『群れたがり人目気にする遊び好き』“ガキっぽさ”でヒトは生き延びた+ストラスブール

『群れたがり人目気にする遊び好き』“ガキっぽさ”でヒトは生き延びた+ストラスブール
~「心のネオテニー」は気まぐれ進化のステキな贈り物~


木組みと壁のコントラストに花が良く似合うdownsize
(木組みと壁のコントラストに花が良く似合う、フランス東部ストラスブールのプティット・フランス地区)
ヒト繁栄の鍵はガキっぽさ(ネオテニー)
27部族(ヒト属、Homo)の唯一の生き残り“賢いヒト”(ホモ・サピエンス、Homo sapiens)こと私たち人間の成功の鍵はネオテニー(neoteny、幼形成熟)らしいのです。
いくつになってもボクたちって“ガキ”だもんネ。






初夏の陽に葉影が優しい広場downsize
(初夏の陽に葉影が優しい広場)
おとぎの国の街、ストラスブール
今回添えるフォトは子供心つながりでおとぎの国のようなフランスのストラスブール(Strasbourg)再びです。
ストラスブールの過去記事です↓
行け行けドンドンとちょっと待ってが気候を操る+ストラスブール番外編
水に囲まれたプティットフランスはディズニーアニメの世界
ストラスブールはアルザスの香り木組みの家並みが陽にまぶしい


人気のない路地に白いパラソルがまぶしいdownsize
(人気のない路地に白いパラソルがまぶしい)
私たちはヒト属27部族の生き残り・・
ヒト属の残り26部族は?エレクトスやネアンデルタールをはじめ今はすべて化石に化っています。我々は27分の1の生き残りです。

テラス席もけだるい午後の昼寝中downsize
(テラス席もけだるい午後の昼寝中です)
子どもの心で月へ、火星へも・・
ヒトはいくつになっても「子供の心」で、遊んで、夢見て、明日を考え、旅に出て・・・科学、芸術、技術、文化、探検が生まれ、月へ、やがて火星へ。でも残念ながら戦争も生んだ・・・ようです(組織的に同じ種を殺すのはヒトだけです)。

結構大きいプティットフランス地区の典型的な伝統家屋downsize
(結構大きいプティット・フランス地区の典型的な伝統家屋)
華奢、器用、「永遠の子供心」がヒトを救った
華奢で細身、立って歩き、手で道具を作り、火を操り、肉食を愉しみ、新しい工夫、新手地への冒険心、仲間と群れる「いくつになっても子供の心」が、高度な社会を、言葉を創り、これらがヒト(ホモ・サピエンス、Homo sapiens)が氷期の厳しい気象激変や東アフリカの環境変化を生き残るのに有利に働いたようです。

ベルエポックの香りがする駅舎downsize
(ベルエポックの香りがする駅舎です)
ヒトのキャッチコピー作ってみました
そこで動物の中でもちょっと変わってる私たちヒト(Homo sapiens)のキャッチコピーを作ってみると・・・
(“解説“?というほどのものではありませんが、詳しくは「続きを読む」を見て下さい)

『群れたがり、人目気にする、遊び好き』
『火を囲み、みんなで踊る、肉食系』
『大きな脳に短い腸の働き者』
『乾き寒さも平気です、雑食ベースの肉食好き』
『中長距離ならサバンナ・オリンピックで金メダル』
『三つ子の“遊び”は百までも』
『子は鎹(かすがい)、無力な001が結束を生む「サピエンス009」』
『大海原もみんなで渡れば怖くない』


ストラスブールは運河と堰の街ですdownsize
(ストラスブールは運河と堰の街です)
二足歩行が未熟児出産を、ネオテニー(ガキっぽさ)を生んだ
ヒトのご先祖は立つことで骨盤が変化し産道が狭くなり、一方、脳と頭蓋は大きくなった結果、「未熟児」のまま生まれることがその解決策となりました。

人の暮らしがある伝統家屋っていいですねdownsize
(人の暮らしがある伝統家屋っていいですね)
胎児の足指で二足歩行が可能に
サル(ヒト以外の霊長目)の足指は胎児ではヒトの足指と同じですが、成長とともに親指が曲がることで枝を掴み樹上生活に適した、しかし歩行には向かないカタチになります。
ヒトは霊長目の胎児の足指のままで発生が止まる(ネオテニー)ので完全な二足歩行が可能になりました。


パラソルの影で午後のお茶downsize
(パラソルの影で午後のお茶のひととき)
場当たり的進化がヒトを繁栄に導いた
未熟児出産によりコミュニティが力を合せて乳児や母親を護り養う社会と、心身ともに“子供のままが続く”「ネオテニー」が必要になりました。おかげで言葉が、高度な社が、文明が生まれたようです。
進化はいつも場当たり的、今あるもので何とか取り繕うその場対応です。


