ミツバチたちはスマートな意思決定で生き残る

ミツバチたちはスマートな意思決定で生き残る

かわいい白の花REVdownsize
(かわいい白の花・・名前忘れました)
ミツバチ(蜜蜂)を愛する人が書いた2冊の本
1冊目はミツバチの日常生活の知恵とフシギについて(関連過去記事は下をクリック↓)、もう1冊はミツバチ集団の生死を賭けた分蜂の越冬場所選びについて、今回はこれをご紹介。
写真はミツバチとは仲良しの庭の花たちです。






出典: 「ミツバチの会議」”Honeybee Democracy” 2010年 Thomas D. Seeley氏著、片岡夏実氏訳(2013年 築地書館)
出典: 「ミツバチの世界」”Phanomen Honigbiene” 2007年、Jugen Tautz氏著、丸野内棣氏訳(2010年 丸善㈱)


ハチたちの過去記事はここをクリック↓
パリ郊外ルヴァロワの市章ミツバチには秘密がいっぱい
仲間の顔を見分けるアシナガバチ一億年進化の知恵


シャクヤクのクローズアップdownsize
(シャクヤクのクローズアップ)
ていねいな「ミツバチ民主主義」
ミツバチの意思決定はていねいな手順を踏んだ上で最後には全員一致で選んだ営巣場所へと飛び立ちます。「一族の命運を賭け新天地目指す」ので全員一致が絶対条件なのです。これが出典の原題でもある”Honeybee Democracy”(ミツバチの民主主義)なのです。

緑のクリスマスローズREVdownsize
(緑のクリスマスローズ)
分蜂; 若い女王に“家督”を譲って旅立つ
光といのちの溢れる春と夏の野花の蜜と花粉でミツバチの巣は子孫も貯えも増えます。やがて秋、新しい女王が決まるとそれまで王権をふるっていた女王は巣のメンバーと貯えを二分し、あらたな営巣地を探して旅立ちます。これが分蜂です

黄色のビオラdownsize
(黄色のビオラ)
♪冬が来る前に・・♪扇型スイープ偵察
分蜂した古い女王の集団は越冬に適した巣作りの場所を急ぎ選定しなければなりません。秋の足音は駆け足ですから。まずはベテラン働き蜂が偵察に出ます。海戦で哨戒機が分担して扇型スイープで敵影を求めるように。

幹から咲いた桃の花REVdownsize
(幹から咲いた桃の花)
いい物件はありますか?
偵察隊員は営巣候補地を、マンション物件を探すように、物色し見つけたら品定めを行います。時に偶然も働き、各偵察蜂が持ち帰る物件情報はピンからキリまでです。

スノーフレークの可憐な花REVdownsize
(スノーフレークの可憐な花)
「暖房完備、治安良好、通勤至便」
帰巣した各偵察蜂は探してきた物件の魅力の程度、「安心して冬が越せそうか」、「お花畑は近いか」など、蜜花を見つけた時のダンスと同じく、動きの角度と頻度、持続時間(熱心さ)などで候補地の場所と魅力度を巣内の仲間(働き蜂)に伝えます。

小さなアジサイREVdownsize
(小さなアジサイ)
新築物件の現地見学ご一行様
アピールが強い(候補地として魅力的)ほど多くの働き蜂の人気を集め、現地視察に行った蜂が今度は宣伝側に回ることで人気が高まります。

定期的に咲くナゾの花downsize
(定期的に我が家の庭に咲くナゾの花)
人気投票を繰返すと一人勝ちが出てくる
人気投票に敗れた偵察蜂はやる気を失いダンスをしなくなり、場合によっては人気の候補地のサポーターに変わってしまいます。この[偵察→評価→アピール→人気投票]を何日か、何度か繰り返すうちにだんだん“過半数の票”を集める候補地が出てきます。

ピンクのサクラソウdownsize
(ピンクのサクラソウ)
サポーターが左右する「ミツバチ総選挙」
ここから先がミソで、人気投票→サポーターの現地のツアー→人気の一極集中となるまで繰り返し、人気のない候補地の偵察蜂にヤル気を失わさせる神経系の仕組みも手伝って、分蜂集団の全員が一致するまでハチたちは根気よく待ちます。

テッセンは夏の花downsize
(テッセンは夏の花)
寒さに耐えて“X-Day”を待つ
この段階まで分蜂集団は身を寄せ合って塊になり、偵察蜂は別として、失神手前まで体温を下げ、活動を抑えて、集団意思決定のX-Dayまで辛抱強く待機します。越冬にすこしでも貯えを残すためです。
機が満ちたとベテラン働き蜂が判断すると・・・


薄紫があざやかな花downsize
(薄紫があざやかな花)
新天地を目指して“一斉離陸!”
「一斉にエンジン始動」、ハチたちは翅を震わせ体温を上げ、やがて「一族の命運を賭けて」まだ見ぬ新しい巣へ全員揃って一斉に飛び立ちます。
働き蜂たちはそれぞれ、ある者は女王を護り、あるいは幼虫を抱え、食糧である花粉を背負って・・・。


咲きかけのボタンREVdownsize
(咲きかけのボタン)
小さな脳による理想のデモクラシー
ミツバチたちはあの小さな脳でなぜこのように“完璧な民主主義による理想的な意志決定”ができるのでしょうか?
翻って「民主主義国家」である日本に住む私たちが、なぜ、しばしば「政治が意を反映していない」不満や不安を感じるのでしょうか?


