健康も食糧生産もささえる小さな下宿人マイクロバイオーム

健康も食糧生産もささえる小さな下宿人マイクロバイオーム

前回と同じく添えるフォトはパリやフランス各地の街角の花たち、すべて再度の掲載です。写真下のタイトルをクリックすると過去記事に飛びます。
前回記事はこちら↓
「持ちつ持たれつ」マメ科と根粒菌の地中コミュニケーション

南ブルターニュの街カンペールを流れるオデ川辺は花がいっぱいdownsize
(南ブルターニュの街カンペール
オデ川辺は花がいっぱい クリック↓)

川面に花が映える陶器の街カンペール(南ブルターニュの旅続編)





植物と微生物の対話
前回ご紹介した「マメ科と根粒菌」だけでなく、多くの植物はその周りに棲みつく微生物との組み合わせが決まっていて、特定の植物と特定の微生物たちと互いに化学信号を出し、また、受け取り、さかんにコミュニケーションを行っているようです。このようなコミュニケーションは根粒菌など共生微生物だけでなく、病原菌との間にもあるようです。この場合は軍用機の電子戦(RCM)のように互いに裏をかき合うかけひきですが・・・。

パリ郊外ルヴァロアの小公園ヒアシンスdownsize
(パリ郊外ルヴァロアの小公園ヒアシンス クリック↓)
パリは花の街、隠れた見どころプランシェット公園
切っても切れないパートナー、マイクロバイオーム
ヒトにも他の動物にも、そして植物にも、たくさんの種類の微生物がくっついて暮らしています。これらの微生物たちを「マイクロバイオーム」(microbiome)と呼びます。

下宿人の細胞の数は10倍
(下宿人の細胞の数は10倍)
からだじゅうがマイクロバイオーム; ビフィズス菌、ピロリ菌など
有名なのにヒトなどの消化管に棲んでいる「腸内細菌」があります。そのほか皮膚や口の中などを合せるとヒトの細胞の10倍の数の微生物がヒトの体に棲んでいます。

下宿人の遺伝子の数は1500倍
(下宿人の遺伝子の数は1500倍)
1500倍の“他人の遺伝子”と暮らす日々
ヒトのマイクロバイオームの微生物の種類は1000種以上でそれらの遺伝子の種類はなんとヒト遺伝子(2万から2万5千個くらい)の1500倍、約330万個です。当然宿主であるヒトの健康にさまざまに関わりがあります、ビフィズス菌やピロリ菌は有名ですね。

ブルゴーニュ地方ディジョン街中スイセンの花壇downsize
(ブルゴーニュ地方ディジョン街中スイセンの花壇 クリック↓)
ブルゴーニュのグルメに会いにゆくディジョン再訪紀後編
フクロウ君の案内でディジョン再訪前編
雨に煙るディジョン、花の凱旋門:ブルゴーニュ紀行続編

技術革新が加速するマイクロバイオーム研究
ヒトや動物のマイクロバイオームの研究はDNAシーケンサーやコンピューターの革新で急速に進みましたが、最近、植物マイクロバイオームの研究も加速されているようです。

ミクロの地中世界
植物に棲む微生物「植物マイクロバイオーム」と言えばマメ科植物の根粒菌がよく知られていますが、ヒトの場合と同じく、これ以外にも葉の表面、花の中にもたくさん棲んでいます。
更に、張り巡らされた根の周囲の地中世界にまでマイクロバイオームは広がっているようです。「動かない」植物ですが、根を伸ばすことで膨大な微生物とやりとりをしているようです。


コートダジュールの村ヴィルフランシュシュルメール駅ホーム下の崖は花がいっぱいdonsize
(コートダジュールの村ヴィルフランシュシュルメール
小さな駅のホーム下の崖は花がいっぱい クリック↓)

冬のコートダジュール、ヴィルフランシュシュルメールの朝
互いに選ばれたパートナー
根粒菌の場合と同じく他の植物マイクロバイオームも宿主の植物と特定の組合せがあるそうです。例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の根には主にアクチノバクテリア類、プロテオバクテリア類、バクテロイデス類、クロロフレクサス類の微生物が選ばれて棲んでいて、これは野にある野生株も人工環境下の栽培株も同じだそうです。

植物マイクロバイオームを見直して食糧増産を・・
ヒトの腸内細菌の場合と同じく、当然「マイクロバイオームは植物の生育や健康に大事な貢献をしているんじゃないか?」→「じゃ、マイクロバイオームをうまく利用すれば世界の食糧生産を増やせるんじゃないか?」と言うアイデアが出ます。
実際、グローバル企業も農薬、肥料、遺伝子組み換えなどに替わって微生物を利用する製品開発に動き初めているようです。


ブルターニュ漁村ロスコフの花に埋もれた教会Roscoff16downsize
(ブルターニュ漁村ロスコフ、花に埋もれた教会 クリック↓)
漁船も干上がる干満差、北ブルターニュの小さな港ロスコフ
古くて新しい関係に学ぶ
古くから知られている知恵(日本の畔のレンゲ草、トウモロコシと大豆を一緒に植えるインカの畑)に新しい研究の視点(植物マイクロバイオームや化学コミュニケーションの研究)を組み合わせることで21世紀の食糧問題、人口問題、気象変動課題に取り組み、解決する研究や技術のヒントがあるのかも知れませんね。

出典: 日経サイエンス2014年10月号P.18「祝物マイクロバイオームに注目;共生菌が作物の成長を促進している可能性がある」
出典: 日経サイエンス2012年10月号P.38-63特集「マイクロバイオーム;細菌に満ちた私」


過去の記事リストは下のイラストをクリック
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV

↓良かったらクリックをお願いします


1クリックで1円、協賛企業から寄付されます
大震災支援募金新アイコンKT20131025

ホスピタリティクリック募金

東松島市の仮設住宅の方々の工芸品ご紹介のブログにリンクしています
banner-himawari2.jpg
スポンサーサイト

テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する