ビスケー湾の港町アルカションの嵐 + 「あ、知ってる」「それ、納得」の脳内感覚「既知感」

ビスケー湾の港町アルカションの嵐 
+ 「あ、知ってる」「それ、納得」の脳内感覚「既知感」


今回はフランスのアルカション旅日記の続編とサイエンス小ネタの併載です。色違いの見出しで追ってみてください。




「知ってるつもり」も実は感情
「知ってる」「正しい(と思う)」「判ってる」「腑に落ちる」などは感情です、脳が脳の中で発信する・・・。

A1嵐のときめきは黒雲に桟橋の白が艶やかREVdownsize
(嵐のときめき、黒雲に桟橋の白が艶やかなアルカションの桟橋)

嵐の妖しさ、ビスケー湾の港町アルカション
今回記事に添えるのは非日常な風景に出会った荒ぶるビスケー湾の小さな港町アルカション(Arcachon)のまだご紹介していない光景です。子供の頃の台風のみたいに、嵐の前のときめくような妖しさが似合うかも?・・・と思って。過去記事はこちら↓
真冬のアルカションは大西洋の嵐の中

A2冬に置き去られたような海水浴客の更衣所downsize
(冬に置き去られたような海水浴客の更衣所)

原典のタイトルを直訳してみると・・
原典“On Being Certain; Believing You Are Right Even When You’re Not”を直訳してみると・・・
「確かだと言える(思える)ときには、あなたは自分が正しいと信じている、たとえあなたが間違っていたとしても」・・つまり、確信なんてそんなもん、ということでしょう。


A3妖しい雲に映える家並みdownsize
(妖しい雲に映えるアルカションの家並み)

日常経験する「既知感」とは?
最近物忘れがとても良くなりTVに出ているタレントさんの名前が出てこない。でも「知ってるはず」の”確信”もある。そこでアイウエオを心の中で順に唱えてしっくりくるものを探す。やがてハッと名前が出てくる。

A4とうとう嵐が来ました歩くのもままならないほど風に揺れる桟橋
(とうとう嵐が来ました。歩くのもままならないほど風に揺れる桟橋)

衝動買いは「既知感」のなせるわざ
いつもの衝動買い。ショップに入った途端、目に入ったシャツやネクタイが気に入りパっと買ってしまう。「オシャレは出会い、一目で似合うと判るんだ」と言い訳しながら・・・。

A5嵐でひとけの無いテラスの時計が昼時を刻むdownsize
(嵐でひとけの無いテラスの時計が昼時を刻みます)

「CEO、多数決で紫のタイ購入です。企画書はこちら」
でもこれショップに入ったときに無意識部下(著者は「隠れ層」と呼ぶ)が緊急会議を開いて、「紫が似合うと言われたよ」「来週の会合、新しいタイ要るかも」「今月使いすぎ」「その色ならクローゼットにあったよ」とか意見を交わし、会議の結論「紫のネクタイ購入」を出して(発注を済ませて)から能天気な意識CEOに結論と言い訳だけを報告した結果です。無意識部下と意識CEOの過去記事はもちら↓
脳は多党民主制、意識は脳テンキCEOその1+ブリュッセルのグルメ

A6荒ぶるビスケー湾はターナーの絵のような印象downsize
(荒ぶるビスケー湾はターナーの絵のような印象です)

「ヤル気スイッチ」を入れる脳内報酬系
「宿題やったらオヤツ」じゃないですが「ヤル気スイッチ」を入れる報酬系も脳にはあるようです。キライな科目の勉強は一向に進まないけど、好きなことなら楽しく頑張れる。理科小僧だった中学時代、元素周期律表は嬉々として丸暗記していたのに、漢字の書き取りはさっぱりダメで赤点ばかりでした。

B1避難するように入ったレストランのムール貝がうまいdownsize
(避難するように入ったレストランのムール貝が旨い、体が温まります)

「考え続ける」は脳にはツライ重労働
何か新しいことを考える、式での挨拶、詩、俳句、ギャグ、新規ビジネス、研究テーマ・・などなど、新しい思考は脳にはかなり負担のかかる“重労働”(酸素やグルコース消費が高まる)です。その上まだ成果は見えないし分らないのですぐに脳の「報酬」にならない。このままじゃ脳は辛いゾ!

