見ているのに意識できない視覚 + 南仏ニース番外編

見ているのに意識できない視覚 + 南仏ニース番外編
洒落た白いホテルにシュロが似合うdownsize
(洒落た白いホテルにシュロが似合うニースの海岸通り)

知るために見るか、行動するために見るか
眼からの光刺激が脳の中を伝わってゆく主なルートには「知覚のための視覚の腹側経路(ventral pathway、腹側皮質視覚路)」と「行為のための視覚の背側経路(dorsal pathway、背側皮質視覚路)」の2つがあり、この2つは違うけどどちらも大事らしい・・・と言うのが今回のサイエンス小ネタです。
2つの視覚経路
(2つの視覚経路)

一味違う静かな冬のニース番外編
さまざまなパステル色の街並みREVdownsize
(さまざまなパステル色の街並みが美しいハーモニー)
写真がないネタにつき南仏ニース(Nice)のまだご紹介していない写真を添えています。冬のシーズンオフはヴァカンスとは一味違う静かなニースです。

ニースの過去記事はここをクリック↓
ベルエポックが静かに香る冬のコートダジュール、ニースとカンヌ





ピンクの街並みに丸い街灯が柔らかな印象を与えるdownsize
(ピンクの街並みに丸い街灯が柔らかな印象を与えています)
安全に道路を渡るための視覚
「青信号になった」渡り始めると「あ、左折車が来る」と足を止め注意するとか、「あ、社長が入ってきた」「部長が何か言いそう」と会議室の空気読むなど、状況を把握したり人の動きに気付いたりするのは「知覚のための視覚」で意識に登り記憶にも残ります。

鍵を開けるための視覚
一方、コップを取り上げる、鍵を挿してドアを開ける、もう少し複雑なものならネギをみじん切りにする、スキーでこぶを超えるとか、慣れればほとんど無意識に出来るけど目をつぶっていては出来ない。これが「行為のための視覚」です。
路地から路地へ人が行き交う旧市街の街角downsize
(路地から路地へ人が行き交うニース旧市街の街角)

意識できない視覚
2つの視覚を比べると<その1>
(2つの視覚を比べてみる<その1>)
そしてこの「行為のための視覚」は無意識部下がちゃんとやってしまうし、いちいち報告もしないので意識CEOは与り知らない「無意識の視覚」です。

意識CEOと無意識部下のお話の過去記事はここをクリック↓
脳は多党民主制、意識は脳テンキCEOその1+ブリュッセルのグルメ

天使が踊る街角の薬局downsize
(天使が踊る街角の薬局)

「エアー」動作は遅くて不正確
まずコップに水をそそいでもらい、数秒後コップを片付けて「エアー水入れ」をパントマイムでやってもらって両者を比べると、「エアー」の方は空間位置が不正確な上に動作も遅いそうです。
面白そうなら続きをどうぞ・・・


ベランダの装飾を競い合うニース市街downsize
(ベランダの装飾を競い合うニース市街)
「エアー」は意識CEOの慣れない物まね
おしゃべりしながらでもこぼさず水をそそげる、これは「行為の視覚」による無意識部下の正確なルーチン、一方、「エアー」は思い出しながら「知覚の視覚」で意識CEOがやるから下手なのです、部下が留守で部長がコピーを取るようなもん。この「エアー」、パントマイムを無意識ルーチンのように正確に再現できるから「が~まるちょば」さんなどの技はスゴイのですね。

肌理の細かいオークルの壁downsize
(肌理の細かいオークルの壁が繊細なディテールを引き立ててます)
注意を払うものを見逃さないための視覚
赤信号で突っ込んでくる車に気付く。サルならおいしい果実を見つける、ヒョウの影に気づいて逃げるなど、「知覚のための視覚」は周囲の風景から“注意を払うべきもの”を見つけ出して気付くための視覚です。興味あるものだけに注意を集中する、多少位置情報が不正確でも全体の中での変化を見逃さないための視覚です。

ニースの建物はレリーフが豪華で美しいdownsize
(ニースの建物はレリーフが豪華で美しい)
自動的、正確無比、リアルタイムな視覚
サルはヒョウも去ったので揺れる枝先の果実に手を伸ばして食べます。このとき働くのは「行為のための視覚」で、自動的、正確無比、リアルタイム3次元座標で物を捉えます、まるでミサイルのセンサーみたいに。ツバメなら空中の虫をキャッチするとか・・です。

