「持ちつ持たれつ」マメ科と根粒菌の地中コミュニケーション

「持ちつ持たれつ」マメ科と根粒菌の地中コミュニケーション

添えるフォトはパリやフランス各地の街角の花たち、すべて再度の掲載です。写真下のタイトルをクリックすると過去記事に飛びます。

パリ郊外ルヴァロワのプランシェット公園のチューリップdownsize
(パリ郊外ルヴァロワのプランシェット公園のチューリップ ↓クリック)
パリは花の街、隠れた見どころプランシェット公園

荒地に生きるマメ科のパートナー
栄養の乏しい荒地でも、肥料を与えなくても、レンゲ草などマメ科植物は良く育ちますが、それはご存じ根粒菌が栄養素の有機体窒素を作ってくれるからです。マメ科の根のこぶ、根粒が根粒菌たちの棲家です。





マメ科と根粒菌の持ちつ持たれつ
(マメ科と根粒菌の持ちつ持たれつ)
持ちつ持たれつの相利共生
根粒菌は光合成を行わず糖分などエネルギー源は宿主の植物からもらいます。お互い持ちつ持たれつの「相利共生(Mutualism)」ってやつです。

マメ科と根粒菌のコミュニケーション
(マメ科と根粒菌のコミュニケーション)
コミュニケーションが支えるWin-Win
でもお互いハッピーのWin-Win関係の影には植物の調節の仕組みと植物と菌のコミュニケーションが働いていて、これが奥の深い巧妙な仕掛けであることが最近の研究で分ってきたようです。

ミヤコグサWikiよりdownsize
(黄色いミッキー「都草」ウキペデェア記事「ミヤコグサ」から拝借しています)
淀君が愛でた都草はモデルになりました黄色いミッキーみたいなミヤコグサが今回の主役。
京に咲いていたから都草、淀君が愛した花ゆえ「淀殿草」、名の由来も異称も美しいミヤコグサは今や「モデル」になっています。ゲノムサイズが小さく育てやすいため植物研究のマメ科モデル植物として大人気なんです。


コルマー花で飾られた運河downsize
(コルマー花で飾られた運河 ↓クリック)
アルザスの小さな宝石箱コルマー訪問番外編
「おとぎの国」コルマー紀行

空き室あり入居募集、三食付き!
マメ科多年草ミヤコグサ(都草、Lotus japonicus)は根に根粒菌を呼び寄せるために誘引物質を出します。でもマメ科植物と根粒菌は結構厳密にパートナーが決まっていてミヤコグサには特定の根粒菌しか棲みつきません。マメ科はレンゲでもダイズでもみな同じような関係を築いています。

パリ郊外ジャット島ボートハウスと花REVdownsize
(パリ郊外ジャット島ボートハウスと花 ↓クリック)
スーラの名画はご近所のセーヌ中之島、ジャット島でした
パスポートを拝見
まず入居者を募集し<フラボノイドの1種を化学信号として出す>、“由緒正しい根粒菌”かチェックの上で根の下宿に入居させます。ミヤコグサの根に近づいた根粒菌はその種類に特有に信号物質<糖脂質の1種>を出して「返事」します。これを“確認”して初めてミヤコグサはミヤコグサ専門の根粒菌を取り込み根粒と言う棲家を作ります。

水に垂れそうな花で飾られたティウー運河downsize
(水に垂れそうな花で飾られたティウー運河 ↓クリック)
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ 第1章
三食付き「窒素固定」のおシゴト
やがて「下宿部屋」根粒の中で根粒菌が増えると空気中の窒素をアンモニアなどの「有機体窒素」に変える「窒素固定」を行い、この有機体窒素を養分にしてミヤコグサが育ちます。
一方、光合成が出来ない根粒菌はミヤコグサから「三食」糖分をもらってエネンルギー源にします。だから「持ちつ、持たれる」、Win-Winの相利共生です。


葉と根のコミュニケーションで適正管理
(葉と根のコミュニケーションで適正管理)
満室になりました
でも根粒菌が多すぎると折角光合成で作った糖分を持って行かれる上に有機体窒素も余ってしまい、結果、マメ科植物は育ちが悪くなってしまいます。そこでそろそろ有機体窒素が十分と葉など地上部分が“感知“<HAR1受容体>したら根にシグナル物質<サイトカイニン>を送り根粒菌の取り込みを停止します。

パリ17区ペレール大通公園の赤いバラdownsize
(パリ17区ペレール大通公園の赤いバラ ↓クリック)
パリ「ばらの散歩道」ペレール大通り
地中の静かなコミュニケーション
ミヤコグサに限らずマメ科は特定のパートナーの根粒菌を正しく選び、“共倒れ“にならないよう棲家の根粒の数を適正に調節するため、様々な化学物質を操る静かでエレガントなコミュニケーションを行っています。

身近な大家族マメ科
マメ科は大家族でミヤコグサ以外にも馴染みのある植物も多く、肥料飼料になるゲンゲ(レンゲ草)、クローバー、ウマゴヤシ(アルファルファ)、ツメクサ、豆を食べるダイズ、アズキ、エンドウ、インゲンマメ、ソラマメ、ナタマメ、ラッカセイ、ヒヨコマメ、役立つアラビアゴムノキ、花を愛でるフジ、スイートピー、ハギ、ネムノキ、アカシア、オジギソウなどなど・・。

世界の化学工業に匹敵する根粒菌の恩恵
今でもマメ科根粒菌が固定する有機体窒素の量は工業的に合成する窒素肥料の量に匹敵します。古来、人々は根粒菌のおかげで食糧を得てきたことが分ります。

出典: プレスリリース「根粒の数を調節する転写因子 〜根粒共生の省エネルギーシステムの起動スイッチを発見〜」(2014年09月23日、自然科学研究機構基礎生物学研究所、独立行政法人農業生物資源研究所)
http://www.nibb.ac.jp/press/2014/09/23.html
出典: プレスリリース「植物ホルモンのサイトカイニンは葉から根に長距離移動してマメ科植物の根粒数を制御する」(2014年09月19日、自然科学研究機構基礎生物学研究所、国立大学法人総合研究大学院大学、独立行政法人理化学研究所)
http://www.nibb.ac.jp/press/2014/09/19.html
出典: 「植物の生存戦略;『じっとしているという知恵』に学ぶ」2007年「植物の軸と情報」特定領域研究班編(朝日新聞社)
出典: 「花の日本語」2007年 山下景子氏著 (幻冬舎)


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