一緒に遊んでお話し、子どもは天才【後編:マルチリンガル】+ブルターニュの小さな砦コンカルノー

一緒に遊んでお話し、子どもは天才【後編:マルチリンガル】
+ブルターニュの小さな砦コンカルノー



一緒に遊んでじかに話すが大切
(一緒に遊んでじかに話すが大切)
(illust-amembowさんのイラストを一部素材として使わせていただいております)

赤ちゃんは言葉も「統計をとって」覚えてゆく
「一緒に遊んでお話し、子どもは天才」前編では幼児は観察し、統計を取って学習してゆくと言うお話でしたが、言葉の習得においても赤ちゃんは周りの人が話すのを聞いて、発音(音素)の「統計を取って」いるのです。後編ではパトリシア・クール(Patricia K. Kuhl)氏の最新記事「赤ちゃんの超言語力」と同氏のスーパープレゼンテーションからご紹介です。
前編はこちらをクリックください↓
一緒に遊んでお話し、子どもは天才【前編:小さな科学者】+ブルターニュの小さな砦コンカルノー





コンカルノー港に舫う漁船たちdownsize
(コンカルノー港に舫う漁船たち)
すてきなプレゼン「赤ちゃんは語学の天才」
冒頭から“ミもフタもない話”ですが、こちらの出典著者の講演の方が面白く中身が確かです。
この著者クール氏のスーパープレゼンテーション(2011年) です。YouTtubeで見ることが出来ます↓(リンク貼っています)

「赤ちゃんは語学の天才」
“出演“の赤ちゃんたちがかわいく、日本語字幕もあります。

雨上がりの緑が美しい旧市街downsize
(雨上がりの緑が美しい旧市街Ville closeの路地奥)
ブルターニュの小さな砦コンカルノー(続き)
今回もフォトはフランスのブルターニュ漁港コンカルノー(Concarneau)の小さな要塞島の旧市街Ville close歩きです(すべて再掲)。
コンカルノー過去記事はこちらです↓
恐竜が発明しペンギンに贈ったものそれは羽毛 ブルターニュの小さな港コンカルノー
南ブルターニュ紀行コンカルノー


ちっちゃなカフェの黄色いテラス席downsize
(ちっちゃなカフェの黄色いテラス席で一休み)
長く無力な幼児期は自ら学ぶ大切な期間
ヒトの子供は常に世話する者が必要な「無力な幼児」の期間が、他の動物に比べてとても長いのです。言語、創造性、社会性などヒトを特徴づけるスキルは生まれつきではなく、赤ちゃんや幼児が日々見聞き観察し、周囲と接することで他者の経験や想いを想像し、統計を取りながら自ら実験し、理論構築することで身についてゆくようで、だから時間がかかるのです。

扉がショーケースの酒屋さんdownsize
(扉がショーケースの酒屋さん)
6か月からは音を聞き分け単語を理解する敏感期
赤ちゃんは日々の成長の中で、言葉を理解し、やがて話すようになります。生後6か月くらいから赤ちゃんの脳は「敏感期」に入り、まだ話せないけどママ、パパ、周囲の大人が話す言葉の発音(音素)を聞き分け、その音の組合せを単語としてものすごい速さで理解してゆくようです。

昔の船の錨が飾ってありましたdownsize
(広場には昔の船の錨が飾ってありました)
敏感期なら容易くマルチリンガルに・・
この「敏感期」の時期なら世界中の言語の800もある音素(発音)のどれでも聞き分けられるそうです。長じて母国語を流暢に(でも母国語だけを)話すときにはたった40くらいの音素しか使えなくなるのに。
この「敏感期」なら赤ちゃんはいとも容易に“マルチリンガル”になれますし、この能力は7歳くらいまで続くのだそうです。


陽射しが戻った海岸通りdownsize
(陽射しが戻った海岸通り、白壁がまぶしい)
一緒に遊んで話してあげることが大切
外国語はもちろん母国語を聞き分け、理解し、話せるためにはこの時期にママ、パパなど大人と“じかに接する”コミュニケーションが欠かせないと分かりました。ビデオや音声テープではダメなんです。
ほぼヒトにしかない「言語コミュニケーション」というスキルを乳幼児が健やかに育むためには何よりもママ、パパ、じじ、ばば、など周囲の大人が話しかけることが大切なようです。


石垣の門から港を望むdownsize
(石垣の門から港を望む)
米国幼児にいろいろな方法で中国語を聞かせると・・
米国(シアトル)の9か月児を4つのグループに分けて・・
グループ①: 中国語ネイティブスピーカーがおもちゃなどを使って一緒に遊ばせた
グループ②: 中国語で会話するビデオを見せた
グループ③: 単に中国語のテープを聞かせた
グループ④: 英語ネイティブスイーカーの学生が同じくおもちゃなどを使って遊ばせた
これを一月ほど12回繰り返しました。


街灯をかじるワニdownsize
(街灯をかじるワニ??)
大人がじかに話すと真のマルチリンガルになる
その後、中国語独特の(英語にない)発音(音素)xiなどを聞き取れるかテストするとグループ①の「中国語を話しながら遊んであげた幼児たち」だけが台湾(台北)の幼児たち(11か月児)と同じ成績だったそうです。「大人がじかに接して話してあげる」ことが子供たちの言語習得にいかに大切か、また、幼児なら「真のマルチリンガル」になれることが分かったそうです。

