帆船で“お宝プランクトン”を求め探検航海+港の寸景、フランス、ハマ、ハワイ、カプリ

帆船で“お宝プランクトン”を求め探検航海
+港の寸景、フランス、ハマ、ハワイ、カプリ

帆船タラ号で世界の海のプランクトン目録(データベース)を作る


ベルイル島の港に続く深い入り江に寄り添うような街並みdownsize

(ベルイル島の港、入り江に寄り添う街並み;フランスの南ブルターニュ地方)
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南ブルターニュのその名も「美しき島」ベルイル フランス街歩き番外編
フォトは帆船、マリーナ、漁港など海辺の寸景です
今回のサイエンス小ネタに添えるフォトは海辺の寸景です(再掲)。掲載フォトの過去記事はフォト下にリンク貼ってます





海洋プランクトンをメタゲノム解析

(海洋プランクトンをメタゲノム解析)
酸素の5割を生み食物連鎖を支える「縁の下の力持ち」
顕微鏡でしか見えないちっぽけな海のプランクトンたちですが、地球の酸素の50%を生産し、食物連鎖の「縁の下の力持ち」として海の生態系を支え、その結果、気候を安定させ、生き物と地球の物質の巡りにも大事な働きをしています。

白たえの女王日本丸REVdownsize
(白たえの女王日本丸; 港ヨコハマのみなとみらい)
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ハマの新開地朝の散歩で見つけたもの司馬さんを辿って

海の小さな生きものをあまねく集める
帆船タラ号で2009年から3年以上をかけて世界中の海を巡りプランクトン、つまり海に漂っている生き物たち、小はウイルスからバクテリア、藻類、大はサカナの稚魚までをそっくり集めて調べる国際研究プロジェクト「タラ海洋探査国際コンソーシアム("Tara Oceans Consortium”)」の最初の研究報告が今年2015年に出たそうです(Science誌2015年5月22日号;"Structure and function of the global ocean microbiome" Science VOL 348 ISSUE 6237, 1261359, 22 May 2015)

ワイキキ人も樹もKuhio Beachの夕闇シルエットdownsize
(ワイキキ、人も樹もKuhio Beachの夕闇シルエット)
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穏やかで優しいワイキキ虹の島ハワイの冬を行くその1
風亘るハウツリーの木陰で朝食をハワイの冬を行くその2
普段着で味わう素朴だけどおいしいハワイグルメハワイの冬を行くその3


今度は日本にも来てね
その船、帆船タラ号は世界40か国の研究者を乗せフランスはロリアンの港を出港しました。地中海、大西洋、インド洋、東太平洋、北極海と巡り世界の海の210か所からプランクトンを採取したそうです。
京都大化学研究所教授緒方博之氏ら国際プロジェクトチーム(※)などが日本から参加していますが、残念ながら日本近海は含まれていません。次は黒潮、親潮が流れる豊かな海を調べに来てほしいですね。(※:http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20150525000082/print:リンク貼っていません)


オンフルール旧港の古い木の家downsize
(オンフルール旧港の古い木の家;フランスのノルマンディ地方)
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得も言われぬ狐の嫁入り;オンフルール再訪[前編]
深まりゆく藍色の街に灯が暖かい;オンフルール再訪[中編]
かくれんぼの路地と隠れ家ホテル;オンフルール再訪[後編]


わっ!ちっちゃ、現在の海洋冒険だ
小さなプランクトンを探す帆船タラ号の写真をウェブで探してみると、おやまぁ、とっても小さな、帆船と言うよりこれはヨットです。こりゃやっぱり現在の海洋冒険、科学者の苦労と熱意が偲ばれます。(タラ号の写真、リンク貼っていません:https://scontent.cdninstagram.com/hphotos-xaf1/t51.2885-15/s640x640/sh0.08/e35/11809974_1631480097126587_1059831415_n.jpg)

小船がひしめくカプリ港downsize
(小船がひしめくカプリ港;南イタリア)
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ナポリ湾の宝石カプリ島で「大事件」目撃のはずが・・・

この際、分子遺伝学とITを駆使して・・
調査に使ったのは分子遺伝学とITを駆使するメタゲノミクスの手法。集めた多種多様なプランクトンたちを1つずつ個々に調べるのではなく、その遺伝子DNAをまとめて分析しデータベースに落としてから、どんなものがどのくらいの種類や数いるのかをまとめてコンピューター解析する方法です。