B2やはりワインと牡蠣で前菜downsize
(やはり前菜はワインと牡蠣で・・・)

根拠のない「出来る感覚」の麻薬が努力を支える
じゃなぜ考え続けられるのか?そこで脳内報酬系は「僕は何かきっと新しいことを、答えを考え出せる」、「そんな気がする」、「いや、出来ると初めから判ってるんだから・・」と言う“まったく根拠のない感覚”としての「既知感」を生み出しているんじゃないか・・と。それを支えるのは脳内快感の素、ドーパミンが分泌です。

B3ようやく小降りの店先を観光客がちらほらdownsize
(ようやく小降りになった店先を観光客がちらほら行き交います)

「やる気」の素は「正解だったとき」の快感
知った時、当ったとき、分ったとき、正しかったとき、のドーパミンなどによる「快感の脳内感覚」を思い出せば考え続けるのを頑張れるわけです。

C1やがて陽が射し始めた午後の桟橋downsize
(やがて陽が射し始めた午後の桟橋の水面は鈍色です)

デジャブとジャメブ
だから「なぜか懐かしい、以前来たことがある?そうだ、ここ知ってるよ」のように「既知感」を生み出せるときは“初めての場所”でもデジャブ(既視感、déjà-vu)を感じ、無意識も含めて今までの記憶にないと「ここ知らんわ、さっぱり」とジャメブ(未視感、jamais vu)を感じることになります。

C2まだ不安な雲を背景に白壁が午後の陽に映えるdownsize
(まだ不安な雲を背景に白壁だけが午後の陽に映えています)

味や色も「出力」して思い出す
外界からではなく脳内からの「入力」も「感覚として出力」されます。なぜ「今見てる桃の花は桜より濃いピンク」と、あるいは「今日の味噌汁はいつもより塩味が濃い」などと判る(思う)のか?それは桜の視覚、味噌汁の味覚の記憶を引き出し比べているから。このとき桜のピンクやいつもの塩味を脳内に「感覚として出力」し“再度感じる”必要があります、つまりは脳内感覚らしいです。

C3夕刻の残照に教会のシルエットdownsize
(夕刻の残照に教会のシルエットが美しい、そろそろ駅に向かいましょう)

出典: “On Being Certain; Believing You Are Right Even When You’re Not” 「確信する脳; 『知っている』とはどういうことか」 2008年 Robert A. Burton氏著、岩坂彰氏訳(2010年 河出書房新社)
出典: 「脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説」2004年 前野隆司氏著、筑摩書房
出典: 「錯覚する脳―「おいしい」も「痛い」も幻想だった」2007年 前野隆司氏著、筑摩書房


アルカションってどこdownsize
(アルカションの場所)

↓良かったらクリックをお願いします


フィリピンの孤児たちを支援しておられるZenさんのブログです。
LIFE IS A TEST
そのために私たちが出来る支援としてZenさんのネットショップをご紹介します。何かご購入を頂ければフィリピンの孤児たちを支える力にもなります。
Zenさんのネットショップ「breakerbeat」

東松島市の仮設住宅の方々の工芸品ご紹介のブログにリンクしています
banner-himawari2.jpg

「東北関東大震災」支援クリック募金


スポンサーサイト

テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: No title

takako.t.maru様、訪問、コメントありがとうございます。同感です。私も「紫が似合うよ」の言葉の暗示?で、オジサンとしては分不相応に同じ紫色のTシャツ、靴下、ネクタイをいくつか買ってしまいました。「好き」「似合う」と思えばやがて様になるかも?と信じて着ています。

> 好きなものは変わらない。
> 既視感、既知感に安心する。
> 結局、居心地のよいところが好きである。
> 好きこそものの上手なれ。
> 好きな科目をのばしましょう。
> 長所をのばす。
>
> 「衝動買いは既知感のなせる技」
> まさにその通り。
> お家に帰って、同じようなものの山を発見するのよね。
>
> 一歩踏み出すにはどうしたらいいか?
> 自分を無意識のうちに操縦している自分から自由になるには
> どうしたらいいか。
> 教えて下さい。

Re: こんにちは バーソです。

バーソ様、コメントありがとうございます。ご興味を持って読んで頂きうれしいです。実は同じような経験があります。若い頃、「自分をビデオ撮影し取材している別の自分がいつもいる」と言う感覚がありました。幽体離脱ほどではないにせよ、意識ネットワークの発火が勢い余って時にタガが外れたのでしょうか?

