もしもしカメさんどこから来たの?+ 竜宮城のような石垣の海 番外編

もしもしカメさんどこから来たの?
+ 竜宮城のような石垣の海 番外編


カメさんの家系図
(カメさんの家系図)
カメさんの家系図が分った
カメさんの家柄が遂に分った!トリさんや恐竜と親戚で、それにワンちゃん並みの嗅覚を持っていることも分かったよ!と言うサイエンス小ネタです。
既に新聞やTVでも報道されましたが、一連の研究成果を改めて追ってみると日本の研究者の優れた研究戦略が見えてきます。






先島諸島の海は竜宮城
デバスズメダイREVdownsize
(デバスズメダイは人なつこくてカワイイ)
写真はカメつながりで“竜宮城のように美しい”石垣島の海のまだご紹介していない番外編です。

石垣の過去記事はここをクリック↓
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記

過去の記事リストは下のイラストをクリック
パリの話題minisizeREVフランス街歩きminisizeREV
ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV

サンゴ礁の中層をゆくダイビングチームdownsize
(サンゴ礁の中層をゆくダイビングチーム)
首引込めて去る怪獣ガメラ・・・変です
ゴジラも、モスラも、キングギドラも持っていないもの、それは甲羅。その甲羅を回転させ首引込めて去る怪獣ガメラ。ダンゴムシもアルマジロも三葉虫も体を丸めて身を守るのにカメさんは甲羅に頭と手足を引っ込めます。この護身術も甲羅のおかげ、カメさん、やっぱりユニークです。

ミツボシクロスズメダイは眼が結構コワイREVdownsize
(ミツボシクロスズメダイは眼が結構コワイ)
肋骨で作る甲羅は“ホンモノの骨”
ワニやアルマジロの鎧は皮膚の中に骨が出来た「皮骨(dermal bone)」でその下に肋骨も持っていますが、カメさんの甲羅は背骨や肋骨など骨が融合したもので出来方や構造もユニーク、甲羅のくせに大腿骨などと同じく軟骨がまず出来てから硬い骨に置き換わる「置換骨(replace bone)」です。興味ある方は【追記】を見てください。

トゲチョウチョウウオを洞窟で見つけたREVdownsize
(トゲチョウチョウウオを洞窟で見つけた)
「メデタイ鶴亀」はやっぱり親戚同士
“特徴あり過ぎ“のカメの「出所」は長らく謎で一般には「下等な爬虫類」と思われてきたようです。
しかし今回、カメは、ヘビやトカゲの近縁ではなく、トリ、恐竜、ワニたちのグループである主竜類と共通の祖先から進化してきたらしいことが分かりました。やっぱり「鶴亀」はお仲間です。

トリさんと恐竜が親戚の過去記事はここをクリック↓
恐竜が発明しペンギンに贈ったものそれは羽毛 ブルターニュの小さな港コンカルノー

カメさんとプレシオサウルスはシルエットがそっくり!
(カメさんとプレシオサウルスはシルエットがそっくり!)
「ガメラ」と「ピー助」は兄弟です
カメはより正確にはクビナガリュウ(首長竜、Plesiosauria)などを含む鰭竜類(Sauropterygia)が一番近いらしいのですが、鰭竜類は既に絶滅しているので“現役同士”ならカメとトリ、ワニが一番近い親戚です。

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「カメ」の出自を探る国際プロジェクト
日本の理研(理化学研究所)が主導し(入江直樹氏がリーダー)、4か国(日英中デンマーク)、11研究機関、34名の研究者が参加する国際プロジェクト、その名も「国際カメゲノムコソーシアム」の研究成果です。

スカシテンジクダイの一斉急降下downsize
(スカシテンジクダイの一斉急降下)
ウミガメとスッポンが代表に選出です
アオウミガメとスッポンを「カメさん代表」として選び、他の脊椎動物代表選手、ゼブラフィッシュ(魚)、アフリカツメガエル(蛙)、ニワトリ(鳥)、マウス(哺乳類)など12種の1113個の遺伝子DNA(とmRNA)(の塩基配列)を比較してお互いにどれほど似ているか、で進化の道筋でどれほど近縁かを比べる方法です。

砂時計モデルとは
(砂時計モデルとは・・・)
進化の時の流れが蘇る「砂時計」
同時に今回の研究成果は私たち脊椎動物の発生(卵から子どもになるプロセス)の初期が互いに共通とする「漏斗型モデル」ではなく、むしろ発生の中期(咽頭杯期)で一旦互いに共通の姿かたち(基本設計、ファイロタイプ)を経るという「砂時計モデル」であることの裏付けにもなったそうです。「砂時計モデル」は【追記】を見てね。

ネコの作り方downsize
(ネコの作り方(再掲)・・・組立説明書を見れば長谷川かAirfixかが分る?)
「からだの組立て説明書」(Hox遺伝子)を比べてみると・・
理研の研究グループでは既に、このような脊椎動物の「各門の代表選手」の発生の過程での遺伝子発現(どの遺伝子のスイッチがいつonになって働くか)のパターンを比べることで「砂時計モデルの方が正しい」らしいと言う研究成果を世界に先駆けて2011年に出しています。
ネコの作り方とHox遺伝子の過去記事はここをクリック↓
「動物の作り方」基本レシピはみんな一緒、Spitも、宇宙人も?

