海のトップスイマー、マグロでも、陸のママチャリ並みです、バイオロギングその2

海のトップスイマー、マグロでも、陸のママチャリ並みです
バイオロギングその2


人懐っこいカスミチョウチョの大群downsize
(人懐っこいカスミチョウチョの大群(サイパン島ダイブにて)(再掲))
動物トップスイマーは時速100km、ホント?
通説ではカジキは時速100km越え、マグロやサメ(正確には温血のネズミザメ目)は時速80km、ごく最近の朝日新聞記事でもバショウカジキは時速100km、クロマグロ(本マグロ)は時速80kmと紹介されていました。





朝日新聞記事downsize
(朝日新聞記事2014年4月19日)
いつも突っ走っているわけではありません
しかし、こんなスピードはバイオロギングと言う最新ハイテクを使った観察では確認できないようですし、マグロやカジキはいつも時速100kmくらいで突っ走っているのではありません。

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(モンツキスズメダイはシックな装い(石垣島ダイブにて)(再掲))
ママチャリ並みでも水中では立派な記録
海の生き物の泳ぐスピードのチャンピオンが巡航速度で時速8kmくらい、ヒトの早足くらいが限界、いざと言うときに頑張る最大速度でも時速20-30kmとママチャリ並みです。
なぁ~んだ、と言うなかれ、時速2.67km(素潜り潜水時)でしか泳げないヒトに比べれば立派な記録なんです。


密度の濃い中を速く進むのは大変
(密度の濃い中を速く進むのは大変です)
空気の800倍の密度の水は抵抗が大きい
なぜ?空気に比べて水の密度は800倍、空気や水など流体を進むときの抵抗は密度と速度の2乗に比例して大きくなる。だから密度の高い中を速く進むにはものすごく力や燃料が要る。
30数億年前の同じご先祖から進化した海の動物と陸の動物はエンジンである筋肉の仕組みが同じで、水と空気では抵抗が桁違いなんだから。


ただいまペンギン移動中
(ただいまペンギン移動中(再掲))
動物に預けて測ってもらうバイオロギング
この動物観察の画期的なハイテク「バイオロギング」は、前編でもご紹介しましたが、『データロギングとは「データを計測、保存する計器」、これを生き物に背負ってもらうからバイオロギング(Bio Logging)』です。バイオロギングの前編記事はここをクリック↓
ご自宅拝見バイオロギングで垣間見る動物の私生活 南ブルターニュ キブロン

バイオロギングでは動物に測定計器を預けるREV
(バイオロギングでは動物に測定計器を預ける(再掲))
バイオロギングが明かす野生動物の真の姿
野生動物に深度計や高度計、GPSや天測(日の出日の入りの時間で緯度と経度を知る)、加速度計などを預ければ、泳ぐ、飛ぶと言った動物の移動や運動の4Dデータ(3D+時間経過)が得られます。渡り鳥や回遊魚の真の姿がバイオロギングを駆使したここ20年ほどの最近の研究でようやく分ってきたようです。

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(ミツボシクロスズメダイ産卵行動(石垣島ダイブにて)(再掲))
金メダルじゃない生活なんだ
荷を運ぶフネ、人を運ぶヒコーキ、夏や冬の渡り地に飛ぶトリさん、餌を求めて回遊するサカナやクジラさんたち、巣に餌を運ぶアリさんたち・・・、大事なことはオリンピックの金メダルじゃなくて、如何に目的地に効率よく着くか、如何に少ない労力で餌を得るか、運ぶかなんです。

陸上水上水中空中の速さ比べ
(陸上水上水中空中の速さ比べ)
世界記録は陸が水の4,5倍速い
例えば、ヒトに限っても、水泳と陸上の世界記録を時速で比べればダントツで陸上の方が速い。陸上は水上(水中ではない)の短距離で5.94倍、長距離で4.23倍の速さです。競泳は水上で半分空気の抵抗、全部水の抵抗の水中(潜水)ではもっと遅くなります。

オレンジ色に染まるワイキキの日暮れREVdownsize
(オレンジ色に染まるワイキキの日暮れ(再掲)
野生動物は空が海の7倍速い
野生動物でも、海と空の動物の移動速度(巡航速度)を比べると、やはり飛ぶ動物(アジサシ、アホウドリ)が水中を泳ぐ動物(マグロ、サメ)の7倍くらい速いようです。
海鳥の飛行の過去記事はここをクリック↓
海鳥、翼竜、マリタイム機に共通するものとは?

