古代のイルカ魚竜イクチオサウルス:ロンドン小旅行-1

古代のイルカ魚竜イクチオサウルス
ユーロスターでちょっとロンドンまで・・・





複合ホテルとEuroistar
(宿泊ホテルの前のロンドンタクシー)(Waterloo往きユーロスター)
ロンドンはパリの次に好きな海外の街、パリに暮らすまでは一番多く訪れていました。パリからロンドンへユーロスター(Eurostar)で3時間足らずのロンドン小旅行へ。出入国手続きも簡単で気楽に行けます。


パリと言えばカフェ、ロンドンと言えばパブ
複合ロンドンのパブ
(St James近くのパブ)
「パリと言えばカフェ」、と同じく「ロンドンと言えばパブ」、ですよね。もちろんまわりました、何軒も。改めて比べるとパブは重厚で装飾も分厚く内部も薄暗い、それにテラス席がない。でもビターをちびいりちびりやるにはヤニ色のカウンターに肘ついて、うん、やっぱりこのフンイキです


St James 公園のマガモのダンス
マガモの毛づくろいdownsize
(St James 公園出会ったマガモの毛づくろいダンス)
宿近くのセントジェームズパーク(St James Park)で朝の散歩。公園には池があり多く水鳥がいますが、まったく人を恐れません。1羽のマガモが僕の足元まで近寄り、毛づくろいのダンスをやってくれたのには感激。ロンドンの人たちがとても鳥たちを愛し大事にしていることが分ります。


魔法学校ホグワーツみたいなロンドン自然史博物館
複合自然史博物館
(ハリーポッターの魔法学校みたいなNatural History Museum(ロンドン自然史博物館))
今回小旅行のお目当ては博物館と美術館。地下鉄(Underground)サウスケンジントン駅(South Kensington)で下車し、自然史博物館に入るとまず高い吹き抜けのロビーがあり壁は植物など生物スケッチで飾られ回廊や階段など「ハリーポッター」に出てくる魔法学校ホグワーツ(Hogwarts)みたいで、この雰囲気は好きです。


恐竜がお出迎え
恐竜がお出迎えdownsize
(恐竜がお出迎え)
自然史博物館はあいにくの雨でも相変わらずの大人気。子供づればっかりで恐竜のコーナーに入るために何重もの列が出来ていました。そこでこの人気コーナーはパスしまっすぐお目当て魚竜のコーナーへ。


古代のイルカ、イクチオサウルス

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複合イクチオサウルス
(イクチオサウルスの巨大な目)(イクチオサウルス全身骨格)
イクチオサウルス(Ichthyosaurus/魚竜目( Ichthyosauria))、ジュラ紀から白亜紀にかけて海で繁栄した魚竜でその流線形のスマートなスタイルはまさに現代のイルカ。ボーリングの球みたいなとんでもなく大きな目(魚眼と同じく瞼はない)は感度バツグンで、今のマッコウクジラのように光がわずかしか届かない深海まで餌を求めて潜っただろうと言われる。水圧に耐えるためか目はドーナツ型の骨質で補強されそれが化石に「精悍な表情」を与えている気がします。聴覚器官も非常に発達していたようで、ひょっとしたら今のイルカのように鳴いて群れでコミュニケーションしていたかも。
魚竜の目については少し古いですが藻谷亮介氏が日経サイエンス2001年3月号で「ジュラ紀の海の支配者-魚竜」と題して詳しく解説しています。
魚竜は古代の爬虫類ですが恐竜とは違います。翼竜と同じく恐竜と同じ時代に恐竜とは別の道を選んで栄えた生き物でクジラやイルカのように一旦陸に上がった爬虫類が海に戻ったものです。
魚竜はそのスタイル、大きな目などからして捕食者(プレディター)として海の食物連鎖の頂点に君臨していたようです。子供に頃夢中になったジュールベルヌ(Jules Verne)作「地底探検」にもイクチオサウルスがチョイ役で出演しているし。そのような訳で昔からイクチオサウルスやプレシオサウルス(Plesiosaurus)など魚竜が結構好きです。


稀代の女性化石ハンターMary Anning
複合Mary Anningとクビナガ竜
(Rhomaleosaurus と Mary Anningの肖像)
時代を1世紀以上先行っていたイギリス稀代の女性化石ハンターMary Anning (1799-1847)の肖像画と彼女が掘り出したジュラ紀のクビナガ竜Rhomaleosaurusの堂々たる全身骨格(10m近い!)が一緒に展示されています。彼女が発掘した素晴らしい化石は数多くあります。しかし貧しい庶民であった彼女は生活のために発掘した化石を権威ある研究者に売っていましたから、これほど素晴らしい成果を上げながら業績は買った研究者のものになり当時はまったく正当に評価されなかったようです。肖像画の彼女からは鋭い観察眼と悲しくも強い意志が伝わる気がします。ピンクのかわいい羽根帽子のおばさんは説明員で洒落た演出ですね。


少なく産んで大事に育てる魚竜の胎生
イクチオサウルスの胎仔downsize
イクチオサウルスの胎仔説明図REVdownsize
(イクチオサウルスの胎仔)
実はイクチオサウルスは胎生でした、魚のように何万個も卵を産んで数で勝負ではなく、母親が胎内で1~数匹の数少ない仔イクチオを大事に育てたようです。これも仔イクチオがハンティングできるくらいにまで育てて海に離せば捕食されることはないという頂点に君臨するプレディターの証しでしょう。
「爬虫類の卵生から哺乳類の胎生へと進化した」と思いがちですが、実は違います。古い魚であるサメも一部は胎生ですし、生きた化石シーラカンスも胎生。はるか古代より卵生と胎生は混在していたようです。最近確認された一番古い例は3億5千年前デボン紀の板皮類(Placoderm)で「今の魚」硬骨魚類が出現するずっと前です(日経サイエンス2011年4月号「セックスの始まり("Dawn of the Deed)」
, John A. Long)。少し前にも子供を産んでいる途中の古代魚(だから胎生)化石(そのまま化石になるなんて天文学的な確率!)発見記事が科学誌に載っていました。
イクチオサウルスも「少なく生んで大事に育てる」戦略を取っていた訳でますます「古代のイルカ」のイメージです。

パリのお話と併せておりロンドンのお話もまた書いてみたいと思います。(Kenji)


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テーマ : 自然科学 - ジャンル : 学問・文化・芸術