ハマクマノミに見つめられてしまったREVdownsize
(ハマクマノミに見つめられてしまった)
カメさんは臭いに敏感です
遺伝子DNAを網羅的に比べることで、更に、カメさんの嗅覚は鋭くワンちゃんも凌ぐらしいことが分かったそうです。スッポンは嗅覚受容体(臭いを感じるセンサー分子)の遺伝子を1000個以上とたくさん持っている、つまり臭いセンサーの種類と数が豊富ということ。中でも水に溶ける臭い分子の受容体の数が多く、臭いというより泥水の中で食べ物などの“味”を感じているようです(嗅覚も味覚も化学刺激受容です)。

オジロバラハタが悠然と泳ぎ去りましたdownsize
(オジロバラハタが悠然と泳ぎ去りました)
故郷の臭いで産卵の浜辺に辿り着く??
ウミガメは毎回同じ浜辺に戻り卵を産みます。広い海を泳ぐアオウミガメは視覚も使えるためか、嗅覚受容体遺伝子は約250個とやや少ないものの水に溶ける臭いの受容体はヒトを凌ぎワンちゃん並みです。サケのように“故郷の浜辺”を嗅ぎ分けているのかも知れませんね。

帰路に宮古島が垣間見えるdownsize
(帰路、雲間から宮古島が垣間見えました)
指名手配の野良ガメと天王寺さんのカメ
縁日などの人気者「みどりがめ(ミシシッピアカミミガメ)」はやがて捨てられ、野良ガメに、そしてとうとう「要注意外来生物」として“指名手配”になってしまいました。
小学のころ天王寺さん(大阪四天王寺)の池のカメさんに麩を巻くと寄ってくるのがうれしかったことを思いだします。生き物の歴史の大先輩、カメさんを大事にしたいですね。


出典: 日経サイエンス2013年8月号P16 「カメの起源問題が決着; ゲノム解読から明らかになったカメの進化-カメはトカゲに近い動物ではなく、ワニ・トリ・恐竜の親戚だった-」
原典: 独立行政法人理化学研究所 2013年4月29日プレスリリース 「ゲノム解読から明らかになったカメの進化; -カメはトカゲに近い動物ではなく、ワニ・トリ・恐竜の親戚だった-」 http://www.riken.go.jp/pr/press/2013/20130429_1/
関連出典: 朝日新聞記事2013年4月29日「カメはトカゲより恐竜に近い ゲノム解読、論争に決着」 http://www.asahi.com/tech_science/update/0429/OSK201304280142.html


【追加-1】 カメの甲羅はこうして進化した
更にカメの甲羅のでき方と進化について理研からプレスリリース(7月9日)があり、新聞記事やTV報道(7月10日)になりました。今回の小ネタでは取上げませんが、ご興味ある方は以下の理研プレスリリースをご覧になれます。
独立行政法人理化学研究所プレスリリース2013年7月9日
「胚発生過程と化石記録から解き明かされたカメの甲羅の初期進化-カメの背中の甲羅は肋骨成分のみから進化してきたことが明らかに-」
発生・再生科学総合研究センター 形態進化研究グループ
グループディレクター 倉谷滋氏、研究員 平沢達矢氏
http://www.riken.go.jp/pr/press/2013/20130709_1/
原論文: Tatsuya Hirasawa, Hiroshi Nagashima, Shigeru Kuratani. "The endoskeletal origin of the turtle carapace". Nature Communications, 2013, doi: 10.1038/ncomms3107
関連記事: 朝日新聞 2013/07/10 朝刊(5面) カメの甲羅 あばら骨が変形」


【追加-2】 「発生砂時計モデル」とは・・・
理研のホームページに載っていた説明では・・・「発生と進化の関係性を定式化した「発生砂時計モデル」と呼ばれる理論。動物は適応放散しながら進化するうちにその発生過程も多様化するが、発生の中頃(咽頭胚期)は多様化があまり進まず、そこがボトルネックになっているとする考え。カメもこの理論に従うことが今回分かり、一度脊椎動物の基本設計(ファイロタイプ)を成立させてからカメ独自の特殊な構造を作り出していく様子が明らかになった。」だそうです。

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コメント

Re: タイトルなし

ありがとうございます。そうでしたか。知らずに鵜呑みをしていたようですね。海棲爬虫類が恐竜とは違うと認識してはいましたが・・。おっしゃるように「理研の勘違い」だとすると体質なのでしょうか?
こんな古い記事まで読んで頂いて感謝です。

> 突然すみません。亀がワニや鳥に近いのは正しいのですが、亀とクビナガリュウは全く近くありません。クビナガリュウはトカゲや蛇に近い生き物です。ググればすぐ出てきます。理研の勘違いだそうです。

突然すみません。亀がワニや鳥に近いのは正しいのですが、亀とクビナガリュウは全く近くありません。クビナガリュウはトカゲや蛇に近い生き物です。ググればすぐ出てきます。理研の勘違いだそうです。

Re: No title

イヴまま様、いつも訪問、コメントありがとうございます。実は私もこの理研の記事を読んで初めて知りました。昔から身近なカメさんですが、よく見るとフシギな生き物だなぁと思いました。

> カメさんの甲羅は骨だったのですかーー
> とっても驚いてしまいました。
> 臭覚も鋭いということも意外でした。
> いつも勉強になりますー

No title

カメさんの甲羅は骨だったのですかーー
とっても驚いてしまいました。
臭覚も鋭いということも意外でした。
いつも勉強になりますー
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