小さな港町コンカルノー道行く人もゆっくり歩くdownsize
(小さな港町コンカルノー、道行く人もゆっくり歩く)
音のつながりの「統計」を取って単語を聞き分ける
言語を問わず幼児が大人が話すのを聞いて言葉を覚えてゆくには、
まず①音素(発音)を聞き分けて覚え、
次に②それら音素の組合せである単語を認識し、
その上で③その単語の意味を理解する、必要があります。
話し言葉には読点、句読点、スペースや丸などはなく、音のつながりなのでこれを区切って「単語」として認識するには赤ちゃんは「統計」を取る必要があります。ある音素の次にある音素が続くことが多ければその音素のかたまりは単語です。


とっても小さな漁船一人乗りだろうかdwonsize
(とっても小さな漁船、一人乗りだろうか?)
その単語はしゃべる視線が指す物の名前
ある単語をしゃべるときその視線の先がいつも同じ物ならそれはその名前だと覚えます。
大人が何か物、例えば「アヒルのおもちゃ」を見ながら(視線を投げながら)その名前を「アヒルちゃん」としゃべると幼児は物と名前を結びつけます。話す人とおもちゃの両方を見ていた場合は単語として理解できたそうです。簡単?いえ、脳内ではとてつもないフクザツな情報処理をする必要があります。

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赤ちゃん言葉で話しかけるのは万国共通
赤ちゃんが話すのはバブバブと喃語(なんご)ですが、ママ、パパなど大人が赤ちゃんに話しかけるときも「おいちいでちゅね~」のような“赤ちゃん言葉”をつかいますが、これは国、言語によらず万国共通だそうで“マザリーズ(motherese)”と呼ばれます。

高い大きな声でゆっくり、はっきり話しましょう
おとなの日常会話とは違って赤ちゃんには高い音程の大きな声でゆっくり、そしてはっきり区切って話しかけますね、誰でも、無意識に。すると赤ちゃんは音素をちゃんと聞き分け、単語として区切って、理解できるようになってゆきます。“赤ちゃん言葉”-”motherese”はとても大切なんだそうです。

人との交流が学習の興味と動機につながる
言葉によらず赤ちゃんや子供たちがさまざまなヒトとしてのスキルを学習し(勉強じゃなくて)身に着けてゆくには人との交流が必要なようです(著者Patricia Kuhl氏は”social gating”と呼んでいます)。
学習するには興味、動機が大切なので、大人がじかに接したり、赤ちゃん同士で遊んだりすると脳の報酬系が働いているのではないか、と著者は予測しています。


母国語が上手になれば外国語は下手になる
米国、日本、台湾の6-8か月児と10-12か月児が英語、日本語、中国語の独特の発音(音素)を聞き取れるか、をテストするといずれの国の6-8か月児もいずれの言語の独特の発音を等しく聞き分けました。しかし10-12か月児ではそれぞれの母国語の成績が上がり、逆に外国語(日本人なら英語や中国語)は成績が下がりました。赤ちゃんの脳の神経ネットワークでは“刈込み”が進むようです。

前頭前皮質が天才を常識人に変える
赤ちゃんや子供たちの脳では何が起こっているのか?も分かり始めているようです。
乳幼児の脳の神経ネットワークでは神経細胞間の接続は大人よりはるかに多いけれど雑然としていてキチンと機能していません。やがて成長、経験、学習とともに神経接続は“その子に役立つ”ものを残して刈り込まれます。だから子供期の脳はとても柔軟です。


前頭前皮質が未熟なゆえの自由な発想、創造性
その中でも幼児期の学習によって成熟する前頭前皮質は完成まで長い年月がかかります、時に20代中頃まで。前頭前皮質は集中、計画、効率的作業を司りますが、子供は未発達。すぐ気が変わる、じっとしていない、無意味なことをしゃべったりやったり・・と子供の日々の様子を見れば納得ですね。
ところが、子供たちには前頭前皮質の制御による「大人の分別」がないからこそ、自由な発想でなんでも試して創造性を発揮できるようです。


「さえずり」の練習と同じ、聞いて覚えて試す
言葉を覚えるのに6か月から1年齢くらいの「敏感期」がなぜ大事なのか?
トリの雛は親鳥のさえずりを聞いて記憶していて、今度は自ら試しにさえずってみて違いを補正しながらやがて一人前にさえずれるようになるそうですが、ヒトも同じです。


賢いカラスも雛の期間が長い
ちなみに賢いトリであるカラス君は、例えばニワトリよりも、雛の期間がはるかに長く、その時期にカラスとしてのスキルを身に着けるようです。


コンカルノー(Concarneau)は南ブルターニュにあります
(コンカルノー(Concarneau)は南ブルターニュにあります)
出典:日経サイエンス誌2016年3月号p.44 「赤ちゃんの超言語力」 “Baby Talk” Patricia Kuhl氏執筆
出典(リンク): スーパープレゼンテーションPatricia Kuhl 氏講演“The linguistic genius of babies” 「赤ちゃんは語学の天才」(2011年)YouTtube
NHK(リンクなし): http://www.nhk.or.jp/superpresentation/backnumber/130729.html
出典:日経サイエンス誌2010年10月号p.48 「子どもはみんな科学者」””How Babies Think” Alison Gopnik氏執筆


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