「空賊」グンカンドリ、バイオロギングが明かした空中生活

「空賊」グンカンドリ、バイオロギングが明かした空中生活

~バイオロギングその4~


【お詫び】
すみません。何かのマチガイ、手違いで予約投稿記事3本分が今日公開になっていました。
このままでもいいのですが、出来ればゆっくり順に記事を読んで頂きたく改めて「予約」に戻しました。拍手までいただきながら申し訳ありません。
来週後半から数日ブログを離れますが、予約記事が改めて上がりますのでよろしくお願いします。
(9月8日 Levalloisbee)


二重反転プロペラのSpitfire PR IXXくつろぐパイロットと護衛のお兄さん (仏Ferte Alaisエアショー)downsize
(二重反転プロペラのSpitfire PR IXXくつろぐパイロットと護衛のお兄さん)
(パリ郊外Ferte Alaisエアショーにて)
「空賊」グンカンドリ
グンカンドリ(軍艦鳥、Frigatebird)はその名の通り、『紅の豚』の空賊(air pirates)マンマユート団よろしく他の海鳥に「空中戦」を挑み、捕った餌を空中で横取りします。





Clipped wingのSpitfire Vb (仏Ferte Alaisエアショー)downsize
(Clipped wing(切断翼)のSpitfire Vb) (Ferte Alaisエアショー)
グンカンドリの「空中生活」
海鳥なのに潜ることもなく、水面にも浮かばず、遥か大海原を飛び続ける「グンカンドリの空中生活」はバイオロギングが初めて明かしたオドロキの生態です。
バイオロギングの過去記事はこれ↓
空飛ぶ者たちを追う愉快なローテク; バイオロギングその3
海のトップスイマーマグロでも陸のママチャリ並みです;バイオロギングその2
ご自宅拝見バイオロギングで垣間見る動物の私生活 南ブルターニュ キブロン


グンカンドリの旋回性能のヒミツ
(グンカンドリの旋回性能のヒミツ)
空中戦に強いグンカンドリの翼面荷重は小さい
なぜそんな芸当ができるのか?空中戦に強いグンカンドリのヒミツは、体重の割には翼が広い、つまり低い翼面荷重にあるようです。
海鳥の飛翔の過去記事はこれ↓
海鳥、翼竜、マリタイム機に共通するものとは?

RAF博物館入口で迎えてくれる銀ピカのSpitfire 多分FVII型downsize
(RAF博物館入口で迎えてくれる銀ピカのSpitfire 多分FVII型でしょう)
翼面荷重とは?
翼面荷重とは翼の面積あたりの背負うべき重さ(荷重)で運航時のペイロード(運べる荷物の重さ)にも反映し、翼が広いほど負担は軽くなります。【翼面荷重 = 体重(自重)(kg) ÷ 翼の面積(m2)※】
グンカンドリの翼面荷重は空戦相手(=餌を奪う相手)のカツオドリの半分です。スピット、ムスタング、ゼロ戦と同じで格闘戦に強いのです。
(※: 2種の海鳥の翼面積は翼開長と飛翔する写真のシルエットからテキトーに計算したものです)


名機の翼面荷重比較
(名機の翼面荷重比較)
空戦に強いSpitは高速なのに翼面荷重が小さい
空戦性能つながりでフォトはスピット(Spitfire機)のまだご紹介していないスナップです。英米独の大戦機を比較してみるとスピット(Spitfire)は高速なのに翼面荷重が小さく(かつ馬力荷重が大きく)格闘戦に強いことが見て取れます、グンカンドリと同じで・・・。

Spitfire Vの心臓Merlin 45 エンジン英RAF博物館downsize
(Spitfire Vの心臓Merlin 45 エンジン)
(ロンドンRAF博物館)

空中戦で奪った餌は空中で食べる
空中でグンカンドリに空中戦を挑まれたら他の海鳥には勝ち目はなく、追われるうちにとうとう餌を落としてしまいます。それをグンカンドリは素早く空中でキャッチし、奪い取った餌は空中で食べます。まさに「空賊」。
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Spitfire PR IXXの帰還REVdownsize

