ソースのミソは「水と油」が仲良しのエマルジョンかも?

ソースのミソは「水と油」が仲良しのエマルジョンかも?

舌平目と2色のアスパラ(自作おもてなし)downsizeArt15
(舌平目と2色のアスパラのソテー、白ワインのソース)





ソースをおいしくするエマルジョン
下手の横好きで“怪しいオリジナル?レシピ”など毎日料理を作っていますが、料理、特にソースを使う料理のおいしさのミソの1つはエマルジョンではないか、と勝手に思っています。
添える写真は以前ご紹介した自作料理です。それぞれの過去記事へのリンクはうしろにあります。

菜の花とあさりのパスタREdownsizeArt42
(菜の花とあさりの「早春のパスタ」)
ミクロの液滴に包むとエマルジョンになる
エマルジョン(乳濁液、乳剤、emulsion)とは、水と油のように本来混じりあわない液体を「どちらにも馴染む」性質の両親媒性(amphiphilic)の分子で一方(例えば油)をミクロな液滴で包み込んでもう一方(例えば水)に均一に分散させた(ミセル化)ものです。「両親媒性」ってなんだ?→この記事の「続きを読む」でザックリ紹介しています。

ホワイトアスパラと乾燥トマトdownsizeArt14
(ホワイトアスパラと乾燥トマトのオーブン焼き)
身近な食べ物にも「油のカプセル」、エマルジョンが・・
エマルジョンの身近な例は牛乳やマヨネーズです。卵の黄身は油を多く含みますが、卵黄レシチンが両親媒性物質として働き油と水が均一に混じり合いエマルジョンになっています。マヨネーズが油の“カプセル”であることは油代わりに料理に使えることでも分かりますよね。

タコと生ハムのペペロンティーノは火を入れ過ぎずパッパッとREVdownsizeArt227
(タコと生ハムのペペロンティーノ)
パスタをおいしくするワインとオリーブ油のエマルジョン
パスタソースの場合、オリーブオイル系ではワインや茹で汁を入れたりと水分が入りますし、水分の多いトマトソース系でも具材をオリーブ油で炒めたりと油が入りますので、牛乳よりは粗いですがやはりエマルジョンになります。

ホタテのチーズ揚げdownsizeArt166
(ホタテのチーズ衣揚げ)
「もと」はおいしい揚げ物のもと
和食の調理素材に「もと」があります。全卵あるいは卵黄に食用油を加えて均一にそして“もったり“なるまでよく混ぜたもので、焼き物の上に塗ったりします。うちではフライものの衣付けでは「全卵もと」を使っています。衣がつけやすく、オリーブ油やゴマ油などの香りを閉じ込められ、中の具材をジューシーに保ったままカラっとした揚げ衣になります。比率は2:1から1:1くらいです、ぜひお試しあれ。

イカげそトマトパスタの出来上がりdownsizeArt191
(イカげそとトマトのパスタ)
旨みと香りをソースに包み込むエマルジョン
「おいしさ」として感じる味はグルタミン酸などアミノ酸の旨み、砂糖など糖の甘み、食塩などのイオン(塩味)、クエン酸などの有機酸(酸味)などの味でいずれも水に溶けています。
一方、「風味」を出すオリーブ油の香りや香味成分は油に溶けやすく、トマトなど色合いも油に馴染むものが多いのです。これら食材の成分が絶妙な比率で水と油が混然一体のエマルジョンになったときおいしいソースが出来上がります。


「まぜまぜサラダ」の出来上がりdownsizeArt183
(生野菜に熱いオリーブ油炒めをサっと「まぜまぜサラダ」)
エマルジョンでまろやかな舌触りに・・
またエマルジョンは、例えば牛乳のように、油が均質な細かい粒子になっているのでまろやかな“舌触り”になり、マーボー豆腐など香味成分や辛み成分も存分に感じることが出来ます。

両親媒性物質が作るエマルジョン
(両親媒性物質がエマルジョンを作る)
仲悪い同士を仲良くさせる両親媒性物質
水と油を均一なエマルジョンにしているのが両親媒性物質(amphiphilic molecule)で、1つの分子が水に馴染む部分(親水基)と水をはじく=油に馴染む部分(疎水基)部分から出来ています。だから本来「仲が悪い」水と油の「間を取り持つ」ことが出来るのです。
ご興味あれば「続きを読む」をクリックください。

