睡眠不足で脳にゴミが溜まりますよ + パリ、セーヌ再び

睡眠不足で脳にゴミが溜まりますよ + パリ、セーヌ再び
~ 寝ている間に脳のゴミ蛋白を回収するグリンパティック系~

「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」これからも応援しています
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3万年前の航海 徹底再現プロジェクト
国立科学博物館海部陽介さんが代表の「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」の草舟による与那国島から西表島への実験航海はニュースになりました。残念ながら完全踏破はならなかったですが、これからも謎解きに迫ってゆかれるそうです。
現生人類出アフリカ後の世界拡散には要所、要所で海を渡る必要があったようです。中でも日本渡来の沖縄ルートは目的地が見えないほど遠い距離を黒潮の波涛を超える飛び抜けて困難な航海です。当時のご先祖の知恵は多彩で深いものだったのでしょう。このナゾが解ければ日本人のルーツにとどまらず世界を踏破したご先祖の知恵にも、今でも火星を目指すヒトの性にも迫れるかも知れませんね。微力ながら応援しております。(Levalloisbee)
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セーヌに掛かるアレキサンダーⅢ世橋とグランパレREVdownsize
(セーヌに掛かるアレクサンドルⅢ世橋(Pont Alexandre III)とグランパレ(Grand Palais)(再掲))
パリの息づかいを映して流れるセーヌ
脳の水の流れのお話しにつきパリのセーヌ川(la seine)のフォトを添えます、ちょっと古いですけど(すべて再度掲載)。セーヌの過去記事です↓(クリックで飛びます)
セーヌの橋巡り、橋を渡るのは気分を変える儀式
セーヌを渡る散歩道、サンジェルマン、シテ島; 晩秋パリ散歩その3
晩秋のパリ歩き13区からセーヌへ





木陰から垣間見るルイフィリップ橋downsize
(木陰から垣間見るルイフィリップ橋(Pont Louis-Philippe)静かな午後(再掲))
脳は「ゴミ自家焼却」じゃないの?
ごく最近まで脳にはリンパ系(lymphatic system)はないと考えられていて、だからオートファジーなどで脳は自前で不要なたんぱく質を処理している、つまり“ごみの自家焼却“だと思われていました。

アルマ橋のアールデコシルエットからエッフェルを遠望downsize
(アルマ橋(Pont de l'Alma)のアールデコシルエットからエッフェルを遠望(再掲))
脳の血管周囲にリンパ系が見つかった
ところが、脳にもリンパ系があることが分かりました。他の組織と違って、血管の周囲をグリア細胞(glial cell)の1種アストロサイト(astrocyte)が鞘のように取り囲むミクロの構造、「血管周囲腔」なのでこれまで見つからなかったようです。

「グリア+リンパ」で「グリンパティック」
発見者である出典著者Maikin Nedergaard氏、Steven A. Goldman氏はグリア(glia)から成るこのリンパ系を「グリンパティック系(Glymphatic System)」と名付けました。
脳の場合は脳血管から脳組織への体液と成分の輸送もグリンパティック系を通り、BBB(Blood Brain Barrier、脳血液関門)ともなっています。


ドゥーブル橋のシテ島側REVdownsize
(ドゥブル橋(Pont au Double)のシテ島側をセーヌ観光船が行く(再掲))
1日7gも“有害ゴミ“を出す脳
私たちの脳の重さは体重に2%なのに体が使うエネルギーの20-25%を消費し老廃物もハンパなく脳は1日あたり7g(1ケ月210g)もの“たんぱく質のゴミ”を出します。これら老廃物たんぱくの多くは脳にとって“有害”です。

脳“ゴミ収集サービス”が「グリンパティック系」
新たに発見された脳のリンパ系「グリンパティック系」は老廃たんぱく質の“有害ゴミ”を排出するとても大切な働きをしている、「脳のゴミ収集サービス」であるようです。動脈の拍動に助けられて脳の体液、「脳脊髄液」を流すそうです。

夕暮れセーヌ藍色に染まるグランパレdownsize
(夕暮れセーヌ、藍色に染まるグランパレ(再掲))
寝ている間に脳のゴミ回収が行われる
繁華街の夜明け前のように、脳の“ゴミ回収“はあなたが眠りについている間にひそやかに行われます。グリンパティック系は昼夜を問わずフル稼働しているわけではなく睡眠中が最も活発です。

