トビハゼの「水の舌」、龍角散の「服薬ゼリー」で吸引捕食~成功を繋ぐ者、捨てた者~+ストラスブール番外編

トビハゼの「水の舌」、龍角散の「服薬ゼリー」で吸引捕食~成功を繋ぐ者、捨てた者~+ストラスブール番外編

トビハゼWikipedeiaより
(これがトビハゼ君。ウキペディアよりちょっと拝借、神戸市立須磨海浜水族園での展示だそうです)
ウキペディア記事「トビハゼ」
トビハゼ君は水陸両用仕様です
ハゼの仲間トビハゼ(Periophthalmus)は「水陸両棲魚類」で、生活のかなりの部分を陸上(空気中)で過ごします。ムツゴロウによく似ていますが少し小ぶりで汽水域の干潟をピョン、ピョンと跳ねて移動します。なぜか英語ではeel fish、つまり“ウナギサカナ“・・て、ウナギも魚と違うんかい!
ちょっと前の水陸両用の話題の記事はこれです↓
名機スピットの地味な兄弟は海のレスキュー隊 ウォーラス小型飛行艇





浜で暮らすトビハゼ君にちなんでフランス、アルザス地方の街ストラスブールの水辺の風景を添えています。
ストラスブールの過去記事です↓

水に囲まれたプティットフランスはディズニーアニメの世界
ストラスブールはアルザスの香り木組みの家並みが陽にまぶしい


石積みの端と伝統家屋downsize
(石積みの橋と伝統家屋)
地上でのお食事マナーは「水の舌」
当然お食事も地上、水のない空気中ですが、このトビハゼ君、かなりユニークな餌取りをすることが分かったそうです。
1. 水中で口に水を含んでおく
2. 陸上の餌にそって近づき、水を吐きだし餌を水で包み込む
3. 素早く水を吸い込むと餌も一緒に吸い込まれる
・・・と言う方法で、「水の舌(water tongue)」と名付けられています。


ノートルダム大聖堂を遠望する静かな運河REVdownsize
(ノートルダム大聖堂を遠望する静かな運河)
一瞬で餌を丸呑み、「吸引捕食」と言うスゴ技
サカナなど海の動物の捕食のスタイルには“噛みつく”ほかに“水と一緒に餌を吸い込む”「吸引捕食」があります。待ち伏せしていた大きなサカナが、まるで掃除機みたいに、近づく小魚を一瞬の早業で水ごと吸い込むのをTVなどで見たことありませんか?

堰からほとばしる水REVdownsize
(堰からほとばしる水)
上陸準備!ひれヨシ!うきぶくろヨシ!・・ところで、食事は?
約4億年前デボン紀にサカナは上陸しまず両生類にその後哺乳類、爬虫類などの四肢類へと進化しました。水中から陸上に移ったことでヒレが脚になりウキブクロが肺になったように移動や呼吸の変化、進化はよく分かっています。
両生類上陸前後の生きた化石の過去記事はこれ↓
サカナですけど練習次第で歩けます!生きた化石の発生可塑性+Wooden Wonderモスキート

運河堤の静かな午後REVdownsize
(運河堤の静かな午後)
まだまだ分からない「食べる」歴史
しかし、捕食についてはまだあまり分かってないようです。噛みつくのは水陸共通の技だとしても、吸引捕食は上陸とともにどうなったのでしょう。

アルザス伝統の木骨造の家々downsize
(アルザス伝統の木骨造の家々)
華麗な舌技は上陸後に生まれた
陸上動物では舌が発達し舌で獲物を捕まえ素早く飲み込むことが出来ます。カエルのハエ獲りやカメレオンを捕食を見ればわかりますね。でもサカナの舌は発達しておらずそんな芸当はできません。

「水の舌」は過渡期の姿か?
このトビハゼのような水の舌を使う陸上での吸引捕食は、進化の過程でカエルなど両生類の捕食に至る中間段階にあたるのかも知れませんね。

アーチ橋と赤い家REVdownsize
(アーチ橋と赤い家)
ベストセラー「服薬ゼリー」は「水の舌」の原理
話変わって、最近TVCMで龍角散の服薬ゼリーをよく見かけますが、この新製品で倒産の危機を脱して売り上げが倍増したそうです。この服薬ゼリーの仕組みや効果はトビハゼ君の「水の舌」にそっくりです。

船が通るたびに回転する橋downsize
(船が通るたびに回転する橋)
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
龍角散は江戸時代の秋田藩から綿々と続く老舗の良薬ですが、現在には合わない飲みにくい粉薬。ジリ貧、倒産危機の中、敢えて新薬を追わず、薬の飲み易さを追う、伝統を捨てた逆転の発想の「服薬ゼリー」が大ヒット、社運を救ったのだそうです(外から来た社長の英断らしい)。

小さな水門とBarrage Vauban堰REVdownsize
(小さな水門とBarrage Vauban堰)
水の舌、所詮は海兵隊なのか?
トビハゼ君は吸引捕食の伝統を地上でも使えるよう水の舌を発明しましたが、その後の四肢類の捕食の主流にはなりませんでした、ヒゲクジラのような変わり種もいますが。
「水の舌」は水際でお役目御免の内陸には進軍しない「海兵隊」だったのでしょうか?


古い橋をスマートなトラムが渡るdownsize
(古い橋をスマートなトラムが渡る)
伝統を護る者、捨てる者
龍角散は伝統を捨て、新しい薬の飲み方を提案し成功しました。どっちがいいんでしょうかね?
ちなみに陸上では「水の舌」を巧みに使うトビハゼ君ですが、なんと水中では餌を捕まえるのが下手なんだそうです。


出典:natureダイジェスト2015年6月号P.7「『水の舌』で獲物を捕えるトビハゼ」”Fish uses ‘water tongue’ to grab prey on land” Daniel Cressey氏執筆(原典:Nature on line Nature News & Comment 18 March 2015)
出典:「倒産の危機から、売上高2倍の龍角散」東洋経済2014年12月24日
出典:ウキペディア記事「トビハゼ」

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