天才航空機デザイナー、エド・ハイネマンと優雅な子供たち

天才航空機デザイナー、エド・ハイネマンと優雅な子供たち

翼をたたんで休憩中REVdownsize
(翼をたたんで休憩中、パリ郊外Ferte AlaisエアショーのA-1スカイレーダー)
天才ハイネマンの子供たち
添える写真はパリ郊外Ferte Alaisエアショーに出演のハイネマン設計の傑作機A-1スカイレーダーです。その他は出展などからお借りして少し加工しています。





スターウォーズに出てきそうな未来デザインのF3Dスカイレイ
(エド・ハイネマンが賞を取った50年代の未来デザインF4D)
3Dでダグラスのカッコ良さを知る
昔、ヒコーキ少年だった頃、ダグラス社(Douglas)の飛行機にはいくつかカッコいいのがあるなぁ、と言う印象を持ちました。
その後Airfix 1/72のボストン(RAF Boston III)のプラモを組んで、そのデザインに立体的に触れたとき「なるほどシャープ」と感心しました。


A-4F Blue Angels側面図downsize
(ブルーエンジェルスの乗機にもなった傑作機A-4スカイホーク)
美しく、シャープ、スマートなヒコーキたち
A-20ボストン/ハボック(Boston/ Havoc)、A-26インベイダー(Invader)、A-1スカイレーダー(Skyraider)、A-4スカイホーク(Skyhawk)、F4Dスカイレイ(Skyray)、A-3スカイウォーリア(Skywarrior)などなど、すべて直線と曲線の組合せが美しくスマートで、特に平面形がシャープです(スカイナイト(Skynight)は例外として・・)。
後に、これらはすべてエドワード・ヘンリー・ハイネマン氏(Edward Henry Heinemann)のデザインであることを知りました。


デザートボストン2面図downsize
(ハイネマン出世作DB-7/A-20ボストンは砂漠でも活躍、デザート塗装です)
二人の天才が生んだ名機SBD
名機SBDドーントレス(Dauntless)はもう一人の天才ジャック・ノースロップ氏(John "Jack" Knudsen Northrop)デザインのXBT-2が基礎ネタでハイネマン・チームが仕上げています。

エンジン始動REVdownsize
(エンジン始動!A-1スカイレーダーの出番です)
「ミスター攻撃機」ハイネマン
飛行機の名デザイナーではシドニー・カム卿(Sydney Camm)のように派手な戦闘機を設計する人が多い中で、ハイネマンがデザインした機体はほとんどが地味な攻撃機(attacker)です。ハイネマンは「ミスター攻撃機(Mister Attack Aviation)」と呼ばれたそうです。

主翼を伸展し離陸準備REVdownsize
(主翼を伸展し離陸準備のA-1スカイレーダー)
ヒコーキにぜい肉は要らない
ハイネマンは漫然とした水ぶくれのような機体を嫌い、スリムでぜい肉のない機体に強力なエンジンを搭載したコンパクトな高性能機を目指したようです。
「ハイネマンの子供たち」、A-20ボストン、A-26インベイダー、A-1スカイレーダー、A-4スカイホークをそれぞれの時代のライバル、例えば、メリーランド、B25ミッチェル、ワイバーン、F105サンダーチーフなどと比べてみれば判ります。


滑走路へタキシング中downsize
(滑走路へタキシング中のA-1スカイレーダー)
クイズです・・・
ところでダグラス、デハビランド、ノースロップ、フォランド、バルティーに共通するものは何でしょう?
すべて航空機デザイナーにして航空機産業黎明期に航空機ベンチャーを興したアントレプレナー(創設者)であり、しかもその個人名がそのまま社名になっています。


ハイネマン最初のヒットA-20ボストン/ハボックdownsize
(ハイネマン最初のヒットA-20ボストン/ハボック)
ハイネマン若き日の出会いはアメリカン・ドリーム
無名の若きハイネマンが出会った若者には後の高名な航空デザイナーやアントレプレナー、ダグラス、キンデルバーガー(ノースアメリカン創設)、ノースロップ、バルティーなどがいます。まさにヒコーキのアメリカンドリームの時代だったんでしょうね。

発進downsize
(発進!A-1スカイレーダー(おじさ~ん、邪魔!))
ヒコーキ・ベンチャー興隆の時代
2つの大戦の狭間は航空機が当時の先端ハイテク工業として飛躍的な発展を遂げた時代です。
まったく新しい産業には数多くの、今日で言えば、ベンチャー企業が参入し、多くの若い航空機デザイナーが才能一つでのし上がっていった時代でもあったのではないでしょうか?