ミッキー曰く「起きていると脳ゴミは収集されないよ」
そこでミッキーことマウス君に協力してもらい、覚醒中と睡眠中の脳のグリンパティック系の中の脳脊髄液の流れを調べてみると覚醒中はほとんど流れないことが分かりました。つまり起きているとき、ゴミ収集車は回ってこないのです。睡眠中は脳のすき間、「間質腔」が広がってグリンパティック系の流れが良くなるようです。

ノートルダム橋からの遠望REVdownsize
(ノートルダム橋(pont Notre Dame)からの遠望(再掲))
毎日体の部品を取り換える「新陳代謝」
私たちの体は日々新陳代謝をしています。・・で新陳代謝とは?体の働きをちゃんと保つために、栄養素を摂って新しい部品を作って古い部品と取り換えることです。体の働きを担う部品は主にたんぱく質で、その材料であるアミノ酸は大切な栄養素です。

古いたんぱく質は「資源ゴミ」です
じゃ、古い部品(主にたんぱく質やたんぱく質で出来た構造体)、つまり老廃物はどうなるのか?一部はそのまま腎臓などから排出されますが、多くは体の「資源ゴミ」としてアミノ酸に分解されて栄養素として再利用されます。

ポンヌフを行くセーヌ観光船REVdownsize
(ポンヌフ(Pont Neuf、新橋)を行くセーヌ観光船(再掲))
え、脳ゴミの老廃タンパクがアルツハイマー病の素に
しかしそもそも、たんぱく質老廃物がなんで脳では有害なの?老廃たんぱく質はどうやらアミロイドβ(amyloid β)など「たんぱく質凝集体」として脳に蓄積してしまいます。アミロイドβなどはアルツハイマー病、パーキンソン病など神経変性疾患を引き起こすらしい、少なくとも悪化させるようです。

睡眠不足だと脳がゴミ屋敷になりますよ
だから睡眠不足だと脳にゴミが溜まり、神経変性疾患のリスクが増すかも知れないと著者は警告しています。夜更かしが過ぎる私などはもう相当ゴミが脳に溜まっているのかも知れません。
実際、睡眠中のマウス君の脳では有害老廃たんぱく質、アミロイドβは覚醒中の2倍も排出されたそうです。


シャンジェ橋セーヌ観光船REVdwonsize
(シャンジュ橋(Pont au Change)とセーヌ観光船(再掲))
グリンパティック、「宅配便」もやってます
もちろん他のリンパ系と同じく、グリンパティック系の働きはゴミ収取だけでなく毛細血管から滲み出た栄養素や酸素を組織の脳神経細胞に運ぶ「宅配便」の働きもしています。


出典: 日経サイエンス2016年7月号P.72 「脳から老廃物を排出;グリンパティック系」 Brain Drain” Maikin Nedergaard氏、Steven A. Goldman氏共同執筆 (原典: Scientific American March 2016)

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リンパ系は体の大事な流通インフラ
「リンパ系」は血管系(動脈、静脈)と並んで体の大事な流通インフラです。毛細血管から組織に栄養素とともに各組織に滲み出た体液(ECM、Extra Cellular Fluid)は各組織からの老廃物を伴ってリンパ管に集められ胸管で大静脈に合流し、老廃物は肝臓、腎臓で処理されます。

リンパ系が回収した資源ゴミは肝臓で再利用
体の資源ゴミ、老廃物は、一部は「オートファジー(Autophagy)※」によって組織の細胞の中で分解、“再生”されますが、多くは「リンパ系」によって“ゴミ回収”され、肝臓などでアミノ酸などに再生されます。(※:オートファジーとは細胞内で不要なたんぱく質を分解する仕組みです)
脳のリンパ系、グリンパティック系も有害ゴミ回収の大切な働きをするようです。


グリンパティック系を使って脳疾患の新しい診断、予防、治療を・・
著者らはこの研究が、グリンパティック系を刺激して患者の認知機能を回復させる新しい予防・治療、あるいは、グリンパティック系の流れを“見える化”して新しい診断、などに繋がるのではないかと期待しています。
脳神経細胞に栄養素などがスムースに運び「脳の健康管理」にも役立つようになるかもしれませんね。

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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

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