「そっと愛して、長~く愛して」人の暮らしに寄り添う雑草たち

「そっと愛して、長~く愛して」人の暮らしに寄り添う雑草たち
;かよわくもたくましいその進化戦略


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焼け跡雑草の原風景
都会暮らしの身には道端のタンポポ(実は外来種のセイヨウタンポポ)にこころが和み、幼い頃、戦後の焼け跡空き地でクッツキムシ(イノコヅチの実)で遊んだことが懐かしい・・・
再び雑草の小ネタです。
雑草の過去記事はこれ↓
足元の雑草のいじらしい創意工夫-心を優しくする三冊の本(3)

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添える写真は我が庭の草花をデジイチ初心者の私が撮ったものの内、何とか見られるものを載せています。

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こころ安らぐ半人工/半自然
日本の里山、ナショナルトラスト発祥の英国湖水地方の田園、「フランスで一番美しい村」として復活した鷹ノ巣(鷲ノ巣)村、いずれもヒトが安心して身を置ける半人工/半自然の環境です。

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人に寄り添う雑草のくらし
雑草はこんな半人工/半自然の中で、たとえ嫌われようと、人の暮らしに寄り添って生きているかよわくもたくましい植物たちです。
人の暮らしに合わせて行動も変えてきた都会鳥(アーバンバード)とも通ずるものがありそうです。
「都会鳥」の過去記事はこれ↓
人が好きなんです けなげな都会鳥 RAFの飛行機 心が優しくなる三冊の本(2)

雑草の生き残り戦略その1
火責め水攻めなんのその、毒を盛られても生き抜く
故郷の自然の野山を遠く離れて、人間から火責め(焼畑、野焼き)、水攻め(水田)を受け、刈取られ、ひっくり返され(耕す)、踏みつけられても、果ては毒(除草剤)まで盛られても、必死で生き抜く雑草にはそれなりのユニークな生き残り戦略があります。でも、もう故郷の自然には戻れないのですが。

雑草の生き残り戦略その2
雑草たちのサバイバル戦略
●刈り取られても大丈夫なように生長点を低くする、シバ(芝生)
●「ほふく前進」草地が焼かれても頭を低くして耐える、シロツメクサ、ほふく型に茎を伸ばす
●踏みつけられる環境では地面に張り付くように葉を広げる(ロゼット型)、セイヨウタンポポ
●「孫悟空、分身の術」切り刻まれた根から芽吹いて数も増える、ヨモギ、
●どうせ長くは生き延びられないから一年草になる、エノコログサ、ツユクサ
●生存率が低いので小さくともたくさんの種をつける、シロザ1本はひと月で30万個近い種を飛ばす
●誰でもいいから種を遠くへ運んでもらう、アメリカセンダングサ、V字型の刺のある種が服にくっつく厄介者
●刈取り、鋤き込みなどで全滅しないよう一斉には芽吹かない(不斉一性)、
●不利になれば一年中いつでも休眠する、(本来休眠は雨が降らない乾季など季節が決まっています)
●「水を恐れない」耐水性を獲得し水田でも生える、イヌビエ、そもそも雑草を避けるためイネを水田で育てるのに平気でついてくる雑草もいる
●チャンス到来すれば出来るだけ短い時間に実をつける、
●虫や鳥が来ない都会で1本でも子孫を残せるよう自家受粉する、
●再生能力を高め、家畜に食べられてもすぐにまた芽を出す、マメ科植物
●「季節なんかかまってらんない」日長に関係なく花が咲く、
●「稼いだらすぐ貯金」運よく光合成できたらすぐに金庫(根や塊茎)に貯える、
●人が栽培する植物に似せて難を免れる、イネ科雑草が水田に生える
●「窒素大好き」肥料を施された土地は窒素源豊かなのでこれを成長に使う、
・・・などなどです。


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意図せず」ヒトが進化させた雑草
雑草は、人が手塩にかける農作物や園芸植物とも、人が通わない山野に咲く野草とも違う、ヒトが意図せず作りだした選択圧で独自の進化を遂げてきた草花たちです。

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雑草豊かなモンスーンアジア
高温多湿なモンスーン気候の日本は雑草も豊かで500種以上あり多くは東アジア地域と共通の種だそうです。

人が作った環境ならどこでも生えます
水田、畦道、里山周囲の裾刈り草地、線路や道路の法面、空き地にはそれぞれの環境に合った雑草のコミュニティ(種類の組合せ)があるそうです。

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ヒトのそぼしか居場所がない雑草たち
それどころか、校庭の片隅、石垣の隙間、アスファルトの割れ目などわずかな土さえあれば「どこにでも生える」イメージありますが、実はそこにしか居場所(ニッチ、生態学的地位)がない弱い草花なんだそうです。

人の生活環境が野草を雑草に“進化”させた
雑草たちの変幻自在の対応には遺伝子レベルで変異が起こる必要があります。つまり人が暮らす環境が、意図せず、いえ、むしろ意図とは逆に、自然の野草をさまざまな「雑草」へと進化させたらしいのです。

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もう故郷の自然には戻れない雑草たち
雑草のひとつの種がこれらの“技”をすべて持っているわけではありませんが、何をやってもモグラたたきのように雑草がまた生えてくるわけです。
でも、こんなに人の暮らしに合わせて特殊化してしまうと、もはや山野の自然には戻れないのです。自然が保護された国立公園などでは人が歩く山道脇だけしか「普段見る雑草」は生えないそうです。