エマルジョンが利いた料理レシピの過去記事、クリックで飛びます↓
“お・も・い・つ・き” リサイクル・パスタ、タコと生ハムのペペロンティーノ
醤油でサッパリ味のポークロースソテー白ワインソース
イカげそのうま味で味わうシーフードトマトパスタ
春をまぜまぜするサラダ
チーズとバターが香るホタテのチーズ衣揚げ
初夏の香りと彩を愉しむイカとセロリのあっさり中華炒め
失敗はオリジナルの素?スライスエビのチリソース煮はおいしいよ
フランス塩の花と菜の花とパリ凱旋門:ありきたりだけど奥深い
スマートに食べるフレンチパラドックスは本当?
フランス野菜は土の匂い、ファーブル先生の伝統

過去の記事リストは下のイラストをクリック
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
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ポークロースソテー白ワインソース付け合せを添えてソースをたっぷりかけるdownsizeArt200
(ポークロースソテー白ワインソース、たっぷりソースがコツ)
表面張力を下げてきめ細かな液滴(ミセル)に・・
両親媒性物質が水と油の境目(界面)の界面張力(表面張力)を下げることで2種の液が入り混じり、たくさんのきめ細かな液滴(ミセル)になります。牛乳成分の水と油は本来透明ですが、エマルジョンの牛乳になると白く“乳濁”します、スリガラスと同じ原理(なお、ミセルがもっと細かくなると透明になります)。

イカとセロリのあっさり中華炒め出来上がりREVdownsizeArt137
(イカとセロリのあっさり中華炒め)
両親媒性物質の間仕切りが細胞の形を作る
生き物の体を構成する細胞の形や構造を作っている膜(生体膜、脂質2重膜)そのものがレシチンやコレステロールなどの両親媒性物質で出来ています。この場合は両親媒性物質の水に馴染む部分で油に馴染む部分をサンドイッチしたような2重膜が細胞の内外と、細胞の中の構造の間仕切りになっています。

スライスエビのチリソース完成ですdownsizeArt89
(スライスエビのチリソース)
昔から料理にエマルジョンを使ってきた
このように生き物の体中いたるところに膜が、つまりは両親媒性物質があります。例えば卵、牛乳など食材にはもともと色々な種類の両親媒性物質が含まれています。ソース、マヨネーズ、シチューなど人々はエマルジョンを調理に活かしうまく使ってきたようです。

エマルジョンの<追記>
エマルジョンには2つのタイプがあります。水の中に油が分散するO/W(Oil in Water)タイプと油の中に水が分散するW/O(Water in Oil)タイプがエマルジョンの基本形です。そもそも食材はもともと水を多く含む生き物の体かその一部なので料理の場合、エマルジョンはO/Wがほとんどです。
両親媒性物質の一番身近な“天然もの”は卵黄の卵黄レシチンでマヨネーズを作ります。人工のものは界面活性剤と呼ばれ、つまりは石鹸や乳剤のなかまです。
また、食品では卵白など食物中の蛋白質にも弱いですが両親媒性物質として働きます。


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過去記事リスト「生き物とちきゅうのお話」の記事が増えてきましたので、次の6つに仕分けしてみました。
仕分け名をクリック↓すればそれぞれのリストに飛びます。

human男の子REVヒトが歩んだ道、ヒトの進化と体の機能

brain虹色彩、視覚、夢のフシギと脳のしくみ

animalワンちゃん動物: ワンちゃん、海の生き物、石になった者

birdコガラ鳥、翼竜、空を征した者たち

flowerばらの花花や植物と虫たちの小さな世界

earth地球ちきゅうと気候、気象のかかわり


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コメント

Re: No title

りもママ様、コメントありがとうございます。昔、実験をやっていましたのでどうしてもそういう目で料理を見てしまいます。そんな中の単なる経験則なんですが、やっぱりなめらかなエマルジョンになるソースはおいしい気がしています。縁がないので良く分らないですが、美容もそうなんですね。

> こんばんは~☆
> お料理の写真ってなかなかオサレにいかない物ですが
> とっても美味しいのが伝わってくるオサレなお料理ですね
>
> お料理を化学されているところが素敵です
> ポイントはエマルジョン、ですね。
>
> 美容のポイントもエマルジョンな気がします。

No title

こんばんは~☆
お料理の写真ってなかなかオサレにいかない物ですが
とっても美味しいのが伝わってくるオサレなお料理ですね

お料理を化学されているところが素敵です
ポイントはエマルジョン、ですね。

美容のポイントもエマルジョンな気がします。


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