サカナですけど練習次第で歩けます!生きた化石の発生可塑性+Wooden Wonderモスキート

サカナですけど練習次第で歩けます!生きた化石の発生可塑性+Wooden Wonderモスキート
~ 「生きた化石」その3 ~


似た者同士ポリプテリスとモスキート
(似た者同士ポリプテリスとモスキート)
驚異のサカナと驚異の木製傑作機
今回の主役は日本じゃ馴染みの薄いポリプテルス君、結構スマートな肢体でカワカマスにも似てますね。
で、苦し紛れに写真は「カワカマスを見てデザインの発想を得たのでは?」との噂の”Wooden Wonder”(驚異の木製機)ことモスキート(de Havilland社製 DH.98 Mosquito)です(再掲)。

ポリプテルスのウキペディア記事(リンク)





モスキトーB35 RAF博物館にてdownsize
(モスキート(Mosquito )B35; RAF博物館にて)
4億年を生き抜いたスゴイ魚です
ポリプテルス(Polypterus、Bichir)はアフリカの淡水に棲む条鰭類の仲間で4億年も生きながらえてきた「生きた化石」の1つです。シーラカンスに近いとも言われています。
「生きた化石」の過去記事はここをクリック↓
街路樹になった生きた化石イチョウの逞しい生き様
カブトガニの献血運動が生物多様性を救う 化石みたいな傑作機


ポリプテルス君は結構スマートなスタイルです(ウキペディアより)REVdownsize
(ポリプテルス君は結構スマートなスタイルです(ウキペディアより拝借))
干ばつにも耐える体のしくみ
乾季など往々にして水が枯れる湖に棲むポリプテルスは鰓と併せて肺を持ち、鰭は丈夫で干上がって陸に上がっても体を支えられる環境に順応したサカナです。

幼い頃から歩く練習をしてみると・・・
じゃ、このポリプテルスに「幼い頃から歩く練習」をさせるとどうなるのか?
Emily M. Standen氏、Trina Y. Du氏、Hans C. E. Larsson氏らはポリプテルスを普通に水中で飼うグループと干ばつを想定して陸上(空気中)で飼うグループに分けて育ててみました。


正確無比の高速パスファインダーMosquitoこれはB35downsize
(正確無比の高速パスファインダー(嚮導機)、モスキート)
サカナですけど歩けるようになりました!
すると陸上グループの鰭はたくましくなって体の真ん中(正中線)寄りになり、これで踏ん張って顔(頭)を上げてパッパッと歩けるようになったそうです(写真で見るとトカゲのようなクネクネ歩きですが)。一方、水中グループは鰭で歩こうと思っても滑ってしまうそうです。

RAF博物館の一等席に展示されているモスキートdownsize
(RAF博物館の一等席に展示されているモスキート)
環境(空気中)が体のつくりを変えた
体づくり(発生)のユニークな仕組みの1つにdevelopmental plasticity(発生可塑性)があります。『氏より育ち』、同じ遺伝子でも環境次第で体のつくりや働きが変わります。これが発生可塑性です。
陸上と言う環境がポリプテルスの骨の構造と筋肉組織の変化をもたらしたようです。


モスキトーの心臓マーリンエンジンdownsize
(モスキトーの心臓マーリンエンジン)
動物上陸のシミュレーションです
この研究は我々の遠い祖先である魚がどのように海の中から上陸したのか、のシミュレーションです。そしてこの発生可塑性が魚の上陸(terrestrialization、陸生動物化)を後押ししたのではないかと言うのです。

なるほどカワカマスなモスキートdownsize
(なるほどカワカマスなモスキート)
4度の大絶滅を生き延びるたくましさ
それにしても乾季で干上がっても上陸して頑張るポリプテルスはさすが「生きた化石」です。ポリプテルスが生まれた4億年前と言えば魚の歴史の初めのころ古生代デボン紀です。
ポリプテルスはその後のビッグファイブと言われる5大絶滅の内の4回を生き延びたことになります。


モスキートと同じ、優れたデザインと多用途性で成功
「生きた化石」として4億年を生き抜いたそのヒミツは(1)体づくりの基本が優れていること【優れた基本設計】、(2)環境や状況変化に応じて新しいNiche(生態的地位)でも柔軟に対応できること【どんな任務もこなす多用途性】でしょう。ほら、傑作機モスキートと同じだ!

出典: natureダイジェスト2014年11月号 P.31 「前進するのに最適な鰭」“Best fin forward”
原著文献の要約: Nature volume 513 number 7516 2014/9/4号“Developmental plasticity and the origin of tetrapods” http://www.nature.com/nature/journal/v513/n7516/abs/nature13708.html?lang=en


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コメント

Re: 単純に

ありがとうございます、“ポリプテルス君になり代わって”おほめに感謝です。
おっしゃる通り、生き物で何億年「変わらない」=「変わらなくてもやっていける」と言うのはスゴイことだと思います。
lakmeさんはエイがお好きなんですね。エイは小さい頃、大阪で良く食べました、その頃は安いかったですし。パリでもランチメニューにあり私も結構好きでした。

> 「スゴイ!」と感激しました。
> うちの旦那さんは、自然科学系が大好きなので、山に行けば、山の虫やら動物やら木がどうやってサバイバルを遂げたか等を熱弁し、海に行くと、話止まらずといった感じです。一緒にシュノーケルをし、水中で会話が可能だったら一体どうなっていたことかと思いました。。。化石と言えば、エイの話が好きですね。私がエイをメインディッシュで注文すると、うんちくが始まります。でも、水の中の動植物達の方が、陸の仲間達より人間に知られていないものが多いので、神秘的ですね。。。

単純に

「スゴイ!」と感激しました。
うちの旦那さんは、自然科学系が大好きなので、山に行けば、山の虫やら動物やら木がどうやってサバイバルを遂げたか等を熱弁し、海に行くと、話止まらずといった感じです。一緒にシュノーケルをし、水中で会話が可能だったら一体どうなっていたことかと思いました。。。化石と言えば、エイの話が好きですね。私がエイをメインディッシュで注文すると、うんちくが始まります。でも、水の中の動植物達の方が、陸の仲間達より人間に知られていないものが多いので、神秘的ですね。。。

鍵コメを頂いた方へ(管理人)

鍵コメを頂いた方へ
こちらこそありがとうございます。 管理人 Levalloisbee

Re: 水陸両用

コメントありがとうございます。
ヒトも水の中でも暮らせるといいですね、イルカやクジラが陸からもどったように。
ものの本を読むと、進化は普段アイドリングでも時々アクセルを踏み込むみたいです。

> 生物の進化って、何世代も重ねて到達するかと思ったら
> 一世代の内でずいぶん進化を遂げるものなのですね。
> もしも世界から陸が無くなったら
> 人間はすぐに水中で生きていけるよう適応できるのでしょうか…。

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水陸両用

生物の進化って、何世代も重ねて到達するかと思ったら
一世代の内でずいぶん進化を遂げるものなのですね。
もしも世界から陸が無くなったら
人間はすぐに水中で生きていけるよう適応できるのでしょうか…。
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