高山のお花畑は毒の饗宴、それでもヒトはサラダで喰らう+フランスのサラダグルメ

高山のお花畑は毒の饗宴、それでもヒトはサラダで喰らう+フランスのサラダグルメ
~ 毒を制し、毒を操るは料理の神髄; 葉っぱ物語りその2 ~

前編: 1つのキノコが地球の歴史を変えた 北仏ノルマンディー再び

オリジナルレシピの「まぜまぜサラダ」downsize
(「まぜまぜサラダ」の出来上がり、一応オリジナルレシピです)
春たけなわサラダの季節「春をまぜまぜするサラダ」
春たけなわ、野菜もおいしい季節です。サラダのサイエンス小ネタにつき春サラダの過去記事にリンクしておきます↓。一応オリジナルレシピなんですけど・・・。
過去記事:春をまぜまぜするサラダ





生(なま)もおいしいパリやヨーロッパのグルメ
サラダつながりでフランスやヨーロッパで出会ったり「生(なま)」のグルメや自作のサラダのフォトを添えています。文末の過去記事リンクを貼っています。

オマールのサラダはパリ(Paris)のカフェ Le Villageのランチdownsize
(オマールのサラダはパリ(Paris)のカフェ Le Villageのランチ)
お花畑は「美しい毒」の饗宴です
アルプスなど高山の色も鮮やかなお花畑は雪に閉ざされた冬から解放された春の宴ですね。
でも美しいお花畑の草花の多くは毒を持つ、つまり有毒植物です。リンドウ科、サクラソウ科、キンポウゲ科など。


アヌシー(Annecy)朝市の野菜たちdownsize
(フランスアルプスの麓、アヌシー(Annecy)朝市の野菜たち)
牧草が食べ尽くされたら有毒植物の天下
放牧される家畜がときに牧草などを食べつくすと過放牧になります。そのような過放牧地では草1本なくなるかと言えばそうではありません。動物が避ける有毒植物の天下になります。これが高山のお花畑です。

アルカション(Arcachon)のビスケー湾生ガキは絶品downsize
(ビスケー湾の港町、アルカション(Arcachon)の生ガキは絶品)
動物は毒も苦みも食べません、でもヒトは喰らう
ヒト以外の動物は有毒植物を食べません(食べたら種が滅ぶ)。また、有毒のシグナルである苦み成分を持つ植物も食べません。苦みの素は、アルカロイドなど主に植物が虫などに喰われないための防衛として作りだすものです。わさび、芥子など辛味ももともとは樟の樟脳と同じ防虫成分です。

ブリュッセル(Bruxelles)名物イワシのマリネREVdownsize
(ブリュッセル(Bruxelles)名物、イワシのマリネ)
サラダの知恵は栄養面と衛生面のバランス
サラダの基本は【生野菜+酢+油+塩】ですね。これは抗菌、防カビなどの衛生面とビタミン(特に水溶性ビタミン)摂取の栄養面の両面を上手に満たす昔の人々の知恵です。更にサラダのドレッシングは油と酢などが細やかに混ざるエマルジョンになるからこそ香り高くおいしくいただけます。
関連過去記事はこれ↓
ソースのミソは水と油が仲良しのエマルジョンかも

横浜自宅でのタコとキュウリの和え物REVdownsize
(横浜自宅、自作のタコとキュウリの和え物、芥子を利かすのがコツ)
下ごしらえしないと毒ですよ
そのサラダの材料となる野菜はフシギなことに、苦味があったり、あく抜きなど前処理をしないと有毒であったりする植物です。

リスボン(Lisbon)で味わうムール貝のサラダREVdownsize
(リスボン(Lisbon)で味わうムール貝のサラダ)
3大サラダ野菜はアブラナ科、セリ科、キク科
たくさんある植物の種類【科】の中でサラダに使われる野菜はアブラナ科、セリ科、キク科とたった3つの科(+ナス科)が中心だそうです。