凝った装飾の伝統家屋のレストランdownsize
(凝った装飾の伝統家屋のレストラン)
ネオテニーの“おまけ”
”おまけ“としてネオテニーによりヒトは成長段階が長くなり、遺伝子の限界を超えて新しいものを何でも取り入れ、創る、いくつになっても成長できる「可塑性」をヒトは手に入れ、言語、社会、芸術、文化、文明、科学を生む素地(の大事な1つ)となったようです。

ちょっと長い記事ですがご興味あれば「続きを読む」をクリックください↓

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パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
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旧市街の玄関口は城門のようですdownsize
(旧市街の玄関口は城門のようです)
『群れたがり、人目気にする、遊び好き』
ヒトは一人じゃ生きられないから集団で行動し、分業で協力します。そのためにはコミュニケーションが大事。仲間の意見や気分を“顔色”でうかがう必要があります。ヒトは小さい頃からの遊びの中でこれらをシミュレーションし練習できたようです。

『火を囲み、みんなで踊る、肉食系』
火を使い調理することでヒトは限られた食物からでも最大限に栄養とカロリーを得られるようになります(今じゃメタボの遠因ですが)。草食系から+肉食の雑食系に“転向”すると高栄養が得られます。

リズムを取って踊れる動物はヒトだけ
今日の獲物をキャンプファイヤーを囲んで調理すると皆踊りだしたはずです。でもダンスが出来る動物はヒトだけなんです。これも胎児のままのネオテニーな足指のおかげです。

『大きな脳に短い腸の働き者』
脳は体重のたった2.5%の重さなのにカロリーの20%を消費する“大食漢”です。
葉っぱ、根茎、穀類など消化が悪い食べ物も火で調理すれば消化されやすく高カロリーになり、更に肉食も取り入れて、ヒトは消化に費やす時間が短縮し、腸が短くなり、その分、脳への栄養が確保できて脳が大きくなり、食物を探したり道具を作ったりする“労働時間”も増えたようです。ほかの動物は消化のために長い昼寝が必要なのに・・。


『乾き寒さも平気です、雑食ベースの肉食好き』
自然の環境では常に豊富に餌がある訳ではありません。慈雨に恵まれた緑豊かな季節は短く、時に襲う旱魃や厳寒のとき、“少ない餌をみんなで探し”、“何でも食べ”、“火で高カロリーにした”ヒトは生き延びやすかったのでしょう。

『中長距離ならサバンナ・オリンピックで金メダル』
難産と未熟児との引き換えの立った腰、ネオテニーによる胎児の足指と土踏まずによる二足歩行のヒトはどんな動物の走りより効率が良いそうです。短距離ならチータに及びませんが、長距離を何日も追うヒト集団に狙われて逃げ延びられる動物はいないそうです。ヒトはそもそもマサイの戦士のように精悍だったのでしょう。

『三つ子の“遊び”は百までも』
外観だけでなくヒトには「心のネオニー」もあります。未熟児で生まれるヒトの脳はまだ発達中、外界、家族、経験などから貪欲に情報を吸収して神経ネットワークづくりが活発に続きます。

脳の可塑性が老いても学ぶ力に・・
ヒトの幼児は好奇心が強く、遊びが大好きで、脳は遺伝子による能力をはるかに越えた高度な働き(言葉、社会性、道具使い、運動・・)と何よりも個性(芸術、科学、哲学、スポーツ・・)を得ます。大人になっても、老いてもヒトの脳には可塑性(必要に応じて変われる)があり、“ネオテニーなヒト”は永遠の遊び好きです。
他の動物は生まれてすぐに脳の発生が止まり、機能は遺伝子が決めた範囲を大きく超えません。


『子は鎹(かすがい)、無力な001が結束を生む「サピエンス009」』
ヒトは未熟児で生まれるから24時間べったり母親の世話が要る、その母親の生活(食糧確保や敵からの防御)は家族や仲間が支えてやらなければならない。これができた集団のみが東アフリカの厳しい環境を生き残り、ヒトの高度な社会の基礎となったのでしょう。
一見無力な001が「サピエンス009」成功の鍵だったはずです。


『大海原もみんなで渡れば怖くない』
出アフリカ後、南北アメリカまでヒトはグレートジャーニーの途上何度か舟で海を渡ったはずです。
氷期の海退のときベーリンジアと言う陸橋を歩いてヒトは南北アメリカに渡れましたが、そもそも出アフリカ時でも紅海は完全には干上がらず、オーストラリアに渡るにはスンダ大陸(現在のインドネシア島嶼)からサフル大陸(現在のニューギニアとオーストラリア)の間には海峡がありました。


海に乗り出す好奇心
舟を作るにはヒトならではの知恵、器用さ、仲間の協力が要りますが、そもそも「海の向こうには何があるんだろう」と言う好奇心、子供の遊び心がないと「海を渡ろう」とは思いません。