濠をめぐらし雑草水軍に攻められる
農耕事始めが雑草のルーツで、例えば、もとは陸稲であったイネが東アジアや日本で、水田で育てる水稲になったのは多分に雑草対策、つまり「水の中まで攻めてくる敵はいまい」という戦略だったのですが、じゃ、ってことで水陸両用に進化した雑草が水田で繁茂することになります。濠をめぐらせて防ぐつもりが水軍に攻められるようなもんです。

薬剤駆除が耐性を生む
農地の雑草と人との戦いは、昔はひたすら炎天下の手作業、除草剤は農家の負担を劇的に軽減しましたが、病原菌と抗生物質のイタチゴッコと同じく農薬に耐性の雑草が出てくるのだそうです。除草剤耐性遺伝子を組み込んだGMO作物でも事情は同じです。

雑草を「少し愛して、長~く愛して♪」
ウィスキー醸造の「天使の分け前」ではないですが、雑草を根絶するのではなく共存するような農業や園芸の方が長続きする(sustainableである)ような気がするんですけど・・・。農家のご苦労も知らずに言うことではないのですが・・・。

今回の出典: 「雑草社会がつくり日本らしい自然」2014年 橋本正之氏著、築地書館
正直筆致はまじめ過ぎてあまり面白くないのですが、読み込むと面白い内容の新刊です

他の雑草関連の出典:  それぞれ視点は違いますが、面白いですよ
「異端の植物『水草』を科学する-水草はなぜ水中を生きるのか?」2012年 田中法生氏著(ベレ出版)
「身近な雑草の愉快な生き方」2003年、稲垣栄洋氏著(筑摩書房)
「身近な雑草のふしぎ」2009年、森昭彦氏著(ソフトバンククリエイティブ㈱)
「植物の生存戦略/『じっとしているという知恵』に学ぶ」2007年、「植物の軸と情報」特定領域研究班編(朝日新聞社)
「植物のたどってきた道」1998年、西田治文氏著(日本放送出版協会)
「蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか」2006年、稲垣栄洋氏著(草思社)
「植物と行事」1993年、湯浅浩史氏著(朝日新聞社)
「花の日本語」2007年、山下景子氏著(幻冬舎)


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コメント

Re: No title

夏の雑草取りは大変ですよね。うちではインバチェンスが「雑草化」して次々新たな植民地を作っています。ヒトでなくとも1つの生物種の活動で環境や生態系は確実に変わります、が、そこには限度、折り合いと言うか、落ち着きどころのようなものがあるように思います。やはりyoyoさんの言う通り、ヒトの環境攪乱は度を越しているんでしょうね。

> ここ十数年ガーデニングから離れていましたが、今年は頑張って庭の手入れをして、雑草をとりまくってます。笑
> いわゆる雑草というのは、他の植物と比べて根っこがとても強いなと実感しています。
>
> >農薬に耐性の雑草が出てくる
> これは植物だけでなく、虫にも言えることですよね。こんなことを繰り返してたら、いつか取り返しのつかないことになる気がします・・・。
> 蜂の減少も利益追求による近代農業が生んだ、自然のしっぺ返しのような気がしています。

No title

ここ十数年ガーデニングから離れていましたが、今年は頑張って庭の手入れをして、雑草をとりまくってます。笑
いわゆる雑草というのは、他の植物と比べて根っこがとても強いなと実感しています。

>農薬に耐性の雑草が出てくる
これは植物だけでなく、虫にも言えることですよね。こんなことを繰り返してたら、いつか取り返しのつかないことになる気がします・・・。
蜂の減少も利益追求による近代農業が生んだ、自然のしっぺ返しのような気がしています。

Re: まってました!

lakmeさんのお庭には野生イチゴが生えてくるなんてすてきですね。うちの“猫の額”庭の芝生に1本でも雑草が花を咲かせているとなかなか抜けません。小学の頃、セーターのV字の実は母には大迷惑だったみたいで、プレイエルちゃんもやっぱり迷惑なんでしょうね。

> こんにちは!庭を持ったことになかった私が、今、庭で雑草との熱い戦いを繰り広げています。欧州の庭にはどこでも生えてくるというツル系の植物との地下での戦いは熾烈です。犬や鳥の為に薬を使いたくないので大変です!雑草は根っこから抜いて、ワイルドストロベリー(上記、ほふく前進型ですね)だけ残して、繁殖させています。来年もワイルドストロベリーを武器に、他を駆逐していく予定です。(背が低くて、花が可愛い上、鳥さんが食べられるし、犬に踏まれても元気という点が気に入っています)
> センダングサ、ありがとうございます。名前、知りませんでした。うちの犬の毛にV字攻撃でくっついてくるので、とっても嫌いです。

まってました!

こんにちは!庭を持ったことになかった私が、今、庭で雑草との熱い戦いを繰り広げています。欧州の庭にはどこでも生えてくるというツル系の植物との地下での戦いは熾烈です。犬や鳥の為に薬を使いたくないので大変です!雑草は根っこから抜いて、ワイルドストロベリー(上記、ほふく前進型ですね)だけ残して、繁殖させています。来年もワイルドストロベリーを武器に、他を駆逐していく予定です。(背が低くて、花が可愛い上、鳥さんが食べられるし、犬に踏まれても元気という点が気に入っています)
センダングサ、ありがとうございます。名前、知りませんでした。うちの犬の毛にV字攻撃でくっついてくるので、とっても嫌いです。
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