キブロン(Quiberon)の夕暮れの飲むサラダはブラディマリーdownsize
(南ブルターニュのキブロン(Quiberon)、夕暮れに「飲むサラダ」はブラディマリー)
食中毒を防ぐアブラナ科の抗菌成分
アブラナ科にはみな抗菌成分「からし油配糖体」が含まれ、その代表はワサビや芥子のもとカラシナです。寿司のわさびは酢飯の酢やバランともに抗菌作用で食中毒を防ぐ目的だったのでしょう。
ワサビ、芥子で経験するように「からし油配糖体」は空気に触れて有効成分になり辛味の刺激と香りが特徴です。アブラナ科には他にキャベツ類、菜の花など菜っ葉全般があります。


ボルドー(Bordeaux)ホテルの生ホタテのサラダREVdownsize
(ボルドー(Bordeaux)ホテルの生ホタテのサラダ)
強烈な個性のセリ科
セリ科にはセロリ、パセリ、セリ、コリアンダーなどがあり、いずれも強烈な香りが特徴ですね。また、キク科にはレタス、チシャがあります。

植物の香りは警告コミュニケーション
植物は動けないから逃げられない、牙もないから退治も出来ない。その代り毒の仕込みと併せて植物同士のコミュニケーションネットワークで昆虫など食害を防ぎます。植物が放つ香りの揮発物質は植物と植物、あるいは植物と昆虫の間のコミュニケーション物質です。
関連過去記事はこれ↓
植物は“危険の香り”を盗み嗅いで守りを固める

バルセロナ(Barcelona)夜のサラダ?ブルーマルガリータdownsize
(バルセロナ(Barcelona)夜のサラダ?ブルーマルガリータ)
飢えを凌ぐ調理がグルメ文化を生んだ
ヒトは火を手に入れ、牧畜や農耕を興し、文明社会を築いてようやく飢えから解き放たれるとグルメになりました。保存食の肉魚では栄養素、特にV.Cなど水溶性ビタミンが不足しがちです。そこで生の野菜を食べるサラダが古代文明の食卓に載るようになったそうです。
関連過去記事はこれ↓
プロメテウスの贈り物-火がヒトの高速進化を生んだ?+フランスで出会った一皿たち

毒を制し、毒を操るは料理の神髄
野菜の下ごしらえなどは毒を制するヒトの知恵ですね。あく抜き、あくとは主にアルカロイドでたいていは毒です。植物の毒や苦み、えぐみを塩分処理(板擦りや塩茹で)、酸処理(酢水、マリネ)、アルカリ処理(灰分を入れる)、加熱(煮る)、水抽出(流水に曝す)などで無毒化したり、沈殿させ、あるいは洗い流して除きます。

サラダは植物とご先祖からの贈り物
本来は防虫、抗菌、抗カビ作用でわが身を守るために植物が作り出す「毒」を、ヒトは「下ごしらえ」や「調理」という文化でうまく手なずけ、上手に食生活に利用してきたのでしょう。
サラダはそんな植物と先人の知恵の贈り物ですね。


出典: 「サラダ野菜の植物史」2004年 大場秀章氏著(新潮選書)
出典: ここで取り上げた植物のウキペディア記事など


今回出典は少ない代わりにフォトでご紹介した各地の過去記事をリンクしておきます。
ご興味あればクリックください↓

フランスアルプスの宝石アヌシー番外編
真冬のアルカションは大西洋の嵐の中
飴色のビアカフェでブリュッセルの夜が深くなってゆく:ベルギー編第2回
ヴァンドームからヴィラージュへ;晩秋パリ散歩その1
リスボンの迷路を行く-赤屋根が重なるアルファマの坂道は懐かしい風景(リスボン-3)
ママチャリで行くキブロン半島とフランス温泉旅館
大河ガロンヌが潤すワインの郷ボルドーは大人の街
憧れのガウディに会いに行く南欧バルセロナ


過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV

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