのに)。次いでRAFは旅客機出身でもより高性能のハドソン(Lockheed Hudson)を米国から導入しました。
ハドソンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ベンチャー成上りの礎は丸っこくかわいいハドソン機 空(そら)物語その3

オックスフォードとアンソンは瓜二つなのに・・フシギ
ともに前身はエアライナーでエンジンは同じチータ、寸法も性能も“瓜二つ”のオックスフォードとアンソン。違いと言ったら、初飛行はアンソンが2年先輩ながらアンソンの方が10年以上長く使われたことぐらいかな?でもアンソンも間もなく最前線を退き練習機になりましたし。
敢えて探せば、オックスフォード誕生の前(エンボイ初飛行1年後)、1935年の哨戒機のコンペにアンソンは手を挙げ採用されたからでしょうか?更にその後任はより高性能のハドソンになりましたし。


Oxford 所蔵画のネットイメージdownsize
(オックスフォードの所蔵画、有名なターナー画のレプリカ、昔RAF博物館で買いました)
オックスフォードとアンソンを比べてみると・・
オックスフォード

前身 エンボイ旅客機
初飛行 1937年6月→退役1954年
寸法 全幅: 16.26m、全長10.52m、全高3.38m、翼面積32.3平方m
エンジン アームストロング・シドレー社製チータ9(Cheetah)350馬力×2基
乗員 3名
性能 最大速度309 km /h、航続距離1,464km
積載重量(Loaded weight) 3,409kg


アンソン
前身 アブロ652旅客機
初飛行 1935年3月→退役1968年
寸法 全幅: 17.22m、全長12.99m、全高3.99m、翼面積43.01平方m
エンジン アームストロング・シドレー社製チータ9(Cheetah)350馬力×2基
乗員 3名
性能 最大速度303 km /h、航続距離1,270km
積載重量(Loaded weight)  3,608kg


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コメント

Re: No title

コメントありがとうございます。さすが、しおちゃんさんお詳しいですね、ネビル・シュートのことも知りませんでした。オックスフォードがなんとなくかわいくて記事にしました。

> Levalloisbeeさん、こんばんは。
> エアスピード・オックスフォードもエンボイも私の好きな飛行機です。とりあげていただいてうれしいです。
> 古い映画・小説で知られた「渚にて」を書いたネビル・シュートはエアスピード社の創立者のひとりでこの飛行機の設計に参加しています。旅客機・練習機に使われた割には、なぜか飛ばしにくい飛行機だったといわれてるようですね。

No title

Levalloisbeeさん、こんばんは。
エアスピード・オックスフォードもエンボイも私の好きな飛行機です。とりあげていただいてうれしいです。
古い映画・小説で知られた「渚にて」を書いたネビル・シュートはエアスピード社の創立者のひとりでこの飛行機の設計に参加しています。旅客機・練習機に使われた割には、なぜか飛ばしにくい飛行機だったといわれてるようですね。
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