> >「確かだと言える(思える)ときには、あなたは自分が正しいと信じている、
> >たとえあなたが間違っていたとしても」
>
> そうですね。思想家・政治家・宗教家は、正義とはこれこれだと言うかもしれませんが、
> 万人が等しく認める「絶対究極の正義」なんてものは、昔も今も未来もありません。
> 多くの人にとっては、自分が受け入れている「正義」が正義ということなんでしょう。
> 「『知ってるつもり』も実は感情」という言葉は面白いと思いました。
> 女性だけが感情の動物ではなく、人は皆、つまるところ感情の生き物なんでしょうかね(笑。
>
>
> >無意識部下(著者は「隠れ層」と呼ぶ)が緊急会議を開いて
>
> 面白い言い方ですね。ふだん「顕在意識」は氷山の一角のようになっていて、
> 海面下には実は、常時、膨大な「無意識」が働いているようですね。
>
> 私は小学生の頃、いつも自分が「いま思っていること(意識)」を
> 自分の中で客観的に見ている「別の思い(意識)」があることを意識することが多く、
> 一体、この別の「意識」は何だろうなあと不思議に思っていましたが(良心とは違う)、
> その「別の意識」は、中学の頃にはほとんど消えてなくなっていました。

No title

好きなものは変わらない。
既視感、既知感に安心する。
結局、居心地のよいところが好きである。
好きこそものの上手なれ。
好きな科目をのばしましょう。
長所をのばす。

「衝動買いは既知感のなせる技」
まさにその通り。
お家に帰って、同じようなものの山を発見するのよね。

一歩踏み出すにはどうしたらいいか?
自分を無意識のうちに操縦している自分から自由になるには
どうしたらいいか。
教えて下さい。

こんにちは バーソです。

>「確かだと言える(思える)ときには、あなたは自分が正しいと信じている、
>たとえあなたが間違っていたとしても」

そうですね。思想家・政治家・宗教家は、正義とはこれこれだと言うかもしれませんが、
万人が等しく認める「絶対究極の正義」なんてものは、昔も今も未来もありません。
多くの人にとっては、自分が受け入れている「正義」が正義ということなんでしょう。
「『知ってるつもり』も実は感情」という言葉は面白いと思いました。
女性だけが感情の動物ではなく、人は皆、つまるところ感情の生き物なんでしょうかね(笑。


>無意識部下(著者は「隠れ層」と呼ぶ)が緊急会議を開いて

面白い言い方ですね。ふだん「顕在意識」は氷山の一角のようになっていて、
海面下には実は、常時、膨大な「無意識」が働いているようですね。

私は小学生の頃、いつも自分が「いま思っていること(意識)」を
自分の中で客観的に見ている「別の思い(意識)」があることを意識することが多く、
一体、この別の「意識」は何だろうなあと不思議に思っていましたが(良心とは違う)、
その「別の意識」は、中学の頃にはほとんど消えてなくなっていました。

Re: No title

エヌエフ様、コメありがとうございます。同感です、でも老化じゃなくて年代差かも?です。最近気づいたことですが、昔に比べ見たいTVがゴールデン帯にありません。世間の興味やトレンドとズレてしまっているようで・・だからジェメヴ「そんなん、知らんわ」も増えつつあるこの頃のLevalloisbeeです。

> おはようございます。
> 興味深いお話、楽しく拝読させて頂きました。
> 若い頃はけっこうな頻度で顕われたデジャブ。
> なのに最近はジャメブばっかり。 これって脳の老化のひとつでしょうかね。年齢と供に経験(体験)してきた事は増えたハズなのに…^^;
> 「ジャメブ」という言葉は初めて知り勉強になりました。
> 今度どこかで使ってみよっと^^

No title

おはようございます。
興味深いお話、楽しく拝読させて頂きました。
若い頃はけっこうな頻度で顕われたデジャブ。
なのに最近はジャメブばっかり。 これって脳の老化のひとつでしょうかね。年齢と供に経験(体験)してきた事は増えたハズなのに…^^;
「ジャメブ」という言葉は初めて知り勉強になりました。
今度どこかで使ってみよっと^^
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する