天気予報を信じるなら気候予測の警告を信じよう+深まる多摩の秋

天気予報を信じるなら気候予測の警告を信じよう+深まる多摩の秋 天気と気候の前編

逆光にカエデの赤が透けるdownsize
(逆光にカエデの赤が透ける多摩の晩秋)
CO2垂れ流しの先に待つ未来とは?
このままCO2垂れ流しを続けると気候の未来はどうなるのかな? と言うサイエンス小ネタです。





黄金の衣装をまとったイチョウdownsize
(黄金の舞台衣装をまとったようなイチョウの木)
IPCCの警鐘
2014年予定のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書(IPCC Ar5)へ向けての自然科学的根拠を示す第1作業部会(WG)の報告書が今秋出ました。これにより『人為的なCO2排出増加が主因で現在地球温暖化が急速に進んでいる』ことが更にはっきりしました。詳しくはここ↓http://www.jma.go.jp/jma/press/1309/27a/ipcc_ar5_wg1.html

過去の記事リストは下のイラストをクリック
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV

秋の陽に燃え立つような紅葉downsize
(秋の陽に燃え立つような紅葉が美しい)
秋の彩りは駆け足で過ぎて行きます
多摩丘陵の秋の足取りは早く紅葉も黄葉も駆け足で過ぎて行きます。添えるフォトは職場で出会った秋の名残です、「・・・つながり」なども思いつかないもので・・・。

キラキラと風に揺れるススキREVdownsize
(キラキラと風に揺れるススキ)
ネットの地元天気予報で外干しを決める
ちょっと前、四半世紀ほど遡って比べれば現在の天気予報は格段に進歩しています。リアルタイムの街単位の天気予報をインターネットなどで見て「洗濯物を外干しするか決められる」くらいにその確率や信頼性、きめ細かさやスピードが格段に改善されていることが分ります。

残り少ない枯葉が陽に映えるdownsize
(残り少ない枯葉が陽に映える)
コンピューター・シミュレーションのおかげです
これは、気象や気候を決める大気や海況の変化の予想をコンピューター・シミュレーションで行う技術が発達したからです。コンピューターの能力とシミュレーションモデルが進歩したおかげです。

モデルの先駆者真鍋さん
ちなみに天気予報にも使えるような気候予測のシミュレーションモデルを作った先駆者は米国に渡った日本人研究者、真鍋淑郎氏です。シミュレーションでヴァーチャルな“もう一つの地球”をコンピューター上に作り出し未来の気候を予測するモデルです。

秋の陽を手いっぱいに受けてるようなモミジdownsize
(秋の陽を手いっぱいに受けているようなカエデ)
「もう一つの地球」を作ってみる
地球を格子状に分割して天気、天候を左右する雨雪、風、日射などを考慮し、初期値として現在の気温、湿度、気圧など観測データを入力することで一歩先の変化を予測できます。
当初は陸と海の区別もないまだまだ粗いモデルでしたが、水蒸気とCO2の温室効果も入れた先見性のある優れたモデルだったそうです。


シミュレーションで天気予報をつくる
ここらから発展したシミュレーションモデルとスパコンも組合せこそ現在のような信頼性の高い天気予報の要です。スパコンの時代になっても真鍋さんのモデルの基本は生きているのです。

緑から黄色へ黄葉は色のグラデーションdownsize
(緑から黄色へ黄葉は色のグラデーションです)
天気予報の道具を使って未来の気候を予測する
この同じ道具と技術を使ってもっと未来の天気、すなわち将来の気候を予測することが、例えば、IPCCの地球温暖化の予測などにも使われている気候予測です。

天気予報を信頼するなら気候予測の警告に耳を傾けよう
だから、『天気予報を信頼するなら同じ原理と道具でもたららされる将来の気候予測の警鐘も信じるべき』なのです。
天気予報のお話の過去記事はこれ↓
異常気象バスターズ、天気のシッポを捕まえる日本の研究者+ルーアン番外編

黄色い蝶のようなイチョウの葉downsize
(黄色い蝶のようなイチョウの葉、なるほどこの形は“生きている化石”ですね)
良く当たりますよね、最近の天気予報
台風の進路予測、上陸地点、最大風速など、時に少しはずれることもありますが、例えば、『台風は2,3日後には日本列島のどこかに上陸して30m前後の風が吹く』ぐらいの“粗さ”で良いなら、現在の天気予報の精度もってすればまず間違いなく“当たり”ます。