市場の隅でリキュール入りの甘いビールを1杯downsize
(市場の隅でリキュール入りの甘~いビールを1杯!)
リアルタイムの視覚だから記憶出来ない
日常無意識に行う馴れた動作はたくさんありいつも何かをやっています、ドアを開ける、コップを持つ、靴ひもを結ぶなど。考えなくても正確に行うにはリアルタイムで常に視覚情報を更新する必要があります。動作中は刻々空間位置が変わり1秒前の情報は役立たないので覚えているメリットがない。

こんなところにサムライがdownsize
(おや、こんなところにサムライが・・・)
いつもと違う“想定外”なら記憶になる
だから鍵がかかってドアが開かない、コップを落とした、などいつもと違うことだけをエピソード記憶として覚えておく方が効率がいいからでしょう。

シュロの樹と小さな教会downsize
(シュロの樹に飾られた小さな教会)
全部見えていたら食事も出来ない
そもそも「見えているもの(眼が感じる光刺激)」すべてを「意識」していませんし、出来ません。もし全部意識していたら食事にも会話にも集中出来なくなります。「知覚のための視覚」も今視野の端に何があったかは知りません、何事もなければ。

青い日除けが粋なアパルトマンdownsize
(青い日除けが粋なアパルトマン)
知覚の視覚は意識できるからテキトーなんです
記憶に残るし意識できるけど、錯覚(錯視)など騙されるは、いい加減だし、位置情報も不正確な視覚が腹側経路の「知覚のための視覚」で、意識CEOが唯一知ってる「見えてる視覚」です。錯覚の大切さのお話はまたいつか・・・。

寡黙、正確無比、ゴルゴのような視覚
2つの視覚を比べると<その2>
(2つの視覚を比べてみる<その2>)
一方、ゴルゴ13の射撃みたいに無意識部下が黙々と正確無比に行為を行うための背側経路の視覚はリアルタイムゆえ一瞬のもの。だから意識CEOにいちいち報告しないし、「意識も記憶もされない視覚」です。でもこれ日常とっても大事でこれがないと鍵も開けられません。
2つの視覚が揃って初めてヒトもツバメさんやサルさんも生活していけると言うことのようです。


脳はさまざまに光の情報を使っている
眼からの外界の光(電磁波)刺激の入力情報を処理し利用する仕掛けはいくつもあるようで、ここで紹介の2つ以外にも体内時計の時刻合わせを行う光感覚などがあります。
青い光による体内時計合わせの過去記事はここをクリック↓
青く輝くカプリ島青の洞窟と青い光が時計を合わせる第三の視覚

出典: 「もうひとつの視覚」”Sight Unseen” 2004年 Melvyn Goodale氏、David Milner氏共著、鈴木光太郎氏、工藤信雄氏共訳(2008年、新曜社)
出典: 「確信する脳; 「知っている」とはどういうことか」”On Being Certain; Believing You Are Right Even When You’re Not” 2008年 Robert A. Burton氏著、岩坂彰氏訳(2010年 河出書房新社)


Wikipediaにも載っています
腹側皮質視覚路
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%B9%E5%81%B4%E7%B5%8C%E8%B7%AF
背側皮質視覚路
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%8C%E5%81%B4%E7%9A%AE%E8%B3%AA%E8%A6%96%E8%A6%9A%E8%B7%AF

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コメント

Re: 楽しいですね

lakmeさま、リンク光栄です。こちらからもリンクさせていただきました。
ヒコーキや絵が好きなこともあり実は色彩や視覚にはずっと興味がありときどきブログネタにしておりますので、おほめ、うれしいです。

> こんな風に解説してもらえると楽しいです。しかも、ニースの写真入りですから(笑)
>
> すみません、サイトをリンクさせていただきました。これからも訪問させていただきます!

楽しいですね

こんな風に解説してもらえると楽しいです。しかも、ニースの写真入りですから(笑)

すみません、サイトをリンクさせていただきました。これからも訪問させていただきます!
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