(Spitfire PR IXXの帰還) (Ferte Alaisエアショー)
バイオロギングが明かすリアルな餌取り
なぜそんなことが分るのか?動物に計測装置を預けて自ら記録してもらうバイオロギングで初めてグンカンドリのリアルな餌どりが分ったそうです(加速度計を仕込んでおけば空中機動のデータが取れます)。

Spitfire Vbを囲んでおしゃべりREVdownsize
(Spitfire Vbを囲んでおしゃべり) (Ferte Alaisエアショー)
グンカンドリの空中生活、無着水長距離洋上飛行
更に驚きのヒミツがバイオロギングで明らかに・・・。グンカンドリは一旦海に出ると常に空を飛び、海には入らず、他の海鳥、特にカツオドリが潜って捕った餌の魚を空中で横取りするのです。
空中で食べ、空中で眠り(大脳半球が交替で)、“「魚群を追う海鳥」を追って”大海原を何日も「無着水長距離洋上空中生活」です。


5枚ペラのSpitfire XIVe エンジンはGliffon (RAF博物館)downsize
(5枚ペラのSpitfire XIVe エンジンはGliffon) (RAF博物館)
長距離飛行性能を左右するアスペクト比
アスペクト比とは翼長を平均弦長(翼の幅)で割った値で、同じ翼面積なら高い、つまり細長い方が巡航時(クルージング)により省エネ、より長時間飛ぶには適しています。グンカンドリのアスペクト比あアホウドリの8には及ばないですが、約5.5(※)と高い値です。海の風に乗ってグライダーのようにソアリング(滑翔)で無着水飛行を続けることがバイオロギングで明らかになったようです。
(※: 飛翔する写真のシルエットから勝手にテキトーに計算した値ですので悪しからず)


Spitfire Vbのタキシング顔を出さないと前が見えませんREVdownsize
(Spitfire Vbのタキシング顔を出さないと前が見えません)
(Ferte Alaisエアショー)

思い込みのないからこそ見えたもの
グンカンドリのこのような生態は、“思い込みがまったく入らない”バイオロギングだからこそ思いもかけず明らかになった研究成果のようです。

お家(英Duxford IWM博物館)で休むSpitfire Vb EP120号機downsize
(お家(英Duxford IWM博物館)で休むSpitfire Vb EP120号機)
(Ferte Alaisエアショー出演と同じ機体です)

再び、バイオロギングとは?
以前にもご紹介しましたが、バイオロギングは動物に計測機器を預けて(託して)自然の状態で24時間、365日ひたすら自分たちで記録してもらうという、これまでに例のない、画期的な研究方法です。
すると、これまで思いもよらなかった動物たちのリアルな日常生活が次々と“スクープ”されるようになりました。


最後に言い訳
今回の話題、グンカンドリの「空戦性能」を理解するには、その比較対象として、複葉機でもなく、後退翼のジェット機でもなく、単葉で直線翼のレシプロの大戦機がふさわしいように思い比べて見ました(航空力学をちゃんと理解しているわけではありませんのでゴメンなさいなのですが・・・)。

出典: 「ペンギンが教えてくれた物理のはなし」 2014年 渡辺佑基氏著(河出ブックス)
出典: 「バイオロギング;『ペンギン目線』の動物行動学」 2012年 内藤靖彦氏、佐藤克文氏、高橋晃周氏、渡辺佑基氏共著(成山堂書店)
出典: 「海鳥の行動と生態; その海洋生活への適応」 2010年 綿貫豊氏著(生物研究社)
出典: 「飛行機のスタイリング」1995年? 佐貫亦男氏著(グリーンアロー出版社)
出典: ウキペディア記事
オオグンカンドリ(日本語)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%B0%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA
グンカンドリ属(日本語)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E5%B1%9E
グンカンドリ(Frigatebird)(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Frigatebird
カツオドリ(日本語)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%84%E3%82%AA%E3%83%89%E3%83%AA
カツオドリ(Brown booby)(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Brown_booby


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