だから、ざっくりなら気候予測が描く未来はほぼ確実
これと同じ道具と技術を使っている気候予測では、地球温暖化で半世紀後に平均気温が何度上昇するか、は現在最高のシミュレーションを用いてもかなり幅がありますが、数10年以内に大型台風、豪雨、干ばつなどの異常気象が頻発し、海面が上昇して氷床や永久凍土がこれまでにないほど融ける、などはまず確実に“当たる”はずです。しかし、日常生活ではその実感が沸かないのもまた事実ですけど。
気候変動の仕組みの過去記事はこれ↓
気まぐれな猛獣、気候変動 + 北仏モルレー街歩き
温暖化で寒い冬をもたらすテレコネクション+美しい水の街ブルージュ
行け行けドンドンとちょっと待ってが気候を操る+ストラスブール番外編

燃え立つような赤いカーテンdownsize
(燃え立つような紅葉の赤いカーテン)
火山噴火による「リアルタイム答え合わせ」にも合格
氷床コアの分析などで既に分かっている過去の気候変動をこのモデルで再現してみると、ちゃんと合う。やがて絶好の「リアルタイム答え合わせ」の機会が巡ってきました。
1991年フィリピンのピナツボ火山が大噴火を起こしました。その噴煙による日傘効果で一時的に世界の平均気温が0.5℃下がったのですが、その下げ幅はモデルの予測通りで「リアルタイム答え合わせ」も合格でした。このようにしてモデルの信頼性は確認されています。


世界最初の天気予報は戦場で生まれた
気象観測機なる軍用機の種類があったように、また、桶狭間の戦い、ナポレオンとナチドイツのロシア侵攻などのように、戦場の天気、天候は戦況を左右します。天気予報事始めが戦場だったことはなるほどな、と思います。

午後の陽に輝く木々downsize
(午後の陽に輝く植込みの木々)
「戦争に使うのならボクは天気予報をやめる!」
ルイス・フライ・リチャードソンと言う若者が第一次世界大戦時、救急車の運転手のかたわら天気予報に興味を持ちました。ヨーロッパの空をいくつかのブロックに分けて気温、風などのデータを入れて、コンピューターも無い頃に手計算だけで明日の天気を予報することを試みました。
データ不足のため結果はさんざんでしたが、その取組みはまさに「先見の明」。コンピューターを使う現在の数値解析の先駆けでした。
しかし、軍が彼の天気予報技術を戦争に利用しようとしたことを知ったリチャードソンはその後研究の筆を折ってしまい、生涯無名のままでした。


温暖化が招く未来については次回に・・
IPCCの報告書を信じるとして、じゃ、「それがそんなに大変なことなの?」「ええ、そうなんです」、と言うお話はその内に続編で・・・。

その他関連の過去記事はここをクリック↓
ひのでのお手柄地球が寒くなる ナポリ歩き寸景
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ

出典: “The Weather of the Future; Heat Waves, Extreme Storms and Other Scenes from a Climate-Changed Planet” 「ウェザー・オブ・ザ・フューチャー; 気候変動は世界をどう変えるか」2010年 Heidi Cullen氏著、熊谷玲美氏訳、大河内直彦氏解説(2011年、シーエムシー出版)
出典: 「天気と気象についてわかっていることいないこと; ようこそそらの研究室へ」 2013年、筆保弘徳氏、芳村圭氏 編著、稲津将氏、吉野純氏、加藤輝之氏、茂木耕作氏、三好建正氏 共著(ベレ出版)
出典: 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar5/
http://www.jma.go.jp/jma/press/1309/27a/ipcc_ar5_wg1.html
http://www.jma.go.jp/jma/press/1309/27a/ipcc_ar5_wg1.pdf


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コメント

Re: 天気予報

lakme様、いつもありがとうございます。私も天文気象クラブでしたからうらやましいお仕事です。続編(予約投稿です)にも書きましたが、IPCCの数字だけ見てもピンと来ないのが普通です。誰かがそれを一般市民の等身大の言葉やイメージに「翻訳」する必要があります。日本でもサイエンスライター(ジャーナリスト)がもっと盛んになるといいのですが・・。

> 実は・・・、昔の彼、天気予報を職業としていました。すごい当たるからびっくり、みたいな(笑)。現在は、天気予報だけではなく、環境、温暖化を考えるレクチャーをする会社を立てて頑張っているみたいです。確かに、こういう人たちがレクチャーをしてくれれば、真剣に考えますよね。。。大丈夫かな、地球。。。

天気予報

実は・・・、昔の彼、天気予報を職業としていました。すごい当たるからびっくり、みたいな(笑)。現在は、天気予報だけではなく、環境、温暖化を考えるレクチャーをする会社を立てて頑張っているみたいです。確かに、こういう人たちがレクチャーをしてくれれば、真剣に考えますよね。。。大丈夫かな、地球。。。
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