旧市街の小さな路地にもトリコロールdownsize
(旧市街の小さな路地にもトリコロールが飾られています)
ネオテニーとは?
エラをつけたままのウーパールーパーのように大人(性成熟個体)になっても幼体(幼生)の体のつくり、カタチ、働きなどが残ることです。これには新しい遺伝子は必要なく、個体発生のスケジュール、つまりからだを作る遺伝子(群)のon-offのタイミングをちょっとずらすだけです。
チンパンの赤ちゃんの顔がヒトに似ていることから、ヒトは大人にならず幼児で止まったのではないか、と1920年にL・ボルクが提唱したのが始まりのようです。


遺伝子on-offタイミングだけでボルゾイもチンも作れます
ネオテニーなど遺伝子on-offタイミングによる個体発生スケジュールの変更は簡単ながら時に劇的な変化を生みます。
イヌの顔の骨格は成熟につれ伸び、普通は柴犬くらいで遺伝子はoffになり止まります。止まらず暴走するとアフガンフントに、早々と止まるとボクサーになります、1~数個の遺伝子のon-offタイミングだけで。


初夏のストラスブールは花の街ですdownsize
(初夏のストラスブールは花の街です)
遊びは若さの特権?
朝の通勤途上、電線で“若者カラス”たちが群れて餌を探すでもなくワイワイガヤガヤ」です。カラスのほかにもイルカなども遊び好きですね。そしてヒトは一生遊び好きです。

心のネオテニーで楽しく生きましょう
いくつになっても子供の心を持ち、努力し、学ぶ、脳の可塑性、「心のネオテニー」は気まぐれな進化のステキな贈り物です。上手に使って楽しく生きたいですね。

関連の過去記事はここをクリック↓
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仲良しに分けてあげるのは3歳から
古代のパリジャンはネアンデルタール人


今回の出典: 「人類進化700万年の物語;私たちだけがなぜ生き残れたのか」 ”Last Ape Standing; The Seven-Million Year Story of How and Why WE Survived” 2013年 Chip Walter氏著、長野敬氏、赤松眞紀氏共訳(2014年、青土社)

関連の出典: 「シマウマの縞 蝶の模様」 “Endless Forms Most Beautiful” 2005年 Sean B. Carroll氏著、渡辺政隆氏・経塚淳子氏共訳(2007年、光文社)
関連の出典: 「犬の科学」 “The Truth About Dogs” 2000年 Stephen Budiansky氏著、渡植貞一郎氏訳(2004年、築地書館)
関連の出典: 「この6つのおかげでヒトは進化した」 “Thumbs, Toes, and Tears: And Other Traits That Make Us Human” 2006年 Chip Walter氏著、梶山あゆみ氏訳(2007年、早川書房)
関連の出典: ウキペディア記事「ネオテニー」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%86%E3%83%8B%E3%83%BC
関連の出典: 日経サイエンス 2013年12月号、P.58 “The First Cookout” 「調理で人類は進化した」 Richard Wrangham氏へのインタビュー、聞き手: K.ウォン氏
関連の出典: “Catching Fire; How Cooking Made Us Human “ 「火の賜物: ヒトは料理で進化した」 2009年 Richard Wrangham氏著、依田卓巳氏訳(2010年、NTT出版)
関連の出典: “Animal Connection” 「アニマル・コネクション」2011年 Pat Shipman氏著、河合信和氏訳(2013年、同成社)
関連の出典: “Out of Eden: the Peopling of the World” 「人類の足跡10万年全史」 2003年 Stephen Oppenheimer氏著、仲村明子氏訳(2007年、草思社)
関連の出典: “The Dawn of Human Culture” 「5万年前に人類に何が起きたか?: 意識のビッグバン」2002年 Richard G. Klein氏 Blake Edger氏共著、鈴木淑美氏訳(2004年、新書館)


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コメント

Re: ようやく

lakmeさま、丁寧に読んでいただきうれしいです。
ワンちゃんはみんなワンちゃんなんですね、見かけが違っても。遺伝子の働きにはツボのようなものがありそうです。もう少し文書力があればいいのですが、いつも冗長な記事になってしまいすみません。

> なんだかバタバタしていて、この記事を最後まで読めていなかったんですよ。楽しかったです!また1つ知識が増えました。ありがとうございます。犬の遺伝子の話は、BBCの番組で知りました。たった1つの遺伝子情報で、チワワとグレートデンが作れる。深いですね~。

ようやく

なんだかバタバタしていて、この記事を最後まで読めていなかったんですよ。楽しかったです!また1つ知識が増えました。ありがとうございます。犬の遺伝子の話は、BBCの番組で知りました。たった1つの遺伝子情報で、チワワとグレートデンが作れる。深いですね~。
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