水草のフシギ?種の旅は葉っぱの舟にゆられて+秋の華やぎ秋明菊

水草のフシギ?種の旅は葉っぱの舟にゆられて+秋の華やぎ秋明菊

つぼみと咲いたばかりの秋明菊REVdownsize
(つぼみと咲いたばかりの秋明菊)
秋の庭の華やぎ
水草の続編です。添えるフォトは我が庭のシュウメイギク(秋明菊)、華やぎが乏しくなる秋の庭に可憐に咲いていました。
水草前編はここをクリック↓
愛でたり食べたり身近な水草と秋色の水の街アヌシー続々編





アマモの種は葉っぱの舟に乗って
(アマモの種は葉っぱの舟で旅に出る)
水草は恐竜と同期生です
水草たちは、クジラやアシカと同じくもとから水中にいたのではなく一旦上陸した陸上植物が再び水に戻ったものです。その多くの祖先は美しい花を咲かせる被子植物で恐竜たちとほぼ同期生の中生代は三畳紀の出身です。

秋明菊の花にハチが訪問REVdownsize
(秋明菊の花にハチが訪問しています)
穏やかな水辺が水草の住まい
水草(みずくさ)は水の中ならどこにでもいる訳ではなく、多くは流れや波の穏やかな岸辺の浅い砂泥地に生えています。
水草は流されてしまわないよう流れの穏やかな、そして光合成をするので光が届く浅いところに棲んでいます。


名も知らぬ紫のつぼみREVdownsize
(名も知らぬ紫のつぼみ)
種(タネ)の旅は流れや翼に乗って
陸から水に戻ったので子孫を残すのは花を咲かせて種を実らせる必要があり、水面に近いところしか棲めません。
種(しゅ)の保存、繁栄のためには種(タネ)を遠くまで運んでもらう必要があります。ではどうやって?水流や海流に乗って旅をする、あるいは、水鳥の羽にくっついて運んでもらうものが多いそうです。


開き始めた秋明菊の花REVdownsize
(開き始めた秋明菊の花)
種(タネ)は泳げませんので・・
いずれにしても種たちは水に浮かんでいる必要があります。種そのものは新しいいのちのパッケージなので中身が詰まっていて水より重いのです。そこで種を浮かせる工夫が必要です。茎の浮きを付けたり、スポンジのようなさやにくるまれたり、笹ぶねのように葉っぱに乗ったり・・・と。

旅は葉っぱの舟に乗って
アマモ(甘藻、eel grass、Zostera marina)は海辺でよく見かける水草ですが、水より重いその種は葉っぱの舟に乗ってプカプカ、流れに乗って旅をして、別の海岸に辿りついて殖えてゆきます。
アマモの別名は「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し)」と言う一番長い名前だそうです、スゴイな。


日陰に清楚な白が印象的な秋明菊downsize
(日陰に清楚な白が印象的な秋明菊です)
マングローブの子供たちの水の旅
水草ではありませんが、潮間帯に繁るマングローブも種を水の流れに運んでもらいます。ヒメルギは種は“発芽”してから旅立ちます(胎生種子)。幼根をつけた種(タネ)はプカプカと新しい天地目指して航海してゆくのだそうです。
種たちの過去記事はここをクリック↓
美しくも楽しい種の本から学ぶ植物の毒戦略

地方色豊かな日本のアマモたち
アマモは日本列島各地の海岸に広く分布しています。しかしその群落には「地方色」があるようです。水中花が水中で受粉したアマモの種、葉っぱの舟で行く種の旅の行方は海流次第の“波まかせ“です。

だって環境にビンカンなんだもん
アマモは環境に敏感で自然の水辺で水質がきれいでなければ育たず「海岸の指標生物」でもあります。

横顔も爽やかな秋明菊REVdownsize
(横顔も爽やかな秋明菊)
アマモの舟は波まかせ
するとそれぞれの出発地からは流れ着きやすい場所があるためアマモは海域ごとの群落、互いに遺伝的に近いグループに分かれるそうです。この研究ではマイクロサテライト(microsatellite)という遺伝子DNAの中の反復配列(同じ塩基配列が繰り返す)の違いを見ています。

東京湾のアマモ
(東京湾のアマモの棲み分け)
湾内じゃなきゃ江戸前のアマモじゃねぇ
以下は出典の著者の研究だそうですが、かっては江戸前の海の幸を育んだ東京湾近辺のアマモは富津岬と観音崎とを結ぶ線より内側の湾内のグループと三浦半島や房総半島に沿ったいくつかのグループから成っているそうです。瀬戸内海では東と西のグループに分かれているなど、日本の海岸に沿っていくつものアマモのグループがあるようです。

見えない壁、潮岬沖の急流「黒潮」
潮岬の東西ではアマモのグループが違うだけでなく遺伝子の交流もまったくないそうです。地形だけを見れば外海に向かって広がっている潮岬周辺の海ですが、流れの強い黒潮が潮岬沖で南に大きく曲がる(右折です)ためアマモが潮岬を超えて流れ着けないのです。

咲き競う秋明菊downsize
(咲き競う秋明菊)
サカナたちの保育園、アマモ
アマモにサカナが産卵し、アマモに守られて稚魚が育ちます。海辺の藻場、「アマモ場」は生物多様性や水産資源が持続するために大切な場であるようです。アマモは水質を浄化し(リン、窒素などの栄養物質除去効果)、水に酸素を与える大切な役割を果たしています。また、沿岸の農業にとって貴重な肥料でもありました。

「水草展」
出典の著者、田中氏が中心となって今年(2015年)「水草展」が開かれたようです。以下はそのブログのURLです(リンク貼っていませんので、コピペして訪問してください)。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2015/08mizukusa/blog.php


出典: 「異端の植物『水草』を科学する-水草はなぜ水中を生きるのか?」2012年 田中法生氏著(ベレ出版)
出典: 「身近な植物に発見!種子たちの知恵」2008年 多田多恵子氏著(NHK出版)
出典: 「アマモ場利用法の再発見から見直される沿岸海草藻場の機能と修復・創生」平塚純一氏、山室真澄氏、石飛裕氏投稿 土木学会誌vol.88 no.9 P.79話の広場
出典: ウキペディア記事「アマモ」


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