A26戦後仕様downsize
(A26、戦後仕様マーキング)
デザイナーの個性が映えた佳き日々
また、今と違って1960年代くらいまでは航空機のデザインにデザイナーの個性が出せる佳き時代であったように思います(今では車もヒコーキも互いにコピペみたいな外見ですね)。

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開発戦略、交渉能力に優れたリーダー
ではそのダグラスの下で才能をふるったハイネマンは「経営は苦手な優秀な技術屋」だったのでしょうか?写真なんか見るといかにもそんな感じもするのですが。
ところが、例えば、AD(A-1)スカイレーダー誕生逸話によると設計手腕だけでなく、開発戦略、交渉能力、リーダーシップにも秀でていたことが分かります。


「もっと良いものを創るからカネをくれ!」
次の艦攻の3社競争試作中、自社の今の試作機では勝てないと判断したハイネマンは米海軍の評価会議の席上で「今のはボツにする。代わりに今の予算でもっと良い機体を創らせてくれ」と独断で要求しました(社長には事後承諾)。同僚でさえ「気でも触れたのか!」と驚いたそうです。

一晩の設計で無理難題をしのぐ
「じゃ試作費用の流用は認めるが9ヶ月で完成が条件」の軍の難題に、一晩の徹夜で図面をひいたデザインが後の傑作機A-1スカイレーダーです。
工場に戻ったハイネマンは直ちに部下を招集し突貫の開発を開始。「軽量化」と言う明確な目標、現場問題の発掘と即解決、部下への信頼とチームワークで期日以前に初飛行したスカイレーダーは初めから素直な高性能機としてデビューしました。


用意周到、英断が生んだ名機A-1スカイレーダー
一晩の設計はもちろんゼロからではなくハイネマンは秘かにスカイレーダーの構想を温めていたとも言われます。用意周到、英断、交渉力、実行力、リーダーシップいずれも兼ね備えた一流の企業家でもあったようです。

後の恩人をクビにしたダグラス社
高校中退の若き日のハイネマンは航空工学などを独学で学び晴れてダグラス社に入社します。が、あろうことか後に功労者となるこの苦学の天才をダグラス社は解雇してしまいます。
その後何社も航空機ベンチャーを渡り歩き様々ウヨキョクセツもあって、ハイネマンはM&A後のダグラス社に戻って大活躍し、天才の手腕を発揮します。


最初のヒット作はA-20ボストン
ハイネマン設計・開発のDB-7(後のA-20 Boston/Havoc)がフランスに売れて(でも電撃戦でたちまち負けイギリスが引き取るのですが)ハイネマン最初のヒット作となりました。

F-16がハイネマン有終の美
時は移り、幾多の実績を挙げて「円満に定年退職」したハイネマン最後の仕事はやはりベストセラーとなったF-16の開発だったそうです。

ドラマティックじゃないところがやっぱりハイネマン
「永年の夢が叶った無尾翼機B-2を前に涙した晩年のノースロップ」のような“劇的”な逸話はありません、ハイネマンには。しかし、ハイネマン設計に駄作機なし、しかも皆美しい機体ばかり。やっぱり天才デザイナーです。

出典: 「艦攻スカイレーダー戦闘発進;ミグを撃墜したプロペラ機」”Skyraider: The Douglas A-1 “Frying Dump Truck”” 1982年 Rosario Rausa氏著、芳地昌三氏訳(1985年、サンケイ出版)
出典: 「世界の傑作機 No150 :ダグラスA-4スカイホーク」 “Famous Airplanes of The World: Douglas A-4 Skyhawk” 2012年、文林堂
出典: 「世界の傑作機 No127 :ダグラスA-26インベイダー」 “Famous Airplanes of The World: Douglas A-26 Invader” 2008年、文林堂
出典: ウキペディア
“Ed Heinemann” http://en.wikipedia.org/wiki/Ed_Heinemann
「エド・ハイネマン」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%8D%E3%83%9E%E3%83%B3

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