「一蓮托生」と「呉越同舟」
著者も「答えはない」とし、「ミツバチの会議」が即、政治やビジネスなどに応用出来るとは言っていませんし、これ以上は私の“邪推”ですが・・・
ミツバチは巣の場所を間違えれば越冬できず“全員死にます”、冬さえを凌げば“すべて血縁の新しい巣”が春には繁栄します。つまり運命共同体として「一蓮托生」、ハチたちの利害は完全に一致しています。
一方、国・自治体、会社、学校、時には家庭でさえ、私たちの利害は必ずしも同じではなく往々にして「呉越同舟」です。“決定”に恨み、不満、トラブルの種を遺さないためには“利害が一致出来る範囲”で折り合う、その道具として民主主義をうまく使う・・・ってことなんでしょうか???


過去の記事リストは下のイラストをクリック
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV

↓良かったらクリックをお願いします


1クリックで1円、協賛企業から寄付されます
大震災支援募金新アイコンKT20131025

ホスピタリティクリック募金

東松島市の仮設住宅の方々の工芸品ご紹介のブログにリンクしています
banner-himawari2.jpg

スポンサーサイト

テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: No title

イヴまま様、いつもありがとうございます。冬が早い北海道のミツバチたちにはこれから越冬の試練なのですね。秋に咲く花は大事な食糧庫、イヴままさんのエールを受けてせっせと蜜や花粉を集めていることでしょう。無事越せるといいですね。

> こんにちは Levalloisbeeさん
> 札幌はもうすぐ雪の季節だというのに
> お庭にまだ咲いている コスモスや薔薇たちに
> みつばちさんが来ています。
> 思わす がんばれがんばれって
> つぶやいちゃった。

No title

こんにちは Levalloisbeeさん
札幌はもうすぐ雪の季節だというのに
お庭にまだ咲いている コスモスや薔薇たちに
みつばちさんが来ています。
思わす がんばれがんばれって
つぶやいちゃった。

Re: No title

タカ子さんも読まれましたか。なかなか面白い本でした。ポイントはタカ子さんの1.2.3.の通りですね。他人と違った目的な価値観が人たる所以の1つなら「ミツバチの会議」のような満場一致は難しいですが、折り合える落としどころを探してその範囲で手を打つ(合意する)のもヒトの知恵かも知れません。

> そうそう、「ミツバチの会議」読んだ読んだ、と本を引っ張りだしてみました。
> 1、多様な選択肢を明らかにする。2、選択肢についての情報を自由に述べる。
> 3、最良の選択肢を選ぶために情報を集約する。
> 簡単そうだけれど、これは目的が全員一致だからできることで、
> 生きる意味や目的が多種多様な人間には、そのままあてはめるのは無理があるのでしょうね。
> 今年5月には「みつばちの大地」という映画も上映されました。
> ミツバチがいなくなると、世界中の農業が立ちいかなくなるとか。
> 元気に働いてもらいたいものです。

No title

そうそう、「ミツバチの会議」読んだ読んだ、と本を引っ張りだしてみました。
1、多様な選択肢を明らかにする。2、選択肢についての情報を自由に述べる。
3、最良の選択肢を選ぶために情報を集約する。
簡単そうだけれど、これは目的が全員一致だからできることで、
生きる意味や目的が多種多様な人間には、そのままあてはめるのは無理があるのでしょうね。
今年5月には「みつばちの大地」という映画も上映されました。
ミツバチがいなくなると、世界中の農業が立ちいかなくなるとか。
元気に働いてもらいたいものです。

Re: 壮大なロマンを感じます

その通りだと思います。花に合せてハチが、ハチに合せて花が進化してきたそうですし。日本でもハチ、特にミツバチは農家にとって作物受粉のとても大切な助っ人のようです。少し前ミツバチのナゾの失踪事件(感染症説などありますが)が世界中で起こり、まだ未解決らしく心配ですね。lakmeさん家がミツバチを飼うとプレイエルお嬢さんはどんな反応をするんでしょう。

> うちの旦那さんはハチの偉大さについて常に語ってきます。日本の大学の研究室はハチの研究で権威があってウンヌンと、にわかハチ研究科に返信することもしばしばあります。ハチは今、農薬のおかげで数が激減しているという話。ハチなくして、果実は育ちませんから、農薬以上に必要なはず。さあ・・・、今後、どうなっていくのか。。。うちの旦那さんは、ハチを飼うと言い出さないか不安ですけど。

壮大なロマンを感じます

うちの旦那さんはハチの偉大さについて常に語ってきます。日本の大学の研究室はハチの研究で権威があってウンヌンと、にわかハチ研究科に返信することもしばしばあります。ハチは今、農薬のおかげで数が激減しているという話。ハチなくして、果実は育ちませんから、農薬以上に必要なはず。さあ・・・、今後、どうなっていくのか。。。うちの旦那さんは、ハチを飼うと言い出さないか不安ですけど。
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する