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(ハナミノカサゴ(石垣島ダイブにて)(再掲))
サメ、マグロたちはやっぱりトップスイマー
水族館ではペンギンの泳ぐ姿を見ることができますが、ヨチヨチ歩きから想像もつかないくらいすばしこいですね。ネズミザメ目のサメ、マグロ、ペンギンなど海獣類はやっぱり海のトップスイマーです。
ご興味あれば「続きを読む」をクリックしてください。

今回写真はサイパン、石垣島ダイブやハワイのフォトを再度掲載しました、その過去記事はこれ↓
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記
静かなワイキキ、冬のハワイ、海洋島を目指した冒険
集まったり別れたりふしぎな砂の物語 + サイパンビーチ寸景
3つのWが運ぶ海洋島のユニークな生き物 生物地理学の冒険者2

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奇想天外、マグロは釣ってスピードを測ろう
新聞記事のようなマグロ時速80kmと言うのはあくまでも緊急事態の瞬間最大速度で、バイロギング以前の限られた方法、釣ったときの糸の繰り出しと言うやや人為的な方法で測られたものです。

先駆的研究も最新データで修正されてゆく
でも当時世界初だったので有名科学誌Nature誌に論文掲載され、さらに面白い話題なので広がりやがて「通説」として定着したようです。今では修正しなければならない通説とはいえ、その当時、その努力と発想はまさに先駆的だったと出典の著者渡辺佑基氏は称賛しています。そして新しい知見で定説が修正されてゆくのが科学であると・・・。

陸海空の異種スピード比べ
記事後半はルール違反ものの陸海空の異種スピード比べを遊び半分でやってみました。(多少のマチガイは大目にみてくださいネ)

陸上水上空中のメカ比べ
(陸海空のメカ比べ)
メカの速さも空>陸>水上>水中と抵抗の少なさ順
純粋に空気の抵抗だけの空中と半分水半分空気の水上のメカ同士を比べるとではヒコーキ(P-51D、時速703km)はフネ(駆逐艦「島風」時速75km)の9倍の速さです(レシプロエンジン同年代最速クラスの比較)。陸上と水上のマシン比較でもフォーミュラ1カー、マクラーレン・MP4-20の最高速(時速370km)は駆逐艦「島風」の5倍です。更に水中になる水上よりも抵抗が大きく、マグロ、サメと同じ水中を行く原潜の最高速(時速約70km)でさえ飛行機に比べ桁違いに遅いのです。

この記事の最後に参考デ-タを付けています。

出典: 「ペンギンが教えてくれた物理のはなし」 2014年 渡辺佑基氏著(河出ブックス)
出典: 「サボり上手な動物たち/海のなかから新発見」(岩波科学ライブラリー201) 2013年、佐藤克文氏、森阪匡通氏共著(岩波書店)
出典: 「海鳥の行動と生態; その海洋生活への適応」 2010年 綿貫豊氏著(生物研究社)


過去の記事リストは下のイラストをクリック
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【参考データ】
陸上競技の世界記録
屋外 男子
100メートル競走100メートル競走9秒58 ウサイン・ボルト(2009年8月16日):時速37.58km
1500メートル競走3分26秒00 ヒシャム・エルゲルージ(1998年7月14日):時速26.21km

人力メカのツール・ド・フランスならヒトの陸上巡航速度は時速40kmくらいまで上がります。

競泳の世界記録(長水路(50m) 男子)
100m自由形56秒91 セザール・シエロフィリョ(2009年7月30日):時速6.33km
1500m自由形14分31秒02 孫楊(2012年8月4日):時速6.20km

第2次大戦当時最優秀の速いフネとして駆逐艦「島風」 最大速力40.37kt(時速74.8km)
レシプロ機の最高峰、P-51ムスタング 最大速度 時速703km
フォーミュラ1カーのレース中に記録された最高速度は370.1km/h(2005年イタリアGP決勝 マクラーレン・MP4-20/キミ・ライコネン)。


陸上水上水中空中の異種速度比較
(陸上水上水中空中の異種速度比較)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

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