人の目に留まる者はほんの一部だけ
プランクトンに限らず海や山の“野生”の目に見えない小さな生きものを見つけ、確認する場合、従来の培養などを使う方法では目に見えるほど増殖してくれるのはそのほんの一部に限られます。

ブルージュ水辺の風景downsize
(ブルージュ水辺の風景;北ベルギーの水の都)
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馬車が走る再生した水の都ブルージュ:ベルギー編第1回

メタゲノミクスが明かす海の“サイレントマジョリティー”
でもこのメタゲノミクス(metagenomics)的なアプローチなら、そのままでは個々の細かいことは分からないながら、網羅的で“見落とし”がない利点があります。

海のプランクトンは予測の10倍の15万種、8割が新しい遺伝子
その結果海のプランクトンは、これまで予測されていた1万1千種の10倍以上、15万種もの種類がいることが判りました。この調査で採取された遺伝子4千万種の内、80%が新たに発見されたものだそうで、我々はまだ自然のほんの一部しか理解していないのかも知れませんね。

沖を行くヨットHau Tree Lanai REVdownsize
(沖を行くヨットHau Tree Lanai;ハワイ、ワイキキ)
小さな者たちの持ちつ持たれつ
更に相互に遺伝子DNAを解析することで、例えば共生関係など生き物同士の関係も推測が可能です。DNA解析から海の無脊椎動物、無腸動物と微細藻類の共生関係が予測されました。そこで実際に顕微鏡で調べてみると無腸動物の体内に微細藻類が棲んでいたそうです。多くの場合、海のプランクトンたちは「適者生存」の競合よりも、共生の「持ちつ持たれつ」の平和的関係であることも分かったそうです。

プランクトンたちは温暖化に敏感です
210か所のプランクトン採取箇所の気象、海象のデータも同時に取った結果、プランクトンたちの生態は日照、塩分濃度、風、海流など色々な自然条件の内、何よりも海水温に敏感であることが分かったそうです。つまりプランクトンたちは地球温暖化にとても敏感なようなのです。

海の渦が生き物を分けている
また、喜望峰沖の海流が作る渦が、インド洋と大西洋とのプランクトンを分けている障壁らしいことも遺伝子解析から分ったそうです。

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(白い女王の貫録日本丸;ヨコハマ、みなとみらい)
データベースの極意は「一意性」「継続性」「網羅性」
科学者や技術者が無駄な繰り返しを避け、協力して共通のデータや知識を利用するにはデータを誰でも、違った視点からでも使えるデータベースが役立ちます。“使えるデータベース”の要件は様々あると思いますが、「一意性(Aさんの赤色もBさんの赤色も同じ)」「継続性(去年も今年も同じやり方で)」「網羅性(生徒全員に聞きました)」が大事な3点です。

「網羅性」も満たすメタゲノミクスのアプローチ
生きものや地球など複雑なヘテロの系では特に「網羅性」を満たすのが容易ではありません(森の虫を全部調べたと簡単に言えますか?)。その点でもタラ号のプロジェクトのメタゲノミクス手法はとても優れています。

白い船体が朝陽に映える日本丸downsize
(白い船体が朝陽に映える日本丸;ヨコハマ、みなとみらい)
とても役立つ♪冒険的基礎研究♪
タラ号の世界帆走航海はそれだけでも現在の冒険とロマンですが、世界の人々の暮らしにとても役立つ、科学的にも意味の深い国際的な基礎研究です。

地球の課題を解決するには手間のかかる地味な研究が大切
このような研究は時間も手間もかかる地味な研究ですが、国境や利害を超え様々な地球の課題を解決するための基盤を提供する大事な研究活動です。

出展: Nature (2015-05-21) | doi: 10.1038/nature.2015.17612 | Global ocean trawl reveals plethora of new lifeforms
出典: Science誌2015年5月22日号;"Structure and function of the global ocean microbiome" Science VOL 348 ISSUE 6237, 1261359, 22 May 2015
出典: 「プランクトンの世界:新しいフロンティア-タラ海洋探査からの最新情報-」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/150522_2.html/view
出典: 「タラ海洋探査がもたらした最新のプランクトン情報」京都大学化学研究所
http://www.kuicr.kyoto-u.ac.jp/a_topics/topics_150522.html


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