かわいい肉食系、ヒドラは海の老舗 + ブルターニュの美しい島ベルイル

かわいい肉食系、ヒドラは海の老舗 + ブルターニュの美しい島ベルイル

ルパレ港入り江の跳ね橋downsize
(ベルイル島ルパレ港入り江の跳ね橋)

かわいい海の花、実は肉食系
肉食の花ヒドラの作り
≪肉食の海の花、ヒドラの体のつくり≫
ヒドラ(Hydra)(のポリプ体)は海の中に群れて咲く小さな花のような姿で色もピンク、クリーム色などとかわいいのですが、実はイソギンチャクなどと同じ刺胞動物(Cnidaria)のヒドロ虫綱(Hydrozoa)に属し、プランクトンなどを触手で捕まえて食べる「肉食系」です。


南ブルターニュの美しい島ベルイル
のどかに舫うヨットたちdownsize
(のどかに舫うヨットたち)
何のつながりもないのですが、フランス南ブルターニュのその名も美しい島ベルイルの未紹介の写真を添えています。

ベルイルの過去記事はここをクリック↓
南ブルターニュのその名も「美しき島」ベルイル フランス街歩き番外編




ヒドラはリバーシブルな生き物
ピンクヒドラのライフサイクル
≪ヒドラのライフサイクル≫
ポリプ体のヒドラといわゆるクラゲは、実は同じ生き物のライフサイクルの中の違った姿にすぎません。ちょうどお椀の蓋の「クラゲ」をひっくり返せば盃の「ポリプ」になるように。

プーレン岬の灯台downsize
(プーレン岬の灯台)

化学兵器ミサイル装備、刺胞から必殺の毒槍
ヒドラ(ポリプ体)の触手の先には刺胞細胞があり、獲物や敵が近寄ると素早く刺針を打ち込みそこから毒液を流し込んでマヒさせます。その発射速度は時速100km前後、ミクロの化学兵器ミサイルです。クラゲ体の触手も同じで「毒クラゲに刺される」とはこのミサイルを多数浴びることです。
水路を囲む街並みdownsize
(水路を囲む街並み)

はちみつの中を泳ぐヒドラたち
ミリ単位の体のヒドラが暮らすミリ、マイクロメートル・スケールの環境では水の粘性は格段に増し、僕たちヒトならまるで蜂蜜か溶岩のなかを泳ぐような世界だそうです。

海のバレリーナ、ヒドラの赤ちゃん
小さなバレリーナのような幼生
≪小さなバレリーナのようなアクチヌラ幼生のダンス≫
ヒドラの赤ちゃん、幼生(ベニクダウミヒドラのアクチヌラ幼生)は海を漂いやがて沈んで着底しポリプになります。幼生は、バレリーナやフィギュアスケート選手のように、その触手を伸ばしたり、縮めたりすることで落下速度をコントロールします。蜂蜜のような粘性の水の中では触手を伸ばした直径3mmで沈まず、たためば0.5mmになり沈むという絶妙なサイズです。うまくできていますね。

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カラフルな家並に囲まれた奥行が深い港の入江downsize
(カラフルな家並に囲まれた奥行が深い港の入江)

接着剤ミサイルでくっつく
触手の刺胞細胞は「攻撃兵器」だけではなくヒドラが物や生き物に付着するときに相手に粘液のカプセルを発射してアンカリングします。特殊部隊が鉤つき縄を打ち出して壁を登るようなもんです。
主人を待つワンちゃんみたいな漁船たちdownsize
(主人を待つワンちゃんみたいな漁船たち)

身内にはミサイル誤射しません
幼生が親ポリプから離れ広い海に出るとき親の群体の触手の“森”を通りぬけなければなりません。このとき親のポリプはエサと間違えて捕まえることはなく、子の幼生は親にはくっつきません。ヒドラはちゃんと親子同士が見分けて「ミサイル誤射」を避けているようです。
出航するヨットと巡視艇downsize
(出航するヨットと巡視艇)

脳がないヒドラの散在神経系に学ぼう
一見単純な構造で小さいのにこんなに複雑な行動ができるヒドラには神経系があります。さすがに中枢(つまり脳)はなく全体が1つのネットワークのようにつながった散在神経系です。だからネットワークの良いモデルかも、と研究するプロジェクトもあるそうです(ヒドラ・プロジェクト)。

5億年のロングセラー
ヒドラたち刺胞動物はこの地球上で5億年以上生き抜いて、なおかつ形やライフスタイルをほとんど変えていない、ヒコーキで言えばDC3のような生き物です。
ルパレ港の夕暮れdownsize
(ルパレ港の夕暮れ)

生き物の老舗、刺胞動物
銀座のど真ん中の創業何100年の店舗のように、まだ生き物の種類もまばらだった原生代からの生き残りで、これほど生き物が多様になりヒトが環境をかき回しても、ヒドラたちはのどかに、そしてしたたかに繁栄してきました。

ノーベル賞に輝くヒドラ
クラゲを一躍人気者にしたのは、下村脩博士がそこから緑色蛍光蛋白質(GFPを見つけノーベル賞につながったオワンクラゲですが、オワンクラゲもヒドラ(刺胞動物のヒドロ虫類)です。
キブロンとベルイルを結ぶ連絡船downsize
(キブロンとベルイルを結ぶ連絡船)

すてきな処女作
ヒドラだけを書いた本に出会い今回サイエンス小ネタにしてみましたが、どうです、面白いと思いませんか?著者山下桂司氏にとっての処女作だそうですが、ヒドラとの出逢い、ヒドラがミクロの生物学の事始めだったこと、昭和天皇のヒドラのご研究などのエピソードも面白く読みました。
この「岩波科学ライブラリー シリーズ生きもの」はポケットに入る科学読み物として面白そうなので別の本も読んでみたいと思いました。

ベルイル島とブルターニュの地図
(ベルイルの地図)

出典: 岩波科学ライブラリー シリーズ生きもの 「ヒドラ」 2011年 山下桂司氏著 (岩波書店)

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コメント

Re: タイトルなし

ヒドラ愛の妖精さま、著者の方からコメントを頂くとは大感激です!ひょっとしたら・・とは思ったのですが、まさかのうれしいビックリです。今は研究からも開発からも離れていますが、興味は生き物の様子を生で見ていた生物学科学生の頃に先祖帰りして色々と本を読んでは拙いブログを書いています。また楽しい本を書いてください。重ねてありがとうございました。

> 著者です。ありがとうございました^_^^_^。

著者です。ありがとうございました^_^^_^。

Re: お礼

ヒドラ愛の妖精さま、こちらこそコメントありがとうございます。お名前からしてヒドラや生きものがお好きな方かと存じます。私も生物屋でダイビングもやりますが、カラフルで姿形も豊かな海の中の小さな生き物たちが大好きです。たまたま書店で手にしたこの本がステキだなと思い記事にしました。拙いブログですが、生き物の記事をボツボツと書いてゆきたいと思います。

> ヒドラ本、楽しくご紹介いただきまして、本当にありがとうございます^_^。

お礼

ヒドラ本、楽しくご紹介いただきまして、本当にありがとうございます^_^。
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